C12Q&A・豆知識
動物用医薬部外品とは?医薬品との違い
容器の裏を上から下まで読んでいくと、成分の並びの手前に「動物用医薬部外品」と小さく書かれていることがあります。動物用医薬部外品とは、使う目的を決めたうえで国の承認を受けた製品の分類です。動物用医薬品ほど強い作用を想定していない位置に置かれている、と説明されます。ただ、この2つを分けているのは作用の強さというより、承認のされ方のほうです。そして分類が上がるほど、書けることは増えます。そのかわり、使える場面は狭くなります。「何にでも使える」と「はっきり効能が書ける」は、同時には成り立ちません。この記事では、動物用医薬部外品とは何かを、8つの問答に分けて書きます。
動物用医薬部外品とは、どういう分類ですか
動物用医薬部外品とは、使う目的をあらかじめ決めたうえで、国の承認を受けた製品の分類です。製品ごとに「何のために使うものか」が決められていて、その範囲の言葉だけを容器に書けます。人に使う医薬部外品と同じ考え方を、動物に使うものへ置いたもの、と説明されています。
どこで決まっているのかというと、人の医薬品や化粧品と同じ法律の枠組みの中です。動物に使うものは農林水産省が所管しているとされていて、承認は製品ごとに出されます。「このメーカーは承認を持っている」ではなく、「この製品が承認を受けている」という形になります。同じ会社の別の製品が、同じ分類にいるとはかぎりません。
飼い主が家で確かめられることは、1つだけです。容器に「動物用医薬部外品」と書かれているかどうか。書かれていなければ、その製品はこの分類にいません。分類は、製品の見た目からも、使い心地からも分かりません。書いてあるかどうかだけです。
動物用医薬部外品とは何かを調べていると、「医薬品・医薬部外品・それ以外」という3段の並びが出てきます。この並びを、そのまま良し悪しの順位として読むと、選び方を間違えます。並んでいるのは、承認という手続きをどこまで通っているかであって、中身の質を測って付けた点数ではありません。手続きを通す理由は、製品ごとに違います。
動物用医薬品との違いは、作用の強さの違いですか
強さの話として説明されることが多いところです。たしかに「作用が緩和なもの」という言い方はされます。ただ、それは個々の製品の強さを測って並べた順位ではありません。動物用医薬部外品とは、どういう手続きで、何を目的として認められたか、という側の呼び名です。
違いがはっきり出るのは、承認のときに何が決まるかのほうです。動物用医薬品では、使う目的も、対象になる動物も、使い方も、細かく決まります。動物用医薬部外品でも同じように目的は決まりますが、想定されている使われ方が違います。だから、この2つは同じものさしの上の「強い側」と「弱い側」ではなく、別の枠に置かれている、と読むほうが実際に近くなります。
この形で見ると、「医薬部外品のほうが、それ以外の製品より強い」という読み方が成り立たないことが分かります。強さは製品ごとに決まっていて、分類は手続きの話だからです。どちらが優れているという話でもありません。目的をはっきり決めて作られたものと、場面を決めずに使えるように作られたものが、それぞれ別の枠にいるだけです。
「承認のされ方が違う」とは、具体的に何が違うのですか
承認を受けるときに決まるものを並べると、違いが見えてきます。決まるのは、その製品が「何のために」「どの動物に」「どう使うか」です。そして、その3つが決まると、容器に書ける言葉も自動的に決まります。
| 決まるもの | 決まると、何が起きるか |
|---|---|
| 使う目的 | その目的の外のことは、容器に書けなくなります |
| 対象になる動物 | 対象に入っていない動物への使い方は書けません |
| 使い方と量 | 書かれた使い方から外れると、承認の外の使い方になります |
| 書いてよい言葉 | 認められた範囲の言い方だけが、表示として使えます |
ここが、動物用医薬部外品とは何かを理解するときの中心になります。承認は「書いてよい」を与えると同時に、「ここから外は書けない」という線も引きます。与えられるのは自由ではなく、決まった範囲です。範囲が決まっているからこそ、その範囲の中では具体的に書けます。
