C11比較・選び方
在宅時間が長い家庭に向くケア
在宅で仕事をしている家は、その子と同じ部屋に朝から晩までいます。だからこそ、室内のにおいがいつ変わったのかが分かりません。鼻は同じにおいの中に30分もいれば慣れてしまい、強さの変化を拾わなくなります。目も同じで、毎日見ている毛は、変わった日を特定できません。在宅時間が長い家のペットのケアでつまずくのは、時間が足りないからではありません。いちばん近くにいる人の感覚が、いちばん当てにならなくなるからです。だからこの家では、におい・見た目・気配ではなく、日付と回数を目印に置き換えます。毎日の習慣をどこに置くかは、そのあとに決まります。
いちばん近くにいる人の鼻から、先に消える|在宅が長い家とペットのケアの違い
同じにおいの中に居続けると、人の鼻はそのにおいを拾わなくなります。強くなったのか弱くなったのかも分かりません。家を空けている人は、帰宅後の数秒だけ、慣れていない鼻で室内に入ります。在宅時間が長い人には、その数秒がありません。ここが、同じ家でも判断の材料が違ってしまう分かれ目です。
目も同じ性質を持ちます。毎日見ている毛は、昨日とほとんど変わりません。変わらない状態が30日続けば、30日前とは別物になっていても、変わった日を指せません。在宅時間が長い家では、変化そのものは見えているのに、変化の速さだけが見えなくなります。速さが分からないと、待っていい変化なのか、待ってはいけない変化なのかを決められません。
- においの強さ:同じ部屋に30分いれば慣れます。強くなった日を自分では指せません
- 毛の状態:毎日見ているので、絡み始めた日ではなく、絡んだあとの状態から気づきます
- なめる回数:ずっと視界にあるぶん、多いか少ないかの比較ができません
- 寝ている時間:一日中そばにいるので、長くなったのか自分が見ている時間が増えただけなのか分かりません
在宅時間が長いことは、ケアにとって有利な条件です。手を触れる場面は1日に何度もありますし、拒否された日にやり直すこともできます。足りないのは時間ではなく、比べる相手のほうです。毎日の印象は、毎日上書きされます。上書きされない形で残しておくものを決めるのが、この家でのケアの組み立て方になります。
もうひとつ、在宅の家に固有の条件があります。その子の側も、一日中人がいる前提で過ごしているということです。人が動くたびについてくる、ドアの前で待つ、同じ部屋で寝る。接触の回数が多いぶん、ケアを特別な行事にしなくても、生活の中に差し込めます。毎日の習慣として組めるのは、在宅の家の強みです。
日付と回数で見る|在宅が長い家のペットのケアの見分け方
感覚が使えないぶん、この家では材料を外に置きます。やることは、印象で覚えていたものを、日付のついた記録に置き換えるだけです。難しいのは記録の取り方ではなく、何を記録にするかを先に決めておくことのほうです。
| 判断してきた材料 | 在宅時間が長い家で起きること | 置き換える目印 |
|---|---|---|
| 室内のにおい | 鼻が慣れて、強さの変化を拾わなくなる | 帰宅後の家族や、来た人の第一声 |
| 被毛の見た目 | 毎日見ているので、変わった日を指せない | 同じ場所を4週間ごとに撮った写真 |
| なめる回数 | 視界にあり続けるので、多い少ないを比べられない | 1日のうち決めた30分だけ数える |
| フケの量 | 掃除の頻度が高く、床に残らない | ブラシに残った量を、週の同じ曜日に見る |
| 水を飲む量 | 何度も見ているぶん、記憶が上書きされる | 器に足した回数をその日のうちに書く |
| 結論 | 在宅が長い家で当てにならないのは、その日ごとの印象 | 日付で区切った記録のほうを信じる |
表の最終行が、この家での見分け方です。印象をやめて記録にすると、「気のせいかもしれない」で止まっていたものが、先月と比べられる数字になります。写真は同じ場所・同じ明るさで撮るのが条件です。角度が変わると、広がったのか撮り方が変わったのかが分からなくなります。
