C08季節・行事
避難所に連れて行くか、家に残るか|荷物より先に決める
避難所まで歩いて何分かかるのか、その子をどの入れ物で運ぶのか。この二つを紙に書けている家は、風が強くなってから慌てません。台風が近づく九月は、気温も湿度もまだ高いまま雨の量だけが増えます。連れて行くと決めるか、家に残ると決めるかで、その日から数日のあいだに、その子の体へ手を入れられる回数が変わります。入れ物の中にいる時間が長ければ一日に一回も触れない日が出ますし、家に残るなら朝と晩の二回は触れます。荷物の中身より先に決めるのは、この回数のほうです。回数が決まれば、持っていくものも、置いていくものも、あとから並べられます。
避難所に連れて行く側|台風の時期に、体へ手が届く回数がどこまで減るか
避難所に連れて行くと決めた家で最初に減るのは、荷物の余裕ではなく、その子の体へ手を入れられる回数です。ペットと一緒に入れるかどうか、入れたとして建物のどこまで一緒にいられるかは、自治体ごとに決めてあります。同じ市の中でも、学校と公民館で扱いが違うことがあります。だから連れて行く前提で調べておくのは、受け入れの有無だけでは足りません。入ったあとにその子がどこに置かれ、一日のうち何回その入れ物から出せるのかまで、住んでいる場所の窓口で先に確かめておきます。
- 入れ物の中にいる時間が長くなる:置き場所が決まっているぶん、出せるのは食事と排泄のときだけになります。体に手を入れられるのは、多くて一日一回です
- 毛が舞う場所ではブラシを出しにくい:人と荷物が近いので、抜けた毛が飛ぶ動作そのものがしづらくなります。九月は換毛期の入り口で、抜ける量が増え始める時期です
- 室温が一定になりません:扉と窓が何度も開け閉めされます。台風のあとは気温が戻るのに湿度だけ高いまま、という日が続きます
- においが上書きされる:自分のにおいを好む子にとって、知らないにおいが四方から来る状態は、それだけで落ち着かない条件です
- 水は飲ませるぶんが先:体を流すところまでは、まず回りません
この五つが重なると、外で付いたものが、体の上に置かれたままになります。雨で濡れた脚、床から上がってきた砂、風で飛んできた細かいごみ。ふだんなら帰ってすぐ落としているものが、落とされないまま何時間、何日と過ぎていきます。乾燥している季節ならまだ粉になって落ちますが、九月は湿度が高いので、濡れたものは濡れたまま毛の根元に残ります。避難所に連れて行くという選び方をするなら、この「残る時間」を短くする手を、荷物の側で用意しておくことになります。
もうひとつ、連れて行く場合にだけ足される条件があります。移動そのものです。歩いて十分の距離でも、風雨のなかでは倍かかります。入れ物ごと濡れますし、着いてから拭ける場所があるとは限りません。行き先が決まっていない状態で出ると、この十分が三十分にも一時間にもなります。だから最初に紙へ書くのは、避難所の名前と、そこまでの分数です。
家に残る側|連れて行く場合との違いは、室温と湿度を誰が動かせるか
家に残ると決めた家が持っているのは、室温と湿度を自分の手で動かせるという一点です。エアコンを入れれば室温は下がり、除湿にすれば湿度も下がります。窓を閉め切っていても、扇風機で空気を回せば、寝床の周りに風の通り道を作れます。連れて行く場合との違いは、ほとんどここに集まります。手を入れる回数も、朝と晩の二回を、ふだんと同じ時刻のまま保てます。
ただし、その手は電気が前提です。台風で送電が止まれば、室温も湿度も動かせなくなります。家に残るという選び方の弱いところは、条件を動かせる幅が大きいぶん、動かせなくなったときの落差も大きいことです。避難所なら初めから動かせないものとして支度できますが、家に残る場合は「動かせるはずのもの」が急に止まります。
| 条件 | 電気があるとき | 止まったとき |
|---|---|---|
| 室温 | 設定した温度で保てる | 外の気温にじわじわ寄っていく |
| 湿度 | 除湿で下げられる | 窓を開けられない日は上がり続ける |
