C08季節・行事
日の当たったソファが、日が落ちるころに少しにおう
窓から入る日がソファの座面に届いている時間を数えたら、2月に同じことをした日より1時間半のびていました。カバーを外して洗ったのは4日前です。それなのにその日の夕方、玄関の扉を開けた最初の3秒だけ、部屋が少しにおいました。手の甲を座面に当てると、日が落ちたあとなのに、手の甲よりあたたかい温度がまだ残っています。昼のあいだ部屋にいた家族は、においに気づいていません。この記事は、朝と昼と夕方の3回、ソファの座面に手の甲を当てて温度を記した3週間ぶんの記録です。
手の甲を1日3回、座面に当てた3週間|ソファのカバーと温度をつなげて見た経験
記録は、朝7時・昼1時・夕方6時の3回、ソファの座面に手の甲を当てるところから始めました。温度計は使っていません。手の甲より冷たい、手の甲と同じ、手の甲よりあたたかい、の3段階で、日付の横に記号を書いただけです。あわせて、窓から入った日が座面のどこに届いていたか、何時から何時まで届いていたかを、同じ行に足しました。カバーを外して洗った日には丸をつけます。3週間のうち、丸がついたのは3日でした。
| その日の記録 | 日が座面に届いていた時間 | 夕方6時の座面 | においに気づいた人 |
|---|---|---|---|
| 日が長く届いた日 | 2時間40分 | 手の甲よりあたたかい | 外から戻った家族だけ |
| 日が長く届いた日 | 2時間30分 | 手の甲よりあたたかい | 外から戻った家族だけ |
| 途中で日がかげった日 | 1時間10分 | 手の甲と同じ | 誰も気づかない |
| 日が届かなかった日 | 0分 | 手の甲より冷たい | 誰も気づかない |
| カバーを洗った翌日 | 2時間20分 | 手の甲よりあたたかい | 外から戻った家族だけ |
表のいちばん下の行が、この記録でいちばん引っかかったところです。カバーを外して洗った翌日でも、日が2時間以上届いた日は、夕方に同じにおいが戻っています。洗う回数を増やせば消えるものだと思っていたので、3週目からは、洗った日ではなく日が届いた時間のほうを数えるようになりました。
- 日が届いていた時間:窓の桟の影が座面に入った時刻と、抜けた時刻の2つだけ書きます。分単位まで合わせる必要はなく、30分刻みで足ります
- 夕方6時の座面の温度:手の甲を3秒当てて、3段階のどれかを書きます。日が当たっていた側と、当たっていなかった側の2か所を測って、同じ行に並べます
- においに気づいた人:昼から部屋にいた人か、外から戻った人か。ここを分けて書いておくと、3週目に効いてきます
3週間ぶんを並べると、においに気づいた日は、夕方6時の座面が手の甲よりあたたかかった日にかたよっていました。その日の外の気温が高かったかどうかとは、あまり合いません。気温より、座面に日が届いていた時間のほうが、記録の上ではよく合っていました。室温は暖房を切ったあとも似た値で動いていて、乾燥の具合も週のあいだで大きくは振れていません。換毛期に入って抜け毛の量は増えていましたが、量が増えた週と、においに気づいた日は重なっていませんでした。
3週間で分かったのは、この座面には2つの別々の時間が流れているということです。ひとつは日が届いて温度が上がっていく時間、もうひとつは日が抜けて温度が下がっていく時間。カバーの洗濯は、このどちらにも合わせていませんでした。土曜の朝という、家の都合だけで決まっていたからです。
日が落ちてから、においのほうが遅れて立つ|ソファのカバーに温度が残る背景
座面は、床より冷めるのが遅い場所です。フローリングは日が抜ければ数十分で手の甲と同じ温度に戻りますが、詰め物の入ったクッションと、その上のカバーは、中にためた熱を抱えたまま夕方まで持ち越します。日が届いていた時間が長いほど、持ち越す量は増えます。日が落ちて1時間たっても座面だけ手の甲よりあたたかいのは、この持ち越しのぶんです。
布に移っているのは、その子の体から出た脂です。犬も猫も、背中や脇腹が布に触れたところから、少しずつ布の側へ移していきます。温度が上がると、脂は空気の側へ動きやすくなります。朝のうちは座面に張りついていたものが、昼に温度が上がり、夕方に人が座って体重がかかると、押し出されるように上へ出ます。においの量がその日に増えたのではなく、出てくる時刻が夕方に寄っています。
もうひとつ、気づく側の条件があります。昼のあいだ同じ部屋にいた人は、少しずつ立ってきたにおいのほうに鼻が慣れます。外へ出て戻ってきた人だけが、扉を開けた最初の数秒でそれを拾います。だから家族のあいだで、におうと言う人と、においなんてしないと言う人に分かれます。どちらも正しくて、分かれ目になっているのは座面ではなく、その人が直前に何分外にいたかのほうです。
春分を過ぎると太陽の高度が上がって、窓から入る日は部屋の奥まで伸びなくなる代わりに、床とソファの座面へ角度をつけて落ちます。日の入りは週ごとに遅くなり、座面に日が届いている時間はのびます。いっぽう、日が落ちたあとの室温は、まだ冬の側に残っています。あたたまる時間がのびて、冷える落差のほうは残っている。この2つが同じ週に並ぶのが、季節の変わり目のこの時期です。