この間隔で組むと、在宅の家でも「先週より」が言えるようになります。数えるほうは、1日中見ている必要はありません。決めた30分だけ数えると決めておくと、その30分の中の回数が、月をまたいでそのまま比べられます。一日中の合計を数えようとすると3日でやめることになるので、幅を狭くしておくほうが残ります。
増やしてよい工程と、増やさない工程|在宅時間が長い家でのペットのケアの使い分け
一日中家にいると、気づいたときにすぐ手が出せます。これは強みですが、そのまま任せると、増えなくていい工程まで増えます。とくに増えやすいのが、洗う回数です。時間があるからという理由で洗う回数を上げると、皮膚の側で起きることは戻しにくくなります。
| 工程 | 増やせるかどうか | 増やしすぎたときに出るもの |
|---|---|---|
| ブラシを通す | 毎日でも増やせる。力を抜くのが条件 | 同じ場所ばかりだと地肌が赤くなる |
| 足先と口の周りを拭く | 毎日でも増やせる | こする回数が増えると被毛が絡む |
| 地肌に水分を届ける | 1日に数回まで増やせる | 拭き取りを足すと、そのぶん乾く |
| 肉球に塗る | 1日1回まで | 重ね塗りで床に跡が残り、その汚れが戻る |
| 全身を洗う | 在宅時間に比例させない | 必要な皮脂まで落ちて、乾燥とフケが出る |
| 結論 | 増やすのは短い工程だけ | 洗う回数は、時間があることを理由に上げない |
表の最終行が、在宅時間が長い家でのペットのケアの使い分けです。短い工程は、増やしても翌日に戻せます。洗う工程だけは、増やした結果が皮膚の乾きとして出るまでに時間差があり、出たときには回数のせいだと分かりません。だから、この工程だけは時間の余裕と切り離して決めます。
では洗う回数は何で決めるかというと、その子の生活のほうです。散歩に出るか、外に出ない室内だけの生活か、被毛が長いか短いか、脂が多く出る時期かどうか。在宅であるかどうかは、この判断のどこにも入りません。入るのは「洗う日をどこに置けるか」という置き場所の話だけで、そこは在宅の家のほうが自由です。
毎日の習慣として置くなら、帰宅後ではなく、在宅の家では「作業を区切るとき」に紐づけると続きます。昼の休憩に入る、夕方に仕事を閉じる。時刻ではなく出来事に紐づけておくと、予定が動いた日でも同じ場所に戻せます。一日中家にいる分、紐づけられる出来事の候補は多いはずです。
洗う回数ではなく、1回の中身で決める|在宅の家に向くペット用ケア用品の選び方
洗う回数を上げられない家で効いてくるのは、1回でどれだけ落としすぎないかです。よく落ちるものほど、必要な皮脂まで持っていきます。落ちすぎた状態は、洗った直後には分かりません。数日たってからフケや乾きとして出るので、回数のせいだと結びつけにくいのが厄介なところです。
mofuwa モイストシャンプーは、洗浄成分を増やさずに泡を立てる設計になっています。使っている洗浄成分はアミノ酸系で、量も少なくしてあります。原料の水に電解水を使っていて、その水自体に汚れを落とす働きがあるため、少ない洗浄成分でも泡が立ちます。洗浄成分が少ないぶん、必要な皮脂まで落ちにくく、洗い上がりがごわつきません。ごわつかないので、戻すためのトリートメントという工程も要らなくなります。
使っていないものは、名前で挙げられます。香料・着色料・パラベン・シリコン・鉱物油・紫外線吸収剤・アルコール・サルフェート・石油系界面活性剤・動物由来原料・合成ポリマーの11種類です。入っていないことを安心の理由にするのではなく、何を外したのかが数えられる形になっていることが、選ぶ側の材料になります。7種の天然成分は、カミツレ花・ローズマリー葉・ラベンダー花・アロエベラ葉・ハマメリス葉・オタネニンジン根・カンゾウ根です。
モイストシャンプーに香りが付いていないことは、在宅の家でとくに意味を持ちます。室内で一日中一緒にいる家では、洗ったあとのにおいが、その子にとっても飼い主にとっても、翌日までずっと残ります。犬や猫は自分のにおいを好む生きもので、そこに知らないにおいが乗ることは負担のほうです。香りは飼い主のためのもので、同じ部屋で過ごす側のためのものではありません。無香料であることは、におい自体を判断材料に使えるという点でも、この家に向いています。
