C05犬種・猫種別ケア

コモンドールのケア|体のにおいを減らす3つの習慣

公開日 2025年4月22日|文=mofuwa編集部

明るい室内の淡い色の床に、白く長い毛の大型犬が落ち着いて伏せている
隣り合った2本のコードでも、根元でかいだにおいは同じとはかぎりません。

コモンドールの背中から1本、コードをつまんで根元に鼻を近づけてみてください。そのすぐ隣の1本にも、同じことをします。2本のにおいが違っていることのほうが、たいていは多いはずです。コモンドールの体臭は、体ぜんぶから同じように立ちのぼっているわけではありません。コードは1本ずつが独立した袋のような形をしていて、その1本の中で起きたことは、隣へはあまり移りません。だから、体全体をまとめて嗅いでいるかぎり、どこから来ているのかは分かりません。この記事では、なぜコードごとに違うのかを先に書いて、そのあとで、4本だけを選んで根元と先に分けて確かめる手順を書きます。

コードが1本ずつ独立した袋になる|コモンドールの体臭を毎日どこで感じているか

コモンドールの被毛は、子犬のころは柔らかい毛です。成長にしたがって上毛と下毛が絡み合い、太い束になり、やがて先までフェルトのように締まっていきます。できあがった束は根元で体につながっていますが、隣の束とは切り離されています。途中でくっついたり、分かれたりしません。1本が1本のまま、先まで独立しています。

この形が、コモンドールの体臭を考えるときの出発点になります。束の内側は、繊維が密に絡んだ空間です。外から見れば1本のひもですが、中身は細かい毛が何百本も重なった、袋のような構造をしています。そこへ入ったものは、隣の束へは移らず、その束の中にとどまります。皮脂も、地面から拾った土も、ごはんの汁も、同じです。

だから、1本ごとに履歴が違ってきます。食器に顔を入れる犬なら、口まわりの束にだけ食べたものが入ります。草の上に伏せる犬なら、腹側と胸の束にだけ地面のものが入ります。寝床でいつも同じ側を下にしている子なら、その側の束にだけ、寝床の空気と体温が長くかかります。同じ1頭のうえで、束ごとにまったく違う条件が並んでいるということです。

皮脂の動き方も、束の作りに沿っています。皮脂は地肌から出て、束の根元にまず溜まります。そこから先へ向かってゆっくり広がっていきますが、束が太いほど時間がかかります。においの元になるのは、時間が経った皮脂と、そこに集まる雑菌です。つまり、根元と先では、同じ束の中でも状態が違います。ここを分けずに嗅ぐと、強いほうに引きずられて、もう一方が見えなくなります。

Note「体全体がにおう」という感じ方は、たいてい2〜3本のことです

部屋に入った瞬間に感じるにおいは、体の面から均一に出ているものではなく、いちばん強い数本が、まわりの空気に混ざったものであることが多いです。全身を洗う回数を増やしても、その数本の条件が変わっていなければ、数日で同じところに戻ります。コモンドールの体臭を扱うときは、面ではなく本数で考えたほうが、手の当てどころがはっきりします。

体ぜんぶを嗅ぐのをやめる|コモンドールの体臭を根元と先に分けて確かめる手順

ここからが手順です。全身を嗅いで回るのではなく、4本だけを選んで、その4本を毎回同じ順で確かめます。コモンドールは体が大きく、束の数も多い犬種です。全部を相手にすると続きませんし、続かないと比べられません。比べられない観察には意味がありません。

  1. 犬を立たせて、4本の束を選ぶ

    首の下、前肢のつけ根の脇、腹の側、腰の4か所から1本ずつ選びます。選んだら、その4本を今後もずっと使います。目印になる長さや太さを覚えておいてください。毎回違う束を嗅いでいると、犬が変わったのか場所が変わったのか分からなくなります。

  2. 束の根元を、指でかき分けて出す

    束をつまんで少し持ち上げ、地肌の側を見えるようにします。根元をつまんだまま、鼻を近づけるのは3秒までです。長く嗅ぐと鼻のほうが慣れてしまって、次の1本と比べられなくなります。1本ごとに顔を離して、いったん別の空気を吸ってから次へ行きます。

