C04悩み解決
シャンプー後の肌荒れが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
シャンプー後に同じ場所をかく子の毛を、根元まで指で押さえて離すと、押した跡から白く濁った水がにじんでくることがあります。すすいだつもりで残っていた泡です。シャンプー後にかゆい様子が出やすいかどうかの犬種差は、毛の量や太さそのものより、すすぎ終わりが目と手で分かるかどうかに集まります。分かる毛は、すすぎを止める場所を自分で決められます。分からない毛は、どこで止めても手ざわりが同じです。この記事では、その2つを条件の数で比較します。
犬種差の中身は、すすぎ終わりが分かるかどうか
シャンプー後にかゆい様子が出る子と、出ない子がいます。この差を毛の量や皮膚の強さで説明しようとすると、同じ量の毛でも片方だけ荒れる例が出てきて、そこで止まります。実際に分かれているのは、洗っている人が「すすぎ終わった」と判断できるかどうかです。
すすぎ終わりの合図は、ふつう手ざわりで受け取ります。ぬるつきが消え、指が毛の間を抵抗なく通るようになる。ところが毛が密で長い子は、この合図が表面にしか出ません。根元に泡が残っていても、指が触れているのは毛の中ほどから先です。表面がさらさらになった時点で手を止めると、地肌の側には泡が残ったままになります。
残った泡は、乾かす工程でそのまま毛と皮膚のあいだに閉じ込められます。濡れているうちは何も起きず、乾いてから、そこがかゆい場所になります。シャンプー後にかゆいと訴える場所が毎回そろっている子は、この残りやすい場所が決まっているだけのことがあります。犬種差として語られてきたものの多くは、ここに置き換えられます。
- すすぎ終わりが分かる毛:短い、1層、まっすぐ。指が根元まで届き、ぬるつきの有無をその場で確かめられます
- すすぎ終わりが分からない毛:密、長い、巻いている。指が根元に届かず、表面の手ざわりだけで判断することになります
- どちらとも言えない毛:短いが密度が高い、長いが1層。場所によって分かれます。背中は分からず、脚は分かる、という子もいます
この記事では犬種の名前を出しません。同じ犬種でも毛の状態には幅があり、混血の子には当てはめられないからです。「密か」「長いか」「巻いているか」「2層か」を数えて、当てはまる条件が多いほど分からない側に寄る、と考えてください。3つ以上当てはまれば、すすぎ終わりは手では分かりません。
根元を押して離す|すすぎ終わりの見分け方
分かる毛か分からない毛かは、犬種差の話としてではなく、その場で確かめられます。すすぎ終わったと思ったところで、一度だけこの手順を挟んでください。かかる時間は10秒です。
-
すすぎを止めて、シャワーを離す
水を止める必要はありません。その子の体からシャワーヘッドを離して、水音を小さくします。音が大きいままだと、次の工程で体が動き、押した場所が分からなくなります。
-
毛を根元まで押さえて、指を離す
手のひらではなく、指の腹を使います。背中、脇の下、内ももの3か所で、毛の束を地肌まで押しつぶして、そのまま離してください。スポンジを押して離すのと同じ動きです。押しているあいだに毛の中の水が外へ出て、離した瞬間に戻ってきます。
-
出てくる水が濁るかを見る
透明ならすすぎ終わりです。白く濁る、細かい泡が浮く、指に薄いぬるつきが残る。このどれかがあれば、まだ残っています。浴槽や床の色が濃いと見にくいので、手のひらの上で受けて見てください。
-
濁った場所だけ、もう一度すすぐ
全身をやり直す必要はありません。濁った1か所に、上から下へ水を通します。そのあと同じ場所をもう一度押して離し、透明になるまで繰り返します。たいてい2回で終わります。
この見分け方の利点は、すすぎ終わりを「時間」ではなく「見えるもの」で決められることです。3分すすぐ、5分すすぐという決め方は、毛の状態が変われば意味が変わります。押して離して濁らない、という基準なら、その日のその子に合わせて止まれます。