| 空気の動き | 扇風機で寝床に風を通せる | 毛の根元が乾きにくくなる |
| 抜けた毛 | 掃除機で床から回収できる | 床とソファに残り、また体につく |
| 体へ手を入れる回数 | 朝と晩の二回 | 二回は保てる。中身のほうが変わる |
| 水 | いつもどおり出る | 飲ませるぶんを先に確保する |
表の最後の二行が、家に残る場合の実際です。回数そのものは減りません。減るのは、その一回でできることのほうです。湯を沸かすところまでは手が回らず、毛の根元は湿ったまま。九月は季節の変わり目にあたるので、日中の気温が戻る日と戻らない日が交互に来ます。乾燥する冬とは逆で、乾かない側に振れるのがこの時期の特徴です。
換毛期が始まりかけていると、この条件はもうひとつ効いてきます。抜けた毛が体の上に留まり、湿度の高い空気の中で根元に沿って寝ます。触れる回数が同じでも、指が通る距離は日ごとに短くなっていきます。家に残ると決めたなら、見るのは室温計と湿度計の数字ではなく、指がどこで止まったかのほうです。
避難所と家、連れて行くかどうかの使い分けを、手が届く回数で並べる
二つの置き場所は、良い悪いで並びません。どちらを選んでも足りなくなるものがあり、どちらを選んでも手元に残るものがあります。だから使い分けの軸は、建物の設備でも荷物の量でもなく、一日に何回その子の体へ手を入れられるかに置きます。この一本の軸で並べると、持っていくものの順番まで決まります。
| 決めどころ | 避難所に連れて行く | 家に残る |
|---|---|---|
| 向いている家 | 建物まで徒歩十五分以内で、入れ物に慣れている | 上の階があり、入れ物を嫌がる子がいる |
| 先に確かめること | 受け入れの決まりと、置かれる場所 | 停電したときに風を回せるかどうか |
| 減るもの | 手を入れられる回数そのもの | 一回でできることの中身 |
| 増えるもの | 移動と待機の時間 | 床に残る抜け毛の量 |
| 九月に効く条件 | 湿度が下がらないまま室温が動く | 窓を開けられない日が続く |
| 荷物の一列目 | 水と、湯のいらない一本 | 湯のいらない一本と、床にかけられる一本 |
| 決め方の結論 | 回数が落ちる前提で支度する | 回数を保つ前提で中身を足す |
表の最終行が、この記事の使い分けです。連れて行くなら「落ちる回数をどこまで戻せるか」、家に残るなら「保てる回数に何を足せるか」。問いの形が違うので、同じ荷物を両方に持っていっても、片方では余り、片方では足りません。どちらに寄せるかを先に決めておくと、風が強くなってから考えることが一つ減ります。
避難所の名前と徒歩の分数。入れ物に入れて出せる回数の見込み。停電したときに風を回せる場所。この三行が書けていれば、連れて行くか家に残るかは当日の風の強さで決められます。先に決めておくのは選択そのものではなく、選ぶための三行のほうです。
どちらを選んでも、毛と地肌に残るものは同じ|連れて行く荷物の選び方
避難所に連れて行っても、家に残っても、同じように起きることが一つあります。体に付いたものが、落とされないまま時間だけ過ぎることです。湯が使えるかどうかが読めず、使えても乾かすところまで手が回らない。そういう数日のあいだに、毛の根元で汚れと湿気が居座ります。ここに置くのが、湯も電気も使わずに一回ぶんのケアを成立させる一本です。
mofuwa グルーミングスプレーは、毎日きれいにしてあげたいという気持ちを、実際に毎日やれる形にするために作られた一本です。犬も猫も体から脂を出しますし、散歩に出れば外のものが付きます。昨日きれいにしても、今日また汚れる。けれど毎日シャンプーをする時間は取れませんし、サロンへ毎日連れて行くこともできません。この、毎日やりたいことと毎日はできないことのあいだを埋めるのが、この一本の役目です。台風の数日間は、その隙間がいちばん広がる時期にあたります。