  3. 同じ束の、先の側でもう一度かぐ

    根元でかいだのと同じ束の、いちばん先を持ってきて同じことをします。ここが手順の中心です。根元のほうが強い、先のほうが強い、どちらも変わらない。この3つのどれかを、その場で決めてください。判断に迷ったら「変わらない」に入れて構いません。

  4. 4本ぶんを、同じ順でひととおり回す

    首の下 → 脇 → 腹 → 腰、と順番も固定します。全部で3分ほどです。気になる場所から始めないでください。強いところから入ると、そのあとの3本が弱く感じられます。順番を固定するだけで、比べられる記録になります。

  5. 根元が強かった本数だけをメモする

    文章にする必要はありません。日付と、根元が強かった束の場所だけです。「4本のうち何本が根元だったか」という数の推移が、あとで効いてきます。週に1回で足ります。毎日やる必要はありません。

同じ束の、根元と先で分ける コモンドールのコードは根元で体につながり、先まで独立しています。皮脂は根元から先へ向かうので、同じ1本でも根元と先では時間の差があります。分けて嗅ぐと、家で動かせる場所かどうかが分かります。 4本を、同じ順で、同じ2か所ずつ 根元のほうが強い 新しい皮脂が溜まっている 地肌の側の空気が動かない 拭き取りが届いていない 家で動かせる余地がある 先のほうが強い 外から入ったものが残る 食器や地面の履歴が多い 束の外側を洗う話になる 場所と行動から追える どちらも変わらない本数が増えたときは、s4の線引きを見てください
1本の束を2か所に分けるだけで、手を当てる場所が決まります。
根元と先のどちらが強かったかで、次の手が変わります
嗅ぎ分けた結果考えられること次にやること
根元が強い皮脂が溜まって時間が経っているその束の根元だけを拭く日をつくる
先が強い外から入ったものが残っているその場所が何に触れているかを思い出す
どちらも同じくらい束ぜんたいに回っている洗う日の前後で、同じ4本を比べる
前の週より弱くなった条件が動いているそのまま続ける。増やさない
4本とも急に強くなった被毛の話ではない可能性s4の線引きを読んでください

この手順のいちばんの利点は、におった・におわないという感覚の話を、本数と場所という数えられる形に変えられることです。コモンドールの体臭は、飼い主が毎日そばにいるぶん、変化に気づきにくいところがあります。4本という基準を持っておくと、鼻が慣れていても差のほうは残ります。

選んだ4本を基準にする|コモンドールのにおいを減らす3つの習慣と、そのやり方

習慣を3つ挙げますが、3つとも毎日やるものにはしていません。週に1回決めるものが1つ、束を触る日に決めるものが1つ、部屋の側で決めるものが1つ。粒度をずらしてあるので、忙しい週でも3つが同時に止まりません。

  1. 習慣1:週に1回、同じ4本を同じ順で確かめる

    s2の手順を、曜日を決めてくり返します。毎日やらないことが、この習慣のやり方です。毎日嗅いでいると鼻が慣れて、差が消えます。週に1回、3分。記録するのは日付と、根元が強かった束の場所だけ。コモンドールの体臭で家が持てる基準は、この4本の推移です。数が減っていく週は、いまやっていることを増やさないでください。

  2. 習慣2:束を触る日は、根元だけを拭いて先には触らない

    根元が強いと分かった束だけ、地肌の側を出して、ぬるま湯で固く絞った布で根元をなでるように拭きます。先まで拭こうとしないでください。束の先を濡らすと、コモンドールは太いぶん乾くまでに時間がかかります。拭くのは根元、乾くのを待てる範囲まで。拭いたあとは、風の通る場所で少し歩かせてください。束を触る日にやるのは、ここまでで足ります。

  3. 習慣3:においが移る先を、部屋の側で動かす

    束から出たにおいは、いちばん長く接している寝床の布と、床、それから食器に移ります。寝床の布は週に1回洗う、食器はごはんのたびに洗う、部屋は1日2回、数分ずつ換気する。ここは犬を触らずにできる部分です。移った先を放っておくと、拭いた翌日にまた同じ場所からにおいが戻ってきます。犬の側と部屋の側は、往復しています。

3つの習慣は、決める単位を揃えていません
何を決めるか決める単位
習慣14本を確かめる日と、順番週に1回
習慣2拭くのは根元まで、という範囲束を触る日ごと
習慣3寝床・食器・換気の回し方部屋の側で、日々

