C04悩み解決

かゆみが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える

公開日 2024年9月9日|文=mofuwa編集部

明るい床の上で、後ろ足を上げて耳の後ろをかいている犬
かゆみの犬種差は、後ろ足や口がどこまで届くかという体の作りの差として表れます。写真:https://kaboompics.com//Pexels

後ろ足が耳の後ろまで届く子と、届かない子がいます。届く子は、かゆみが出たときに音を立てて掻きます。届かない子は掻けないので、壁や家具の角、床、飼い主の足に体をこすりつけます。かゆみの犬種差として語られてきたものの中身は、多くがこの差です。同じかゆみでも、掻く子とこすりつける子では、家で見つけるときの手がかりが逆になります。この記事は犬種の名前を使わずに、届く範囲の条件を数える形で進めます。

かゆみの犬種差は、後ろ足が耳に届くかどうか

かゆみは、体のどこにでも起こります。ところが「掻く」という行動は、足や口が届く範囲でしか起こりません。ここが、かゆみの犬種差として語られてきたものの正体です。同じ強さのかゆみが背中の真ん中に出ても、口が背中まで回る子はその場で処理し、回らない子は別のやり方に切り替えます。飼い主が気づくかどうかは、この切り替えのあとで決まります。

届く範囲を決めているのは、次の要素です。犬種の名前ではなく、その子の体で1つずつ確かめられるものだけを並べています。混血でも、猫でも、同じように数えられます。

届かない場所にかゆみが出たとき、その子は掻くのをあきらめるわけではありません。体を何かに押しつけて、動かします。壁の同じ高さ、家具の角、ソファの縁、テーブルの脚、そして飼い主の足。掻く動作が「上から下へ」なのに対して、こすりつける動作は「前後」です。残る跡も、気づき方も、ここから変わります。

Note猫は、届く範囲が犬より広い

猫は首の回る角度が大きく、後ろ足も高く上がるので、背中の真ん中を除けばほとんどの場所に届きます。猫でこすりつけが出るのは、肩甲骨のあいだと腰の上に絞られます。この2か所を家具の角にこすりつけている猫は、かゆみとして数えてください。

掻く子とこすりつける子|かゆみの比較表

同じかゆみが、2通りの形で出ます。比較するときに大事なのは「どちらが強いか」ではありません。どちらの形で出ているかによって、家で拾える手がかりが入れ替わることです。

掻く子とこすりつける子の比較|同じかゆみでも手がかりが入れ替わる
掻く子こすりつける子
最初に気づくきっかけ音。後ろ足が床を叩く音、首輪の金具が鳴る音場所。壁の同じ高さや家具の角に、毛やあとが残る
かゆみが出ている場所耳の後ろ、首、わき、内股。足と口が届く範囲背中の真ん中、肩甲骨のあいだ、腰。足も口も届かない範囲
皮膚と被毛に残るもの線状の掻き傷、点で毛が抜ける、爪の先に毛がつく毛の流れが乱れる、毛先がつぶれてテカる、うるおいのない毛先が折れる
気づきやすい時間帯夜。家が静かになると音で分かる時間帯では分からない。掃除のときに気づく
見落としやすいところ音が出ない短い掻き方は、回数に数えられない遊び・甘え・マーキングと区別がつかない
家でまずやること掻いた時刻と場所を書き出すこすりつけた場所に印をつけ、床からの高さを測る
ブラッシングで分かること掻いた場所の毛が短く切れている毛の流れが一方向に寝ている、または逆立っている

表の右の列が読みにくいのは、こすりつける動作がかゆみ以外の理由でも起こるからです。においをつける、甘える、体をほぐす。どれも同じ動きに見えます。区別する手がかりは、あとの見分け方のところでまとめます。

うちの子はどっち?届く範囲を4つ数える

犬種の名前で調べると、同じ名前の中に幅があることが抜け落ちます。同じ犬種でも、脚の長さや首の太さには個体差があり、混血の子はどこにも当てはまりません。そこで、体で確かめられる4つの条件を数えます。どっち寄りかは、この数で決まります。落ち着いているときに、体をなでるついでに1つずつ試してください。

届く範囲を数える4つの条件
確かめること見るところ届いた場合
後ろ足を上げて、耳の後ろに届くか掻く動作をしたときの後ろ足の先掻く子寄りが1つ
首をひねって、口が背中の真ん中に届くか毛づくろいやグルーミングの姿勢掻く子寄りが1つ
肩越しに、自分の腰が見えるところまで首が回るか呼んで振り向いたときの首の角度掻く子寄りが1つ
後ろ足で立ったまま、5秒以上掻き続けられるか掻きはじめてからやめるまでの秒数掻く子寄りが1つ

