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予洗いとは?犬のシャンプーは地肌に湯が届くまで

公開日 2025年1月17日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な部屋で、窓のそばに落ち着いて座っている白とクリーム色の毛の犬
予洗いに使う時間は、洗い始めてからの手早さではなく、洗う前の配分で決まります。写真:Jay Brand/Pexels

犬のシャンプーで、最初にシャワーを当てている数分が予洗いです。予洗いとは、シャンプー剤を付ける前に、お湯だけで汚れを流しておく工程のことをいいます。この工程に時間をかけるほど、そのあとに洗う量が減ります。洗うための準備というより、洗う量を先に削っておく工程だと考えると、その日の時間の配り方が変わります。サロンで犬を1頭洗うときも、シャンプー剤を手に取るまでに、思っているより長い時間が使われています。この記事は、予洗いという言葉を、洗う日の時間配分という角度から開いていく読みものです。

予洗いとは、お湯だけで汚れを流しておく工程のこと|サロンで先に動いている時計

予洗いとは、シャンプー剤を付ける前に、お湯だけで汚れを流しておく工程のことです。犬を洗う手順の中では、体を濡らす段階と、シャンプー剤を付ける段階のあいだにあります。予備の洗い、という字のとおりですが、この「予備」という言葉が、実際にやっていることを少し小さく見せています。

この工程がやっているのは、水だけで動かせるものを、水の段階で外に出しておくことです。体に乗っているものは、全部が同じ落ち方をするわけではありません。水をかけただけで流れていくものと、洗浄剤の助けがないと毛や地肌から離れないものがあります。予洗いは、前者だけを引き受ける工程だと考えると、輪郭がはっきりします。

サロンの現場を時間で見ると、この工程の扱いが分かります。シャンプー剤を手に取るまでの時間のほうが、泡を作って洗っている時間より長い、という組み立てになっていることがあります。手を抜いているのでも、丁寧に見せているのでもありません。先にここへ時間を置いたほうが、あとの工程が短く終わる、という順番の判断です。

この言葉を知っておくと、家で洗う日にも1つ変わることがあります。最初にシャワーを当てている数分が、「体を濡らしている時間」ではなく「もう洗っている時間」に見えてくることです。濡らす作業だと思っていると、この数分はどうしても短くなります。工程だと思えば、時間を置く理由が自分の中に立ちます。予洗いとは、その見え方を1つ入れ替える言葉でもあります。

先に落ちるものと、洗浄剤でないと動かないもの|予洗いが洗う量そのものを減らす理由

予洗いが洗う量そのものを減らせるのは、犬の体に乗っているものが、水で動くものと水では動かないものに分かれているからです。予洗いが引き受けるのは前者だけです。そして、前者を先に外へ出しておくと、洗浄剤が相手にする量は、その分だけ減ります。

落ちる段階で分けると、工程の役割が分かれる
区分だいたいの中身どの段階で外に出るか
水で動くもの砂・ほこり・抜けた毛・水に溶けるもの予洗いの段階で、湯といっしょに流れます
水では動かないもの皮脂の側。油になじむ性質のもの洗浄剤が付いてから動き始めます
両方にまたがるものほこりが皮脂に混ざって固まったもの予洗いでゆるみ、洗浄剤で外れます
どちらでも動かないもの毛玉の内側に巻き込まれたもの洗う前に、ほどく側の作業になります

この表の1行目を先に片づけておくのが予洗いです。1行目が残ったまま洗浄剤を付けると、洗浄剤は、砂やほこりごと相手にすることになります。そのぶん量が要り、そのぶん時間が要ります。逆に1行目が減っていれば、洗浄剤は2行目の分だけを相手にすればよくなります。予洗いとは、洗う準備の工程というより、次の工程の仕事量を先に削っておく工程です。

ここで言う洗う量とは、シャンプー剤の分量のことだけではありません。洗浄剤が相手にすることになるものの、総量のことです。体に乗っているものが多ければ、同じ量を使っても足りなくなり、足せば今度はすすぎが延びます。予洗いとは、この総量を、洗浄剤が働き始める前に下げておく工程だ、という言い方もできます。量が下がれば、使う分量も、こする回数も、すすぐ時間も、そろって下がります。

予洗いを短く切り上げた日と、時間を置いた日 予洗いを短く終えた場合と、予洗いに時間を置いた場合で、そのあとの工程がどう変わるかを左右に並べた比較図です。 同じ総時間を、前に置くか後ろに置くかという配分の話です 予洗いを短く切り上げる 洗浄剤が相手にする量が多い 使う量と時間が増えやすい すすぎに回る時間が延びる 終盤に時間が足りなくなる 乾かす工程が最後に削られる 予洗いに時間を置く 洗浄剤は残りだけを相手にする 使う量と時間を減らしやすい すすぎが早く終わる 終盤に時間が残る 乾かす工程まで届く 前に置いた時間は、後ろの工程から返ってきます
どちらも全体の時間は同じくらいですが、時間の置き場所が違います。

