C04悩み解決

毛艶の低下のケアで、実は逆効果になっている3つのこと

公開日 2025年1月13日|文=mofuwa編集部

明るい窓辺で、背中の毛が根元から毛先までそろって見えている犬
毛先はすでに作り終わった部分です。手を入れて変えられるのは、根元の数センチだけです。写真:Pexels/Pixabay

毛艶が落ちたと感じて最初に目が行くのは、パサついた毛先です。犬の毛はひと月におよそ1センチ伸びるので、10センチある毛先は10か月前に作られた部分にあたります。いま体が作っているのは、根元の数センチだけです。ここを取り違えると、もう変えられない場所に手をかけ続けることになります。この記事では、毛艶の低下でやってはいけない3つと、代わりに根元から3センチへ手を移す順番を整理します。

毛艶に家でできることは、根元の3センチにしかありません

毛は、皮膚の中にある毛穴の底で作られて、下から押し出されるように伸びていきます。いったん体の外へ出た部分は、爪と同じで、体の側から作り直すことができません。つまり毛先は、その毛が作られていた時期に何が起きていたかの記録です。いま目に見えているパサつきは、いま起きていることではなく、過去に起きたことの跡だということになります。

犬の被毛が伸びる速さは、部位や個体によって幅がありますが、おおまかにひと月で1センチ前後です。長毛の子で毛先まで10センチあるなら、その先端は10か月ほど前に作られています。毛艶が気になって毛先を見ているとき、私たちは去年の被毛を見ています。そこに手を入れても、いま体が作っている毛は変わりません。

毛のどこを見ていて、そこに何ができるか
毛の位置作られた時期家で変えられること
根元から3センチこの2〜3か月うるおいの残り方、寝る向き、受ける摩擦の量
中ほど半年ほど前寝る向きだけ。表面の状態はもう戻りません
毛先10か月〜1年前変えられません。切って短くすることだけができます

艶は、たくさんの毛が同じ向きにそろって光を返したときに生まれます。毛先が傷んでいると、そこで光が散ります。ただし散っている場所と、手を入れられる場所は違います。散っているのは毛先、手を入れられるのは根元です。この2つを重ねてしまうことが、毛艶のケアがうまくいかない入口になります。

毛艶に家でできることは、根元から3センチと、これから伸びてくる毛が置かれる環境の2つに限られます。逆に言えば、そこだけに手を絞れば、毎日3分で足ります。時間をかけないほうがうまくいく数少ない場面です。

Note猫でも同じ場所を見ます

猫は毛づくろいで自分の根元まで手が届くので、若いうちは人が手を入れなくても被毛が整っています。年齢や体調で毛づくろいの時間が減ると、根元から先に変わります。猫の毛艶が落ちたように見えるときも、確かめる場所は毛先ではなく根元です。

毛艶の低下でやってはいけない3つは、どれも毛先で完結しています

よかれと思ってやることのうち、毛艶の低下でやってはいけないものが3つあります。3つとも、毛先という「もう終わった場所」に手を入れています。そして3つとも、やった直後だけは見た目がよくなります。だから続けてしまいます。

やってはいけない3つと、そのあとに起きること
やってはいけないこと直後に見えること数日後に起きること
パサついた毛先だけを切りそろえる長さがそろって見える切り口が平らになり、そこで光が返らなくなる。被毛の量も減って向きが崩れる
毛先を集中的にブラシで磨くその場では毛が寝る毛先は根元より細く支えがない。摩擦で表面がめくれ、静電気も増える
ドライヤーの熱を毛先に当てて伸ばすその日はまっすぐ光るうるおいが抜けて曲がりやすくなる。翌日には戻るので、毎日当てることになる

1つめ、毛先を切りそろえること。切ればパサついた部分は物理的になくなります。ただし、切った断面は平らです。自然に伸びた毛先は細くなっていて、光をやわらかく返します。まっすぐ切った断面は、そこだけ違う返し方をします。さらに、被毛の量そのものが減るので、毛が隣どうしで支え合って同じ向きに寝る力も弱まります。傷んだ毛先を切れば毛艶が戻りますという言い方をときどき見かけますが、戻っているのは長さのそろい方だけです。

2つめ、毛先を集中的にブラシで磨くこと。金属や硬い毛のブラシで毛先だけを往復させると、被毛の表面がこすれます。毛先は根元より細く、根元のように皮膚に支えられていないので、力が逃げません。乾いた状態で往復させれば静電気も起きます。磨けば光るのは硬いものの話で、毛はこすった分だけ表面が荒れます。ブラッシングは毛先を磨く作業ではなく、根元の毛を外へ送る作業です。

3つめ、ドライヤーの熱を毛先に当てて伸ばすこと。毛はたんぱく質でできています。熱と乾燥が続くと、うるおいが抜けて形が変わりやすくなります。当てた直後はまっすぐになって光りますが、それは形を一時的に固定しただけです。翌日には戻るので、翌日もまた当てることになります。毎日くり返せば、いちばん細い毛先にいちばん強い負担がかかり続けます。

Caution3つに共通しているのは「終わった場所を直そうとしている」こと

毛先は、体がもう関与していない部分です。そこに何をしても、明日その子が作る毛は変わりません。やってはいけない3つをやめるだけで、毛先への負担は減ります。ただし、やめただけでは艶は戻りません。手を入れる場所を根元へ移す必要があります。