この線の引き方は、飼い主から見ると読みやすさに直結します。目的が書いてある製品は、何のために作られたかが1行で分かります。そのかわり、その1行に書かれていない場面で使うと、作り手が想定していない使い方になります。読める代わりに、はみ出せない。これが、承認のされ方の違いが日常に出てくるところです。
分類が上がるほど、良い製品ということですか
分類が上がると、増えるものと減るものが同時に動きます。増えるのは、容器に書けることです。減るのは、使える場面の幅です。動物用医薬部外品とは、この2つを一度に動かす分類だと考えると、選ぶときに迷わなくなります。
| 分類の位置 | 書けること | 使える場面 |
|---|---|---|
| 目的を決めて承認を受けている | 何のためのものかを具体的に書けます | 書かれた目的と対象の中だけです |
| 目的を決めずに作られている | 何のためかを断定して書けません | 場面や部位を選ばずに使えます |
つまり、「何にでも使える」と「はっきり効能が書ける」は、同時には成り立ちません。どちらかを取れば、もう一方は手放すことになります。動物用医薬部外品とは、前者を少し手放して後者を取った位置にある分類、という言い方もできます。
この関係が分かると、製品の選び方が変わります。困っていることが1つに決まっている場面では、目的が書かれている製品のほうが選びやすい。毎日のケアのように、部位も場面も決まっていない使い方では、目的が絞られている製品は逆に使いにくくなります。どちらが上ということではなく、必要な場面が違います。
だから、家に置く1本を選ぶときに、分類だけを見て並べても答えは出ません。先に決めるのは、目的が1つに決まっている場面なのか、毎日のケアなのか、のほうです。それが決まってから分類を見ると、どちらの枠の製品を探せばいいかが自然に決まります。
動物用医薬部外品かどうかは、容器のどこを見れば分かりますか
見る場所は決まっています。成分表示や使用上の注意が並んでいるあたりに、分類そのものが一語で書かれています。広告の文章の中にはありません。容器の裏か、外箱の側面です。
- 「動物用医薬部外品」という文字そのもの:これがなければ、その製品はこの分類にいません
- 効能効果や使用目的の欄:何のためのものかが、決まった言い方で書かれています
- 対象になる動物:犬用か、猫用か、両方かが書かれています
- 用法・用量:どこに、どれだけ、どのくらいの間隔で使うかが決まっています
- 成分の記載:何が入っているかが並びます
この5つがそろっている製品は、承認を通っている側にいます。そろっていない場合、それは品質の話ではなく、別の枠にいるという話です。動物用医薬部外品とは書かれていない製品は、目的を決めずに作られたものとして、場面を選ばない使い方を想定しています。
通販で買う場合は、商品ページに分類が書かれていないことがあります。ページの説明文は作り手が書ける範囲で作られているので、分類の記載が抜けていても不思議ではありません。届いた容器の裏を見るのが、いちばん確実です。分類を確かめるのは、買う前ではなく、手元に届いてからでも間に合います。
動物用医薬部外品と書かれていない製品は、避けたほうがいいですか
分類だけでは決められません。書かれていないことが意味しているのは、「目的を決めた承認を通っていない」という一点だけです。そこから中身の良し悪しは読めません。
よくある読み違いを、書いてはいけない言い方のほうで示します。動物用医薬部外品ではないので、この製品は役に立ちませんという読み方は成り立ちません。目的を決めずに作られた製品は、目的を書かないだけです。逆に、書いてあるからといって、その子のその場面に合うとはかぎりません。合うかどうかは、分類ではなく、その子の皮膚と被毛の状態の側にあります。
もう1つ、分類の話と混ざりやすいのが「強さ」です。目的を決めた承認を通っていない製品でも、成分の濃さや刺激の出方は製品ごとに違います。分類は、その製品が何を書けるかの線であって、体の上で何が起きるかの線ではありません。ここを重ねて読むと、選び方がずれていきます。
動物用医薬部外品とは何かを知って、いちばん変わるのはここだと思います。容器の言葉が少ない製品を見たときに、「書けないから書いていない」という可能性を持てるようになります。言葉の多さは、その製品がどの枠にいるかの結果であって、中身の量ではありません。