背中の真ん中、脇の下、内もも。この3か所は、シャワーの水が上から流れ落ちる経路から外れているか、体の重なりで隠れている場所です。分からない毛の子は、ここで濁ります。逆に言えば、確かめる場所は3か所で足ります。全身をくまなく押していく必要はありません。
条件の数で比較する|分かる毛と分からない毛
2つの毛を、6つの条件で比較します。犬種差を名前で覚えるより、この表のどちら側に何個当てはまるかを数えるほうが、混血の子にも猫にも使えます。
| 見るところ | 分かる毛 | 分からない毛 |
|---|---|---|
| 指が地肌に届くか | 毛をかき分けずに届く | かき分けても届かない |
| 水をかけたときの見え方 | 地肌が透けて見える | 表面で水が弾かれ、中が見えない |
| ぬるつきの消え方 | 全身がほぼ同時に消える | 表面だけ先に消え、根元は残る |
| 泡の残り方 | 見た目で残りが分かる | 毛の内側に隠れて見えない |
| 乾くまでの時間 | タオルと風で30分以内 | 1時間以上かかり、根元が最後に乾く |
| かゆい様子が出るまで | 当日中に出るか、出ない | 翌日以降にずれて出やすい |
表の下2行が、シャンプー後のかゆいを分かりにくくしています。乾くのが遅く、かゆい様子が出るのも遅いので、その日のシャンプーと結びつけて考えにくくなります。翌日にかき始めた場合、飼い主は散歩や食べ物のほうを疑います。実際には前日のすすぎ残りが乾いた場所で起きている、ということが起こります。
比較して分かるのは、必要なものが違うという点です。分かる毛の子に必要なのは、すすぎの時間ではなく洗う量の調整です。分からない毛の子に必要なのは、すすぎ終わりを目で確かめる工程と、乾かす手順そのものです。同じシャンプー剤を使っていても、工程の重心が違います。
猫を洗う機会は多くありませんが、条件の数え方は同じです。下毛のある長毛の猫は、分からない側に3条件そろいます。加えて、猫はシャワーの音を犬より嫌がるので、すすぎが短くなりがちです。押して離して確かめる工程は、猫のほうがむしろ必要になります。
うちの子は、どっちの毛か
どっちに寄っているかは、洗う日でなくても数えられます。乾いた状態で、次の4つを確かめてください。当てはまる数が多いほど、分からない側です。
- 1. 背中の毛を指で分けて、地肌がすぐ見えるか:見えなければ1つ
- 2. 毛の下に、細く柔らかい毛がもう1層あるか:あれば1つ
- 3. 毛の長さが、指の第一関節を超えるか:超えれば1つ
- 4. 毛が波打っている、または巻いているか:そうなら1つ
| 当てはまる数 | すすぎ終わり | かゆい様子の出方 |
|---|---|---|
| 0〜1個 | 手ざわりで判断してよい | 出るとすれば当日中。原因をその日の中で探せる |
| 2個 | 3か所だけ押して確かめる | 当日か翌日。場所は決まっていないことが多い |
| 3〜4個 | 毎回、押して離す工程を入れる | 翌日以降にずれる。毎回同じ場所に出やすい |
3〜4個の子は、洗う頻度を下げるより先に、すすぎと乾かす工程を変えてください。頻度を下げると1回あたりの汚れが増え、洗剤の量が増えます。増えた量は、そのまますすぎ残りの量になります。頻度の話は、工程を整えたあとで考えるほうが順番として無理がありません。
0〜1個の子で、それでも毎回かゆい様子が出るなら、すすぎ残りでは説明がつきません。洗う前の皮膚の状態か、乾かすときの熱か、そのどちらかを先に見てください。この記事の比較は、毛の条件だけを並べたものです。条件が少ない側にいる子の変化は、別のところを探す合図になります。
分からない毛の子の、乾かす手順の選び方
すすぎ終わりが分からない毛の子は、乾かす工程でも同じ問題が起こります。表面が乾いた時点で終わりにすると、根元が濡れたまま残ります。手順の選び方は、この根元に合わせます。
