C12Q&A・豆知識

犬種別の毛量ランキング

公開日 2025年1月24日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で落ち着いて立っている、クリーム色の長い毛の犬
毛量が多く見えるという印象は、本数の多さと1本の長さのどちらからでも作られます。写真:Everson Mayer/Pexels

犬種別の毛量ランキングを探すと、上位に並ぶ顔ぶれが、見るページごとに入れ替わります。並びが動くのは、毛量という言葉が2つの別々のものを指しているからです。同じ面積に何本生えているかと、1本がどこまで伸びるか。この2つは、量の見え方も、抜け方も、絡み方も、手入れにかかる重さも違います。この記事では順位そのものを書きません。代わりに、毛量を作っている2つの軸を並べて比べ、自分の家の子の毛量を測る方法まで書きます。

犬種別の毛量ランキングは、何を数えたかで並びが入れ替わる

順位という並びを見るときは、先に分母を確かめておくと迷いません。犬種別の毛量ランキングは、誰が、何を数えた結果として作られているのかで、上位が入れ替わります。ここを飛ばして並びだけを覚えると、自分の家の子に当てはまらなかったときに、どこを見ればいいか分からなくなります。

同じ「毛量」でも、数えるものが変われば上位が変わる
何を数えたか上位に来やすい犬種の特徴並びから抜けやすい特徴
ブラシに取れた毛の重さ下毛のある構造で、抜ける時期が来ている子毛が抜けにくく、体に残る構造の子
床に落ちる毛の量抜けた毛がその場を離れやすい子抜けた毛が被毛に残る子
体の見た目の厚み毛が立ち上がる構造の子毛が体に沿って寝る構造の子
手入れにかかる時間毛が長く、絡みをほどく作業がある子手入れが短時間で終わる子
トリミングで落とす毛の量定期的に刈る前提の子刈らずに抜け替わりで入れ替わる子
季節を限って数えた量その季節に入れ替わりが重なる子一年じゅう少しずつ入れ替わる子

表を眺めると分かるとおり、上位に来る犬種は「毛量が多い」というより「その数え方で多く出る」犬種です。床の毛を数えれば、抜けた毛が落ちやすい構造の子が上に来ます。手入れの時間で数えれば、長毛の子が上に来ます。どちらも間違ってはいませんが、そのまま順位として覚えると、見落とす条件が固定されます。

そのうえ、毛量は同じ犬種の中でも動きます。季節、年齢、室内で過ごす時間の長さ、日の当たり方、手入れの間隔。どれも、その子の毛の入れ替わり方に効きます。一般に、室内で過ごす時間が長いほど、季節どおりの入れ替わりは薄まるとされています。同じ犬種の2頭を並べても、暮らし方が違えば毛量の見え方は違ってきます。

Noteこの記事では、順位も本数も書きません

「毛量が多い犬種の第◯位」「毛の本数は約◯本」といった数字は、調べ方によっていくらでも動きます。出どころを確かめられない数字を覚えても、自分の家の子には使えません。この記事で扱うのは、毛量という言葉が何と何からできているかという構造と、その2つが手入れのどこに出るかだけです。犬種名で順位を付けることもしません。並びの代わりに置くのは、あとで出てくる「その子の毛量を家で測る」やり方のほうです。

軸1・同じ面積に何本生えているか|密度の側から見た毛量

1つめの軸は、密度です。同じ広さの皮膚に、何本の毛が生えているか。一般に、上毛と下毛が分かれている構造はダブルコートと呼ばれ、下毛の分だけ本数が増えるとされています。手を入れたときに指が奥へ入っていかない、押し返される感じがある。これが密度の側の毛量です。

密度の側の毛量で、家がいちばん実感するのは掃除の量です。入れ替わりの時期に入ると、同じ暮らしをしているのに床の毛が増えます。ただ、これは毛量そのものが増えたのではなく、外へ出ていく量が増えただけです。床の毛の量は、その子の毛量ではなく、いま入れ替わりのどこにいるかを表しています。ここを取り違えると、時期が過ぎただけなのに手入れを増やしたままにしてしまいます。

密度の側で気をつけたいのは、内側が見えないことです。表面の毛はきれいに整っているのに、その下で抜けた毛がたまっている、という状態が起きます。外から見て毛量が変わらないので、気づく合図が出にくいところです。指を立てて毛を分け、地肌の見え方が先週と同じかを見るのが、いちばん早い確かめ方になります。

この軸の犬種は、毛量そのものより、季節の振れ幅が大きいのが特徴です。同じ子でも、時期によって手入れの重さが数倍に感じられます。だから年間の平均で語ると実感と合いません。重い時期と軽い時期があるものとして、道具と時間を2通り用意しておくほうが、暮らしには合います。

