C12Q&A・豆知識

日本で飼われている猫種の上位

公開日 2025年5月30日|文=mofuwa編集部

明るいリビングで、淡い色のソファの上に落ち着いて座っているクリーム色の猫
手入れの重さを決めているのは、猫種の名前より、毛の長さと自分で届かない場所のほうです。写真:Lara/Pexels

日本の家で暮らす猫は、品種の名前がついていない猫がいちばん多いと言われています。人気猫種の一覧に並ぶのは、品種の名前がついた猫だけです。だから一覧の上位は、日本の猫全体の上位と同じものにはなりません。数えた相手が最初から違うからです。一覧の並びを覚えても、自分の家の子の手入れは1つも決まりません。この記事では、順位そのものを書きません。かわりに、品種のある猫と品種のない猫を同じ項目で並べて、手入れの重さを決めている2つのこと、毛の長さと、その子が自分で届かない場所を、家で数える方法まで書きます。

人気猫種の一覧に出てこない猫が、日本ではいちばん多い

はじめに、数えている相手を確かめておきます。日本の家で暮らす猫のうち、いちばん数が多いのは、品種の名前がついていない猫だと言われています。雑種、ミックス、日本猫。呼び方はいくつかありますが、どれも「品種として登録されていない猫」を指しています。そして人気猫種の一覧に並ぶのは、品種の名前がついた猫だけです。多数派は、その一覧の外側にいます。

上位の並びが動くのは、そのうえでの話です。同じ「日本で飼われている猫」を数えても、どこで数えたかによって、上位に来る猫が変わります。数え方が変われば分母が変わり、分母が変われば並びも変わります。順位を見るときに先に確かめたいのは、順位そのものより、この分母のほうです。

同じ日本の猫でも、どこで数えたかで上位が変わる
何を数えたか上位に来やすい猫数から抜けやすい猫
品種として登録された数登録の仕組みがある猫品種のない猫は、最初から入りません
お店から迎えた数その時期に多く流通していた猫保護施設や知人から迎えた猫
保険に加入している数加入する家が多い層の猫加入していない家の猫
飼い主へのアンケート答えた人の層に多い猫答えなかった家の猫
動物病院で会った数通院の機会が多い猫受診の機会が少ない猫
SNSで名前が挙がった数写真が目立ちやすい猫見た目に特徴の少ない猫

どれも間違った数え方ではありません。それぞれが、それぞれの分母の中で正しく数えています。ただ、その並びを持ち帰って自分の家の子に当てはめようとすると、途端に使えなくなります。人気猫種の一覧は、日本にどんな猫がいるかを教えてくれますが、その猫をどう手入れするかは教えてくれません。

Noteこの記事では、順位そのものを書きません

理由は2つあります。1つめは、出どころを確かめられない順位を覚えても、自分の家の子には使えないからです。何位が何%、という数字は、どの分母で数えたかを外すと意味が変わります。2つめは、猫種の名前が分かっても、手入れの重さが決まらないからです。同じ名前の猫でも、毛の長さには幅があります。この記事で扱うのは、並びが動く仕組みと、家で自分の数字を出す方法だけにします。

そのうえで、日本の猫を2つに分けて並べていきます。品種のある猫と、品種のない猫です。この2つは、優劣ではなく、手入れの読み方の順番が逆になる、という違いを持っています。次の2つの章が、その2つの軸になります。

軸1・品種のある猫|毛の長さの幅が、迎える前から決まっている

品種のある猫の特徴は、名前がついていることではありません。毛の長さ・量・質に、あらかじめおおよその幅が決まっている、という点です。だから迎える前に、その幅を調べておけます。人気猫種の一覧を見る人が本当に知りたいのも、たいていはここだと思います。名前ではなく、その猫と暮らすと毎日どれくらい手がかかるか。

手入れに効くのは、猫種の名前より、毛の構造の呼び名のほうです。長毛か短毛か、下毛が厚いか薄いか、巻き毛かどうか。この3つが決まれば、名前を知らなくても、必要な手入れの見当はつきます。逆に名前だけを覚えても、この3つが分からなければ何も決まりません。

この読みやすさが、品種のある猫のいちばんの利点です。迎える前に、ブラシを持つ回数と、絡みやすい場所の見当がついています。準備の側から入れるので、迎えたあとに慌てることが少なくなります。日本の家で品種のある猫を迎える人が多いのは、この読みやすさも理由の1つだと思います。

ただし、幅は幅のままです。同じ品種でも、個体によって毛の量は違います。室内の環境、年齢、季節でも変わります。説明に書いてあった通りにならない、ということは普通に起きます。品種で分かるのは、手入れの重さの「だいたいの範囲」までです。範囲の中のどこにいるかは、その子を見ないと決まりません。ここから先は、品種のない猫と同じ作業になります。