中身はアルカリ電解水です。油とまじり合って乳化するので、汚れのもとになっていた余分な脂の側が浮いて落ち、地肌に要る皮脂のほうは残ります。吹きかけてブラシを通す、それだけで一回が終わります。湯を沸かす必要も、ドライヤーを使う必要もありません。停電している家でも、入れ物から出せた数分のあいだでも、同じ手順がそのまま通ります。清涼飲料水の規格基準を満たす中身なので、かける量をためらって手を止めずに済みます。
ブラッシングスプレーとしても使える一本なので、梳かす前にかけておくと静電気の起きにくい状態で通せます。九月の高い湿度では静電気は問題になりませんが、雨が止んで乾いた風に変わった日に、いきなり効いてきます。換毛期の入り口で抜けた毛がまとまって出てくるのも、この乾いた風の日です。連れて行く荷物の一列目にこの一本を置いておくと、避難所で出せた一回でも、家に残って保てた二回でも、中身が同じになります。
家に残る場合は、床の側にも一本置いておくと数日が楽になります。mofuwa 瞬間消臭スプレーは電解水だけで作られていて、香りでにおいを覆う作りにしていません。理由は単純で、その子が床を舐めるからです。窓を開けられない日が続くと、空気ごとにおいがこもります。香りを重ねると、自分のにおいを好む子ほど落ち着かなくなります。においのもとの側に反応させる作りなので、寝床の周りとケージの床に使えます。
避難所に連れて行く場合は、持っていく本数を増やすより、一本で二つの役目を兼ねられるものを選ぶほうが荷物は軽くなります。グルーミングスプレーは体に使うものと梳かす前に使うものを兼ねます。水は飲ませるぶんを先に確保して、体のほうは湯のいらない手順に寄せる。これが、連れて行くときの荷物の選び方です。
朝と晩の二回に戻して四日たっても同じ場所で指が止まる/その場所だけ地肌が赤い、または熱を持っている/触ろうとすると体をひねって逃げる/数日のあいだ、そこばかりを舐めている。こうした残り方は、湿度や室温では説明がつきません。触れた日と触れなかった日を数えた紙と、指が止まった場所を書き出したものを持って、動物病院の窓口へ電話で枠を取ってください。何日ぶん手が入らなかったかが分かっていると、いつからの話なのかを伝える時間が短くて済みます。
九月の一週間が終わったあとに、手元に残っている数字
風が収まったあとに手元に残るのは、避難したかどうかではなく、触れた日数と触れなかった日数の二つです。この二つが分かっていれば、次に台風が近づいた九月に、同じところで迷いません。紙の端に、徒歩の分数と、出せた回数を書き足しておいてください。書いた三行は来年もそのまま使えます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 家に残ると決めていても、避難所に連れて行く支度は必要ですか。
- 支度は両方ぶん残しておいてください。家に残ると決めるのは当日の話で、前の日の時点では決められないからです。入れ物と水と、湯のいらない一本。この三つだけは玄関の側に置いておくと、家に残る判断をした日には使わずに済み、連れて行く判断をした日にはそのまま持って出られます。決めておくのは選択ではなく、どちらに転んでも動ける形のほうです。
- 入れ物に慣れていない子は、避難所に連れて行くのをやめたほうがいいですか。
- やめるかどうかより先に、慣らす期間のほうを見てください。台風の多い時期に入る前の穏やかな日に、入れ物を部屋に出しっぱなしにして、中で寝る日を作ります。二週間ほどで中に入って寝るようになる子もいれば、扉を閉めた途端に鳴く子もいます。扉を閉めて十分過ごせないうちは、連れて行く側の条件が一つ足りていない状態です。そのぶん家に残る側の支度を厚くします。
- 数日のあいだ、体を流せませんでした。落ち着いてから一度に洗えば取り返せますか。
- 一度にまとめて洗うより、落ち着いた日から一日二回の短い手順に戻すほうが、毛の状態は早く戻ります。数日ぶんの汚れは、湿気の中で根元に沿って寝ています。そこへいきなり水と泡を足すと、寝た毛が束のまま締まります。まず梳かせる状態に戻してから、必要なら洗う。順番を逆にしないでください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