軸2・1本がどこまで伸びるか|長さの側から見た毛量

2つめの軸は、長さです。1本の毛が、どこまで伸びてから入れ替わるか。一般に、抜け替わりの周期が長い構造では、1本が長く伸び続けるとされています。この場合、本数はそれほど多くなくても、束としての体積は大きくなります。持ち上げたときにずっしりする、という形で出る毛量です。

長さの側の毛量で家が実感するのは、床の毛ではなく時計のほうです。1回の手入れが終わらない、という形で出ます。床に落ちる量が少ないので、掃除の負担は軽く見えます。ところが、抜けた毛が外へ出ていかないぶん、体の上には残っています。掃除の手間と、体の手入れの手間は、この軸では入れ替わります。

この軸のもう1つの特徴は、時間で毛量が変わることです。刈れば減り、伸ばせば増えます。密度の側は季節で動きますが、長さの側は前回いつ刈ったかで動きます。だから同じ犬種の2頭を並べても、手入れの間隔が違えば、毛量はまったく違って見えます。ランキングの並びが安定しないのは、この軸が入っているからでもあります。

そして、長さの側は、絡んだときの巻き戻しが重くなります。短い毛どうしの絡みは表面近くで起きますが、長い毛の絡みは根元まで届きます。できてからほどくと時間がかかるので、この軸の子ほど、こすれる場所を先に決めて、そこだけ回数を増やす形が向いています。

2つの軸を並べて比べる|犬種を毛量で見るときの使い分け

2つの軸を並べます。同じ「毛量が多い」でも、出方も、負担のかかる場所も違います。この表のどちらに近いかが決まると、その子の毛量は、順位ではなく条件で言えるようになります。

本数が多い毛と、1本が長い毛の比較
本数が多い(密度の側)1本が長い(長さの側)
量の見え方外へふくらむ厚みとして出る下へ垂れる重さとして出る
抜け方時期が来るとまとまって出る一年じゅう少しずつ入れ替わる
抜けた毛の行き先外へ出ていき、床に落ちやすい被毛の中に残りやすい
絡み方抜けた下毛が中で固まる長い毛が根元まで巻き込む
乾かす時間内側が最後まで残る下側が最後まで残る
手入れの重さの中身道具を奥へ届かせることかかる時間そのもの
季節で動くか大きく動く刈った時期のほうで動く
掃除の負担重くなりやすい軽く見えることがある
毛量を作っている2つの軸 同じ面積に生える本数の多さから来る毛量と、1本の長さから来る毛量を、手入れに出る形の違いで左右に並べた比較カードです。 並びの上位が入れ替わるのは、この2つを1つの言葉で呼んでいるためです 本数が多い毛 厚みとして外へふくらむ 時期が来るとまとまって出る 床に落ちる量が増える 内側が最後まで乾かない 奥へ道具を届かせる作業 1本が長い毛 重さとして下へ垂れる 一年じゅう少しずつ抜ける 抜けた毛が体の上に残る 下側が最後まで乾かない 時間そのものがかかる作業 同じ「毛量が多い」でも、負担のかかる場所が違います
多くの犬種は、どちらか一方ではなく、2つの軸が混ざった位置にいます。

犬種を毛量から見るときの使い分けは、この表の下2行で決まります。掃除にかけられる時間が限られている家では、床に落ちる量が効いてきます。体に触る時間が取りにくい家では、1回の手入れの長さが効いてきます。どちらが軽いという話ではなく、どちらの負担なら自分の暮らしに置けるか、という選び方になります。

そして、多くの犬種はどちらか一方ではありません。長い毛で、なおかつ下毛がある、という位置にいる子がいます。その場合は、2つの負担が両方かかります。逆に、短くて下毛もない構造なら、どちらの負担も軽くなります。毛量という1本の物差しで並べようとすると、この2軸の位置関係がつぶれてしまいます。順位が当てにならないのは、そこが理由です。

自分の家の子がどちらに近いかは、道具で分かります。コームが奥まで入らず押し返されるなら密度の側、入るけれど毛先まで抜けきらないなら長さの側です。両方が起きるなら、混ざった位置にいます。犬種名を調べるより、手元の道具のほうが早く答えを出します。

ランキングの正体は、手入れの重さの順位|その子の毛量を家で測る

ここまでを1つにまとめます。犬種別の毛量ランキングとして並んでいるものの正体は、手入れの重さの順位です。毛の量そのものを比べた順位ではありません。上位に並ぶのは、家の中で時間と手間がかかっている犬種で、それは毛の本数の順位とも、1本の長さの順位とも一致しません。

