C04悩み解決
季節の変わり目に脂漏っぽさが増えるのは、なぜか
春と秋、ブラシが抜け毛でいっぱいになる時期に限って、背中を触った指がぬるっとする。この2つは、同じ時期にたまたま重なっただけに見えます。ところが季節の変わり目に脂漏っぽさが増えると感じる理由は、皮脂の行き先である毛の本数が、一時的に減っていることで説明がつきます。毛が多いほど皮脂は毛に散り、毛が少ないほど皮膚に残ります。出ている量は変わっていないのに、増えるように見えている状態です。
季節の変わり目に増えるのは、皮脂の量ではなく行き先
皮脂は皮膚から出たあと、そこに留まりません。毛の根元から毛に沿って広がり、被毛全体にうすく行きわたります。つまり皮脂の行き先は、皮膚の表面と、その上に生えている毛の2つです。同じ量が出ていても、毛の本数が多ければ1本あたりに配られる分だけが増え、皮膚に残る分は少なくなります。
換毛の時期は、この本数が変わります。下毛が抜けていくあいだ、抜けた分と新しく伸びてくる分の入れ替わりが同時に進むので、その途中では毛の本数が一時的に減ります。行き先の一方が細くなるので、もう一方、つまり皮膚の表面に残る分が増えることになります。指で触ってぬるっとするのは、この残った分です。
だから、春と秋の端境期に「急にべたついてきた」と感じます。出ている量が増えたのではなく、散る先が減っただけという見方をすると、やることが変わります。量を減らそうとして洗う回数を増やす方向ではなく、散る先である毛の入れ替わりを進める方向に手をかけることになります。
換毛のときは毛の長さもそろわなくなりますが、脂漏っぽさに関係しているのは長さではなく本数のほうです。短い毛でも本数があれば皮脂は散ります。長毛の子だけの話ではないのは、そのためです。短毛でも下毛の多い犬種では、季節の変わり目にべたつきが増えると感じることがあります。
毛が抜けている最中と、そろっている時期の比較
比べる軸は2つだけです。いま毛が抜けている最中なのか、それとも本数がそろっている時期なのか。脂漏っぽさの見え方は、この2つでかなり変わります。同じ子の、同じ皮脂の量でも、次のように違って現れます。
| 見るところ | 毛が抜けている最中 | 毛がそろっている時期 |
|---|---|---|
| ブラシに取れる量 | 1回で毛玉ができるほど取れる | ほとんど取れない、または少量 |
| 皮脂の行き先 | 皮膚に残る割合が増える | 被毛全体に散る |
| 指で触ったとき | 地肌に近いところがぬるっとする | 毛の表面がしっとりする程度 |
| べたつきを感じる場所 | 背中の中央、腰、しっぽのつけね | 全体に薄く、場所が特定しにくい |
| においの出方 | 地肌を嗅ぐと分かる | 近づいても分かりにくい |
| 洗ったあと | 2〜3日で戻ったように感じる | 1週間ほど落ち着いている |
表の右側と左側で、皮脂の量そのものは変えていません。脂漏っぽさとして目に入るのは、左の列だけです。変わっているのは配られ方だけです。左の列にいるときに「脂漏っぽさが増えた」と判断して洗う回数を増やすと、うるおいまで一緒に落とすことになります。落ちた分を体は取り戻そうとするので、結果として同じところに戻ってきます。
- 左の列(抜けている最中):手をかける先は被毛。抜けかけの下毛を外に出すことが、皮脂の行き先を戻すことになります
- 右の列(そろっている時期):手をかける先は地肌。行き先は足りているので、皮膚の側の状態を見ます
- どちらか分からないとき:次のセクションの記録で決めます。感覚では左右を取り違えます
脂漏っぽさの見分け方は、抜け毛の量と同じ日に記録する
いまどちらの列にいるのかは、その日の感覚では決められません。ブラシの手ごたえも、指の感触も、前の日の記憶と比べているだけだからです。見分け方は、2つの数字を同じ日に書いて、7日並べることです。片方だけを記録しても意味がありません。並べたときの動き方を見ます。
-
毎日、同じブラシで同じ回数だけとかす
背中を20回、と決めてしまってください。時間ではなく回数でそろえます。ブラッシングの道具を日によって替えると、取れる量が比べられなくなります。
-
取れた抜け毛を、3段階で書く
「多い・ふつう・少ない」の3つで足ります。厳密に量る必要はありません。ブラシの目がどのくらい埋まったかを基準にすると、毎日同じものさしで書けます。
-
同じ日に、べたつきを3段階で書く
毛を指で分けて地肌に触れ、「ぬるっとする・しっとり・何もつかない」の3つで書きます。とかす前に触ってください。ブラッシングのあとは皮脂が毛に広がっているので、地肌の感触が変わります。
-
7日分を、上下2段に並べる
上段に抜け毛、下段にべたつき。2つが同じ向きに動いているかどうかだけを見ます。7日でもまだ判断がつかないときは、もう7日足してください。
| 並べた結果 | 考えられること |
|---|---|
| 抜け毛が多い日に、べたつきも強い | 季節の変わり目として説明がつく。行き先が減っている |
| 抜け毛は少ないのに、べたつきだけ強い | 季節では説明がつかない。皮膚の側を見る |
| 抜け毛が減ってきたのに、べたつきが残る | 端境期が終わっても続いている。相談の対象 |
| どちらも日によってばらばら | とかし方か記録の時間帯がそろっていない。もう7日 |
1行目に当てはまるなら、待てる時期です。抜け毛が減っていくにつれて、べたつきも一緒に引いていくかどうかを確かめてください。2行目と3行目は、季節の変わり目という説明の外にあります。ここは記録を持って動物病院に相談する場面です。
季節で変える、ブラッシングと洗いの使い分け
どちらの時期にいるかが決まったら、手のかけ方を使い分けます。変えるのはブラッシングと洗いの配分で、道具の種類ではありません。べたつきが増えるからといって、いきなり洗浄力の強いものに替える必要はありません。
