C09シーン別・暮らし
車内のにおい、大型犬と暮らす人はどうしている?
体重30キロの子を後部座席に乗せて15分走り、信号待ちで窓を閉めたとき、車内の空気が急に重くなりました。同じ車に、以前は5キロほどの子を乗せていました。走る距離も、シートカバーも、換気の仕方も変えていません。変わったのは体の大きさだけです。ペットと乗る車のにおいは、大型犬になると同じやり方では追いつかなくなります。取っても取っても濃くなるのは、手が足りないからではありません。車内に入っている空気の量に対して、体が大きすぎるからです。この記事は、においを取る手順ではなく、空気の量を増やす手順です。
同じ車でも、体が大きいほど空気の取り分が減る|大型犬とペットの車のにおいで先に決める順番
乗っている車は変えていません。後部座席をたたんで荷室とつなげたときに、実際に空気が入っている体積は3立方メートルほどです。この3立方メートルは、体重5キロの子を乗せても、30キロの子を乗せても同じです。車のほうは膨らみません。増えるのは、その空気のなかへ入ってくる呼気と体温だけです。大型犬と暮らすようになって、車のにおいが濃くなった理由はここにありました。
この割り算は当たり前のことですが、車のにおいの話をしているときには意識に上がりません。においが濃いのは、その子が汚れているからだと考えてしまいます。実際には、同じだけきれいでも、体が大きいほど同じ空気に入る量が増えます。呼気は体の大きさにおおむね比例します。体表から出る熱も、体の表面積が広いぶん多い。ペットと乗る車では、この2つが空気の側の条件を動かします。
- 呼気の量:体が大きいほど1回の呼吸で出入りする空気が多くなります
- 体温:車内の温度が上がると、においは強く感じられるようになります
- 接している面積:シートに触れている面が広いぶん、皮脂の移る量も増えます
- 座る位置を選べない:体重で動かせないので、乗った場所がその日の定位置になります
- 布の大きさ:大型犬の下に敷く布は面積が大きく、洗濯機に入りにくくなります
- 乗り降りの時間:乗せるまでに扉を開けている時間が長く、そのぶん空気は入れ替わります
この6つのうち、こちらが動かせるのは下の3つだけです。呼気も体温も面積も、体の大きさそのものなので変えられません。だから、においを取る側ではなく、空気の量を増やす側に手を入れます。順番としては、走行中の窓、乗せる前の入れ替え、座る位置、降りたあとの扉、布の枚数。この5つで、家でできることはひととおり終わります。
大型犬を洗うのは、体力も時間も場所も要ります。頻度を上げれば車のにおいが軽くなるという方向で組むと、続けられる回数を超えます。それに、洗った直後に車へ乗せても、車内の空気の量そのものは変わりません。ペットの側の手数を増やす前に、車の側の条件を先に決めるほうが、大型犬と暮らす家では現実的でした。洗う回数はいまのままで構いません。
においを取るのではなく、空気の量を増やす|ペットが大型犬のとき、車のにおいに家でできる5つの手順
5つの手順は、どれも数十秒で終わります。道具は要りません。大型犬と乗る車では、こちらの手が2本しかないという条件が最後まで残るので、道具が増えるとその日にやらなくなります。家でできることを、乗る前・乗っているあいだ・降りたあとの3つに分けて並べます。
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走行中に開ける窓の位置を、先に決めておく
窓は開ける枚数ではなく、位置で決めます。運転席側の前を2センチ、その子がいる側の反対の後部を5センチ。対角に開けると、入口と出口ができて空気が通り抜けます。同じ側の窓を2枚開けても、空気は入って戻るだけでした。大型犬は風を直接受けると姿勢を変えるので、その子の真横は開けません。ペットのいない側を出口にするのが、この配置の要点です。
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乗せる前に、車内の空気を1分だけ入れ替える
停めていた車内の空気は、前回乗ったときのものがそのまま残っています。そこへ体の大きい子を乗せると、最初の1分で濃さが決まります。扉を開けてすぐ乗せるのではなく、対角の2枚を開けて1分待つ。大型犬は乗せるまでに時間がかかるので、リードを持って歩いてくるあいだに開けておけば、待ち時間はほぼゼロです。夏場と冬場はエンジンをかけた状態で構いません。
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座る場所を、後部のいちばん広いところに固定する
体積のいちばん大きい場所に置くのが、空気の量を増やすいちばん簡単な手です。後部座席をたたんで荷室とつなげると、その子のまわりの空気が実測で1立方メートルほど増えました。大型犬は体重で動かせないので、乗った場所がその日の定位置になります。だから乗せる前に場所を決めておく必要があります。人の頭より低い位置に落ち着くので、運転席側の空気も軽くなりました。
