C09シーン別・暮らし

ドッグラン、シニア猫と暮らす人はどうしている?

公開日 2025年5月17日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋で、淡いクリーム色の毛の老猫が薄い色の床にすわっている
老猫が来るのは、犬が家じゅうを一周したあとです。写真:Osman İçli/Pexels

ドッグランから帰った日、17歳の猫が犬のところへ来るまでに12分かかりました。玄関で鍵を回した時点では、猫はまだ2階の寝床にいます。犬が居間で伏せて、水を飲んで、廊下を一往復して、毛布を掘り返したあとに、ようやく階段を下りてきました。若い猫なら、音がした時点で玄関まで来ます。老猫は動きが遅いぶん、犬が家の中を歩き回ったあとに来ます。つまり、犬が持ち帰った土とにおいは、猫が嗅ぎに来る前に、もう家じゅうの床へ広がっています。この記事は、その十数分の時間差を手順に変える話です。ドッグランのあとに何をするかより、老猫が来るまでのどこで終わらせるか、という順番で組み立てます。

老猫が犬のところへ来るまでに、十数分あります|ドッグランの日にだけ生まれる時間差

犬と猫の両方と暮らしていて、犬だけをドッグランへ連れて行く家では、帰宅のあとに独特の順番が起きます。犬は外の土と、他の犬の毛とにおいを連れて帰ります。猫はそれを嗅ぎに来ます。ここまでは、猫の年齢に関係なく同じです。違うのは、猫が来る時刻です。若い猫は玄関の音で来ますが、老猫は寝ていた場所から起き上がり、体を伸ばし、階段や段差を下りてから来ます。うちで計ってみたら12分でした。日によって8分のこともあれば、20分以上のこともあります。

この十数分に、犬は何をしているか。ドッグランで走ったあとの犬は、家に入ると水を飲みに行き、いつもの場所で伏せ、思い出したように立ち上がってまた歩きます。老猫が来るころには、犬はすでに家の中を一周しています。玄関、廊下、居間の床、水の器の前、寝床の毛布。犬が持ち帰ったものは、その経路にそって置かれていきます。老猫が最初に嗅ぐのは、犬の体ではなく、犬が通った床のほうかもしれません。

ドッグランから帰ってからの時間と、家の中で起きていること
帰宅からの時間犬老猫
0分玄関に入る寝ている。物音には気づく
1〜2分水を飲みに行く起き上がる。体を伸ばす
3〜5分いつもの場所で伏せる段差を下りはじめる
6〜10分立ち上がって家の中を歩く廊下まで来る
10〜15分落ち着いて寝る犬のそばに来て嗅ぎはじめる
15分以降そのまま寝ている犬が伏せていた場所も嗅ぐ

この表を見ると、手を入れられる場所がはっきりします。老猫が来るまでの十数分は、こちらが自由に使える時間です。犬を押さえておく必要も、猫を遠ざける必要もありません。老猫は自分のペースで来るので、その到着時刻をこちらが決められないぶん、到着までの時間は確実に手元にあります。ドッグランの日のケアは、この時間の中に全部入れてしまうのがいちばん無理がありません。

老猫の側の事情も書いておきます。年齢とともに自分でできる毛づくろいの量は減ります。口が届く範囲が狭くなり、届かない場所を人が代わって触っている家が多いはずです。その状態で、犬の体や床についた外のものを嗅ぎに行き、鼻先や前脚に付けて戻り、あとから自分でなめようとする。老猫にとっては、なめ取る手間が一つ増えることになります。犬の側で終わらせておけば、その手間はそもそも発生しません。

Note犬と猫を会わせない、という話ではありません

ドッグランから帰った犬と老猫を引き離す必要はありません。嗅ぎに来るのは猫にとってふつうの行動で、止めると別のところで無理が出ます。ここで組み立てているのは、会わせる時刻を遅らせるのではなく、会うまでに終わらせておくという順番です。老猫が来るのを待たせるのではなく、老猫が来る速さに、こちらの手順を合わせます。

十数分で終わらせる5つの手順|ドッグランから帰った日の、犬と老猫のあいだのやり方

手順は5つです。順番は、犬が家の中で通る場所の順に並んでいます。時間の目安を書いていますが、合計で10分以内に収まるようにしてあります。老猫が来るのが早い日でも間に合う長さです。ドッグランのやり方としては地味ですが、猫のいる家では、この順番であることに意味があります。

