C12Q&A・豆知識
シャンプーに使う水の量
シャンプーで使う水の量は、蛇口を開けていた時間をぜんぶ足したものです。同じ体格の子を洗っても、すすぎに手間取った日は水の量が増えます。比べる相手は、先週の自分の手順です。体の大きさは泡の量を決めますが、水の量を決めているのは、流していた時間のほうになります。だから、水を細くしても合計は思ったほど減りません。減るのは、すすぐ回数が減ったときです。この記事では、泡を先にタオルで取ってから流す手順と、泡のまま流し続ける手順を並べて比較し、シャンプーの水の量がどの条件で動くのかを見ていきます。
シャンプーに使う水の量を決めているのは、蛇口を開けていた時間です
水の量というと、体の大きさで決まりそうに見えます。実際に効いているのは、蛇口を開けていた時間の合計のほうです。大型犬でも、泡がすぐに落ちれば流している時間は短く終わります。小型犬でも、泡が残っていて何度も流し直せば、時間はそのぶん延びます。シャワーから出てくる水の勢いが同じなら、量は時間に比例して積み上がります。ここが、この記事のいちばん短い答えです。
体の大きさが関係しないわけではありません。体格が決めているのは、必要な泡の量と、体の表面積です。そのどちらも、洗う工程の側に効きます。水の量に効いてくるのは、その泡がどれだけ早く落ちるか、という段になってからです。つまり体格は入口の条件で、時間は出口の条件になります。そして家で動かせるのは、出口の側だけです。
シャンプー1回で使う水の量について、具体的な数字を期待して来られた方もいると思います。この記事では、リットル数を書きません。理由は3つあります。シャワーヘッドによって同じ時間でも出る量が違うこと、家の給湯設備や水圧で変わること、そして何より、すすぎにかかる時間が家ごとに違うことです。どこかで見た数字を持ってきても、自分の家の蛇口には当てはまりません。その代わり、この記事では自分の家の数字を出す方法と、その数字が動く条件のほうを書きます。
自分の家の数字は、時間で出せます。次に洗う日に、時計を2回だけ見てください。予洗いで蛇口を開けた時刻と、最後のすすぎで蛇口を閉めた時刻です。そのあいだに蛇口を止めていた時間があれば、そのぶんは引きます。残った合計が、その日にシャンプーで水を流していた時間になります。量そのものを測らなくても、この時間が短くなれば量は減っています。比べる相手は他の家ではなく、先週の自分の記録です。
この測り方には副産物があります。時間を書き留めると、どの工程で延びたのかが思い出せます。予洗いが長かったのか、2回目の洗いで泡が立たずに足したのか、最後のすすぎを何度もやり直したのか。水の量を減らしたいときに手を入れる場所は、そのうちのいちばん長かった工程です。次の章から、その工程を2つの手順に分けて比較していきます。
軸1・泡をタオルで取ってから流す|シャンプーの水の量が短い時間で収まる条件
1つめの手順は、すすぎに入る前にひと手間を挟むやり方です。体についた泡を、乾いたタオルで先に押さえて取ってしまい、それから流します。泡そのものを水で運び出す量が減るので、蛇口を開けている時間が短くなります。手を入れているのは水の勢いではなく、水が運ばなければならない相手の量のほうです。
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洗い終わったら、蛇口をいったん止める
ここで止めるかどうかが分かれ目になります。止めているあいだは、水の量が増えません。シャワーの音も切れるので、音が苦手な子にとっては休みになります。
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乾いたタオルで、背中から順に押さえる
こするのではなく、当てて離すだけで泡が移ります。1枚で足りなければ2枚使ってかまいません。タオルの枚数が増えても、水の量は増えません。
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泡が厚く残る場所だけ、もう一度押さえる
脇の下、内もも、尾のつけ根。毛が密な場所は泡を抱え込みます。ここを先に薄くしておくと、すすぎのやり直しが減ります。
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蛇口を開け、上から下へ一度で流す
背中から始めて、腹、内もも、足の順に落とします。戻らない順番で流すのが、時間を短くする条件です。上に戻ると、その分だけ流す時間が足されます。
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根元を指で押して、ぬめりを確かめる
毛の上ではなく、地肌の近くで確かめます。ここで残っていなければ、その日のすすぎは終わりです。不安で追加する1回が、いちばん量を増やします。