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降りたら、対角の扉を2枚開ける
1枚だけ開けても、空気は入って戻ります。枚数の問題なので、時間を長く取るより2枚開けるほうが先です。後部の左と、運転席側の前。大型犬を降ろしてリードをつけているあいだ、扉は開いたままにしておきます。荷室から降ろす車なら、荷室の扉と運転席側の前で対角になります。閉め切って停めると、次に乗せるときの1分がそのぶん重くなります。
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布は、面積の大きいものを1枚だけにする
大型犬の下に敷く布は大きくなります。小さい布を何枚も重ねると、洗う日に全部を外すことになって続きません。座面をひととおり覆える1枚に絞って、それだけを洗う。洗濯機に入らない大きさなら、浴室で踏み洗いして完全に乾かします。乾ききらないまま車へ戻すと、皮脂が残った面に湿気が乗って、雑菌にとって条件のよい状態になります。乾かす時間まで含めて1枚です。
| いつ | やること | 空気の量に何が起きるか | かかる時間 |
|---|---|---|---|
| 乗せる前 | 対角の扉を2枚開けて1分 | 前回の空気が抜ける。最初の1分が軽くなる | 1分 |
| 乗せる前 | 座る場所を後部の広いほうに決める | その子のまわりの空気が約1立方メートル増える | 0秒 |
| 走行中 | 運転席側の前2センチ、反対側の後部5センチ | 入口と出口ができて、空気が通り抜ける | 0秒 |
| 降りたあと | 対角の扉を2枚開ける | 1枚のときと違って、空気が入れ替わる | 降ろすあいだ |
| 帰ってから | 面積の大きい布を1枚だけ外す | 皮脂の乗った面が車内から出る | 1分 |
この5つは、においを取りにいく手ではありません。どれも「空気を増やす」か「空気を通す」かのどちらかです。大型犬と乗る車で、においを取る側だけを積み上げていくと、消臭剤の数と拭き取りの回数が増え続けます。空気の側に線を引くと、増やすものが打ち止めになります。ペットの体の大きさは変えられませんが、車内の空気の量は座らせ方と扉の開け方で動きます。
開ける窓の位置と、開けておく長さ|大型犬とペットの車のにおいでつまずく頻度とコツ
実際にやってみて、いちばんつまずいたのは窓でした。全開にすると、大型犬は風を受けて姿勢を変えます。立ち上がる、向きを変える、荷室の奥へ移動する。体重があるぶん、動くたびに車の重心が変わって運転にも影響します。だから開けるのは2センチと5センチです。数字が小さく見えますが、対角に開いていれば空気は通ります。開ける長さより、位置のほうが効きました。
次につまずいたのが、高速道路や雨の日です。窓を開けられません。このときは、空調を内気循環から外気導入に切り替えます。内気循環は同じ空気を回し続けるので、大型犬を乗せた車内では10分ほどで濃くなります。外気導入にしておけば、窓を閉めたままでも空気は入れ替わります。ペットと乗る日は、乗せた時点で外気導入に入れておくと、途中で思い出さずに済みます。
| 場面 | できないこと | 代わりにやること |
|---|---|---|
| 高速道路 | 窓を開けられない | 空調を外気導入に切り替える |
| 雨の日 | 窓を開けられない | 外気導入。降りたあとの扉2枚は雨でも開ける |
| 真夏・真冬 | 長く開けておけない | 乗せる前の1分だけ、エンジンをかけて開ける |
| 渋滞中 | 空気が動かない | 信号待ちのたびに対角の窓を5センチ足す |
| その子が風を嫌がる | 開ける長さを増やせない | その子の真横は閉め、反対側だけを開ける |
| 夜の住宅街 | 扉を長く開けにくい | 枚数を優先。2枚を短時間でも1枚より通ります |
頻度の決め方も、最初は間違えていました。布を洗うのを「週に1回」にしていたのですが、週によって乗る時間がまったく違います。日数ではなく、走った時間の合計で決めるほうが合いました。合計で3時間を超えたら布を1枚外す。週末に片道1時間の外出をすれば往復2時間、平日に短い移動が数回あれば3時間に届きます。大型犬と暮らす家では、乗る時間そのものがにおいの量です。
拭き取りの頻度は、逆に増やさないほうがうまくいきました。走るたびにシートを拭くと、湿った面が乾ききる前に次の走行が来ます。拭き取りは、布を外す日にまとめて1回。そのときに拭くのは、布で覆えていなかった面だけです。扉の内側の下のほう、シートの背もたれの上端、後部の窓の下枠。ここは布の外側なので、皮脂が直接乗っています。手のひらでこすってぬるつく場所だけを拭けば、数十秒で終わります。