この数え方にしているのは、犬種差という言葉を、その子の体に翻訳しておきたいからです。年齢が上がると、この数は減ります。関節が硬くなり、首が回りにくくなり、後ろ足で立つ時間が短くなるからです。去年は掻いていた子が、今年はこすりつけているということが起こります。1年に1回、同じ4つを数え直してください。

見分け方が逆になる|音と傷か、場所と毛の乱れか

かゆみの見分け方は、掻く子とこすりつける子で入れ替わります。掻く子に使う手を、こすりつける子にそのまま当てると、何も見つかりません。逆も同じです。

こすりつけを、においつけや甘えと区別する手がかりは3つあります。同じ場所をくり返すか、何かのあと(食後・散歩後・入浴後)に決まって出るか、途中で止められても数分後に再開するか。3つのうち2つが当てはまるときは、かゆみとして数えてください。においつけは場所が広がり、甘えは声をかければ終わります。

Cautionこすりつけは、かゆみとして記録されにくい

動物病院で「掻いていますか」と聞かれて、こすりつける子の飼い主は「いいえ」と答えてしまうことがあります。そのぶん、相談が遅れます。こすりつけている場所と時間帯を書いたメモを持っていくと、この行き違いは起きません。壁のあとを写真に撮っておくのも有効です。

届かない場所のケアの選び方

手当ての選び方も、2通りに分かれます。判断の基準は「その場所に、その子の口と足が届くか」の1点です。

届かない場所のケアは、その子が自分でできないぶん、頻度ではなく確実さで決めます。毎日たくさんやる必要はありません。1日1回、必ず同じ場所を見る。これだけで、こすりつける子の変化は2週間あれば見えるようになります。

Caution早めに動物病院へ相談したいサイン

掻く時間が1回30秒を超える、声をかけても止まらない、眠っているあいだも掻いている、皮膚に血がにじんでいる、同じ場所の毛が抜けて地肌が見える、こすりつけが1日に何度も出る、食欲や元気が落ちている、片側にだけ出ている。いずれかに当てはまるときは、家で様子を見ずに動物病院にご相談ください。掻いていなくても、こすりつけが続いているときは同じ扱いです。

体の作りで説明がつかない変化もあります。届く範囲は数か月で変わりません。去年まで何ともなかった場所に、今年になって急に出たのなら、その理由は体の外にあります。部屋、寝床、洗い方、食べもの、季節。どれかが変わっていないかを、思い出せる範囲で書き出してから相談してください。

背中の真ん中と肩甲骨のあいだは、その子が壁や家具の角に体を当てて済ませている場所です。どこに何回当てたかは、こすりつけた本人も、横で見ていた飼い主も数えていません。だから、ここに置くものは毎日ぶんを先に決めておきます。背中に置くものを、清涼飲料水の規格基準を通っている電解水100%かどうかで選ぶと、mofuwa スキンケアミストが残ります。こすりつけたあとの背中は、そのまま床に横になる面で、次に口が回ったときになめる面でもあります。布に含ませて、毛を分けて地肌を出したところへ、指の腹でなじませてください。地肌に赤みや傷が出ている場所は避けます。

届く範囲は数か月では変わらないので、見る場所も来年まで同じです。1日1回、背中の真ん中、肩甲骨のあいだ、腰の順で毛を分ける。この順番だけは季節が変わっても崩さないでください。半年続けると、こすりつけが増えた週に、寝床の布を替えた日や部屋の乾き方が重なっていたことを、記録を見返さなくても思い出せるようになります。かゆみの犬種差は変えられませんが、気づくまでの日数のほうは、この順番で短くできます。

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よくある質問

犬種の名前で調べたほうが早くありませんか?
同じ犬種の中にも、脚の長さや首の太さには幅があります。混血の子は、どの名前にも当てはまりません。届く範囲を4つ数えるやり方なら、名前が分からない子でも当てはめられますし、年齢とともに数が減っていくことも記録できます。犬種差を否定しているのではなく、その子の体に翻訳して使うという考え方です。
こすりつけているだけで掻いていないときも、記録したほうがいいですか?
してください。こすりつけは、届かない場所のかゆみが出ている形です。同じ場所をくり返す、何かのあとに決まって出る、止めても再開する。この3つのうち2つが当てはまるなら、掻いているのと同じ扱いで記録して構いません。壁のあとの写真と、床からの高さのメモが役に立ちます。
高齢になってから、かゆみの出方が変わることはありますか?
あります。関節が硬くなると首の回る角度が減り、後ろ足で立つ時間も短くなるため、掻く子だった子がこすりつける子に移ります。かゆみが減ったのではなく、形が変わっただけということが起こります。1年に1回、4つの条件を数え直してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。