根元から3センチ|毛艶の手入れの順番を入れ替える

道具を増やす必要はありません。同じブラシで、入れる場所と止める場所だけを変えます。毛艶の手入れの順番を、毛先から根元へ入れ替えます。かかる時間は3分ほどです。

  1. 触る前に、根元が乾いているか湿っているかを見る

    背中の毛を指で左右に分けて、根元の地肌に近いところを見ます。湿っているなら、先にそこを乾かします。湿った根元にブラシを入れると、毛が寝ないまま固まります。乾いていて、指で分けたときに毛がぱらぱらと散るなら、静電気が起きている合図です。

  2. ブラシは根元から入れて、3センチで止める

    毛の流れに沿って、根元に当ててから外へ送ります。毛先まで通し切らず、3センチほどで一度抜きます。この長さが、いま体が作っている部分です。1か所につき3〜4回で十分で、それ以上は摩擦が増えるだけです。

  3. 浮いた毛は、引き抜かずに外へ送る

    換毛期は、抜け終わった毛が根元にたまります。力を入れて引き抜くのではなく、根元から毛先の向きへ送り出します。たまった毛が残っていると、そこで毛の向きがばらつき、光が散ります。艶が戻らない原因が、ここにあることは少なくありません。

  4. 毛先は、通すだけにする

    根元を終えたあと、毛先まで1回だけ、力をかけずに通します。整えるためではなく、途中で止めた毛の流れをつなぐためです。ここで往復させないことが、この順番の要になります。

  5. 同じ場所を、3週間のあいだ週に1枚だけ撮る

    背中の同じ場所を、同じ時刻・同じ窓の光で撮ります。毛艶の変化は日単位では分かりません。3枚並べて初めて、根元から光る帯が伸びてきているかが見えます。撮る場所を決めておくことが、いちばん手を抜けない部分です。

この順番のコツは、触る面積を増やさずに、触る場所だけを変えるところにあります。毛艶のために時間を足す必要はありません。これまで毛先に使っていた3分を、そのまま根元に移すだけです。

Pointうるおいは、根元に置く

被毛にうるおいを与えるものを使うときも、かける場所は根元です。毛先にかけたものは、そこで止まって重くなるだけで、体の中へは戻りません。根元にうるおいがあると、これから伸びてくる毛が乾いた空気にさらされる時間が短くなり、静電気も起きにくくなります。mofuwa グルーミングスプレーを使う日も、散らすのは毛先ではなく、指で分けた根元の3センチです。

回数を足しても毛先は変わりません|手を入れる頻度の決め方

順番を変えたあとに戻りやすいのが、頻度です。変化がすぐに見えないので、回数を増やしたくなります。毛艶の手入れの頻度は、1日1回・3分で足ります。2回、3回と増やすと、増えるのは摩擦と、その子が触られている時間の長さだけです。

毎日1回という頻度は、シャンプーの間隔とは別の話です。洗った翌日から、根元にはまた脂が乗ります。毎日きれいにしてあげたいのに、シャンプーは毎日できない。その間を埋めるためにつくられたのが mofuwa グルーミングスプレーで、還元水100%・無香料・アルコールフリー。汚れの原因になる脂は油と乳化して落ち、セラミドとスクワランのほうは毛に残ります。中身が飲みものと同じ物差しで測られていることが、毎日散らせる理由になっています。

散らす場所も、この記事の順番と同じです。毛を左右に分けて、根元から3センチにだけ出してから、ブラシを入れます。毛先に向けてたっぷりかけると、そこで止まって重くなり、毛並みの流れがかえって割れます。静電気が起きていた日は、指で分けたときの毛の散り方がその場で変わるので、手を入れた場所が自分で分かります。地肌に赤みやかさぶたがある場所は飛ばして、背中の後ろ半分だけにしてください。

Caution毛艶の話として様子を見ないほうがよい落ち方

一部分だけ急に毛が薄くなった、地肌が見えている、皮膚に赤みやかさぶたがある、フケが急に増えた、においが変わった、体をかき続けている、体重や食欲が落ちている、水を飲む量が変わった。これらは被毛の手入れの話ではありません。当てはまるものがあるときは、家で様子を見ずに動物病院にご相談ください。全身の毛艶が落ちるときは、体の側の変化が先に出ていることがあります。

相談するときは、いつから気になったか、全身か一部か、毎日どこに手を入れているかをメモしていってください。3週間ぶんの写真があれば、それがそのまま経過の記録になります。写真は撮った日付が分かる形で残しておくと、口で説明するより早く伝わります。

毛先を触りたくなったら、その手を根元に戻してください。やってはいけない3つをやめて、根元から3センチに毎日3分。3週間後の写真で光る帯が根元から伸びていれば、いま体が作っている毛は変わっています。毛先が入れ替わるのは、そのあとです。

Product

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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

毛玉ができている毛先も、切らないほうがいいですか?
毛玉は別の話です。ほどけない毛玉は皮膚を引っぱり続けるので、無理にほどかず、トリミングサロンや動物病院で処理してもらってください。ここで避けたいのは、毛玉がないのに「傷んで見えるから」という理由で毛先を切りそろえることです。
食べ物やサプリで毛艶は変わりますか?
被毛は体が作るものなので、食事の内容が関係する場面はあります。ただし何をどれだけ足すかは体格・年齢・持病によって変わるため、自己判断で足さず、かかりつけの動物病院にご相談ください。今日足したものが毛に出てくるのは、根元が3センチ伸びたあとです。
シャンプーの回数を増やせば、根元はきれいになりますか?
回数を増やすと、洗うたびに被毛と地肌のうるおいが減ります。増やす方向ではなく、洗った日に根元までしっかり乾かすことと、洗う日と洗う日のあいだに根元をなでる習慣のほうが続きます。洗う間隔は、その子の被毛の量と生活によって変わるので、迷ったらトリミングサロンに相談してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。