この図で言いたいのは、予洗いを足せば全体が長くなる、という話ではありません。前に置いた時間は、あとの工程が短くなる形で返ってきます。洗う時間、すすぐ時間、そして最後の乾かす時間。この3つは、予洗いが足りないほど後ろへ延びていきます。家で洗う日にいちばん削られやすいのが最後の乾かす工程なので、前の配分は、そのまま最後に効いてきます。

サロンがこの順番を選ぶ背景には、1日に何頭も洗うという事情もあります。1頭あたりの総時間が決まっている場所では、どこに時間を置くと全体が短く終わるかが、経験としてはっきり出ます。予洗いに時間をかけるという判断は、丁寧さの表明ではなく、時間の使い方の結論です。家の1頭でも、考え方はそのまま使えます。

予洗いの時間の大半は、毛の外側ではなく内側に使われている|工程の中身をほどく

予洗いの時間のほとんどは、湯が地肌まで届くまでに使われています。毛の外側は、シャワーを当てれば数秒で色が変わります。ところが、そこから内側へ水が入っていくには、時間がかかります。毛が密なほど、毛が長いほど、そして下毛がある犬ほど、内側は最後まで乾いたままです。

この差が、予洗いを短く切り上げてしまういちばんの理由になります。外側の色が変わった時点で、濡れたように見えるからです。見た目としては濡れているのに、地肌はまだ触れていない。この状態でシャンプー剤を付けると、洗浄剤は、まだ水の届いていない場所を相手にすることになります。予洗いとは、この時間差を埋める工程だとも言えます。

  1. 湯を当てる面を、上から下へ動かさずに置く

    動かし続けると、当たった水はそのまま表面を滑って落ちます。1か所に置いて、内側へ入る時間を作るほうが早く届きます。毛の流れに逆らわず、根元へ向けて当てます。

  2. 指を立てて毛を分け、地肌に触れる

    触って温かく湿っていれば、そこは届いています。毛の表面の湿り気と、地肌の湿り気は別のものです。確かめる場所は、いつも同じ3か所に決めておくと比べられます。

  3. 届いていない場所を覚えておく

    背中の中央、腰、首の後ろ、尾のつけ根。この4か所は、毛が厚いぶん、いちばん最後に届きます。その子ごとに順番が決まっているので、2回もやれば覚えられます。

  4. 届いてから、はじめて洗浄剤の工程へ移る

    ここが工程の切れ目です。切れ目を時間ではなく、地肌の状態で決めるのが、この工程の考え方になります。何分やればいいという数字は、毛の量が違えば意味を持ちません。

言葉を1つ足しておきます。地肌が濡れたとは、毛の表面が湿ったこととは別の状態です。この2つを同じ言葉で呼んでいるあいだは、予洗いの時間はいつまでも短いままになります。表面が湿ることは数秒で起きて、目でも手でも分かります。地肌が濡れることは、毛をかき分けて指を入れないと確かめられません。確かめ方が違うものを、同じ「濡れた」で呼ばないようにするだけで、時間の置き方が変わります。

水がはじかれて内側へ入らない、という日もあります。毛の表面に油の膜が乗っていると、湯が玉になって滑り落ちます。その日は、当てる時間を延ばすより、湯の温度と当て方を見直すほうが早いことがあります。熱くする必要はありません。ぬるいと感じるくらいの温度で、毛の流れに沿って当てるほうが、内側へ入っていきます。

猫の場合は、そもそも水で洗う必要がない子が多いところです。水を使う工程を減らすという判断のほうが先に来ることもあります。予洗いという工程の考え方が役に立つのは、洗うと決めた日の時間の配り方についてです。洗うかどうかそのものは、その子が水をどれだけ受け入れられるかで決まります。

家の予洗いは、足すのではなく配り直す|洗う工程から前へ回すという考え方

サロンと家でいちばん違うのは、使える総時間です。家で犬を洗う日は、たいてい前後に別の用事があって、全体の枠が先に決まっています。だから、予洗いに時間をかけようと思っても、そのまま足せば全体があふれます。ここで必要なのは、足すことではなく、配り直すことになります。

同じ総時間を、どこに置くかで組み替える
工程配分を薄くしても戻せるところ薄くすると後ろへ延びるところ
予洗い薄くできるように見える洗う・すすぐ・乾かすが全部延びます
洗浄剤で洗う予洗いが効いていれば短くできます回数を増やすと、すすぎが延びます
すすぐ泡の量が減れば自然に短くなります残ると、乾かす工程に持ち越します
乾かす薄くしたくなる工程ですここだけは、後ろに回す先がありません

表のいちばん下の行が、この記事でいちばん言いたいところです。乾かす工程には、時間を持ち越す先がありません。洗う時間が延びれば、すすぎが延び、すすぎが延びれば、乾かす時間だけが最後に残ります。そして、その日にいちばん削られやすいのも、この工程です。予洗いを前に置くという判断は、遠回りに見えて、最後の工程を守るための配り方になっています。