-
タオルは、こすらず押さえる
毛の長い子をタオルでこすると、それだけでもつれます。タオルを当てて、体重をかけずに10秒押さえる。これを場所を変えて繰り返します。この段階でどれだけ水を移せたかで、そのあとの時間が変わります。
-
毛を分けて、根元に風を当てる
上から風を当てても、表面で流れて終わります。片手で毛を分けて地肌を出し、その筋に沿って風を通してください。音を嫌がる子は、風量を下げて距離を近づけるほうが早く終わります。
-
3か所を最後にもう一度確かめる
背中の真ん中、脇の下、内もも。すすぎで濁った場所は、乾きも最後になります。指で押して、地肌が湿っていないかを確かめてから終えてください。ここが乾いていれば、翌日にずれてかゆい様子が出ることは減ります。
-
次に洗う日は、泡を置く場所を先に決める
乾かす工程まで整えても、シャンプー剤の量が多ければ、すすぐ相手はそのぶん増えます。シャンプー後の様子が毎回おなじ場所に出る子は、次の1回で置く場所のほうを変えてみてください。分からない毛の子ほど、ここで差がつきます。mofuwa モイストシャンプーは、使っている洗浄成分がアミノ酸系だけで、その配合量も抑えてあります。すすぎで流しきる相手が、はじめから少ないという作りです。泡は背中の全面ではなく、足の裏、口のまわり、お尻まわりの3か所に置いてから広げてください。押して離して濁るのは、たいてい泡を置いた場所ではなく、広がっていった先のほうです。
ここまでの選び方は、すべて毛の条件から出しています。条件が同じなら、犬でも猫でも同じ手順になります。逆に、条件を整えても変わらないときは、毛の話ではありません。次のサインが出ているときは、洗い方の工夫を続ける前に相談してください。
皮膚が赤い、ぶつぶつや膿が出ている、かき壊して出血している、においが強くなった、毛が抜けて地肌が見える範囲が広がっている、シャンプーをしていない日もかゆい様子が続いている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。洗い方を何度も変えて試すあいだに、範囲が広がることがあります。
相談すると決めたら、使っているシャンプー剤の名前、洗った頻度、かゆい様子が出るまでの時間、出る場所、押して離したときに濁ったかどうかをメモしてください。すすぎ残りの有無は、家庭でしか確かめられない情報です。犬種差の話ではなく、その子の工程の記録として渡すほうが伝わります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- すすぎの時間を長くすれば、押して確かめなくても足りますか?
- 時間を延ばすほど、水に触れている時間も延びます。長すぎるすすぎは、それ自体が皮膚の負担になります。押して離して濁らないところで止めるほうが、結果として短く終わります。分からない毛の子でも、3か所を確かめる10秒を入れれば、全身のすすぎを闇雲に延ばす必要はありません。
- シャンプー剤を薄めて使えば、すすぎ残りは減りますか?
- 薄めると泡切れは良くなりますが、汚れが落ちにくくなって回数が増えることがあります。量を減らすより、つける場所を減らすほうが確実です。汚れているのは足の裏、口のまわり、お尻まわりで、背中の全面に洗剤を広げる必要はほとんどありません。つけた場所が少なければ、すすぐ場所も減ります。
- トリミングサロンに任せていれば、すすぎ残りは起きませんか?
- 工程は家庭より整っていますが、家に帰ってからかゆい様子が出た場合は、そのことを次回に伝えてください。どの場所をかいていたか、何時間後だったかを伝えると、すすぎと乾かす工程を調整してもらえます。伝えないと、同じ工程が繰り返されます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