| 毛が抜けている最中 | 毛がそろっている時期 | |
|---|---|---|
| ブラッシング | 1日1回、短く。下毛を外に出すことが目的 | 2〜3日に1回。毛の流れを整える程度 |
| 洗う回数 | 増やさない。いつもの間隔のまま | いつもどおり |
| 洗ったあと | 地肌まで乾かす時間を長めにとる | ふだんどおり |
| 触って確かめる場所 | 背中の中央と腰の地肌 | 全体を手のひらで一度 |
| 部屋の湿度 | 乾燥しすぎると抜け毛が舞う。40〜60%を目安に | 同じ |
抜けている最中にやることは、ブラッシングを短く、回数で刻むことです。1回を長くすると、地肌をこすることになります。1回3〜5分でよいので、毎日入れてください。取れる下毛が増えるほど、皮脂が散る先が戻ってきます。取れた毛はそのつど捨てて、寝床に残さないようにします。
いちばん避けたいのが、洗いすぎです。べたつくたびに洗えば脂漏が治りますという考え方で回数を増やすと、うるおいまで落ちます。皮脂の量が増えているわけではない時期に洗う回数だけを増やしても、行き先は戻りません。季節の変わり目に増える洗いの回数は、そのまま冬まで残りやすいので、いつもの間隔を書いておいて、そこから動かさないようにしてください。
猫は毛づくろいで抜け毛を自分から外に出しますが、換毛の時期はその量が追いつかなくなります。飲み込む毛も増えるので、この時期だけは人の手を足すと考えてください。ブラシを嫌がる子は、湿らせた手で背中をなでるだけでも、浮いた下毛は取れます。
洗う回数の選び方と、抜け毛が止まっても続くべたつき
洗う回数の選び方は、べたつきの強さではなく7日の記録の2段目が、1段目についてきているかどうかで決めます。抜け毛が減るのに合わせてべたつきも引いているなら、回数はそのままで構いません。抜け毛だけが減って、べたつきが残っているなら、洗う回数を増やす前に相談してください。増やしても、そこは動かないところです。
- 回数を増やす前に、乾かし方を見ます:地肌が半乾きのまま時間がたつと、べたつきとにおいが同時に出ます
- 使うものを同時に替えない:回数と種類を一度に変えると、どちらが効いたか分からなくなります
- 2週間は同じやり方を続けます:換毛の途中で判断すると、時期の変化と手当ての結果が混ざります
そして、季節の変わり目という説明でどこまで待てるかには線があります。次のサインがあるときは、抜け毛が落ち着くのを待たずに動物病院にご相談ください。
抜け毛が減ってもべたつきが2週間以上続く、地肌に赤み・かさぶた・黒ずみがある、フケが急に増えるのが目立つ、においが強くなってきた、毛が抜けたあと新しい毛が生えてこない場所がある、左右のどちらか一方だけに出ている、かゆがって眠れていない、元気や食欲が落ちている。いずれかがあるときは、自己判断で洗う回数を変えず、動物病院にご相談ください。
相談のときは、7日分の記録をそのまま持って行ってください。抜け毛とべたつきを同じ日に書いた表は、家庭にしかない情報です。いつから増えると感じたのか、そのとき抜け毛はどうだったのか。この2つが並んでいるだけで、脂漏っぽさが季節の話なのかそうでないのかを分ける手がかりになります。
経過を見ているあいだにも、洗う日はやってきます。ここで回数を足さないことは、すでに書いたとおりです。動かせるのは回数ではなく、1回で何を落として、何を残して終えるかのほうです。換毛の最中は、皮脂の行き先が減っているうえに、地肌が外の空気に触れる面積も増えています。この時期に落としすぎると、7日の記録の2段目だけが下がらないまま残ります。mofuwa モイストシャンプーには、カミツレ花、ローズマリー葉、ラベンダー花、アロエベラ葉、ハマメリス葉、オタネニンジン根、カンゾウ根の7種の天然由来成分が、保湿のために入っています。落とす側だけでなく、残す側まで決めてある処方です。洗う日は、いつもの間隔のまま、背中の中央と腰に泡を置いている時間を短く区切って、そのぶん地肌まで乾かす時間を長めにとってください。翌日に抜け毛の欄が跳ねても、記録が壊れたのではありません。浮いていた下毛が、洗ったことで先に出ただけです。脂漏っぽさの段が、抜け毛の段と同じ向きに動いているかどうかだけを、そのまま見つづけてください。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
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商品ページを見るよくある質問
- 換毛の時期は、シャンプーで抜け毛をまとめて落としたほうがいいですか?
- 洗うこと自体は浮いた毛を落とす助けになりますが、そのために回数を増やす必要はありません。洗ったあと地肌まで乾かしきれないと、かえってべたつきとにおいが出ます。いつもの間隔のまま、ブラッシングの回数のほうを増やすやり方を先に試してください。
- 室内飼いでも、季節の変わり目に抜け毛は増えますか?
- 増えます。ただし出方が分かりにくくなります。屋内の照明と冷暖房で、外の明るさや気温の変化が薄まるため、抜ける時期がずれたり、年間を通じてだらだらと続いたりします。だからこそ、記録で確かめる意味があります。
- べたつきが強いとき、ブラッシングは逆効果になりませんか?
- 強く長くとかせば、地肌をこすることになります。避けたいのは回数ではなく1回の長さと力です。1回3〜5分、毛の流れに沿って軽く。皮膚に赤みが出ているときは、ブラシを当てずに動物病院に相談してください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