  1. 車に乗せる前は、足先だけにする

    ドッグランを出た時点で全部を終わらせようとすると、駐車場で時間がかかります。ここでやるのは足先だけです。四本の足の裏と、指のあいだを一度ずつ。理由は、車の中で足先のものが体のほかの場所へ移るからです。閉じた空間で数十分揺られると、足についていた土が腹や胸に回ります。足先だけで1分ほど。残りは家でやります。

  2. 玄関で、胸と腹を先に

    犬がドッグランで伏せたり座ったりしていた面は、胸と腹と前脚のつけ根です。ここは、家に入って伏せた瞬間に床へ触れる面でもあります。玄関で先に手を入れておくと、床へ置かれる量が減ります。水を使わない日のケアとして、mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませ、毛の流れに沿って一往復させる形で足ります。ここで2〜3分です。

  3. 老猫がいる部屋に入る前に、1回止まる

    玄関から居間へ上がる前に、犬をその場で30秒立たせます。これは犬のためではなく、こちらが確かめるための30秒です。背中、尾のつけ根、耳の外側に手を当てて、湿っているか、細かい土が残っているかを見ます。残っていたらここで落とします。上がってしまうと、その先は床の上での作業になり、老猫が来る時間と重なります。

  4. 犬が落ち着いてから、猫のいる部屋を開ける

    犬が伏せて、呼吸が落ち着くまで待ちます。ドッグランのあとの犬は、しばらく動き回ります。動いている犬に老猫が近づくと、猫のほうが避ける動きをします。年齢が上がるほど、急な動きをよけるのに体力を使います。扉を1枚閉めておいて、犬が伏せてから開ける。それだけで、老猫は自分のペースで近づけます。

  5. 犬が通った床を、1回だけ拭く

    玄関から、犬が伏せている場所までの一本の線だけを拭きます。家じゅうではありません。老猫が来るのは、その線の上です。ここで拭く場所を増やすと、毎回は続きません。1回だけと決めておくと、ドッグランの翌週も同じことができます。時間は2分ほど。犬が伏せたあとなので、こちらの手は空いています。

5つの手順を、老猫が来るまでの時間に割り当てる
いつやることかかる時間
ランを出て、車に乗せる前四本の足先だけ1分
玄関に入って、上がる前胸・腹・前脚のつけ根2〜3分
居間へ上がる直前30秒立たせて、背中と尾のつけ根を確かめる30秒
犬が伏せてから猫のいる部屋の扉を開ける0分
犬が落ち着いたあと玄関から伏せている場所までの床を1回2分

5つ全部をやる必要がない日もあります。1つだけ選ぶなら、2つめの胸と腹です。床へ置かれる量がいちばん多いのがこの面で、しかも老猫が最初に嗅ぐ場所だからです。逆に、後回しにしていいのは5つめの床です。犬の側で減らせていれば、床に置かれる量も減ります。ドッグランの日のケアは、増やすほど続かなくなるので、優先順位を決めておくほうが実際には回ります。

時間差がなくなるのは、犬が先に居間へ入った日|ドッグランのあと家でできることの範囲

この手順は、老猫が来るまでに十数分あることを前提にしています。前提が崩れる日が、月に何回かあります。崩れ方は3つに分かれていて、どれも原因がはっきりしているので、先に書いておきます。ドッグランから帰るたびに同じ失敗をしていたのですが、原因を分けてみると、対処はそれぞれ1つずつでした。

扉が開いていた日への対処は単純で、出かける前に閉めておくことです。帰ってきてからでは間に合いません。ドッグランへ行く準備の中に「猫のいる部屋の扉を閉める」を入れておくと、帰宅後の手順が最初から成立します。準備の側に1つ足すほうが、帰宅後に3つ取り返すより楽でした。

老猫が玄関まで来てしまった日は、手順を組み替えます。順番を守ることより、その場にいる老猫を動かさないことを優先してください。年齢が上がった猫にとって、玄関のたたきは足場が悪く、抱き上げて運ぶのも負担になります。犬を玄関の外へ一度戻し、猫が自分で移動するのを待つ。数分待つだけで済みます。急がせるほど、猫の側の消耗が増えます。

ドッグランの日に、家でできることとそうでないこと
内容
家でできる犬の体で、床に触れる面を先に減らす
家でできる老猫が来るまでの時間を、日ごとに測って記録する
家でできる犬が通った床の線を、1回だけ拭く
家でできる老猫の被毛と皮膚を、触った感触で毎日おぼえておく
家ではできない老猫が嗅ぐかどうかを決めること
家ではできない皮膚の赤みやかさつきの原因を決めること
家ではできない触ると嫌がる場所が増えた理由の判断