この手順の効きめは、5番目に集まっています。すすぎのやり直しが1回減ると、その1回ぶんの時間がまるごと消えます。水を細くして節約しようとするより、はるかに大きく動くところです。細くすれば1秒あたりの量は減りますが、泡が落ちにくくなるので時間が延びます。合計で見ると、あまり変わらないか、増えることさえあります。
もう1つ、この手順には後ろの工程への効きめがあります。泡と一緒に水も先に取れているので、乾かす時間が短くなります。タオルで水を取る作業は、どのみち最後にやることです。それを前倒ししているだけなので、全体の手間は増えていません。シャンプーの水の量を減らす手順は、そのまま乾かす時間を減らす手順にもなっています。
軸2・泡のまま流し続ける|シャンプーの水の量が積み上がる手順
2つめは、洗い終わってそのままシャワーに移るやり方です。いちばん多い手順で、手間が少なく見えます。ただし、水が運ばなければならない泡の量が最大のまま始まるので、蛇口を開けている時間はいちばん長くなります。ここで何が起きているのかを、順に見ていきます。
- 泡が全部残った状態から始まる:落とすべき相手が多いので、初めの流しが長くなります
- 下に落ちた泡が、足元でもう一度立つ:足やお腹に泡が戻り、そこを流し直すことになります
- 毛が密な場所で泡が抱え込まれる:脇の下や内ももに残り、あとから気づいて戻ります
- ぬめりが消えたか分からず、追加で流す:不安の1回が、そのまま時間として足されます
- 蛇口を止める場面がない:確かめているあいだも水が出続けます
- シャワーの音が途切れない:音が続くと動きが出て、当てる位置がずれます
並べてみると、水の量が積み上がる場所が2つに絞れます。1つは、戻ってやり直す流しです。もう1つは、確かめているあいだに出しっぱなしになっている時間です。どちらも、洗い方が下手だから起きるわけではありません。泡が多いまま始めると、構造としてそうなります。手順が水の量を決めていて、技術が決めているわけではない、というのがこの章で書いておきたいところです。
6つめの音についても触れておきます。シャワーの音が長く続くと、じっとしていられなくなる子がいます。動くと当てる位置がずれ、ずれたぶんを当て直すので、また時間が延びます。音が苦手な子ほど、この手順では水の量が増えやすくなります。途中で蛇口を止める場面がないことが、そのまま効いてきます。
誤解のないように書いておくと、この手順が悪いわけではありません。泡が少ないシャンプーを使っている場合や、短毛で泡がすぐ落ちる子の場合は、これで十分に短く終わります。問題になるのは、毛が密な子や、体が大きくて表面積が広い子で、同じやり方をしたときです。合う条件と合わない条件があるという話で、次の章ではその条件を並べて比較します。
2つの流し方を並べて比べる|シャンプーの水の量はどっちが少なく済むか
2つの手順を並べます。比べる項目は、かかる時間、使う水の量、すすぎ残りの3つです。ここに、乾かす時間と音の長さを足しておくと、家での選び方がはっきりします。数字は書かず、どちらの側に動くかだけを書きます。
| 泡をタオルで取ってから流す | 泡のまま流し続ける | |
|---|---|---|
| 蛇口を開けている時間 | 短くなる | 長くなりやすい |
| 使う水の量 | 時間に比例して減る | 時間に比例して増える |
| すすぎ残り | 残りにくい。先に泡が薄い | 毛が密な場所に残りやすい |
| やり直しの回数 | 減る | 戻って流す回が出る |
| 乾かす時間 | 短くなる。水も先に取れている | そのまま。水を含んだ状態から始まる |
| シャワーの音の長さ | 途中で切れる | 最後まで続く |
| 増える手間 | タオルで押さえる1工程 | なし |
| 向いている条件 | 毛が密な子、体が大きい子 | 短毛で泡がすぐ落ちる子 |
どっちを選ぶかは、その子の毛で決まります。指を毛の中に入れて、根元まですぐ届く子なら、泡のまま流しても短く終わります。指が途中で止まる子なら、先にタオルで泡を取る手順のほうが、水の量も時間も減ります。体重や犬種で決めるより、この指の入り方で決めるほうが当たります。同じ犬でも、換毛期には指が止まるようになるので、時期によって選び直してかまいません。
ここまでで、この記事の核が言えるようになります。シャンプーの水の量を減らす方法は、水を細くすることではなく、すすぐ回数が減る順番に組み替えることです。細さは1秒あたりの量を変えますが、順番は時間そのものを変えます。合計は、1秒あたりの量と時間の掛け算です。掛け算のうち、家で大きく動かせるのは時間の側になります。
順番の組み替えは、3つ覚えれば足ります。洗い終わったら蛇口を止める。タオルで泡を先に取る。流すのは上から下へ、戻らない。この3つだけで、やり直しの回が減ります。道具を買い替える必要も、シャワーヘッドを変える必要もありません。減った時間は、そのまま水の量として減っています。
時期でシャンプーの水の量が変わること|すすぎの回数から減らすという選び方
