C04悩み解決

犬の毛艶の低下|まず疑いたい3つの原因

公開日 2025年10月20日|文=mofuwa編集部

窓からの光を受けて、背中の毛が明るく見える犬
毛艶は毛の色そのものではなく、光がそろって返ってくるかどうかで見え方が変わります。写真:Jay Brand/Pexels

毛艶が落ちたと感じた日は、同じ場所の毛を、光を背にして一度、光に向かってもう一度、続けて見てください。毛艶が落ちる原因は、この2枚の見え方の食い違いで3つに分かれます。艶というのは、たくさんの毛がそろって光を返したときにだけ見えるものです。だから原因は、その光がどこで散っているかで決まります。散る場所は、毛の表面か、毛の向きか、毛の上に乗っているものか。どれなのかを決めてから手を動かすと、やることが1つに絞れます。

光を背にして1回、光に向かって1回|毛艶のチェックは2回見る

毛艶という言葉は、毛の色や量のことだと思われがちですが、実際に見ているのは光の返り方です。1本の毛は細い円柱で、表面がなめらかなら、当たった光をほぼ同じ角度で返します。その毛が何百本も同じ向きに寝ていれば、返ってきた光がそろい、体の上に明るい帯ができます。これが艶です。逆に、返る角度がばらつけば、光は散って帯になりません。毛艶が落ちたという変化は、光が散りはじめたという意味です。

散っている場所を家で特定するには、同じ場所を2回見ます。1回目は光を背にして、2回目は光に向かって。立つ位置を変えるだけで、条件は何も変えません。この2枚の見え方がどう食い違うかで、毛艶の原因が3つに分かれます。

  1. 窓のある部屋で、その子の横に立つ

    晴れた日の日中がいちばん分かりやすくなります。照明だけの部屋は光の向きが定まらないので、原因の切り分けには向きません。背中の同じ場所を見ると決めて、肩から腰までを1本の帯として眺めてください。

  2. 光を背にして見る

    窓を背中側にして、その子を見下ろします。光が自分の肩越しに毛へ当たり、返ってきた光をそのまま受け取る向きです。ここで明るい帯が出るかどうかを見ます。帯が細くても、はっきり出ていれば、毛の表面と向きは大きく崩れていません。

  3. 光に向かって見る

    その子を挟んで、窓のほうを向きます。毛の縁を通ってくる光を見る向きです。ここでは、毛の上に乗っているものが白く浮いて見えます。表面が荒れていれば、縁が毛羽立って見えます。

  4. 2枚の食い違いを、言葉にして書き留める

    「背にすると帯が出ない」「向かうと白く濁る」のように、その日の見え方を1行で残します。毛艶の変化はゆっくり進むので、記憶では比べられません。同じ場所・同じ時間帯で週に1回、同じ2枚を見ると、原因の見当がずれなくなります。

Note猫でも見る場所は同じです

背中の肩から腰にかけては、犬も猫も毛の向きがいちばんそろっている場所です。顔まわりや足先は毛が短く向きも複雑なので、艶の判定には使いません。チェックは背中の1か所に固定してください。

毛艶が落ちる原因を、光の散り方で3つに分ける

2回の見え方を並べると、原因は次の3つに分かれます。どれも「毛の量が減った」という話ではなく、光が散る場所が違うだけです。表の右端は、その原因だと判断したときに最初にやることです。

毛艶が落ちる3つの原因と、2回の見え方の食い違い
原因光を背にして見ると光に向かって見るとまずやること
(1) 毛の表面がざらついている帯が出ない。全体がぼんやりする毛の縁が毛羽立って見えるこすれている場面を減らす
(2) 毛の向きがそろっていない帯が途切れる。まだらに明るいとくに変わらない向きをそろえてとかす
(3) 毛の上に何かが乗っている帯は出るが、くすんで見える白く濁って見える乗っているものを移す

見分けの鍵は、右から2列目です。光に向かったときに白く濁って見えるのは、(3) だけです。毛そのものが白く見えているのではなく、毛の上に乗った細かいものが光を受けて散らしています。逆に、光を背にしても明るい帯ができないのに、光に向かうと何も浮かないなら、(1) か (2) です。

