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車内のにおい、大型犬と暮らす人はどうしている?

公開日 2024年10月5日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な車の後部で、落ち着いてすわっている淡い色の大きな犬
車内の空気の量は変えられます。体の大きさのほうは変えられません。写真:Mark Arron Smith/Pexels

体重30キロの子を後部座席に乗せて15分走り、信号待ちで窓を閉めたとき、車内の空気が急に重くなりました。同じ車に、以前は5キロほどの子を乗せていました。走る距離も、シートカバーも、換気の仕方も変えていません。変わったのは体の大きさだけです。ペットと乗る車のにおいは、大型犬になると同じやり方では追いつかなくなります。取っても取っても濃くなるのは、手が足りないからではありません。車内に入っている空気の量に対して、体が大きすぎるからです。この記事は、においを取る手順ではなく、空気の量を増やす手順です。

同じ車でも、体が大きいほど空気の取り分が減る|大型犬とペットの車のにおいで先に決める順番

乗っている車は変えていません。後部座席をたたんで荷室とつなげたときに、実際に空気が入っている体積は3立方メートルほどです。この3立方メートルは、体重5キロの子を乗せても、30キロの子を乗せても同じです。車のほうは膨らみません。増えるのは、その空気のなかへ入ってくる呼気と体温だけです。大型犬と暮らすようになって、車のにおいが濃くなった理由はここにありました。

同じ車内の空気を、体重1キロあたりで割ったもの 車内の空気を約3立方メートルとして、体重で割ったときの1キロあたりの取り分を比べた棒グラフ 体重5キロの場合 約0.60立方メートル 体重15キロの場合 約0.20立方メートル 体重30キロの場合 約0.10立方メートル
空気の量は同じままなので、体重が増えるほど1キロあたりの取り分は減ります。単純な割り算です。

この割り算は当たり前のことですが、車のにおいの話をしているときには意識に上がりません。においが濃いのは、その子が汚れているからだと考えてしまいます。実際には、同じだけきれいでも、体が大きいほど同じ空気に入る量が増えます。呼気は体の大きさにおおむね比例します。体表から出る熱も、体の表面積が広いぶん多い。ペットと乗る車では、この2つが空気の側の条件を動かします。

この6つのうち、こちらが動かせるのは下の3つだけです。呼気も体温も面積も、体の大きさそのものなので変えられません。だから、においを取る側ではなく、空気の量を増やす側に手を入れます。順番としては、走行中の窓、乗せる前の入れ替え、座る位置、降りたあとの扉、布の枚数。この5つで、家でできることはひととおり終わります。

Noteその子を洗う回数を増やす話ではありません

大型犬を洗うのは、体力も時間も場所も要ります。頻度を上げれば車のにおいが軽くなるという方向で組むと、続けられる回数を超えます。それに、洗った直後に車へ乗せても、車内の空気の量そのものは変わりません。ペットの側の手数を増やす前に、車の側の条件を先に決めるほうが、大型犬と暮らす家では現実的でした。洗う回数はいまのままで構いません。

においを取るのではなく、空気の量を増やす|ペットが大型犬のとき、車のにおいに家でできる5つの手順

5つの手順は、どれも数十秒で終わります。道具は要りません。大型犬と乗る車では、こちらの手が2本しかないという条件が最後まで残るので、道具が増えるとその日にやらなくなります。家でできることを、乗る前・乗っているあいだ・降りたあとの3つに分けて並べます。

  1. 走行中に開ける窓の位置を、先に決めておく

    窓は開ける枚数ではなく、位置で決めます。運転席側の前を2センチ、その子がいる側の反対の後部を5センチ。対角に開けると、入口と出口ができて空気が通り抜けます。同じ側の窓を2枚開けても、空気は入って戻るだけでした。大型犬は風を直接受けると姿勢を変えるので、その子の真横は開けません。ペットのいない側を出口にするのが、この配置の要点です。

  2. 乗せる前に、車内の空気を1分だけ入れ替える

    停めていた車内の空気は、前回乗ったときのものがそのまま残っています。そこへ体の大きい子を乗せると、最初の1分で濃さが決まります。扉を開けてすぐ乗せるのではなく、対角の2枚を開けて1分待つ。大型犬は乗せるまでに時間がかかるので、リードを持って歩いてくるあいだに開けておけば、待ち時間はほぼゼロです。夏場と冬場はエンジンをかけた状態で構いません。

  3. 座る場所を、後部のいちばん広いところに固定する

    体積のいちばん大きい場所に置くのが、空気の量を増やすいちばん簡単な手です。後部座席をたたんで荷室とつなげると、その子のまわりの空気が実測で1立方メートルほど増えました。大型犬は体重で動かせないので、乗った場所がその日の定位置になります。だから乗せる前に場所を決めておく必要があります。人の頭より低い位置に落ち着くので、運転席側の空気も軽くなりました。

