C03使い方・お手入れ手順
短頭種の目のまわりのケア手順
膝にのせて目の下へ正面から手を伸ばすと、指がまだ3センチ手前にいるうちに、その子の顔が右へ動きました。短頭種の目のまわりのケアは、何で拭くかを決めたところから始めることが多いものです。けれど手が届くまでの数センチで顔が動く家では、拭くものを替えても同じ場所で止まります。短頭種は鼻づらの骨が短いので、正面から入った手が鼻筋にそらされず、そのまま目の前まで来ます。この記事では、手が入る向きと体勢を先に決めたうえで、1回のケアで顔が動いた回数を数える形にします。数字が2回まで下がってから、ふれる場所を1か所ずつ足していきます。
鼻筋が手をそらさない|短頭種の目のまわりで、拭くものより先に決める順番
短頭種の目のまわりのケアでいちばん先に決めるのは、手がどの向きから入るかです。鼻づらが長い子では、正面から伸ばした手はまず鼻筋に当たり、そこで横へそれます。その子から見ると、手は目の前ではなく鼻の横を通っていきます。短頭種では、その鼻筋という壁がありません。骨が短いので、正面から入った手は何にも当たらず、目のすぐ手前まで一直線に来ます。同じ手つきで、同じものを持っていても、手がその子の視界を埋める距離が違います。
| 手の向き | その子から見えているもの | 顔が動くか | 届く場所 |
|---|---|---|---|
| 正面から水平に | 手のひらが視界いっぱいに近づく | 動く。指が3センチ手前で右か左へ | 目の下の外側まで |
| 上から下へ | 頭の上に影が乗ってから手が降りる | 動く。あごを引いて下を向く | まぶたの上だけ |
| あごの下から上へ | こちらの手の甲が先に下あごに触れる | 動きにくい。視界の下から入る | 目の下からしわの谷まで |
| 斜め後ろから頬づたいに | 手は見えず、頬に触れた感触が先に来る | 動きにくい。ただし逃げ場が減る | 頬から目の下の外側 |
表の下2行が、短頭種の目のまわりで使える向きです。共通しているのは、手が見える前に触れるという順番になっていることです。見えてから触れられる手は、その子の側で身構える時間をつくります。触れてから見える手は、身構える対象が手ではなく、すでに当たっている感触になります。この差は、正面から入る手を斜めに変えるだけで出ます。道具も分量も変わりません。
体勢は膝の上に固定します。床に伏せている子の目の下へ手を入れると、向きは自動的に上からになります。立たせたままだと、こちらが前にまわり込むことになり、これも正面からの手になります。膝にのせて、片手であごの下を支え、もう片手を下から入れる形だけが、向きを毎日そろえられる体勢です。両手がふさがるので、容器は先にそばへ置いておきます。短頭種の顔のケアで持ち替えが起きると、その1回のあいだにその子は必ず向きを変えます。
運ぶものは mofuwa グルーミングスプレーを手のひらに受けて使います。顔の前ではノズルを押しません。短頭種は息の通り道が短いので、顔の正面で霧を立てると、次に吸う息に混ざります。手のひらに受けてから運べば、顔の前に来るのは湿った指だけになります。この1本は毎日ふれる場所のためのもので、体から出る脂は昨日きれいにしても今日また出てきます。だから目の下の皮膚と被毛のケアも、週末にまとめる話ではなく、毎日の数十秒の話になります。
手のひらに受けて、下から運ぶ|短頭種の目のまわりのケアの手順
手順は5つです。容器と綿を先に置き、膝にのせてあごを支え、手のひらに受けて下から運び、目の下からしわの谷へ一方向に動かし、最後にその日ふれた場所と顔が動いた回数を書きます。1回に入る場所は2か所までにして、残りは翌日へ送ります。
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1|容器とコットンを、座る側の手が届く床に置く
膝にのせてから取りにいくと、そこで体勢が崩れます。置く場所は、座ったときに肘を曲げただけで届く範囲です。短頭種の顔のケアは1回が短いので、支度に使う時間のほうが長くなります。それでも先に置きます。途中で立ち上がった回数は、そのまま顔が動いた回数に乗ってきます。
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2|膝にのせ、片手の指であごの下を支える
支える手は、あごの骨の下に指を2本そえるだけです。持ち上げません。この手があるかないかで、顔の動く向きが変わります。支えがないと顔は下へ引かれ、支えがあると、動くとしても横へ1度ぶんです。支える手を決めておくと、毎日同じ側から入れます。
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3|手のひらかコットンに受けてから、下から運ぶ