洗うときは37〜38度のぬるま湯で濡らし、泡立ててから指の腹で地肌を動かします。ごしごしこすると、汚れより先に皮膚の表面が傷みます。洗い終えたあとは、乾かすところまでを1回とみなしてください。在宅の家は途中で手を止められるぶん、半乾きのまま時間が空きやすく、乾かす工程だけは、始めた日のうちに終わらせる工程として扱います。
4週間ごとに撮っている同じ場所が、3枚目でさらに広がっている/決めた30分の中でなめる回数が、先月の倍になっている/週の同じ曜日にブラシへ残る量が、3週続けて増えている/洗う回数を上げていないのに、洗った翌日からフケが出る。こうした動きは、記録があるからこそ言えることです。写真の日付と、数えた回数をそのまま持って、動物病院で診察の枠を取ってください。毎日そばにいる家の記録は、変化の速さが分かる資料になります。
一日中いる家に残るもの|在宅のペットのケアを来月へ渡す形
在宅時間が長い家のケアで最後に残るのは、続けた回数ではなく、比べられる材料が手元にあることです。写真が2枚あれば、来月には3枚目が撮れます。数えた回数が1か月ぶんあれば、来月と並べられます。印象だけで過ごした1か月には、これが何も残りません。
| 残すもの | 中身 | 来月での使い道 |
|---|---|---|
| 同じ場所の写真 | なめる場所と地肌の2か所 | 広がったか止まったかを目で見る |
| 決めた30分の回数 | 1日1行の数字 | 先月と並べて向きを見る |
| 洗った日付 | 回数ではなく日付 | 間隔が詰まっていないか確かめる |
| 紐づけた出来事 | 昼の休憩・仕事を閉じるなど1つ | 予定が動いた日に、ここへ戻す |
この4つは、在宅の日が続いても外出が増えても、そのまま持ち越せます。一日中そばにいることを、気づける条件に変えるのが、この家でのペットのケアの選び方です。近さそのものは材料になりません。日付がついて初めて材料になります。
始めるのは、写真を2枚撮るところからで足ります。なめている場所と、毛を分けて地肌が見える場所。その2枚に今日の日付がついていれば、4週間後に比べる相手ができます。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 家族に「においがする」と言われました。自分では分からないのですが、洗う回数を増やすべきですか。
- 回数を増やす前に、においの出どころを1か所に絞ってください。その子の体から出ているのか、寝床やクッションに移ったものが返ってきているのか、器や口の周りなのかで、打つ手が変わります。布に移ったにおいは、その子を洗っても翌日には戻ります。順番としては、寝床とラグを先に洗って、それでも同じことを言われるかどうかを見ます。ここで消えるなら、その子の洗う回数は関係していません。家族の第一声は、この家では数少ない慣れていない鼻からの情報なので、消さずに記録しておくと役に立ちます。
- 在宅で一日中そばにいるので、ブラシは気づいたときに何度もかけています。多すぎますか。
- 回数そのものより、同じ場所に何度入っているかのほうが問題になります。目につく場所は決まっているので、気づいたときにかけると、背中と頭ばかりに回数が集中します。同じ場所に1日に何度もブラシが入ると、地肌が赤くなることがあります。かける順番を決めて、上から順に一巡してから終わる形にしてください。一巡が終わったら、その日はもうかけない。回数を減らすのではなく、入る場所を散らすほうで調整します。
- 室内だけで暮らす猫です。外に出ないのだから、洗う工程は要らないのではありませんか。
- 外の汚れがつかないぶん、洗う間隔は長く取れます。ただ、室内で暮らしていても脂は出ますし、毛づくろいでは届かない場所があります。背中の真ん中、しっぽの付け根、あごの下。この3か所は自分で届きにくく、毛が油っぽくまとまってくることがあります。まずは毎日の短い工程で、この3か所を触って確かめてください。指に脂が残る感触が続くようなら、そこで洗う工程を検討します。回数を先に決めるのではなく、触って分かったことで決める順番にします。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