軸2・品種のない猫|毛の長さは、その子を見てから決まる

品種のない猫では、親の組み合わせが分からないことがほとんどです。だから毛の長さや量を、迎える前に読むことができません。読む順番が逆になる、というのはこの意味です。先に名前で範囲を絞るのではなく、先にその子の体を見て、あとから範囲を決めます。

とくに気をつけたいのが、子猫のときの見た目です。生後まもない時期の毛の長さは、そのまま大きくなったときの長さになるとはかぎりません。半年から1年ほどのあいだに変わることがあり、下毛が増えて量が変わることもあります。迎えたときに短毛だと思っていた子が、1年後には尾と胸だけ長くなっている、ということが起きます。

読み方そのものは単純です。体を触って測る、という一手だけになります。背中の真ん中で毛をつまんで持ち上げ、指の第一関節を超えるかどうかを見ます。超えるなら長い側、超えないなら短い側。次に、毛の根元に指を入れて、下毛の厚みがあるかどうかを確かめます。この2つで、その子がどの範囲にいるかが決まります。

品種のない猫が不利、という話ではありません。測る順番が逆になるだけで、たどり着く場所は同じです。むしろ、名前という手がかりがない分だけ、最初からその子の体を見ることになります。日本の家でいちばん多いのがこのタイプの猫であることを考えると、体から読む方法のほうが、じつは応用が利きます。

2つを並べて比べる|人気猫種の一覧より先に見る、家で出せる2つの数字

2つの軸を、同じ項目で並べます。違うのは、手入れの重さが決まるタイミングのほうです。迎える前に決まるか、迎えたあとに決まるか。そこが分かれるだけで、決めている中身は同じところに落ちます。

品種のある猫と、品種のない猫を同じ項目で並べる
品種のある猫品種のない猫
毛の長さの幅おおよその範囲が先に決まっていますその子を見るまで決まりません
迎える前に読めること手入れの重さの見当がつきます見当はつかず、体で確かめます
迎えたあとに要ること範囲の中のどこかを確かめる作業範囲そのものを決める作業
重さが決まる時期迎える前と、成長したあとの2回成長したあとの1回
変わったときの気づき方説明との差として気づきます前の月の記録との差で気づきます
迎え方の経路お店やブリーダーが多くなります保護施設や知人からが多くなります
手入れを決めるもの毛の長さと、届かない場所毛の長さと、届かない場所
品種のある猫と、品種のない猫で変わるのは順番だけ 品種のある猫と品種のない猫について、手入れの重さが決まるタイミングと、決めている中身を左右に並べた対比図です。 違うのは読む順番で、たどり着く2つは変わりません 品種のある猫 名前から範囲を先に絞る 迎える前に見当がつく 説明との差で気づく 範囲の中の位置を確かめる 決めるのは長さと届く範囲 品種のない猫 体を見て範囲を決める 迎えたあとに分かる 前の記録との差で気づく 範囲そのものを作っていく 決めるのは長さと届く範囲 人気猫種の一覧は左の入口を作るだけで、下の2行には関わりません
いちばん下の行だけが、左右で同じになります。そこが結論です。

どちらを選ぶか、という問いへの答えは、この表の最後の行にあります。どちらの猫でも、手入れを決めているのは、毛の長さと、その子が自分で届かない場所の2つだけです。品種はその2つを先に教えてくれるだけで、2つの中身を変えるものではありません。だから、迎える前でも迎えたあとでも、家でやることは同じになります。

その2つを、家で数えます。1つめは毛の長さで、背中の真ん中でつまんで、指の第一関節を超えるかどうかだけを見ます。ものさしは要りません。2つめは、毛づくろいのあとに湿っていない場所を数えることです。猫は毛づくろいをしたところを湿らせるので、しばらくたっても乾いたままの場所が、その子の届いていない場所になります。肩の後ろ、背中の真ん中、尾のつけ根、あごの下。この4か所を見て、乾いているところを数えます。

家で出す2つの数字(記入例)
見るところ確かめ方この例では
背中の真ん中の毛つまんで、第一関節を超えるか超えた(長い側)
毛の根元指を入れて、下毛の厚みを見る厚みがある
肩の後ろ毛づくろいのあと、湿っているか乾いている(届いていない)
背中の真ん中同上乾いている(届いていない)
尾のつけ根同上湿っている(届いている)
あごの下同上乾いている(届いていない)

この例なら、毛は長い側で、届かない場所が3か所。ここまで出れば、人気猫種の一覧を見る理由はもうありません。やることは、長い毛が絡む前提で、届かない3か所を人が代わる、という組み立てになります。名前が分かっていても、この2つは自分で出すしかありません。

