C03使い方・お手入れ手順
防災バッグに入れるケア用品と使い方
玄関の土間に防災バッグを立てたまま座って、膝の上でその子の背中に手を当てたとき、使える広さは30センチ四方しかありませんでした。袋に入れるケア用品は、点数と重さで選びがちです。実際に袋の前に座って決め手になったのは、物を持ち替えられる回数でした。防災のケア用品の使い方は、洗面所で5回ある持ち替えを2回に収められるかで決まります。3つめを持とうとした手は、必ず1つを土間に置きます。
膝の上の30センチ四方に収まるか|防災のケア用品を毎日の棚から選ぶ前提
持ち替えとは、片方の手に持っている物を、もう一方の手や別の物へ移すことです。洗面所でいつもやっているケアを、この数え方で数え直してみてください。1本を棚から取る、キャップを台に置く、布を取る、ブラシへ持ち替える、最後に両方を棚へ戻す。5回あります。それでも崩れないのは、洗面台という置き場所が手の高さにあるからです。玄関の土間で袋を立てたまま座ると、置ける場所は膝の上の30センチ四方だけになります。ここで持ち替えるたびに、片方の物は土間へ降りていきます。
| 入れるもの | 洗面所での持ち替え | 袋の前での持ち替え | 袋に入れるかどうか |
|---|---|---|---|
| 吹きかける1本 | 1回 | 0回 | 入れる。右手に持ったまま最後まで使える |
| 折りたたんだ布を3枚 | 1回 | 1回 | 入れる。1枚ずつ抜ける形にたたむ |
| ブラシ | 2回 | 2回 | 入れる。使うのは背中の1か所まで |
| キャップつきの容器を2本 | 2回 | 3回 | 1本にしぼる。2本めは家の棚へ残す |
| 爪切り・綿棒・ハサミ | 3回 | 4回 | 入れない。膝の上で開く場面が来ない |
袋の容量から考えはじめると、入る物はいくらでも増えます。18リットルの袋なら、この5行はすべて入ります。入れる物を決めているのは容量ではなく、袋の前に座ったときに広げられる30センチ四方のほうです。容量は残りますが、手は残りません。防災のケア用品を選ぶ作業は、荷物を詰める作業というより、膝の上でできる使い方から逆に引いてくる作業になります。点数を先に決めた袋と、使い方を先に決めた袋では、開けたときに手が動くかどうかが変わります。
もう1つの前提が、毎日の棚から取ることです。袋のためだけに買った物は、袋を開けた日がその物を初めて使う日になります。膝の上で初めてキャップを回し、初めてノズルの向きを確かめることになるので、そこで持ち替えが2回増えます。ふだん手が覚えている1本を袋に入れておけば、暗い足もとでも手のほうが先に動きます。防災のケア用品と毎日のケア用品を別の物にしないのは、この一点のためです。
数え方はこれだけです。袋の外ポケットに紙を1枚入れて、日付と、その日の持ち替えの回数と、拭けた部位の数を書きます。回数が3回になった日は、手順が増えたのではなく物が1つ増えています。紙に3と書かれた日の翌日は、物を1つ家の棚へ戻すところから始めてください。点検の日を月に1回と決めるより、この紙の数字が動いたときに直すほうが、袋の中身は毎日の側に寄っていきます。
袋を立てたまま、持ち替え2回で回す|防災のケア用品の使い方を家でできる形にする
手順は5つです。袋の口を開けて1本を右手に出し、布を左手に1枚だけ取り、背中と足先の2か所に吹きかけて拭き、使った布を外ポケットへ入れ、1本を右手のまま袋の口へ戻します。持ち替えは布を取るときの1回と、布を外ポケットへ移すときの1回。合わせて2回です。右手の1本は、最初から最後まで右手にあります。
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1|袋の口を開け、1本を右手に出す
袋は寝かせずに立てたままにします。寝かせると口が広がって、中の物が見える代わりに、取り出すために左手で口を押さえることになります。立てた袋の口へ右手だけを入れて、いちばん上の1本をつかみます。この形にしておくと、左手はまだ空いています。
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2|布は1枚だけ、左手に取る
たたんだ布の束から、左手で1枚だけ引き抜きます。まとめて2枚取ると、使わない1枚を膝の上に置くことになり、その1枚は立ち上がった瞬間に土間へ落ちます。1枚ずつ抜ける形にたたんでおくのは、この落下を作らないためです。
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3|背中と足先の2か所に吹きかけ、その場で拭く
この日にやる部位は2か所だけに絞ります。背中の真ん中に吹きかけ、毛の向きに沿って左手の布で一方向に拭く。次に前足の先へ吹きかけ、指のあいだを布で包んで拭きます。右手は1本を持ったままなので、拭くのは左手の布だけです。