顔から離れた場所でノズルを押し、手のひらかコットンに受けます。噴いた音はその子の耳に入りますが、顔の前で霧は立ちません。受けた指を、下あごの横から頬づたいに上げていきます。その子の視界には、手のひらではなく、頬に触れている感触が先に届きます。
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4|目の下からしわの谷へ、一方向にすべらせる
目の下の毛から、鼻のつけ根のしわへ向けて、一度だけ指を動かします。往復させません。往復は同じ1回でも、その子には2回ふれられたことになります。しわの谷に入るときは、指の腹で片側の皮膚をわずかに開き、その谷にそって同じ向きへ抜けます。目のふち自体には指を入れません。
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5|その日ふれた場所と、顔が動いた回数を書く
紙は1枚で足ります。日付、ふれた場所の名前、顔が動いた回数の3つだけです。0回か1回なら翌日も同じ場所、2回なら同じ場所をもう3日、3回以上なら向きか時刻のどちらか1つを変えます。短頭種の目のまわりのケアで数字が残るのは、この3つだけです。
この手順の中心に mofuwa グルーミングスプレーを置いているのは、毎日きれいにしてあげたいという側から作られた1本だからです。犬も猫も体から脂を出すので、目の下の毛も、昨日拭いた場所が今日また汚れます。毎日シャンプーはできませんし、サロンにも毎日は通えません。吹きかけてなでるだけで済む形にしてあるので、朝と夜のどちらかに30秒を置けば、その日のぶんが片づきます。短頭種の顔では、その30秒を「噴かずに運ぶ」形に置き換えるだけで足ります。
中身は高機能性電解還元水で、香りを足していません。口に入る水と同じ規格の基準を満たした水なので、顔の下を通った指のあとにその子が口のまわりをなめても、当てた量を数えずに済みます。量を気にしなくていいことは、短頭種の目のまわりでは「コットンを湿らせ直せる」という意味になります。乾いた綿で同じ場所を二度こするより、湿らせ直した面で一度すべらせるほうが、皮膚にかかる力は小さくなります。
目の下が済んだら、そのまま手をブラシに持ち替えて頬から首へ梳かします。同じ1本はブラッシングスプレーとしても作られていて、乾いた毛にブラシを通したときのような静電気が起きにくい状態で梳かせます。顔まわりの毛が浮いて目のふちに入るのは、静電気が起きた直後です。目の下のケアと、顔の毛を梳かす手を続けてしまうほうが、1日のうちに顔へ手を入れる回数は減ります。
時刻は毎日そろえます。散歩や遊びのすぐあとは外します。短頭種は息の通り道が短いので、呼吸の音が大きい時間に顔の前へ手を入れると、顔が動く回数がそれだけで増えます。夕食のあと、その子が膝の上で落ち着いている時間帯がいちばん向いています。人の手は2本で足りますが、あごを支える役と運ぶ役を2人で分けられる家では、1回の時間が半分になります。
顔が動いた回数を、日付の横に1つ書く|短頭種の目のまわりのやり方が崩れる3つ
数えるものは1つだけです。1回のケアのあいだに、その子の顔が動いて手を離すことになった回数です。3回を超えた日は、手順のどこかではなく、向き・体勢・時刻のどれかが元に戻っています。短頭種の目のまわりのやり方が崩れるときは、たいてい次の3つのうちどれかが起きています。
- 支えの手が、運ぶ手に変わっている:あごを支えていた手が、途中でもう1枚のコットンを取りにいく。そこで顔は自由になり、次に指が近づいたときには向きも変わっています。コットンは最初から2枚、膝の横に置いておきます
- 顔の前で噴いてしまう:手のひらに受けるつもりが、近いほうが早いので、そのまま顔の斜め前で押す。霧は見えなくなっても息の通り道の上にあります。回数が1回から3回へ跳ねる日は、この1手が入っていることが多いものです
- うまくいった日に、場所を2か所から4か所へ増やす:0回で済んだ日ほど、目の下・しわ・口のまわり・耳の前まで続けたくなります。翌日は同じ2か所でも顔が動きます。増やすのは場所の数ではなく、同じ2か所を続けた日数です
回数が上がった日の戻し方にも決まりを1つ置きます。手順の最初からやり直すのではなく、その日は目の下の1か所だけで終えて、翌日から同じ向きで3日続けます。1週間の平均ではなく、3日つづきの数字で見ます。平均にすると、0回の日が2回の日を隠してしまい、向きが戻っていることに気づけません。紙に書くのは回数の数字1つなので、1日5秒で済みます。
届かない場所が残るのは、やり方が悪いからではありません。目頭側のくぼみは、あごを支えて顔を少し上げてもらうまで、指が谷の底へ入りません。ここを無理に開こうとすると、力の話になります。その日は届かなかった場所として書いておき、翌日の最初の1か所に回すほうが、皮膚にも被毛にも負担が残りません。短頭種の顔は面が多いので、1回で全部に届かせる前提で組むと、毎日は続きません。