(2) の毛の向きは、いちばん軽い原因です。ブラッシングで毛を根元から毛先へ向かってそろえれば、その日のうちに帯が戻ります。数日で戻るなら、それ以上掘り下げる必要はありません。戻らないなら (1) か (3) が下に隠れています。この記事では (1) と (3) を扱います。

Point3つは同時に起きます

実際には、1つだけということはあまりありません。順番としては、軽いほうから外していきます。まず向きをそろえて1日おく。それでも帯が戻らなければ、光に向かって白く濁るかどうかで (1) と (3) を分ける。この順で見れば、家で試す手は毎回1つで済みます。

毛の表面がざらついているときに、家でできること

毛の表面には、うろこのように重なった層があります。この層が寝ていれば光はそろって返り、めくれ上がれば散ります。めくれる原因は、ほとんどが摩擦と乾きです。犬の毛はひと月におよそ1センチ伸びるので、毛先ほど長く摩擦を受けてきた部分になります。ここは元に戻りません。手を入れて変わるのは、これから伸びてくる根元の数センチだけです。

  1. ブラシを入れる前に、毛を湿らせる

    霧吹きの水か、手のひらに出したスプレーを毛の表面にのばします。ぬらすのではなく、静電気が起きない程度まで湿らせるだけです。びしょびしょにすると、乾く途中でまた広がります。

  2. 根元から毛先へ、一方向だけで通す

    戻す動きを入れません。手首を返さず、肩から腕全体でゆっくり動かします。速く動かすほど摩擦の熱が上がるので、往復の回数より速さのほうが効いてきます。

  3. 毛の流れが変わる場所で、手を止める

    首の後ろ、肩、腰は、毛の流れの向きが切り替わる場所です。ここで無理に一方向へ通すと、毛どうしがこすれます。流れが変わったら、その向きに合わせてブラシの角度も変えてください。

  4. 終わったあと、手のひらでひとなでする

    最後に手で表面をなでると、浮いた毛が寝ます。道具を足す必要はありません。ここで光を背にして見て、帯が出るかどうかを確かめます。

この工程で毛を湿らせるものを、水道水の霧吹きから mofuwa グルーミングスプレーに替えると、同じ3分が毎日ぶんのケアになります。もともと「毎日きれいにしてあげたいけれど、シャンプーは毎日できない」ところから形になったスプレーです。還元水100%で、無香料・アルコールフリー。汚れの原因になる脂は油と乳化して落ち、セラミドとスクワランは毛に残ります。水だけで湿らせると、乾いたときに乗っていたものはそのまま残りますが、脂のほうを一緒に連れていければ、翌日の毛に乗る量が変わります。

散らすのは、ブラシを入れる直前です。毛の上に2〜3回出して、指で毛流れの向きにならしてから通します。静電気で毛が立たないぶん、毛並みが寝たまま指が奥まで入ります。1か所2〜3往復という上の数え方は、湿らせてからのほうが守りやすくなります。赤みやかさつきが出ている場所は飛ばして、背中の後ろ半分だけにしてください。

Caution回数を増やしても、毛先は戻りません

毛艶が落ちた原因が (1) のとき、いちばん起きやすいのが「ブラッシングの回数を増やす」ことです。すでにめくれた層は、とかしても元に戻りません。回数を増やせば、そのぶん摩擦の時間が増えます。変えるのは回数ではなく、1回あたりの速さと、こすれている時間そのものです。

光に向かうと白く濁る|毛の上に何かが乗っているとき

3つ目の原因は、毛そのものではありません。毛の上に、光を散らすものが薄く乗っている状態です。光を背にすると帯は出るのに、どこかくすんで見える。光に向かうと、毛の縁が白っぽく濁る。この2枚の食い違いが出たら、乗っているものを探します。

