C04悩み解決

犬と猫の換毛期の抜け毛|まず疑いたい3つの原因

公開日 2025年1月20日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、背中の被毛にブラシを入れられている犬
換毛期の抜け毛は、どれだけ取れたかより、どのくらいの力で抜けたかで分かれます。写真:Goochie Poochie Grooming/Pexels

ブラシを1往復させただけで、手のひらに毛の玉ができる。換毛期に入ると、多くの家でこの光景から1日が始まります。ただ、取れた抜け毛の量そのものは、原因を分ける材料になりません。同じ量が取れても、ブラシを入れたから出てきたのか、何もしなくても落ちているのかで、体の中で起きていることは違います。この記事では、換毛期の抜け毛の原因を「抜ける速さ」で3つに分けて、家で確かめる方法まで整理します。

換毛期の抜け毛の原因は、抜ける速さで3つに分かれます

毛には、伸びている期間、伸びるのをやめる期間、抜けるのを待っている期間があります。抜けるのを待っている毛は、すでに体から切り離されていて、毛穴に差さったまま留まっているだけです。この毛は、下から新しい毛が押し上げてくるか、外から力が加わるまで、その場所に残ります。

ここが、換毛期の抜け毛の原因を考えるときの分かれ目です。いま抜けているのか、すでに抜け終わった毛がまとめて出てきているのかで、見えている量は同じでも意味が違います。取れば取るほど出てくるように見えるとき、その多くは後者です。被毛の中にたまっていた分を、ブラッシングで回収しているだけということが起こります。

量で判断できない理由は、比べる相手がないことにもあります。「去年より多い」は記憶との比較で、去年のブラシの回数も、部屋の湿度も、その子の年齢も違います。その場で確かめられるのは、どのくらいの力を加えたときに抜けたか、つまり抜ける速さのほうです。力を加えていないのに落ちているなら速く、ブラシを入れて初めて取れるなら遅い。ここは今日その場で見分けられます。

Note静電気が起きている日は、速さが実際より速く見えます

空気が乾いていると、抜けた毛が被毛から離れて舞い上がります。床に落ちている毛が急に増えたように見えても、静電気で運ばれているだけのことがあります。確かめる日は、部屋の湿度が極端に低くない日を選んでください。乾いている日は、根元にうるおいを与えてから触ると、判断がぶれにくくなります。

ブラシで・撫でて・何もせずに|換毛期の抜け毛の見分け方

3つの速さは、加える力の大きさで並びます。いちばん強い力(ブラシ)でしか抜けないものが遅く、力を加えていないのに抜けるものが速いという順番です。次の表で、いまどれに当たるかを決めてください。

抜ける速さで分ける、換毛期の抜け毛の3つの原因
どう抜けるか体で起きていること速さ
ブラシを入れたときだけ取れるすでに抜け終わった毛が、まわりの被毛に引っかかって留まっている。抜けているのではなく、たまっている遅い
撫でただけで手のひらにつくいま生え替わりが進んでいる。押し上げが追いついている状態ふつう
何もしていないのに床や寝床に落ちている進みが速い。または、季節以外の理由が混ざっている速い

いちばん多いのは1つめです。「抜け毛が多い」と感じて検索している飼い主の多くは、たまっていた分を回収している場面を見ています。下毛のある子は、抜け終わった毛が上の毛に絡んで何週間も残るので、ブラシを入れた瞬間にまとめて出てきます。量は多く見えますが、体はその毛をとうに手放しています。

2つめは、換毛期のまん中で起きていることです。撫でただけで手につくのは、抜けるのを待っている毛が被毛の表面近くまで押し上げられているからです。この状態は2〜3週間で山を越えます。期間としてはいちばん短く、ここで手を増やしても総量は動きません。

3つめは、扱いを変える必要があります。力を加えていないのに毛が落ちるということは、毛を留めておく側が弱くなっているか、その子が自分で抜いている(かいている、なめている、こすりつけている)かのどちらかです。季節の話として様子を見る対象ではありません。4つめのセクションで、この場合の手を分けて書きます。

