C04悩み解決
肉球のひび割れが出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる
肉球のケアを始めて3本目で足を引っこめられた、という経験はよくあります。4本まとめて手をかけようとすると、たいてい最後の1本までもちません。しかも4本の状態はそろっていません。前足と後ろ足では地面への当たり方が違いますし、左右でも違います。だから肉球のひび割れの対処法は、その日いちばん悪い1本だけに手をかけて、4日で一巡させる組み方に変えます。
肉球のひび割れの対処法を、1日1本のやり方に変える
肉球のひび割れに気づくと、4本とも同じようにケアしたくなります。ところが実際にやってみると、1本目は落ち着いていた子が3本目で足を引き、4本目は追いかけることになります。嫌がられた記憶は次の日にも残るので、翌日はもっと早く足を引かれます。やり方そのものが原因ではなく、1回が長すぎるだけ、ということが多いのです。
もうひとつ、4本まとめてやることには無理があります。4本の肉球は、同じ状態になりません。前足は体を支えている時間が長く、後ろ足は地面を蹴り出しています。散歩の途中で方向を変えるときにも、外側の足と内側の足では当たり方が変わります。同じ日に同じことをしても、必要な手当ての量は足ごとに違います。ひび割れが1本にだけ出ているのは、めずらしいことではありません。
- 1回が短い:足1本なら5〜10分で終わります。嫌がられる前に終わるので、翌日の警戒が積み上がりません
- 比べられる:昨日手をかけた足と、今日の足が並んでいます。同じ子の同じ日の中で比較できます
- 結果が見える:4日たつと、最初に手をかけた足がもう一度回ってきます。4日前の自分の手当ての結果を、そのまま見ることになります
3つ目が、この対処法のいちばんの利点です。4本を毎日まとめてやっていると、全部の足に同じことをしているので、何が効いていて何が余計だったのかが分かりません。1日1本にすると、手をかけた足と、まだ手をかけていない足が同じ体の上に並びます。比べる相手を外から持ってくる必要がなくなります。
「右前」「左前」「右後ろ」「左後ろ」。メモに書くときは、この4つの言葉を必ず使ってください。「痛そうなほう」「奥の足」では、3日後の自分に伝わりません。スマートフォンのメモに4行の枠を作っておくと、そのまま4日分の記録になります。
4日で一巡する、1日分の手順
1日にやるのは、次の5つだけです。散歩から帰ったあと、足を拭くついでに組み込むと続きます。手順を増やさないでください。1本にかける時間が延びると、1日1本にした意味がなくなります。
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今日の1本を決めて、明るいところで1枚撮る
窓のそばか、照明の下です。毎日同じ場所で撮ると、色の違いが比べられます。撮ってから触ります。触ったあとの写真は、押した跡が混ざって前日と比べられません。
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散歩でついた砂を、湿らせた布で落とす
乾いたままこすらないでください。地面の砂は角があるので、乾いた状態でこすると割れ目のふちに入り込みます。布を湿らせて、押さえて持ち上げるように取ります。指のあいだと、爪のつけねの内側も同じようにします。
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水気を、乾いた布で移す
濡れたままにしないでください。濡れて乾くのを繰り返すと、肉球の表面はかたくなります。拭き取りは「こする」ではなく「押さえて水分を移す」と考えてください。指のあいだは特に残りやすいところです。
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うるおいを補うものを、薄く置く
肉球用の保湿剤を使うなら、米粒ほどの量を指先にとって、肉球の表面に薄くのばします。割れ目に詰め込まないでください。厚く塗ると床で滑りますし、そのまま舐めてしまいます。爪と皮膚の境目にはつけません。
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1分だけ、床に足を置いて待つ
すぐに歩かせると、置いたものが床に移って終わりです。ひざの上に乗せたまま1分待って、それから解放してください。この1分でその日は終わりです。ほかの3本には触りません
翌日は次の1本、その翌日はまた次の1本。4日目が終わると、1日目に手をかけた足に戻ります。ここで1日目の写真と5日目の写真を並べてください。同じ足の4日間の変化が、そのまま比べられます。よくなっているのか、同じところで止まっているのか、広がっているのか。この3つのどれかが分かれば、次に打つ対処法が決まります。
深さを確かめようとして肉球を左右に引っぱる、ピンセットのようなもので中のものを取ろうとする。どちらも避けてください。肉球の割れ目は、開くたびにふちが伸びます。また、割れ目から出血しているとき、ぐらついた皮がめくれているときは、家庭のケアの範囲を越えています。手をかけずに動物病院へご相談ください。
順番を決めるのは、その日いちばん悪い1本
つまずきやすいのは「今日はどの足か」で迷うところです。決め方は1つだけにしてください。前日の記録を見て、いちばん悪い状態で残っている足を、その日の1本にします。右前から時計回り、のような固定の順番にはしません。悪い足ほど手をかける回数が増えるように、順番のほうを状態に合わせます。
| 日 | 手をかけた足 | 見た状態 | 翌日どうだったか |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 右前 | 割れ目が1本。ふちが白く浮いている | 白い浮きが減った |
| 2日目 | 左後ろ | 全体がかたい。割れ目はない | 変わらず |