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4|使った布は、袋の外ポケットへ先に入れる
使い終わった布を膝の上に置かないでください。汚れた面が上を向いた布は、次に立ち上がるときの1枚めの落下物になります。外ポケットに入れておけば、あとで数えられます。ここが2回めの持ち替えです。
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5|1本は右手のまま、袋の口へ戻す
最後に右手をそのまま袋の口へ入れて、1本を離します。キャップを回したり、ノズルの向きを直したりしません。手を離すだけで終わる形にしておくと、その子が急に動いた日でも、手に残る物が0になります。
防災バッグに入れる1本を mofuwa グルーミングスプレーにしているのは、この1本が毎日という側から作られているからです。犬も猫も体から脂を出すので、昨日拭いた背中は今日また汚れます。とはいえ玄関で湯を使うことはできず、サロンへ毎日通う前提も立ちません。吹きかけて拭くだけで済む形にしてあるので、袋の前の30センチ四方でも手順がそのまま入ります。ふだんの使い方と袋の中の使い方が同じであることが、防災のケア用品でいちばん効いてくる条件です。
この1本は、その子が自分の体をなめることを設計の出発点にしています。犬猫の皮膚はヒトの3分の1ほどの薄さで、しかも口が届く範囲には自分で舌を当てます。その前提から作られているので、吹きかけた量を数えずに使えます。袋の前は手もとが暗く、量を目で量る余裕がありません。量を数えなくていいことが、そのまま持ち替えを増やさないことにつながります。中身は電解水で、余分な皮脂と油が乳化して布のほうへ移ります。
香りを足していないことも、袋の中では別の意味を持ちます。袋は何日も閉じたままになるので、香りのある物を入れると、開けた瞬間にその香りが袋ごとその子に届きます。ペットは自分のにおいが好きで、余分なにおいは負担になります。無香料の1本なら、袋を開けた時点でその子の側に増えるものが何もありません。
猫では、袋の前でもう1つ手間が増えることがあります。吹きかけたときのプシュッという音です。音は手より早く届くので、こちらが2か所を決める前に、その子が玄関から出ていきます。mofuwa 猫用グルーミングウォーターは、その声を受けて中身を変えずに容器を霧の出ない形へ替えた1本なので、袋の中でも音の段が増えません。猫と犬が同居している家では、袋に入れる容器の組み合わせがここで分かれます。
頻度は、防災のケア用品だからといって上げません。散歩からの帰宅後に1回、室内へ上がる前のその場所で2か所。これをふだんから続けておくと、袋の前でやる手順が特別なものではなくなります。使い分けは道具ではなく場所で決めます。室内の洗面所では5回の持ち替えで全身を、玄関の土間では2回の持ち替えで2か所を。同じ1本で、回す規模だけを変えます。
3つめを持った手が土間に1つ落とす|防災のケア用品で持ち替えが増える頻度
持ち替えが増えるのは、手順が増えたときではありません。物が1つ増えたときです。袋の前で手に持てるのは2つまでで、3つめを持とうとした手は、必ずどれか1つを膝から落とします。落ちた物は土間の砂に触れるので、その日はもう体に使えません。持ち替えの回数を数えていると、この落下が起きる日が先に分かります。
- キャップを膝の上に置く:外したキャップは、それ自体が3つめの物です。膝の上のキャップは、立ち上がる動作1回で土間へ落ちます。キャップを外さずに使える向きで袋へ入れておくと、持ち替えは2回のまま動きません
- 布を2枚まとめて取る:1枚で足りるかどうかは、拭き始めてからしか分かりません。先に2枚取ると、使わない1枚を膝の上に置くことになります。足りなければ2枚めを取り出すほうが、結果として持ち替えは少なくなります
- その子が動いて、こちらが立ち上がる:玄関では人の出入りがあるので、途中で立つ場面が必ず来ます。立つ前に右手の1本を袋の口へ戻す癖をつけておけば、手に残る物が0になり、落下も0になります
回数が増えた日の戻し方にも順番があります。手順を減らすのではなく、物を1つ家の棚へ戻すところから始めます。袋の中身を5行から4行にすると、翌日の持ち替えは1回減ります。部位を2か所から1か所に減らすより、こちらが先です。部位を削ると拭けない場所が残りますが、物を削っても拭ける場所は減りません。紙の数字が2回に戻ったら、そこで止めます。
外ポケットにたまった布の枚数も、同じ紙で数えられます。1回のケアで1枚のはずなので、3日で3枚。ここが3日で6枚になっていたら、1回あたり2枚使っています。2枚めが必要になっている部位は、背中ではなく足先や口のまわりのことが多く、その部位だけ拭く間隔が空いています。枚数は、手順の乱れよりも、部位の取りこぼしを先に教えてくれます。
