C04悩み解決
シニア期のフケ|若い頃と同じケアでは追いつかない
ブラシを1往復させただけで、ブラシの目のあいだに白いフケが溜まっていました。11歳の背中に当てていたのは、10年前に買ったのと同じブラシ、同じ持ち方、同じ力、同じ速さです。シニア期に入ってフケが増えたとき、変えるものとして真っ先に挙がるのはシャンプーや部屋の湿度ですが、この家で10年動いていなかったのは飼い主の手のほうでした。道具でも頻度でもなく、力と速さから組み直します。
10年分の経験が、そのまま手の力に残っている
ブラシは10年前に買ったものを、まだ使っています。持ち方も同じです。親指の付け根で柄を押さえ、手首を返して、背中を首から腰へ1往復。11歳になった今も、その1往復にかかる時間は変わっていません。変わったのは、1往復のあとにブラシへ残るものだけです。白いフケが、目のあいだにびっしり溜まるようになりました。
フケが増えたとき、まず疑われるのはシャンプーの回数と部屋の湿度です。どちらも本当に関係があります。洗いすぎは地肌の乾燥につながりますし、湿度が下がる時期にフケが目立つのも事実です。ただ、その2つを直しても変わらない家があります。そういう家では、飼い主の手だけが10年前のまま止まっています。
経験は、手の速さとして体に残ります。10年ぶんの経験があるほど、考えずにブラシが動きます。考えずに動くというのは、力も速さも去年とまったく同じだということです。その子は10歳になったのに、飼い主の手は10年前のまま。シニア期のフケで、いちばん見落とされている条件がここです。犬でも猫でも変わりません。
気づく場面は、たいてい手元ではなく道具の側にあります。ブラシの目に残る白い粉の量、コームを傾けたときに落ちてくるもの、黒い服の膝に散る粉。自分の手の力を、自分の感覚で測ることはできません。だから、道具に残ったもので測ります。フケは、その日の手の強さが目に見える形で出たものだと考えてください。
猫のブラッシングは犬より短時間で終わるぶん、1往復の速さが出やすくなります。シニア猫の背中で、若い頃と同じ速さでコームを引いていないかを確かめてください。見るのは抜ける毛の量ではなく、コームを止めたときに地肌へ白い粉が浮くかどうかです。
シニア期のフケが出る背景に、皮膚の厚さの変化がある
年齢とともに皮膚は薄くなり、うるおいを抱えておく力も落ちます。ここまではよく言われることで、実際に起きていることでもあります。ただ、それだけでは「去年までは同じブラッシングでフケが出なかった」という事実の説明がつきません。皮膚が薄くなることと、フケが出ることのあいだには、もうひとつ挟まっているものがあります。ブラシが地肌に当たる強さです。
| 見るところ | 若い頃 | シニア期 |
|---|---|---|
| 皮膚の厚さ | 厚みがあり、ブラシの先が届いても押し返す | 薄くなり、同じ深さまで先が入る |
| 皮脂の量 | 被毛の上に膜として残り、ブラシがすべる | 減って、ブラシが直接地肌をこする |
| 毛の密度 | 密で、ブラシの先が地肌まで届きにくい | 抜けて減り、先が地肌に当たる |
| 1往復の速さ | 速く引いても、毛の層が受け止める | 同じ速さが、そのまま地肌への刺激になる |
4行のどれも、飼い主が変えたものではありません。それでも4行が重なると、同じ道具・同じ力・同じ速さの1往復が、まったく違う刺激になります。フケは、その刺激を受けた地肌の表面が、いつもより早く剥がれ落ちてきたものとして見えています。被毛の側の問題に見えて、起きているのは地肌の側です。
理由がここにあると分かると、手の打ち方が変わります。ブラシを買い替えても、力と速さが同じなら結果は変わりません。頻度を週3回から週1回へ減らしても、1回あたりの刺激はそのままです。変えるのは道具でも頻度でもなく、力と速さです。
むしろ、洗いすぎを気にして間隔をあける家ほど、1回のブラッシングに時間をかけます。溜まった抜け毛をまとめて落とそうとして、自然に力が入ります。間隔をあけたことが、1回の刺激を強めていることがあります。フケの量が週の後半に増えるなら、この形になっていないか確かめてください。
うるおいの話をするなら、この順番のあとです。湿度を上げる、洗いすぎの間隔を見直す、被毛の表面を整える。どれも意味のあることですが、地肌が毎回こすられている状態のままで足しても、フケの量は変わりません。先に刺激を減らし、そのあとで環境をそろえます。
皮膚が何ミリついてくるかで決める理由と、その測り方
力と速さを言葉で決めても、その子に合っているかは分かりません。「やさしく」「ゆっくり」では、去年より弱くなったかどうかを比べられないからです。数字で見られる場所がひとつあります。ブラシを引いたとき、地肌が何ミリ持ち上がってついてくるかです。
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背中の真ん中で、ブラシを1センチだけ引く
首から腰へ向かって、ゆっくり1センチ動かします。このときブラシの先ではなく、ブラシのすぐ後ろの地肌を見てください。被毛を左右に分けて、地肌が見える状態にしてから始めます。
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地肌がどれだけ引っぱられているかを見る