  4. 降りたら、対角の扉を2枚開ける

    1枚だけ開けても、空気は入って戻ります。枚数の問題なので、時間を長く取るより2枚開けるほうが先です。後部の左と、運転席側の前。大型犬を降ろしてリードをつけているあいだ、扉は開いたままにしておきます。荷室から降ろす車なら、荷室の扉と運転席側の前で対角になります。閉め切って停めると、次に乗せるときの1分がそのぶん重くなります。

  5. 布は、面積の大きいものを1枚だけにする

    大型犬の下に敷く布は大きくなります。小さい布を何枚も重ねると、洗う日に全部を外すことになって続きません。座面をひととおり覆える1枚に絞って、それだけを洗う。洗濯機に入らない大きさなら、浴室で踏み洗いして完全に乾かします。乾ききらないまま車へ戻すと、皮脂が残った面に湿気が乗って、雑菌にとって条件のよい状態になります。乾かす時間まで含めて1枚です。

5つの手順を、乗る前・走行中・降りたあとに並べ直したもの
いつやること空気の量に何が起きるかかかる時間
乗せる前対角の扉を2枚開けて1分前回の空気が抜ける。最初の1分が軽くなる1分
乗せる前座る場所を後部の広いほうに決めるその子のまわりの空気が約1立方メートル増える0秒
走行中運転席側の前2センチ、反対側の後部5センチ入口と出口ができて、空気が通り抜ける0秒
降りたあと対角の扉を2枚開ける1枚のときと違って、空気が入れ替わる降ろすあいだ
帰ってから面積の大きい布を1枚だけ外す皮脂の乗った面が車内から出る1分

この5つは、においを取りにいく手ではありません。どれも「空気を増やす」か「空気を通す」かのどちらかです。大型犬と乗る車で、においを取る側だけを積み上げていくと、消臭剤の数と拭き取りの回数が増え続けます。空気の側に線を引くと、増やすものが打ち止めになります。ペットの体の大きさは変えられませんが、車内の空気の量は座らせ方と扉の開け方で動きます。

開ける窓の位置と、開けておく長さ|大型犬とペットの車のにおいでつまずく頻度とコツ

実際にやってみて、いちばんつまずいたのは窓でした。全開にすると、大型犬は風を受けて姿勢を変えます。立ち上がる、向きを変える、荷室の奥へ移動する。体重があるぶん、動くたびに車の重心が変わって運転にも影響します。だから開けるのは2センチと5センチです。数字が小さく見えますが、対角に開いていれば空気は通ります。開ける長さより、位置のほうが効きました。

次につまずいたのが、高速道路や雨の日です。窓を開けられません。このときは、空調を内気循環から外気導入に切り替えます。内気循環は同じ空気を回し続けるので、大型犬を乗せた車内では10分ほどで濃くなります。外気導入にしておけば、窓を閉めたままでも空気は入れ替わります。ペットと乗る日は、乗せた時点で外気導入に入れておくと、途中で思い出さずに済みます。

つまずきやすい場面と、そのときに使う代わりの一手
場面できないこと代わりにやること
高速道路窓を開けられない空調を外気導入に切り替える
雨の日窓を開けられない外気導入。降りたあとの扉2枚は雨でも開ける
真夏・真冬長く開けておけない乗せる前の1分だけ、エンジンをかけて開ける
渋滞中空気が動かない信号待ちのたびに対角の窓を5センチ足す
その子が風を嫌がる開ける長さを増やせないその子の真横は閉め、反対側だけを開ける
夜の住宅街扉を長く開けにくい枚数を優先。2枚を短時間でも1枚より通ります

頻度の決め方も、最初は間違えていました。布を洗うのを「週に1回」にしていたのですが、週によって乗る時間がまったく違います。日数ではなく、走った時間の合計で決めるほうが合いました。合計で3時間を超えたら布を1枚外す。週末に片道1時間の外出をすれば往復2時間、平日に短い移動が数回あれば3時間に届きます。大型犬と暮らす家では、乗る時間そのものがにおいの量です。

拭き取りの頻度は、逆に増やさないほうがうまくいきました。走るたびにシートを拭くと、湿った面が乾ききる前に次の走行が来ます。拭き取りは、布を外す日にまとめて1回。そのときに拭くのは、布で覆えていなかった面だけです。扉の内側の下のほう、シートの背もたれの上端、後部の窓の下枠。ここは布の外側なので、皮脂が直接乗っています。手のひらでこすってぬるつく場所だけを拭けば、数十秒で終わります。