同じ部位が3日続けて「拭けなかった」と紙に並ぶ/2枚めの布が毎回同じ場所で必要になる/吹きかけた瞬間にその部位だけを引っこめる/毛をかき分けると地肌が赤く見え、さわると熱い/土間に落ちた物を拾おうとしたその子が、その場所をなめ続けている。こうした並び方は、持ち替えの回数や袋の中身では説明がつきません。その部位が痛い、かゆいという体の側の理由が隠れていると、手順をどれだけ短くしても紙の同じ行が埋まり続けます。持ち替えの回数と部位を書いたその紙を持って、動物病院で皮膚のほうを見てもらう日をつくってください。いつから、どの部位で、何回ぶん手が止まったのかが、紙1枚でそのまま伝わります。
袋の口を開けたまま量る1回|防災のケア用品の使い分けと、部位をしぼるコツ
防災のケア用品の使い方は、袋を閉じたままでは確かめられません。年に1回の点検を「中身がそろっているか」で済ませると、量るのは点数と期限だけになります。そこへ持ち替えの回数を足します。袋の口を開け、玄関の土間に立てて、実際に膝の上で2か所を拭いてみる。この1回に3分かかりません。3分で分かるのは、手が覚えているかどうかと、物が1つ増えていないかどうかです。点数の点検では中身が分かり、この3分では使い方が分かります。
| 順 | 部位 | 持ち替え | この部位を先にする理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 背中の真ん中 | 0回 | 右手の1本と左手の布だけで届き、その子も立ったままでいられる |
| 2 | 前足の先 | 0回 | 同じ布の別の面で足ります。玄関では土間に最も近い部位です |
| 3 | おなかの下 | 1回 | その子の体勢を変えてもらうので、いったん右手を袋へ戻します |
| 4 | 耳のうしろ | 1回 | 布を小さくたたみ直すぶん、手のあいだで1回移ります |
| 5 | しっぽの付け根 | 2回 | 布の面を替え、体の向きも替わるので、玄関では最後に回します |
表の3行めから下は、時間があるときの列です。玄関で回すのは1行めと2行めまで、室内へ上がってから3行めより下へ進む、という使い分けにしておけば、どこで止めても手順が途中で切れません。上から順に持ち替えが増えていくので、どこまで進めるかは残り時間ではなく、残りの持ち替え回数で決められます。残り1回なら3行めまで、残り0回なら2行めで終わりです。
頻度の話も、この表の上2行に寄せてあります。帰宅後に背中と前足を拭く1回を毎日続けていれば、袋の前でやるのは毎日と同じ2か所です。玄関の土間で初めてやる手順がないので、その日の持ち替えは2回で止まります。袋へ入れた mofuwa グルーミングスプレーが、室内の棚にある1本と同じ物であることが、この「初めてがない」状態をつくっています。
今夜できるのは、袋の外ポケットに紙を1枚入れて、日付と持ち替えの回数を書く欄を作るところまでです。袋を立てて座るのは、次に玄関を掃除する日でかまいません。膝の上の30センチ四方で2か所を拭けた日が1回でもあれば、その袋はもう毎日の側につながっています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 袋に入れる布は、何枚が適量ですか。
- 外ポケットにたまる枚数から決めます。1回のケアで1枚が基本なので、玄関で使う回数を3日ぶん見込むなら3枚です。枚数を先に多く決めると、袋の中で布の束が厚くなり、1枚を引き抜くときに束ごと膝の上へ出てきます。束が出れば、それが3つめの物になります。3枚で足りなかった日が2回続いたら4枚へ。減らすときも1枚ずつで、袋の容量ではなく引き抜きやすさのほうを基準にしてください。
- ふだん使っている1本を袋に入れてしまうと、家のぶんがなくなります。
- 家の棚と袋で1本ずつ持つのが基本の形です。ただし2本を同時に買い足す必要はありません。家の棚の1本が残り少なくなった日に、新しい1本を棚へ置き、残りが少ないほうを袋へ移します。袋の中の1本は、置いてある期間ではなく、手が覚えているかどうかで価値が決まります。棚から袋へ順に送る形にしておけば、袋の中の1本が家のどれとも違う物になることがありません。
- 玄関ではなく、室内のどこかに袋を置いています。それでも土間の話は当てはまりますか。
- 当てはまるのは土間という場所ではなく、物を置く台が手の高さにないという条件です。廊下の隅でも、寝室のクローゼットの前でも、床に座って袋を立てる形になるなら、広げられるのは膝の上の30センチ四方です。台のある場所に袋を置いているなら、持ち替えは5回まで使えます。その場合は部位を2か所ではなく3か所に増やせるので、表の3行めまで日常の側へ入れてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
