C04悩み解決

皮膚の乾燥のケアで、実は逆効果になっている3つのこと

公開日 2024年9月23日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のブランケットの上に寝ている猫
皮膚の乾燥では、足した水分が蒸発するときに元からあった分まで持っていきます。写真:Betül Şengel/Pexels

濡れタオルで拭いたあとそのままにしておくと、拭く前より皮膚が乾きます。足した水分が蒸発するとき、元からあった分まで一緒に持っていくからです。皮膚の乾燥のケアでやってはいけないことが3つありますが、どれも同じ形をしています。保湿のためのものを重ねて塗る、加湿器を体のすぐ近くに置く、濡れタオルで拭いてそのままにする。足すほど乾く手を外して、代わりに「逃げる速さを落とす」側へ置き換えます。

足した水分は、乾くときに元の分まで連れていく

水が液体から気体に変わるとき、まわりから熱を奪います。濡れた手をふらずにおくと冷たくなるのは、これが起きているからです。皮膚の表面で同じことが起きると、熱と一緒に、そこにあった水分も動きます。足した水は表面から抜けていきますが、抜けるときに、地肌の側にあったうるおいまで引っぱり出します。だから、足した直後はしっとりして見えて、30分後には足す前より乾いた状態になります。

皮膚の乾燥で家がやりがちなことは、ほとんどが「水分を足す」形をしています。足りないものを足す、というのは自然な発想です。ところが皮膚は、水を上からかけて吸わせる作りになっていません。うるおいは、外から足すものではなく、逃げる速さで決まっています。被毛のある動物では、この差がさらに大きくなります。毛の中に湿った空気がとどまると、そこから乾く時間が長く続くからです。

水分を足したあと、皮膚の表面で起きていること
家でやりがちなこと5分後30分後
濡れタオルで拭いて、そのままにする表面が濡れている。触ると冷たい拭く前より乾いている。毛の根元だけ湿りが残る
水分の多いものを重ねて塗るしっとりして見える重ねた分だけ蒸発し、下にあったうるおいも一緒に減る
加湿器を体のすぐ近くに置く毛の表面が湿る吹き出しの風で乾き、毛の中の温度が下がる
風呂上がりに自然乾燥にする毛が重く、体は冷えていない地肌まで乾ききらず、乾いた場所と湿った場所が混ざる
Note湿度は「部屋」の話、うるおいは「皮膚」の話

部屋の湿度が上がることと、その子の皮膚のうるおいが増えることは、同じではありません。部屋の湿度は、皮膚から水分が逃げる速さを決めるだけです。速さを落とすことはできますが、外から水を入れることはできません。この違いを押さえておくと、3つのやってはいけないことが同じ形に見えてきます。

やってはいけない3つは、どれも水分を足している

ここからが本題です。皮膚の乾燥のケアでやってはいけない3つを、順番に見ていきます。3つとも、悪気なく、むしろ丁寧にやっている家ほど起こります。

1つめは、保湿のためのものを重ねて塗ることです。朝に塗り、昼に足りない気がしてもう一度塗り、夜にもう一度。塗るたびに水分が乗って、そのたびに蒸発します。乾いた場所を見つけて足す、という進め方をしていると、1日のうちに何度も同じことをくり返します。塗ったあとに毛が固まって見えたり、白く粉のようなものが浮いたりするのは、重なっているサインです。使うなら、朝か夜のどちらか1回に決めてください。

2つめは、加湿器を体のすぐ近くに置くことです。寝床のとなりに置くと、部屋の中でいちばん湿った空気がその子に当たります。ところが加湿器は、湿った空気を「風」で送り出します。風が当たっている面は、湿度が高くても乾きます。湿った風は、乾いた風より速く体温を下げます。近づけるほど効くように思えますが、寝床が吹き出しの延長線上にあるときは、離したほうが結果が良くなります。

3つめは、濡れタオルで拭いて、そのままにすることです。散歩から帰ったあとの足先、食後の口まわり、おしっこがついたおしり。どれも濡らしたまま終わっています。拭いた面積が小さいので気づきにくいのですが、足先や口のまわりは、もともと皮膚が薄くて乾きやすい場所です。ここに水を置いて放っておくと、乾燥が最初に出る場所と、拭いている場所がぴったり重なります。

Caution回数を増やしても、うるおいは増えません

うまくいかないとき、多くの家は回数を増やします。塗る回数、拭く回数、加湿器を動かす時間。ところが3つとも、増やすほど蒸発の回数が増えます。回数を増やす前に、いま何回やっているかを1日だけ数えてみてください。思っているより多いはずです。

代わりの手順は、逃げる速さを落とす側に置く

足す手を外したあと、何もしないわけではありません。置き換える先は「逃げる速さを落とす」方向です。家でできることは3つあります。順番に意味があるので、上から進めてください。

  1. 風が当たっている時間を減らす

    エアコンの吹き出し口の延長線上から、寝床をどけます。加湿器も同じで、部屋の真ん中に置いて、寝床から2メートルは離してください。部屋全体の湿度は40〜60%を目安にします。窓ぎわのすきま風、扇風機やサーキュレーターの向きも同じ扱いです。1日のうち何時間、その子の体に風が当たっているかを、まず数えてください。

  2. 濡らしたら、そのつど最後まで乾かす

    全身のシャンプーだけの話ではありません。足先を拭いた、口のまわりを拭いた、おしりを拭いた。そのすべてが対象です。拭いたら、乾いたタオルでもう一度押さえて水分を移し、毛を分けて地肌まで乾いたか確かめます。ドライヤーを使うときは、体から30センチ以上離して、同じ場所に3秒以上当て続けないでください。