Note猫は3つめが見えにくくなります

猫は毛づくろいで抜けた毛を自分で飲み込むので、床に落ちる量が実際より少なく見えます。猫の換毛期の抜け毛を速さで分けるときは、床ではなく、毛玉を吐く回数と、寝床に残っている毛の量を見てください。

朝と夜に1回ずつ|家でできる換毛期の抜け毛のチェック

表のどれに当たるかを、感覚ではなく数で確かめます。同じ場所を朝と夜に1回ずつブラシして、2回目に取れる量を1回目と比べるだけです。2回目が半分以下なら、1つめ(たまっていた分の回収)です。半分以上取れるなら、2つめか3つめに進みます。

  1. 場所を1か所だけ決める

    背中の中央や腰の上など、左右差が出にくく、その子が嫌がらない場所を1か所選びます。日によって場所を変えると比べられません。手の届きにくいお尻まわりや、毛の密度が違うしっぽは避けてください。

  2. 朝、その場所だけを10往復ブラシする

    力の入れ方も回数も決めておきます。取れた抜け毛は、白い紙かティッシュの上にまとめて置いてください。床やごみ箱に落とすと比べられなくなります。写真を1枚撮っておくと、夜に並べられます。

  3. 夜、同じ場所を同じ回数ブラシする

    朝から半日あけます。あいだに追加でブラッシングをしないことが条件です。散歩や食事は普段どおりで構いません。取れた分を、朝の紙の隣に置きます。

  4. 2つを並べて、量を比べる

    厳密に量る必要はありません。目で見て「半分以下かどうか」だけを決めます。半分以下なら、朝の1回でたまっていた分を回収し終えたということです。夜も同じくらい取れるなら、いま生え替わりが進んでいます。

  5. 3日続けて、日ごとの動きを見る

    1日だけでは、たまたまその日だけ多かったのかが分かりません。3日ぶんの紙を並べると、減っていくのか、変わらないのか、増えているのかが見えます。減っていくなら1つめ、横ばいなら2つめ、増えていくなら3つめとして扱ってください。

Point条件をそろえないと比べられません

ブラシの種類、当てる角度、往復の回数、力の強さ。この4つのうちどれかが変わると、量の差はそのぶんで説明がついてしまいます。同じ人が、同じブラシで、同じ回数やってください。人が替わるだけでも量は変わります。

速さごとに変わる手の入れ方と、様子見の幅

3つの原因は、やることが違います。同じ「ブラッシングを増やす」でも、1つめでは意味があり、3つめでは負担にしかなりません。チェックで出た速さに合わせて、この1週間の手を決めてください。

速さ別に、この1週間でやること
速さこの1週間でやること様子見の幅
遅い(たまっている)1日1回、根元から外へ送る。取り切るまで数日かかる前提で構えておく取れる量が日ごとに減っていけば、そのまま続けてよい
ふつう(進行中)回数は増やさない。根元にうるおいを置いてから触り、静電気で舞う分を減らす2〜3週間で山を越えるかを見る
速い(力を加えていない)ブラッシングを増やさない。日付・場所・地肌の見え方を記録する様子見の幅を取らない。次のセクションへ

1つめ(遅い)の手は、回収です。たまっている毛は、外へ送り出さないかぎり被毛の中に残り続けます。残っていると毛の向きがばらつき、もつれの芯にもなります。ここでのブラッシングは「抜くこと」ではなく「送り出すこと」です。根元から入れて、毛の流れに沿って外へ。引っぱって抜くと、まだ抜ける準備ができていない毛まで一緒に出てきます。

2つめ(ふつう)の手は、追いかけないことです。いま進んでいる換毛期の抜け毛は、家庭の手では総量が変わりません。減らそうとして回数を増やすと、被毛の摩擦とその子の拘束時間が増えるだけです。ここで変えられるのは量ではなく、抜けた毛がどこへ行くかです。10往復のブラシに入る前に、mofuwa グルーミングスプレーで根元を湿らせてから梳かすと、毛が静電気で立たないぶん、抜けた分が空気中ではなくブラシ側に集まります。同じ回数でも、床とソファに落ちる量のほうが減ります。