夏になると、日が落ちたあとの室温がそれほど下がらなくなるので、夕方のこの落差は目立たなくなります。湿度が上がって、においの立ち方そのものも変わります。冬は逆に、日が届く時間が短くて、温度が上がりきる前に日が抜けます。においが夕方の一点に集まって見えるのは、温度が上がる時間と、人が戻る時刻と、室温が下がる時刻が、たまたま同じところへ並ぶこの時期だけです。並び方は春のあいだ、毎週少しずつずれていきます。
ここまでで、動かせるものと動かせないものが分かれます。日の高さも、日の入りの時刻も、こちらでは動かせません。人が帰ってくる時刻も、たいていは動かせません。動かせるのは、座面に手を入れる時刻と、そのとき何を使うかの2つだけです。3週目に変えたのは、この2つでした。
温度が上がりきる前に手を入れる|ソファのカバーを週1回しか外せない理由
3週間でカバーを外せたのは3回でした。洗うこと自体は30分で終わりますが、厚手のカバーは部屋干しだと乾くまでに半日以上かかります。乾く前に日が落ちれば、生乾きのまま夜を越すことになります。カバーを外す回数は、洗う手間ではなく、乾くまでの時間のほうで上限が決まっていました。週に1回が限界だと分かった時点で、残りの6日をどうするかが、この記録の本題になりました。
毎日やるほうは、時刻を夕方から朝へ移しました。においが立ったあとに手を入れると、立った量を拭き取ることになります。温度が上がる前に手を入れると、上がったときに出てくるもとのほうが減ります。同じ3分でも、置く時刻でやることが変わります。日が座面に届き始めるのは、記録では11時半から12時のあいだでした。その前、家を出る支度のついでに済ませる形にしています。
-
今日の対象を、影の位置で決める
窓の桟の影が座面のどこまで来ているかを、朝のうちに一度だけ見ます。右半分に落ちる日なら、右半分が今日の対象です。毎日全面をやろうとすると3分では終わらず、翌日に0分の日が来ます。
-
毛を一方向へ寄せる
手で払うと空気の側へ舞います。乾いた布を座面に当てて、毛足の向きにそって一方向へ寄せ、縫い目の線でいったん受け止めます。この時点ではまだ何も吹きません。
-
寄せた線と、体が触れる一角へ吹く
毛を受け止めた縫い目の線と、その子がいつも伏せる一角へ吹きます。びしょびしょにする必要はなく、指で押したときに湿りが分かる程度で足ります。
-
拭いて、指の腹で湿りを確かめる
湿ったまま戻すと、その子はそこを避けて別の場所に寝ます。拭いたあと指の腹で押して、湿りが残っていなければ終わりです。3分を超えたら、対象の面を狭くします。
この座面は、その子が帰ってきて最初に顔をのせる場所です。散歩から戻って、まず伏せて、鼻先を布につけ、そのあと前足をなめます。朝に吹いたものは、昼の温度を越えて、その順番で口の側へ渡ります。毎日吹くものを選ぶときに先に見たのは、においの落ち方ではなく、口へ入っても構わない中身かどうかでした。
その順番から選んだのが mofuwa 瞬間消臭スプレーです。入っているのは電解水で、においを別のにおいで覆う成分をあとから足していません。香りで上書きすると、その子にとっては自分のにおいが消された座面になります。犬も猫も、自分のにおいのする場所を選んで寝ます。座面のにおいを人の側の都合だけで塗り替えると、寝る場所そのものが動きます。覆うのではなく、においのもとの側に反応させる形にしてあるのは、かける先が、その子が鼻と舌で確かめる面だからです。
時刻を朝に固定できるのは、乾くまでが短いからです。カバーを外して洗えば半日かかるところが、吹いて拭くだけなら家を出るまでの数分で乾きます。日が座面に届き始めるころには、布はもとの手ざわりに戻っています。週1回のカバーの洗濯と、残り6日の3分は、時間の取り合いになりません。洗う日を増やせないぶんを、温度が上がる前の時刻のほうで埋めている、という形です。
余計な成分が入っていないので、座面のまわりにも使えます。肘掛けの上、クッションを外した下の縫い目、ソファの脚の周りの床。この3か所は、カバーを洗っても手が入りません。3週間の記録では、夕方ににおいが残った日に、クッションの下の縫い目だけ手の甲であたたかさが残っていたことが2回ありました。カバーの表側だけを見ていると、この2回は理由の分からない日として残ります。瞬間消臭スプレーを縫い目の線へ入れてから、その2回は記録に出なくなりました。
日が座面に届かなかった日が3日続いても、夕方に同じにおいが立つ。カバーを洗った翌日でも、昼の温度に関係なく1日中残る。座面ではなく、その子の体の同じ側からにおいが出ていて、そこを長くなめている。地肌に赤みやべたつきが見える。こうなると、日が届いた時間と座面の温度では説明がつきません。日ごとの時間と温度とにおいの有無を並べた3週間ぶんの紙を持って、動物病院の予約を入れてください。口で話すより、この表のほうが早く伝わります。
来週は日の届く位置が座面の左へ寄る|春のソファのカバーと温度の考え方
4週目に入ると、日が座面に届き始める時刻も、届く位置も、先週とは少しずれます。記録を続けていて助かったのは、においの出た日を思い出せることではなく、次にどこを拭けばいいかが影の位置で決まるようになったことです。カバーを外す日は週に1回のまま動かしません。残りの6日は、日が届き始める前の3分だけです。見るのは暦ではなく、朝に窓の桟の影がどこまで来ているかです。夏へ向けて位置が動いたら、拭く面も一緒に動かします。
Product
mofuwa 瞬間消臭スプレー
500ml / 2,420円(税込)
香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