毛の上に乗るものと、乗ってくる場所
乗っているものどこから来るか触ったときの感触
皮脂その子の皮膚から。背中の中央に出やすい指の腹がわずかに滑る
ほこり・細かい繊維寝床、毛布、床。寝ている時間が長い面から指に白い粉のようについてくる
洗い残しシャンプーやすすぎ。根元と、体の下側に残る乾いているのに、指が引っかかる

どれなのかは、乾いた布で背中を10往復ほど拭いて、布の面を見ると分かります。布がうっすら光っていれば皮脂、白い粉がつけば、ほこりか洗い残しです。何もつかないのに濁って見えるなら、乗っているものではなく (1) の表面の荒れを疑ってください。

(3) のうち、皮脂だけは毎日戻ってきます。ペットは体から脂を出すので、昨日拭いた背中は、今日また同じところが濁ります。だから拭き取りは、週に一度の大仕事ではなく、1分の作業として毎日の側に置くほうが続きます。グルーミングスプレーを布に2〜3回出して、背中の中央から後ろ半分だけをなでる。布の面が湿っているあいだは、取ったものを隣へ移さずに拾えます。舐めても差し支えのない基準でつくられているので、拭いたあとに背中へ口が回っても慌てずに済みます。

Caution落とすほうへ手を足しすぎないこと

白く濁って見えると、洗う回数を増やしたくなります。ところが皮脂は、落とすほど短い周期で戻ってきます。洗う回数を増やすより、洗う日と洗う日のあいだに布で移すほうが、毛の上に乗る量は安定します。週に何回洗うかを変える前に、拭き取りの日を1日足してみてください。

3つのどれでも説明がつかない毛艶の低下

ここまでの3つは、どれも毛と、毛の上の話です。体の側で何かが起きているときは、この3つのどれにも当てはまりません。次のような落ち方をしているときは、原因を家で切り分けようとせず、動物病院に相談してください。毛艶は体の変化が遅れて表に出る場所なので、毛だけを見ていると気づくのが遅くなります。

Caution早めに相談したい落ち方

左右のどちらか一方だけ艶がない、地肌が透けて見える範囲が広がっている、毛が抜けたあと生えてこない場所がある、毛を軽く引くと簡単に抜ける、地肌に赤みやかさぶた・黒ずみが出ている、においが変わった、かゆがる・舐め続ける、体重や食欲・飲む水の量が変わった、元気がない。この形が出ているなら、光の散り方で切り分けようとせず、動物病院で診てもらってください。

相談に行くときは、いつから、体のどこから、どんな順で変わったかをメモしていくと診察が早く進みます。週に1回、同じ場所を光を背にして撮った写真があれば、それがそのまま経過の記録になります。撮る条件をそろえるほど、比べたときの食い違いがはっきりします。

上のどれにも当てはまらないなら、原因は3つのどれかです。光を背にして1枚、光に向かって1枚。この2枚を同じ場所で見て、当たった原因の手だけを毎日続けてください。毛艶は週の単位でしか動かないので、変わったかどうかは記憶より記録のほうが先に教えてくれます。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

商品ページを見る

よくある質問

曇りの日でも、毛艶のチェックはできますか?
できますが、晴れた日より差が小さくなります。曇りの日は光の向きが定まらないため、光を背にした1枚と光に向かった1枚の食い違いが出にくくなります。チェックの日を決めるなら、晴れた日の午前中に固定してください。夜の照明の下は、光源が複数あって向きが決まらないので避けます。
黒い毛の子は、毛艶が落ちても分かりにくいのでしょうか?
逆で、黒い毛のほうが明るい帯がはっきり出るので、艶の変化は分かりやすい部類です。分かりにくいのは、白や淡い色の長毛の子です。全体が明るく見えるため、帯があるのかどうかが読みにくくなります。その場合は、光に向かって見たときに白く濁るかどうかのほうを手がかりにしてください。
食べているものを変えれば、毛艶は変わりますか?
食べているものは体が毛を作る材料になるので関係しますが、変わるとしても、これから生えてくる根元の部分からです。いま毛先にある部分は数か月前に作られたものなので、変化はすぐには見えません。食事の内容を変えるときは、自己判断ではなく、かかりつけの動物病院に相談してから決めてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。