洗う回数については、増やす方向へ寄せないほうが安全です。コモンドールは束が太く、洗ったあとに芯まで乾かすのに、他の犬種とは比べものにならない時間がかかります。乾ききらない時間が延びれば、皮脂と雑菌にとっての条件はむしろ整ってしまいます。回数ではなく、根元に手が届いているかどうかのほうを先に見てください。

洗う日についても、考え方は同じところに戻ります。コモンドールの洗う日にいちばん決まるのは、落ちた量ではなく、束の中に何を残して終えたかです。束は袋のような形をしているので、すすぎで出しきれなかったものは、芯が乾くまでの何時間かをそこで過ごします。だから選ぶ物差しは、落とす力の強さではなく、残ったときに困らない側にあります。mofuwa モイストシャンプーは香りを足していません。犬や猫は自分のにおいを好むもので、外から足された香りは、それ自体がその子の負担になるからです。束の中に何時間も居座るものだからこそ、最初から入れない、という考え方です。洗った週は、芯まで乾ききった翌日に、選んだ4本を同じ順で確かめてください。表の3行目にいた束が、根元と先のどちらへ寄ったか。その月のなかで、いちばん読みやすい記録になります。

Point食器と水皿は、犬の体より先に条件が変わります

コモンドールは口のまわりにも束があるので、食器に顔を入れるたびに、その束が中身に触れます。食器の側が汚れていれば、束のほうへ毎回持ち帰ることになります。ステンレスや陶器のように、においが残りにくい材質へ替えるだけで、口まわりの1本が変わることがあります。水皿も同じで、毎日すすぐのではなく、洗って乾かすところまでやってください。

4本とも同じにおいに変わったとき|コモンドールで家でできることの線引き

ここまでは、束ごとに条件が違うという前提で書いてきました。その前提が崩れたとき、つまり4本とも似たにおいになったときは、被毛の話として片づけないでください。場所ごとの履歴で説明がついていたものが、全身で同じになったということだからです。次のような変わり方は、家で手を足す前に、いったん立ち止まる合図になります。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

地肌が赤い、じくじくしている、束の根元から毛が抜けて地肌が見えている、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、においの質が急に変わった、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数や洗う回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。コモンドールは束の下が外から見えないので、皮膚の変化が進んでから気づくことがあります。迷ったときは、早いほうを選んでください。

相談に行くときは、いつからか、4本のうち何本か、根元と先のどちらが強いかの3つをメモしていってください。この3つがあると、束の作りで説明のつく体臭なのかどうかを、その場で切り分けてもらいやすくなります。前の晩に念入りに洗ってから連れて行くと、もとの状態が分からなくなるので、そのまま連れて行ってください。

コモンドールと暮らすうえで、においが完全になくなることはありません。束が体をおおうという作りは、ハンガリーの平原で群れを守るためにそなえたものだからです。減らせるのは、においの総量というより、強い数本を放っておく時間のほうです。体ぜんぶを嗅ぐのをやめて、4本だけを根元と先に分ける。コモンドールの体臭で、家の手が確実に届くのはそこです。

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よくある質問

コモンドールのコードは、洗えばにおいは落ちますか?
洗ったあとに芯まで乾かしきれるかどうかで、結果が変わります。コモンドールは束が太いので、乾ききるまでに長い時間がかかります。乾ききらない時間が延びると、皮脂と雑菌にとっての条件はかえって整ってしまいます。洗う回数を増やすより、根元に手が届いているかどうかを先に見てください。
4本ではなく、全身を確かめたほうが正確ではないですか?
正確さより、続けて比べられるかどうかを優先しています。コモンドールは体が大きく、束の数も多いので、全身を回すと1回で終わってしまいます。同じ4本を同じ順で毎週見るほうが、前の週との差が残ります。差が見えることが、この観察の目的です。
子犬のうちから、においは違うものですか?
束がまだできあがっていない時期は、隣どうしが切り離されていないので、場所ごとの差も出にくくなります。束が締まってくるにつれて、1本ごとの履歴が分かれていきます。4本を決めて確かめる習慣は、束の形がはっきりしてきたころから始めると、比べやすくなります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。