3つめ(速い)の手は、記録です。ここで家庭のケアを足すと、あとで受診したときに「何が原因で変わったのか」が分からなくなります。地肌が見えている場所を、同じ明るさで週に1〜2枚だけ撮ってください。触る量は増やさず、その子がかいている時間帯となめている場所だけをメモします。

3つの速さのどれに当たっても、換毛期のあいだ毎日やることは同じです。根元に抜け毛と脂をためないことです。山を越えるまでの2〜3週間、シャンプーの回数を増やせるわけではなく、サロンにも毎週は通えません。犬も猫も体から脂を出すので、切り離された毛はその脂で下毛の中に留まります。洗う日と洗う日のあいだを、毎日埋める手がいります。

mofuwa グルーミングスプレーは、その「毎日」のほうを担います。布に含ませて、背中から腰、首のうしろ、脇の下の根元をなでる。舐めても問題のない基準でつくられている水なので、下毛の奥まで届く量をかけて構いません。順番は、根元を湿らせる→ブラシで外へ送る→毛の流れに沿って手のひらでなでるの3手で、1か所2分あれば足ります。3つめ(速い)に当たる子は、ブラシの回数は増やさずに、この根元をなでるところだけを残してください。触る量を増やさないまま、地肌の見え方を毎日同じ手で確かめられます。

2回目が減らないとき|換毛期の抜け毛が季節だけでは説明できない形

チェックを3日続けても取れる量が減らない、あるいは日ごとに増えていく。このとき、原因を換毛期として説明することはできません。季節の生え替わりは、始まりと終わりのある出来事です。減っていかないものは、季節以外の理由が混ざっています。

Caution待たずに動物病院へご相談いただきたい抜け方

左右対称に薄くなっている、円くはげた場所がある、地肌に赤みやかさぶたがある、皮膚が黒っぽく厚くなっている、フケが急に増えた、においが変わった、かき続ける・なめ続ける、毛が抜けるのではなく途中で折れている、水を飲む量や食欲が変わった、元気がない。いずれかに当てはまるときは、換毛期の抜け毛として様子を見ずに、動物病院にご相談ください。

受診を決めたら、家でやっていたことを一度止めてください。受診の直前に洗ったり、念入りにブラッシングをしたりすると、地肌の状態が分からなくなります。取れた毛をまとめた紙も、そのまま持っていくと役に立ちます。「量」ではなく「同じ条件で3日ぶん」という形で残っているので、口で説明するより早く伝わります。

伝えるとよいのは、いつから気づいたか、朝と夜のチェックで2回目がどうだったか、抜けている場所は全身か一部か、家で使っているものはあるかの4つです。年齢や季節だけで判断されないよう、速さの記録を先に出してください。原因を絞り込むための材料になります。

逆に、3日ぶんの量がはっきり減っていて、地肌に変化がなく、その子が気にするそぶりもないなら、家で見ていて構いません。換毛期の抜け毛は、山を越えれば必ず落ち着きます。落ち着く時期が去年と大きくずれたときだけ、もう一度この3日のチェックをやり直してください。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

商品ページを見る

よくある質問

毎日ブラシをかけると、抜け毛が増えませんか?
抜ける総量は体が決めているので、ブラッシングで増えることはありません。増えて見えるのは、被毛の中にたまっていた分を回収しているためです。ただし力を入れて引っぱると、まだ抜ける準備ができていない毛まで出てきます。根元から入れて外へ送るだけにしてください。
掃除で集まる毛の量から、原因は分かりますか?
床に落ちる量は、部屋の湿度、床の材質、その子が過ごす場所、空気の流れで変わります。同じ抜け方でも、フローリングとカーペットでは集まる量がまったく違います。判断に使うなら、家全体ではなく、体の同じ1か所から取れる量にしてください。
換毛期はいつ終わったと考えればいいですか?
朝と夜のチェックで、2回目に取れる量が続けて半分以下になり、それが1週間続いたら山を越えたと考えて構いません。終わりの時期は年によってずれます。カレンダーで区切らず、その子の体から取れる量で区切ってください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。