皮膚が2〜3ミリついてきて、ブラシが離れると戻る。ここが目安です。5ミリ以上引っぱられているなら、力が強すぎます。逆にまったく動かないなら、毛の表面をなでているだけで、抜け毛は落ちていません。
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力ではなく、角度を変えて調整する
力を弱めようとしても、途中で元に戻ります。ブラシを寝かせて、地肌に対する角度を浅くするほうが安定します。直角に近いほど先端が地肌に刺さり、同じ力でも刺激が強くなります。
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速さは「1往復に3秒」から始める
1秒で引いていたところを3秒にします。速く引くと、地肌が引っぱられてから戻るまでの時間が足りません。ゆっくり引けば皮膚が追いつき、同じ本数の抜け毛を落としても地肌に残る刺激が減ります。
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1週間、同じ場所で測って記録する
背中の同じ場所で、何ミリついてきたかを毎回書きます。その子に合う力は、体重でも被毛の長さでもなく、この記録でしか決まりません。数字にしておくと、家族の誰がやっても同じ強さに近づきます。
この測り方をすすめる理由は、飼い主が自分の力を自分で測れないからです。手の感覚はその日の疲れで変わり、急いでいる日は自然に速くなります。地肌が何ミリついてくるかなら、その日の手の状態がそのまま数字に出ます。感覚を鍛えるのではなく、外に物差しを置くという考え方です。
地肌に浮いた白いものを、その場で全部落とそうとしてブラシを重ねると、力も回数も増えます。1か所につき1往復までにしてください。残ったものは、次の日に落ちます。1回で終わらせようとすることが、シニア期にはいちばん強い刺激になります。
力と速さを戻さないための、これからの考え方
力と速さを変えると、フケは1〜2週間で目に見えて減ることがあります。問題は、そのあとです。減ったことで安心すると、手は自然に元の速さへ戻ります。10年ぶんの経験のほうが、2週間の新しいやり方より強いからです。戻らないようにする仕掛けを、動作の外側に置いておきます。
- ブラシを当てる前に、3秒数える:速さを落とすきっかけを、手の感覚ではなく手順のほうに置きます
- 終わりにブラシの目を見る:白い粉が増えていたら、その日の力が戻っています。毎回1秒で確かめられます
- 月に1度、背中の同じ場所を撮る:地肌の色と、粉の量を写真で比べます。少しずつ進む変化は記憶では追えません
- 家族で力の決め方を共有する:人が替われば速さも替わります。「2〜3ミリまで」と数字で渡します
- ブラシを置く場所を変えない:道具を探す時間があると、そのぶん急いで済ませようとします
考え方として持っておきたいのは、その子の年齢が上がるたびに、手も同じだけ変えるということです。11歳の背中には11歳の力、13歳の背中には13歳の力があります。1年ごとに測り直せば、ずれは大きくなりません。逆に、5年ぶんまとめて直そうとすると、どこまで弱めればいいのかが分からなくなります。
湿度や洗いすぎの見直しは、このあとに重ねます。地肌が毎回こすられていない状態になってから、乾燥する時期に部屋の湿度を上げる、洗う間隔を1週延ばす、と1つずつ足していきます。順番が逆だと、湿度を上げてもフケは減りません。効いたかどうかを判断できる状態を先につくる、という考え方です。
それでもフケが減らないとき、あるいはフケと一緒に赤み、脱毛、かさぶた、においが出ているときは、力と速さの話ではありません。地肌に別のことが起きています。自己判断でブラッシングを続けず、動物病院にご相談ください。シニア期は変化がゆっくり進むぶん、月に1度の写真と、何ミリついてきたかの記録が診察でそのまま役に立ちます。
この記事でずっと数えてきたのは、地肌に何かが当たった回数と、そのときの強さでした。ブラシを1往復させれば、そのぶん地肌はこすられます。回数を増やさずに、地肌の側にも毎日手を置いておこうとすると、こすらない触り方が1つ要ります。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、成分を足して働きをつくった作りではありません。11歳の地肌に何かを1つ増やすというより、水を1つ置く、という考え方に近いものです。ブラシを置いたあと、地肌が2〜3ミリついてきた場所にだけ、布へ含ませて当てて、そのまま離します。動かさないので、1か所1往復までという数の中には入りません。月に1度、背中の同じ場所を撮る日は、撮ってから当ててください。
力と速さを直した最初の2週間は、ブラシの目に残る粉の量で結果が見えます。そのあとに残るのは、毎日1か所だけ地肌を見るという、30秒に満たない習慣のほうです。1年続けると、11歳の背中と12歳の背中で何ミリついてくるかが違うことに、写真を見返さなくても気づけるようになります。シニア期のフケで家が持てるものは、フケの量そのものではなく、この差に気づける手のほうです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