配り直すとは、どこかの工程を削って、その分をどこかへ寄せることです。削っていい工程と、削ると後ろへ持ち越される工程を、先に分けておきます。洗浄剤を付ける回数は、予洗いが効いていれば減らせます。すすぎは、泡が少なければ自然に短くなります。この2つは、予洗いを厚くすることで自動的に薄くなる側です。予洗いとは、あとの2つを薄くするために、先に厚くしておく工程だという見方ができます。

家でやるなら、配り直しはこれだけです。洗浄剤を2回に分けて付けていたなら1回に減らし、その分の時間を、地肌に湯が届くまでの時間へ回します。洗う回数を減らすことに抵抗があるかもしれませんが、予洗いで先に量を削っているぶん、洗浄剤が相手にするものは減っています。ここが、この工程の考え方そのものです。

洗い方そのものを替えて、工程の数を減らす形もあります。泡立て・ごしごし・すすぎのうち、どれかを省ける洗い方を選べば、その日にかかる時間は短くなります。高齢の子や大型犬、多頭飼いの家のように、1回にかけられる時間が先に決まっている場合の選び方です。ただし、どの洗い方を選んでも予洗いの時間は省けません。減らせるのは洗う側の工程で、地肌に水が届くまでの時間は、洗い方が変わっても同じだけ必要です。

そして、時間が取れない日の決め方も、この考え方から出ます。予洗いに置く時間が取れない日は、その日を洗う日にしない。途中で切り上げる形が、いちばん後ろへ負担を残します。そのうえで、湯が最後に届く場所は、洗う日の外でも決まっています。口のまわり、足の指のあいだ、尾のつけ根。予洗いでいちばん時間のかかる3か所は、裏を返せば、洗う日にしか手の入っていない場所です。どれも犬が自分で舐める場所でもあるので、置くものは口に入る前提で選びます。mofuwa スキンケアミストは、特許5253483(三室ダブルイン型 電解分解技術)で作った電解水を100%で使い、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。この水は、自社の比較検証で、試験に使う精製水と比べたときの水分の浸透力が35倍とされています。やわらかい布に取ってから、この3か所だけを毛の流れに沿って一往復させる。洗う工程を前へ配り直すのと同じで、洗う日以外に置ける手を先に決めておく、という配り方です。スキンケアミストが引き受けているのは、洗う間隔を詰めることではなく、湯が最後に届く場所に、洗う日と洗う日のあいだも手が入っている状態をつくることです。

Point予洗いという言葉を、3つの文に畳んでおきます

予洗いとは、シャンプー剤を付ける前に、お湯だけで汚れを流しておく工程のことです。この工程がやっているのは、水で動くものを水の段階で外に出して、洗浄剤が相手にする量そのものを減らすことです。そして、その時間の大半は、毛の外側ではなく、地肌まで湯が届くまでに使われています。サロンが洗う時間より前に時計を動かしているのは、そこに時間を置くほうが、あとの工程が短く終わるからです。家では、時間を足すのではなく、洗う工程から前へ配り直す形になります。

Caution洗う前や洗ったあとに、こういう様子があるときは

地肌が赤い、かさぶたやべたつきがある、湯を当てると強く嫌がる、同じ場所を舐め続けている、においが翌日に戻る、毛が抜ける量が急に変わった。こうした様子があるときは、予洗いの時間や洗い方を変える前に、動物病院にご相談ください。工程の配り方でできるのは、その日の時間の使い方までです。いつから、どの場所が、どう変わったかをメモして持っていくと、その場で見てもらえます。

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よくある質問

犬のシャンプーで、予洗いは何分くらいかければいいですか。
分では決めません。毛をかき分けて指を入れ、地肌が温かく湿っていれば、そこは届いています。毛の量も長さも子ごとに違うので、同じ3分でも届く子と届かない子がいます。背中の中央、腰、首の後ろ、尾のつけ根の4か所を触って確かめるほうが早く、2回もやればその子の順番を覚えられます。
予洗いだけで、汚れは落ちますか。
砂・ほこり・抜けたまま残っている毛は、湯の流れで外に出ます。皮脂の側は水では動かないので、洗浄剤が付いてから動き始めます。予洗いは、この前半だけを引き受ける工程です。前半が残ったままシャンプー剤を付けると、洗浄剤が砂やほこりごと相手にすることになり、量も時間も増えます。
外側が濡れていれば、地肌まで濡れていますか。
別の状態です。毛の表面が湿るのは数秒で起きて、目でも手でも分かります。地肌が濡れたかどうかは、毛をかき分けて指を入れないと確かめられません。この2つを同じ「濡れた」で呼んでいるあいだは、予洗いの時間はいつまでも短いままになります。
猫にも予洗いは要りますか。
水で洗うと決めた日なら、考え方は犬と同じです。ただ、猫はそもそも水で洗う必要がない子が多く、水を使う工程を減らす判断のほうが先に来ることもあります。洗うかどうかは、その子が水をどれだけ受け入れられるかで決めてください。
予洗いの時間が取れない日は、どうすればいいですか。
その日を洗う日にしません。途中で切り上げる形が、いちばん後ろへ負担を残します。洗う時間が延びればすすぎが延び、すすぎが延びれば、最後に残るのは乾かす時間です。乾かす工程には、時間を持ち越す先がありません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。