手入れの重さは、4つの数の合計として出てくる
数えるもの何に効く軸か家での数え方
1回の手入れにかかった時間長さの側始めた時刻と終えた時刻を書く
1週間に手入れした回数両方やった日に印を付ける
乾かし終えるまでの時間密度の側水を止めた時刻から数える
掃除機をかけた回数密度の側その週の回数を書く

この4つを1週間書くと、その子の毛量が、自分の暮らしにどれくらいの重さで乗っているかが数字になります。よそから借りた順位より、こちらのほうが当たります。そして、この数は季節で動きます。重い週と軽い週の両方を1回ずつ記録しておくと、来年の同じ時期に何を用意すればいいかが決まります。

数が出たら、減らす順番も決まります。時間が長いなら、こすれる場所を先に決めて、そこだけ回数を増やします。乾かす時間が長いなら、順番を下側から先に変えます。全身を毎回同じようにやろうとすると、いちばん最後に回した場所がいつも残ります。毛量が多い犬種ほど、手を入れる場所を削るほうが、結果として全体が終わります。

手を入れる場所が決まったら、そこに何を置くかも決まります。毛量の多い子で、地肌は、毛を分けた人にしか見えない面です。外から見えているのは毛の側だけなので、s2で書いた「指を立てて毛を分ける」という動きの先が、そのまま置き場所になります。mofuwa スキンケアミストは、成分を足して働かせるものではなく、高機能性電解酸化水そのものの働きで成り立っている1本です。毛の量が多いほど、上から乗せたものは毛のあいだに残ります。中身が水の側にあることが、この2軸ではそのまま条件になります。布へ少しだけ移して、分けた指の先の地肌にだけ当てます。密度の側なら、乾かすときに最後まで残る内側。長さの側なら、下へ垂れている下側。使う場所は、1週間の記録で時間がかかっていた場所だけで足ります。

Point順位は覚えるものではなく、自分で作るもの

犬種別の毛量ランキングを覚えても、目の前の子の手入れは1分も短くなりません。役に立つのは、その子の毛量が密度の側なのか長さの側なのか、という位置と、1週間ぶんの4つの数だけです。位置が分かれば道具が決まり、数が分かれば削る場所が決まります。順位を探していた時間を、1週間の記録に置き換えてください。並びを覚えるより、こちらのほうがはるかに早く終わります。

Caution毛量の変化に、こういう様子が混ざるときは

抜ける量が短い期間に急に変わった、左右で毛の厚みが違う、同じ場所だけ薄くなってきた、地肌が赤い、かさぶたやべたつきがある、同じ場所を舐め続けている。こうした様子があるときは、手入れの回数を増やしたり、道具を替えたりする前に、動物病院にご相談ください。毛量の増減は、季節や年齢だけでなく、体の側の条件でも動きます。いつから、どの場所が、どう変わったか。1週間の記録があれば、そのまま持っていってください。

最後にもう一度だけ書いておきます。毛の量は、順位にできるほど単純な1つの数ではありません。同じ犬種でも、季節が違えば動き、年齢が違えば動き、室内で過ごす時間が違えば動きます。それでもランキングという形で並べられるのは、そこで測られているものが毛の量ではなく、家にかかる手入れの重さだからです。並びの意味が分かれば、順位を探す必要はなくなります。

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よくある質問

犬種別の毛量ランキングを、犬を迎えるときの参考にしていいですか
並びをそのまま使うより、上位に来ている犬種が「どの数え方で上位なのか」を見てください。床に落ちる毛の量で上位なら、掃除の負担が中心です。手入れの時間で上位なら、体に触る時間の負担が中心です。自分の暮らしで、どちらなら置けるかを先に決めておくと、順位より役に立ちます。同じ犬種でも、季節や暮らし方で毛量の見え方は動きます。
同じ犬種なのに、毛量がまったく違って見える2頭がいるのはなぜですか
毛量は、本数の多さと1本の長さという別々の軸でできていて、どちらも暮らしで動くためです。密度の側は季節と年齢で動き、長さの側は前回いつ刈ったかで動きます。室内で過ごす時間が長いほど、季節どおりの入れ替わりは薄まるとされています。同じ犬種の2頭を並べたときの差は、犬種の情報からは読めません。
短毛の犬種なら、毛量の手入れは軽いと考えていいですか
毛が短いほど絡む余地は小さくなりますが、下毛がある構造なら、密度の側の負担は残ります。抜ける時期に床の毛が増えるのは、長さではなく本数の側から来ています。短毛でも、指を入れて押し返される感じがあるなら、道具を奥へ届かせる作業は必要です。毛の長さだけでは、手入れの重さは決まりません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。