同じ手順でも、時期によって水の量は動きます。動く理由は、泡の落ちやすさと、指の入りやすさが変わるからです。季節そのものが水の量を増やすわけではなく、被毛の状態を通して間接的に効いてきます。
| 時期 | 被毛に起きること | 水の量への効き方 |
|---|---|---|
| 換毛期 | 抜けた毛が中に残り、泡を抱え込む | すすぎが長くなり、量が増える |
| 空気が乾く時期 | 毛先が広がって指が入りにくい | 予洗いが長くなりやすい |
| 気温が下がる時期 | 湯温を上げがちで、出しっぱなしが増える | 止める場面が減り、量が増える |
| 気温が上がる時期 | 泡が落ちやすく、動きも止まりにくい | 短く終わりやすい |
| 雨や湿気の多い時期 | 洗う回数そのものが増えやすい | 1回あたりより、合計で増える |
この表で効いてくるのは、いちばん下の行です。1回あたりの水の量を減らすより、洗う回数のほうが合計に大きく効きます。だから、水の量を減らしたいと思ったときに最初に見るのは、手順よりも先に、その回が必要な回かどうかになります。月に何回蛇口を開けたかを数えることが、いちばん確実に水の量を減らす手です。
回数のほかに、同じ1回の中で蛇口を開けている時間を短くできる方向があります。被毛の下の地肌は、その子の毛づくろいでは届かない場所です。だから人は、泡を指でかき分けて押し込みます。すすぎが長くなるのは、押し込んだ泡が出てくるまでに時間がかかるからです。mofuwa 入浴シャンプーは、お湯に溶かして浸かるだけで洗うつくりで、泡を立てて押し込む工程がありません。押し込んでいないぶん、すすぎは軽く済み、蛇口を開けている時間もそこで短くなります。この記事の数え方に置きかえると、減るのは「すすぎのやり直しの回数」のほうです。ためる湯の量が先に決まるので、洗いはじめる前に、その日のシャンプーで使う水の量がだいたい読める、という数え方もできます。
最後に、水の量の記録について1つ。時間を書き留めていると、増えた日が見つかります。増えた理由が手順にあるなら、次の回で直せます。手順を変えていないのに時間が延びるようになったときは、被毛の側で何かが変わっている可能性があります。泡が立たない、ぬめりがいつまでも残る、地肌の様子が違う。ここから先は、洗い方の話ではなくなります。
同じ手順なのにぬめりが取れにくくなった、洗ったあとに赤みが出る、かゆがる回数が増えた、においが翌日には戻る、フケが増えた、同じ場所をなめ続けている。こうした変化があるときは、シャンプーの回数や手順を変える前に、動物病院にご相談ください。すすぎに時間がかかるようになった理由が、洗い方の側にあるのか皮膚の側にあるのかは、家では切り分けられません。洗った日付と、蛇口を開けていた時間のメモを持っていくと、その場で見てもらえます。
この記事を1文に畳んでおきます。シャンプーで使う水の量は、蛇口を開けていた時間で決まり、その時間は、すすぎのやり直しが何回あったかで決まります。細くするより、やり直しを1回減らすほうが大きく効きます。そして、合計にいちばん大きく効くのは、1回あたりの細さではなく、その月に何回蛇口を開けたかのほうです。量を測らなくても、時間を書き留めておけば、減ったかどうかは分かります。
Product
mofuwa 入浴シャンプー
400ml / 3,410円(税込)
浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見るよくある質問
- シャワーの水を細くすると、シャンプーで使う水の量は減りますか
- 1秒あたりの量は減りますが、合計はあまり変わらないことがあります。水が細いと泡が落ちにくくなり、流している時間が延びるからです。合計は、1秒あたりの量と時間の掛け算になります。家で大きく動かせるのは時間の側なので、細さを調整するより、洗い終わりに蛇口をいったん止めて、タオルで泡を取ってから流すほうが確実に減ります。
- 体が大きい犬ほど、シャンプーの水の量は増えますか
- 必要な泡の量と体の表面積は増えるので、その分は増えます。ただし、水の量を最終的に決めているのは、すすぎで蛇口を開けていた時間のほうです。毛が密な小型犬で泡が抱え込まれると、体の大きい短毛の子より時間が延びることがあります。体重で決めるより、指を毛の中に入れて根元まで届くかどうかで手順を選んでください。
- すすぎが終わったかどうかは、どこで確かめればいいですか
- 毛の表面ではなく、地肌の近くで確かめます。毛を指で分けて根元を軽く押し、離したときにぬめりが残らなければ、その日のすすぎは終わりです。確かめている最中は蛇口を止めておくと、そのあいだの水の量が増えません。不安で追加する1回が、いちばん時間を延ばします。ぬめりがいつまでも残る日が続くときは、動物病院にご相談ください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