向きも時刻も変えたのに顔が動いた回数が3日つづきで4回を超える/目の下の毛がいつも湿っていて、拭いた翌朝にもう同じだけ濡れている/片側だけをまぶしそうに細める/まばたきの回数が反対側と明らかに違う/しわの谷を開いたときに地肌が赤く見える、さわると熱い。このうちどれかが重なっているときは、手の入り方の話ではなくなっています。目の表面や涙の通り道の側に理由があると、向きを変えても回数は下がりません。紙に書いてきた回数と、届かなかった場所の名前と、それが何日目から変わったかを持って、動物病院で目のほうを見てもらってください。回数の推移が書いてあるだけで、いつからの変化かがそのまま伝わります。診断を受けたあとも、家で毎日やることは同じ向きの30秒のままです。
2回まで下がった週から、1か所だけ足す|短頭種の目のまわりを毎日続けるケア
顔が動いた回数が3日つづきで2回以内になったら、次の週からふれる場所を1か所足します。足す順番は、目の下の外側から内側へ、そのあと鼻のつけ根のしわ、最後に口のまわりです。いきなり目頭側から始めないのは、そこがいちばん指の向きを変えにくい場所だからです。短頭種の目のまわりのケアは、面を増やす競争ではなく、同じ向きで入れる面を1つずつ足していく作業になります。
| 週 | 1回に入る場所 | かける時間 | 次の週へ進む合図 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 目の下の外側だけ | 10秒 | 顔が動いた回数が3日つづきで2回以内 |
| 2週目 | 目の下の外側と内側 | 20秒 | 内側でも回数が増えない |
| 3週目 | 目の下と、鼻のつけ根のしわ1本 | 30秒 | しわの谷に指の腹が入る |
| 4週目 | 目の下・しわ・口のまわり | 40秒 | 支える手を途中で離さずに終われる |
| 5週目以降 | 同じ3か所を、時刻だけそろえて | 40秒 | 回数を書くのが習慣になっている |
表の右端だけが進む合図です。日数でも、拭いた面の数でもありません。同じ合図が3日そろわなければ、その週はもう1週そのままにします。4週目まで来ると、短頭種の顔で毎日手が入る面は、1週目の4倍になっています。ここまで来た家の共通点は、途中で持ち替えをしていないことでした。コットンが2枚、容器が手の届く床、支える手が最後まで支えている。この3つだけが毎日変わらずに置かれています。
1か月たったら、紙を見返してください。見るのは回数の平均ではなく、4回以上と書いた日が何日あったかです。その日付を並べると、たいてい来客のあった日や、散歩の時間がずれた日に寄っています。顔の側ではなく、家の側の条件が動いた日です。ここが分かると、翌月は「その日は目の下の1か所だけ」と先に決めておけます。予定の書き換えで済むことが、顔のケアの半分を占めます。
今夜は、膝にのせて、あごを支えて、手のひらに受けた指で目の下を一度すべらせるところまでで終わりにしてかまいません。紙には日付と回数の数字だけ書きます。皮膚も被毛も1日では変わりませんが、顔が動いた回数は明日には動きます。短頭種の目のまわりは、その数字が下がっていく順番でしか広げられません。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 顔が動いた回数が、毎日0回です。場所を早く広げてもいいですか。
- 3日つづきで0回なら、次の週に1か所足してかまいません。ただし足すのは1か所だけです。2か所同時に足すと、回数が増えたときにどちらの場所が原因なのかが分かりません。短頭種の顔は面が多いので、原因を1つに絞れる足し方をしておくと、あとで戻す量が少なくて済みます。0回が続いているあいだも、時刻と体勢は変えないでください。うまくいっている条件のほうを動かすと、場所を足していないのに回数が上がります。
- コットンではなく、指でそのままふれてもいいですか。
- 目の下の毛の上をすべらせるだけなら、手のひらに受けた指でかまいません。コットンに持ち替えるのは、しわの谷に入るときと、指が2回目に同じ場所を通るときです。谷の中は指の腹より綿のほうが薄く入るので、開く力が小さくなります。1回のケアで使う枚数を先に2枚と決めておくと、途中で取りにいかずに済みます。使った面を見て、目の下から移ったものが付いているかを確かめれば、その日届いたかどうかも分かります。
- 朝と夜、どちらに置くのがいいですか。
- その子が膝の上で落ち着いている時間帯のほうです。多くの家では夕食のあとになりますが、朝のほうが静かな家ならそちらで固定します。決め方は1つで、散歩や遊びのすぐあとを外すことです。短頭種は息の通り道が短いので、呼吸の音が大きい時間に顔の前へ手を入れると、向きが合っていても顔が動きます。どちらかに決めたら、そこから1か月は動かさないでください。時刻を変えた日は、回数の数字が比べられなくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