| 3日目 | 左前 | 小さな割れ目が2本 | 1本は見えなくなった |
| 4日目 | 右後ろ | 指のあいだが湿っている | 湿りが残っている |
この表がたまってくると、順番のほうが勝手に決まってきます。ひび割れの深い足ほど、先頭に上がってきます。右後ろの湿りが3回続けて残っているなら、次の一巡ではそこを先頭に持ってきます。逆に、2回続けて「変わらず」の足は、いったん後ろに回して構いません。悪い足に手をかける回数を増やすのが、この対処法の狙いです。ひび割れの本数が多い足ほど、一巡のなかで前に出てきます。
もうひとつのつまずきは、途中で「今日は調子がいいから4本ともやってしまおう」となることです。まとめてやれば早く治りますという考え方に戻ると、比べる相手がなくなります。4本に同じ日に同じことをした瞬間、どの手当てが効いていたかは分からなくなります。調子がいい日は、1本を丁寧にやって早く終えてください。
- 爪が伸びていると、肉球の当たり方が変わります。一巡の途中で爪切りを入れるなら、その日は写真だけにして手順を止めます
- 散歩に行かなかった日も、1本はやります。止めると順番が飛んで、記録がつながりません
- 嫌がられた日は、写真1枚で切り上げます。その足は次の一巡の先頭に回します
4日を続けるコツ
続けるコツは、時間ではなく場所を固定することです。玄関で足を拭く流れの最後に組み込んでください。「帰ってきたら足を拭く。そのうち1本だけ、写真を撮って手をかける」。ひび割れの対処法を独立した行事にしないのが、続けるうえでのコツです。すでにある習慣の後ろにつけると、思い出す必要がなくなります。カレンダーに印をつけるより確実です。
- 道具を1か所にまとめる:布、湿らせるための水、保湿剤。玄関に小さな箱をひとつ置くだけで、手順が2つ減ります
- 写真のフォルダを分ける:ほかの写真に埋もれると、4日前の1枚を探すのに時間がかかります
- 2週間で1度、8枚を並べる:一巡が2回終わった時点です。同じ足の写真が2枚ずつそろうので、変化の向きが分かります
- うまくいかない日は記録だけ残す:やらなかった日を空欄にせず「やらなかった」と書いておくと、あとで理由が見えます
2週間、つまり一巡を3回以上続けてもひび割れが広がっていくとき、あるいは足をかばって歩き方が変わったときは、家庭でできる範囲を越えています。肉球のひび割れは、皮膚の乾燥だけが理由とはかぎりません。次のサインがあるときは、記録を持って動物病院にご相談ください。
割れ目から出血している、じくじくしている、においがある、肉球が腫れている、触ると痛がる、足を地面につけたがらない、同じ足だけを舐め続けている、4本のうち1本だけが明らかに違う、元気や食欲が落ちている。いずれかがあるときは、家庭のケアを止めて動物病院にご相談ください。迷ったら、一巡が終わるのを待たないでください。
受診のときは、撮りためた写真と、4行の記録をそのまま見せてください。いつから、どの足が、どう変わってきたか。診察室で肉球を見るのは一瞬なので、それまでの経過は家庭の記録にしかありません。診察の前に足をきれいにしすぎないことも、覚えておいてください。
一巡の最後に、その日の1本へ何を置くかも決めておきます。玄関の箱に入れる保湿剤で迷ったら、見るのは成分表よりも塗ったあとの30分です。この対処法は玄関で終わるので、その子は塗ってすぐ廊下へ上がります。ロウや油脂をベースにしたものはべたつきが残り、冬のフローリングを走れば跡が線になって残ります。4日後に同じ足が回ってきたとき、踏んでいるのは自分でつけた跡です。滑らないようにと塗ったものが、逆に働くこともあります。
mofuwa 肉球クリームに入る4種のヒアルロン酸のうち、分子の大きいものは表面に残る膜を、小さいものは角質層への浸透を受け持ちます。入れていない成分は11。べたつきを抑えてあるぶん、玄関から廊下へ上がるまで、その子を待たせずに済みます。
量は、割れ目のある1本に米粒ほど。厚く盛らないでください。これは写真で比べる記事です。表面が光るほど乗せると、翌日の1枚から割れ目のふちが読めなくなります。薄く伸ばして、そのまま4日待つ。次にその足が回ってきたときに前の1枚と比べられる状態であることのほうが、その日の見た目より大事です。
一巡を8回、つまり1か月ぶん続けたところで、同じ足の写真を並べてみてください。ひび割れが減ったかどうかより先に、季節のどこで悪くなって、どこで戻るのかが見えます。来年の冬は、その線が来る前に一巡を始められます。4日という単位は、そのために選んでいます。
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よくある質問
- 4日で一巡すると、手をかけない足は3日放置になりませんか?
- 毎日の拭き取りは4本とも続けます。分けているのは、写真を撮って保湿までする「手をかける工程」だけです。ひび割れへの対処法として時間がかかるのは、この工程のほうです。拭き取りは散歩のたびに4本、手をかけるのは1日1本。この2つを分けて考えてください。3日空くのは前者ではなく後者です。
- 猫にも同じやり方が使えますか?
- 使えます。ただし猫は足先を持たれるのをより嫌がるので、写真を撮るところまでで1日を終える日があって構いません。猫は自分で足先をよく舐めるため、置いたものが口に入る量も犬より多くなります。保湿剤を使うかどうかは、その子を診てもらったうえで動物病院に相談してください。
- 保湿剤は、どのタイミングで塗るのがいいですか?
- 散歩から帰って足を拭き、水気を移したあとです。汚れが残ったまま置くと、汚れごと閉じ込めることになります。また、塗ったあとすぐに歩かせると床に移って残りません。ひざの上で1分待ってから解放する、という順番だけは変えないでください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