Point水の器を車に置いたままにしない

大型犬を乗せる車には、水の器を積んでいることが多いと思います。飲み残しを入れたまま車内に置くと、閉め切った空間で温度が上がります。食器は毎回持ち帰って洗い、水は移動のたびに入れ替える。空気の量を増やす手順とは別ですが、車内から減らせる出どころのなかでは、いちばん手間がかからないものです。器を置く場所も、その子の寝る位置から離しておくと倒れにくくなります。

体の大きさは変えられず、空気の量は変えられる|大型犬とペットの車のにおいに残ったこと

5つを続けて1か月たったとき、変わったのは走り出して10分後の空気でした。以前は信号待ちで窓を閉めるたびに重くなっていたのが、閉めても同じままになりました。取れたのではなく、薄いままで保たれているという感覚に近いです。大型犬と乗る車で目指せるのはここまでで、においをゼロにすることではありません。空気の量に対して体が大きいという条件は、1か月たっても同じです。

1か月で、車のにおいに対してやることがどう減ったか
やっていたことかかっていた時間
始める前乗るたびに消臭剤を噴く。降りたら窓を1枚開ける毎回3分ほど
1週目扉を2枚に変える。座る場所を後部に固定毎回1分
2週目走行中の窓を対角に。外気導入を習慣にする0秒(乗る前に設定)
3週目布を1枚に絞る。走行3時間ごとに外す外すのに1分
4週目布の外側だけを、布を外す日に拭く30秒

その子の体の側では、やることを増やしていません。増やす代わりに、洗う日の1回だけを見直しました。大型犬を洗っていると、面積が広いぶん先に尽きるのはこちらの腕力です。早く終わらせたくて手に力が入り、強く擦った日ほど、乾いたあとの毛がごわついていました。ごわつきは、汚れのほかに必要なものまで落ちているときの手ざわりです。mofuwa モイストシャンプーは、ゴシゴシ擦ることを前提につくられていません。指の腹で地肌をマッサージするように動かす、という洗い方のほうが先に決まっているシャンプーです。大型犬では、この「手をどう動かすか」を決めておかないと、面積の広さがそのまま力任せに変わります。うちは車に乗せたときシートへ当たる面から先に指を入れると決めていて、背中、体の側面、胸、後ろあしの順で1回です。

車で使う布と、家の寝床の布は分けておくほうが楽でした。洗う周期が違うので、兼用にすると片方の周期に引きずられます。寝床の布は週に1回、車の布は走行3時間ごと。同じ布を行き来させると、どちらの周期で洗えばいいのか決められなくなります。大型犬の布はどちらも大きく、乾かすのに半日かかるので、2枚を別々に回すほうが結果として手間が減りました。

最後に、空気の量では説明がつかない変化について書いておきます。同じ手順を続けているのに、においの質のほうが変わってきた。降りたあとに口の周りだけが強い。同じ場所をなめ続けている。耳を振る回数が増えた。乗っているあいだのよだれの量が明らかに増えた。地肌が赤い。こうした変化が重なっているときは、換気や拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。大型犬は体が大きいぶん、変化の量も大きく見えます。迷ったときは早いほうを選んで構いません。

ペットと乗る車のにおいの話は、たいてい「何で拭くか」から始まります。大型犬と暮らしていると、そこから始めた手はどれも途中で足りなくなりました。体の大きさは変えられませんが、車内の空気の量は、扉の枚数と座らせる場所と窓の位置で変えられます。においを取りにいく前に、空気を増やす。順番をそこから始めると、やることは5つで打ち止めになりました。

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よくある質問

窓を少ししか開けないので、本当に空気が通っているのか分かりません。どう確かめればいいですか。
走り出して数分たったところで、開けている側の窓に手のひらを近づけてみてください。出口側の窓からは、外へ抜ける空気が指先に当たります。当たらないときは、2枚が同じ側にあるか、片方が閉まりきっている可能性があります。開ける長さを増やすより、対角になっているかを先に確かめるほうが早く直ります。
後部座席をたためない車です。座る場所はどう決めればいいですか。
後部座席のうち、頭の上に空間が多いほうを選んでください。窓の位置も基準になります。開ける予定の窓と反対側に座らせると、空気が体の上を通って出ていきます。大型犬は乗った場所から動かせないので、乗せる前に決めておくことのほうが、あとから直すより手間がかかりません。
布を1枚に絞ると、洗っているあいだ何も敷けません。どうしていますか。
洗う日は、その日だけ布なしで乗せています。シートに直接触れる面が増えますが、布を外す日は帰宅後に扉の内側とシートの上端を拭くので、同じ日にまとめて終わります。予備をもう1枚買うと、結局2枚とも洗わないまま置くことになったので、1枚と決めるほうが続きました。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。