毎日のケアで使うものは、この分類をどう見て選べばいいですか
毎日のケアは、目的が1つに決まっていない使い方です。散歩から帰ったあと、ブラッシングの前、シャンプーができない日。場面も部位もそのたびに変わります。こういう使い方には、場面を選ばずに使える枠の製品が向いています。目的が細かく決まっている製品を毎日のケアに広げると、書かれた使い方から外れていきます。
持ち方としては、2本に分けて考えると整理できます。場面を選ばずに毎日使う1本と、目的がはっきりしている場面のためにその都度そろえるもの。前者は毎日のケアの土台になり、後者は必要になったときに、動物病院で相談したうえで選ぶことになります。動物用医薬部外品とは、どちらかというと後者の側にいる分類です。
容器の表示から読めるのは、その製品が何を書いてよい枠にいるかまでです。中に何が入っているかは、分類の欄ではなく、原材料の欄にしか出てきません。毎日の1本を決めるときに読む行は、そちらの側です。mofuwa スキンケアミストは、その原材料の欄が電解水100%です。読む行が1行しかないので、分類の欄を見なくても、毎日その子の体に置いているものが何なのかは決まります。動物用医薬部外品の承認を受けた製品ではありませんから、容器に効能をうたう言葉は書かれていません。書かれていないことと、毎日のケアに使えることは、別の話として置いてあります。
容器の裏を読む順番も、これで決められます。1番目に原材料の欄、2番目に洗い流すかどうか、3番目に分類の欄。この順で読むと、分類の欄で立ち止まる時間がいちばん短くなります。店頭で迷ったときも、まず裏返して原材料の行数を数えるところから始めてください。行が短い製品ほど、あとから「何が合わなかったのか」を絞り込む手間が減ります。
選ぶときに見ておきたいのは、分類よりも、その製品が何を想定して作られているかです。洗い流さないのか、洗い流すのか。どの部位を想定しているのか。香りが付いているのか。この3つは、分類に関係なく容器から読めます。動物用医薬部外品とは何かを知ることの実用的な価値は、こうした「容器から読めること」と「読めないこと」を分けられるようになる点にあります。
動物用医薬部外品とは何かを、3つの文に畳む
ここまでを3つに畳みます。
| 問い | 答え |
|---|---|
| どういう分類か | 使う目的を決めたうえで、国の承認を受けた製品の分類です |
| 医薬品と何が違うか | 作用の強さではなく、承認のされ方が違います |
| 分類が上がると何が変わるか | 書けることが増え、使える場面は狭くなります |
この3つを持っていれば、容器の裏を読んだときに迷わなくなります。分類は、その製品が何を書けるかを決めている線であって、その子に合うかどうかを決めている線ではありません。合うかどうかは、皮膚と被毛の状態の側にあります。
もうひとつ、分類を調べても答えが出ない場面を1つ書いておきます。「いま起きている変化に、どの製品を使えばいいか」という問いは、分類からは答えが出ません。動物用医薬部外品とは何かが分かっても、その子の体の上で何が起きているかは、容器の表示からは読めないためです。
赤みが引かない、同じ場所をなめ続けている、フケが増えた、においが翌日に戻る、毛が薄くなってきた。こうした変化が続いているときは、製品の分類を調べるより先に動物病院にご相談ください。動物用医薬部外品とは何かを知っていても、その変化がどこから来ているかは家では切り分けられません。いま使っているものの容器を持っていくと、そこに書かれた成分と使い方をそのまま見てもらえます。
分類の欄を読む機会は、その製品を選ぶときの一度きりです。そのあと毎日残るのは、散歩から帰ったあとに口のまわりと足先を拭くことと、その週にどこへ何を使ったかを1行だけ書き残すことのほうです。1年ぶん書きためると、動物用医薬部外品とは何かという線引きよりも先に、その子がどの季節にどこを気にしているかが見えてきます。容器から読めることには上限がありますが、家に残していく記録のほうには上限がありません。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