この表の下3つは、ドッグランのやり方をどれだけ整えても家では決められません。老猫の側に何か変化が出たとき、それをドッグランの日と結びつけて考えないでください。結びつけると、行くのをやめるという結論に向かいがちですが、そこは切り分けて見るところです。犬がドッグランへ行くことと、老猫の体の変化は、別々に記録しておくほうが読めます。

犬が通った床を1回だけ|ドッグランに行かない日も含めた毎日と、相談の目安

ドッグランへ行くのは、多くて週に1回か2回だと思います。残りの5日か6日は、行かない日です。行かない日にやることを決めておくと、行った日の手順が浮かなくなります。毎日やるのは2つだけにしました。犬の足先を1回と、老猫の背中から尾のつけ根までを一往復。どちらも1分かかりません。

老猫の側は、年齢とともに自分で届く範囲が狭くなります。背中の真ん中、尾のつけ根、後ろ足のつけ根、あごの下。毎日ここに手を当てていると、皮膚と被毛の状態がその子の平常としておぼえられます。水を使わない日のケアとしては、猫用 mofuwa グルーミングウォーターを布に含ませて、毛の流れに沿って一往復させる程度で足ります。音の出ない容器なので、寝ているところから起こさずに済みます。ドッグランの日だけ特別なことをするより、毎日の1分のほうが、変化に気づく力になります。

行く日と行かない日で、やることを分けておく
犬老猫
ドッグランに行く日足先→胸と腹→背中の確認→床を1回扉が開くまで待つ。いつもの一往復
行かない日(毎日)帰宅後に足先を1回背中から尾のつけ根まで一往復
週に1回被毛を毛の流れに沿って通す体重をはかる
月に1回指のあいだと爪のまわりを見る触ると嫌がる場所を書き出す

記録は紙1枚で足ります。日付と、老猫が犬のところへ来るまでにかかった時間を書くだけです。この数字は、その子の動きの速さをそのまま表しています。12分だったものが20分になり、30分になったとき、それはドッグランの話ではありません。段差を下りるのに時間がかかっているのか、寝ている時間が長くなっているのか、家では決められません。数字を残しておくと、相談するときにそのまま持っていけます。

Cautionこうした変化があるときは、動物病院にご相談ください

老猫の側で、犬のところへ来るまでの時間が続けて長くなっている、段差を下りなくなった、同じ場所をなめ続けている、背中や尾のつけ根の被毛がべたついたまま戻らない、皮膚に赤みやかさぶたがある、触ると声を出す、食べる量や水を飲む量が変わった。こうした変化があるときは、毎日のケアの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。ドッグランの日と重なって見えても、切り分けるのは家の外の仕事です。来るまでにかかった時間を書いた紙を持っていくと、その場で読んでもらえます。迷ったときは早いほうを選んで構いません。

ドッグランは犬にとって必要な時間で、老猫と暮らしているからといって取り上げる話ではありません。ただ、帰ってからの手順を、犬の側の都合だけで組むと、老猫が来る時刻とぶつかります。老猫は遅れて来る。遅れて来るぶん、こちらには十数分が渡されている。その十数分を、車に乗せる前・玄関・上がる直前・伏せたあと・床、の5つに割る。やることの量は変えていません。並べる順番を、老猫の速さのほうに合わせただけです。

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よくある質問

老猫が犬のところへ来るまでの時間が、日によってばらばらです。測る意味はありますか。
ばらつきがあるからこそ、続けて書く意味があります。1日の数字ではその子の速さは分かりませんが、2週間ぶん並べると幅が見えてきます。8分から20分のあいだで動いているなら、それがその子の平常です。幅の外に出た日が続いたときに初めて、何かが変わったと言えます。ドッグランへ行った日と行かない日を分けて書いておくと、さらに読みやすくなります。
ドッグランから帰った犬を、先に洗ってしまうほうが早いのではありませんか。
洗うと、乾くまでの時間が加わります。その間、犬は家の中を歩き回り、老猫のほうが先に来てしまいます。時間差を使えるのは、犬が濡れていない場合です。ひどく汚れて洗うと決めた日は、この手順ではなく、猫のいる部屋の扉を閉めたまま乾かしきる段取りに切り替えてください。毎回洗う必要はありません。
猫のいる部屋の扉を閉めておくと、猫が不安になりませんか。
閉めるのは、犬が帰ってから伏せるまでの十数分だけです。ふだんから閉め切るという意味ではありません。それでも扉の前で鳴く子であれば、扉ではなく段差を使う方法もあります。老猫が自分で上がらない高さに犬の居場所を作れないときは、無理に区切らず、犬を玄関で長めに止めるほうへ寄せてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。