大型犬を乗せる車には、水の器を積んでいることが多いと思います。飲み残しを入れたまま車内に置くと、閉め切った空間で温度が上がります。食器は毎回持ち帰って洗い、水は移動のたびに入れ替える。空気の量を増やす手順とは別ですが、車内から減らせる出どころのなかでは、いちばん手間がかからないものです。器を置く場所も、その子の寝る位置から離しておくと倒れにくくなります。
体の大きさは変えられず、空気の量は変えられる|大型犬とペットの車のにおいに残ったこと
5つを続けて1か月たったとき、変わったのは走り出して10分後の空気でした。以前は信号待ちで窓を閉めるたびに重くなっていたのが、閉めても同じままになりました。取れたのではなく、薄いままで保たれているという感覚に近いです。大型犬と乗る車で目指せるのはここまでで、においをゼロにすることではありません。空気の量に対して体が大きいという条件は、1か月たっても同じです。
| やっていたこと | かかっていた時間 | |
|---|---|---|
| 始める前 | 乗るたびに消臭剤を噴く。降りたら窓を1枚開ける | 毎回3分ほど |
| 1週目 | 扉を2枚に変える。座る場所を後部に固定 | 毎回1分 |
| 2週目 | 走行中の窓を対角に。外気導入を習慣にする | 0秒(乗る前に設定) |
| 3週目 | 布を1枚に絞る。走行3時間ごとに外す | 外すのに1分 |
| 4週目 | 布の外側だけを、布を外す日に拭く | 30秒 |
その子の体の側では、やることを増やしていません。増やす代わりに、洗う日の1回だけを見直しました。大型犬を洗っていると、面積が広いぶん先に尽きるのはこちらの腕力です。早く終わらせたくて手に力が入り、強く擦った日ほど、乾いたあとの毛がごわついていました。ごわつきは、汚れのほかに必要なものまで落ちているときの手ざわりです。mofuwa モイストシャンプーは、ゴシゴシ擦ることを前提につくられていません。指の腹で地肌をマッサージするように動かす、という洗い方のほうが先に決まっているシャンプーです。大型犬では、この「手をどう動かすか」を決めておかないと、面積の広さがそのまま力任せに変わります。うちは車に乗せたときシートへ当たる面から先に指を入れると決めていて、背中、体の側面、胸、後ろあしの順で1回です。
車で使う布と、家の寝床の布は分けておくほうが楽でした。洗う周期が違うので、兼用にすると片方の周期に引きずられます。寝床の布は週に1回、車の布は走行3時間ごと。同じ布を行き来させると、どちらの周期で洗えばいいのか決められなくなります。大型犬の布はどちらも大きく、乾かすのに半日かかるので、2枚を別々に回すほうが結果として手間が減りました。
最後に、空気の量では説明がつかない変化について書いておきます。同じ手順を続けているのに、においの質のほうが変わってきた。降りたあとに口の周りだけが強い。同じ場所をなめ続けている。耳を振る回数が増えた。乗っているあいだのよだれの量が明らかに増えた。地肌が赤い。こうした変化が重なっているときは、換気や拭き取りの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。大型犬は体が大きいぶん、変化の量も大きく見えます。迷ったときは早いほうを選んで構いません。
ペットと乗る車のにおいの話は、たいてい「何で拭くか」から始まります。大型犬と暮らしていると、そこから始めた手はどれも途中で足りなくなりました。体の大きさは変えられませんが、車内の空気の量は、扉の枚数と座らせる場所と窓の位置で変えられます。においを取りにいく前に、空気を増やす。順番をそこから始めると、やることは5つで打ち止めになりました。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 窓を少ししか開けないので、本当に空気が通っているのか分かりません。どう確かめればいいですか。
- 走り出して数分たったところで、開けている側の窓に手のひらを近づけてみてください。出口側の窓からは、外へ抜ける空気が指先に当たります。当たらないときは、2枚が同じ側にあるか、片方が閉まりきっている可能性があります。開ける長さを増やすより、対角になっているかを先に確かめるほうが早く直ります。
- 後部座席をたためない車です。座る場所はどう決めればいいですか。
- 後部座席のうち、頭の上に空間が多いほうを選んでください。窓の位置も基準になります。開ける予定の窓と反対側に座らせると、空気が体の上を通って出ていきます。大型犬は乗った場所から動かせないので、乗せる前に決めておくことのほうが、あとから直すより手間がかかりません。
- 布を1枚に絞ると、洗っているあいだ何も敷けません。どうしていますか。
- 洗う日は、その日だけ布なしで乗せています。シートに直接触れる面が増えますが、布を外す日は帰宅後に扉の内側とシートの上端を拭くので、同じ日にまとめて終わります。予備をもう1枚買うと、結局2枚とも洗わないまま置くことになったので、1枚と決めるほうが続きました。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