  3. 触る回数ではなく、こする動きを減らす

    皮膚の表面をこする動きは、うるおいを保っている層を薄くします。ブラッシングは1日1回、毛の流れに沿って、力を抜いて。なでる回数は減らさなくて構いません。減らすのは、往復してこする動きのほうです。ブラシは、地肌に当たったときに痛くないものを選んでください。

この3つは、どれもその子の体に何かを足していません。足さないぶん、変化が出るのに時間がかかります。1日や2日では分かりません。写真を週に2回、同じ場所・同じ明るさで撮っておくと、2週間後に比べられます。比べる場所は、毛を分けて地肌が見えているところにしてください。毛の表面のつやは、部屋の明るさで変わってしまいます。

Point洗いすぎは、風と同じ働きをします

洗う回数が多いと、うるおいを保っている層が薄いままになり、そこから逃げる速さが上がります。乾燥が出ているあいだは、洗う間隔を今までより広げてください。間隔を広げた週も、汚れが乗りやすい足先・口のまわり・おしりだけは拭いてください。拭いたら、そのつど乾かすところまでをひと続きにします。

毎日の頻度は、どこまで落としていいか

つまずくのは、たいてい頻度のところです。やってはいけない3つを外したあと、「では何回やればいいのか」が決まらないと、また回数の話に戻ってしまいます。乾燥が出ているあいだの目安を、家でできる形で置いておきます。

皮膚の乾燥が出ているあいだの、毎日の頻度の目安
やること頻度やりすぎのサイン
全身を洗ういつもより間隔を広げる。次に洗う日を決めておく洗った翌日に粉が出る、洗った直後にかゆがる
部分を拭く(足先・口・おしり)汚れたときだけ。拭いたら必ず乾かす1日に4回以上拭いている、拭いた場所だけ乾いている
ブラッシング1日1回。毛の流れに沿って、力を抜く抜け毛より先に、地肌が赤くなる
保湿のためのものを使う朝か夜のどちらか1回毛が固まる、白く粉のようなものが浮く
加湿器部屋の湿度が40〜60%に収まる範囲で寝床のまわりだけ湿っている、床が濡れている

表のとおりに2週間続けて、記録を並べてみてください。比べるのは、粉の量ではなく「粉が出ている範囲」です。範囲が狭くなっていれば、そのまま続けて構いません。同じなら、風の当たっている時間をもう一度数え直します。広がっているなら、家のやり方の外に理由があります。

うるおいの話にできるのは、ここまでです。家でのやり方を変えても2週間で範囲が広がっているとき、または次のサインが出ているときは、動物病院にご相談ください。皮膚の乾燥は、家庭のケアで扱える範囲と、そうでない範囲がはっきり分かれています。

Caution家のやり方の話ではなくなるサイン

地肌が赤い、黒ずんで厚くなっている、かさぶたやただれがある、毛が抜けて地肌が見える範囲がある、粉が急に増えた、かゆがって眠れていない、体の片側にだけ出ている、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家で様子を見ずに動物病院にご相談ください。受診の前に、家で使っているものと、それを変えた日をメモしておくと診察が早く進みます。

足先と口のまわりは、洗う間隔をどれだけ広げても、拭く回数だけは減らせない場所です。地面に近く、食べたものが当たり、その日のうちに何度も汚れが乗ります。洗う頻度の話とは別に、この2か所だけは毎日手が入ります。だから、そこに毎日置くものを1つ決めておくほうが、結局は早く済みます。そこに置くものとして選んだのが mofuwa スキンケアミストです。塗り薬や保湿のためのものにつきまとう「塗っても舐めて取れてしまう、口に入るのが心配」という条件が、電解水100%の中身では外れます。拭いた直後にその足先へ口を持っていく子でも、拭き直しにはなりません。使う場面は、乾いた布に数回吹きつけて、足先と口のまわりを拭くところです。そのあと乾いた布で押さえて水分を移し、毛を分けて地肌まで乾いたかを確かめるところまでで、ひと続きの手順になります。濡らして終わりにしないという、この記事でいちばん外したくない一手は、ここでも同じ形のままです。

毎日数えるのは、拭いた回数ではなく、拭いたあとに乾かしたかどうかの回数のほうです。皮膚の乾燥が出ているあいだは、この数え方だけを変えずに続けてください。2週間たつと、粉の出ている範囲を見るより先に、その日どこを濡らして、どこを乾かしたかが思い出せるようになります。足す手を外したあとに家へ残るのは、この一つの数え方です。

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よくある質問

保湿のためのものを、使ってはいけないということですか?
使い方の話です。やってはいけないのは、乾いた場所を見つけるたびに重ねて塗ることのほうです。朝か夜のどちらか1回に決めて、そのあと毛が固まっていないか、白く粉のようなものが浮いていないかを見てください。塗った直後にしっとりして見えるかどうかではなく、翌朝の地肌の状態で判断します。
加湿器は、どこに置けばいいですか?
部屋の真ん中で、寝床から2メートル以上離した場所です。吹き出しの延長線上に寝床が来ないようにしてください。狙いは部屋全体の湿度を40〜60%に保つことで、その子の体に湿った空気を当てることではありません。湿度計は、加湿器のそばではなく寝床の高さに置くと実際の数字が分かります。
濡れタオルで拭くのをやめたら、汚れはどうすればいいですか?
拭くこと自体をやめる必要はありません。拭いたあとに乾いた布でもう一度押さえて、毛を分けて地肌まで乾いたかを確かめる。この一手を足すだけです。散歩から帰ったあとの足先は、水分が残りやすいので指のあいだまで確かめてください。乾かすところまでを1セットにすれば、拭く回数は今までどおりで構いません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。