品種では決まらないもの|毛の長さと、届かない場所で組み立て直す

最後に、2つの数字を掛け合わせます。手入れの重さは、毛の長さと、届かない場所の数の掛け算で決まります。片方だけでは決まりません。長毛でも自分でよく届く子は軽く済みますし、短毛でも届かない場所が多い子は手が要ります。

毛の長さと、届かない場所の数で、手入れの重さが決まる
毛の長さ届かない場所家でやることの重さ
長い側多い(3か所以上)毎日、届かない場所だけを短く。いちばん手が要ります
長い側少ない(1〜2か所)絡みやすい場所を決めて、そこだけ通します
短い側多い(3か所以上)抜けた毛を運び出すことが中心になります
短い側少ない(1〜2か所)数日に一度で足ります。回数より場所を固定します
どちらでも季節で増える毛が抜ける時期だけ、回数を上げます

この表で大事なのは、右の列に猫種の名前が1つも出てこないことです。品種は、左の2列の初期値を教えてくれるだけで、右の列を直接は決めません。日本の家で暮らす猫のうち多数派が品種のない猫であることを考えると、右の列から入る組み立てのほうが、はじめから多くの家に当てはまります。

そして、この2つは年齢で動きます。年をとると体の回りが小さくなり、届かない場所が増えます。毛の長さは変わらなくても、届く範囲は変わる。だから品種を基準に立てた計画は、途中で合わなくなります。半年に一度、乾いている場所を数え直すだけで、計画のほうを更新できます。

さっき数えた「乾いたままの場所」は、その日、猫の舌が一度も通らなかった面です。毛づくろいの順番はその子の中で決まっていて、外から並べ替えることはできません。だから人の手が入るのは、その順番から外れた場所のほうになります。mofuwa スキンケアミストは中身が電解水なので、顔まわりと背中とで物を分けずに済みます。数えた場所が3か所あっても、持つ物は1本のままです。布に取ってから、数えた場所だけを毛の流れに沿って一往復させます。全身に回す必要はありません。使う回数を決めているのは猫種の名前ではなく、数えた場所の数のほうです。

Cautionこうした変化があるときは、動物病院にご相談ください

毛づくろいの回数が急に減った、同じ場所ばかりを舐め続けている、毛が束になって固まってきた、地肌が赤い、フケが増えた、触ると嫌がる場所ができた、抜ける量が短い期間に大きく変わった。こうした変化があるときは、ブラシの回数を増やしたり、道具を替えたりする前に、動物病院にご相談ください。届かない場所が急に増えたときは、毛の側ではなく体の側の事情が理由になっていることがあります。乾いている場所を数えた記録があれば、そのまま持っていってください。

人気猫種の一覧は、日本にどんな猫が暮らしているかを知る入口としては役に立ちます。ただ、その並びの中に自分の家の子がいないことのほうが、日本では多くなります。そして、いたとしても、手入れを決めるのは名前ではありません。背中の毛を一度つまんで、毛づくろいのあとに乾いている場所を数える。この2つだけが、その子の手入れを決めています。順位は覚えるものではなく、自分の家の中で作るもの、という点は、猫でも変わりません。

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よくある質問

人気猫種の順位は、年によって入れ替わりますか
入れ替わります。ただ、入れ替わる理由は猫そのものより、数え方と分母の側にあることが多くなります。どこで数えたか、その年にどの経路で迎えた家が多かったか、答えた人がどの層だったか。分母が動けば並びも動きます。並びが動いたかどうかより、自分の家の子の毛の長さと、自分で届かない場所が変わっていないかを見るほうが、日常の手入れには直接つながります。
品種のない猫は、手入れが軽いということですか
軽いとはかぎりません。品種のない猫の中にも、長毛の子も、下毛の厚い子もいます。違うのは重さではなく、重さが分かるタイミングです。品種のある猫は迎える前におおよその範囲が分かり、品種のない猫は迎えたあとにその子の体で決まります。どちらも、背中の毛をつまんで長さを見て、毛づくろいのあとに乾いている場所を数えれば、同じところに落ちます。
子猫のうちに、長毛になるか短毛になるかは分かりますか
確実には分かりません。生後数か月のあいだに毛の長さや量が変わることがあり、尾や胸の飾り毛が後から伸びてくることもあります。同じ一腹の兄弟でも、そろうとはかぎりません。半年をすぎたあたりから背中の毛をつまんで確かめて、季節をまたいでもう一度見る、という2回で、その子の側がだいたい決まります。急に量が変わったときや、地肌に変化があるときは、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。