C03使い方・お手入れ手順

断水時のケア手順

公開日 2026年3月11日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋で、クリーム色の毛布の上に落ち着いて寝ている淡い色の犬
水が使えない日でも、手のひらと布だけで分かることが4つのうち2つあります。写真:https://kaboompics.com//Pexels

朝7時に蛇口をひねって水が出ず、その日にその子のケアへ回せたのは、計量カップで量った1杯ぶんの200ミリリットルでした。飲む水と、トイレを流す水を先に取り分けたあとに残った量です。1杯で拭ける場所は、多くても1か所です。断水の日のケアの手順は、体についた汚れを4つに見分けて、その1杯をどこへ回すかを決めるところから始まります。4つのうち2つは、水をまったく使わずに済みました。

コップ1杯をどこへ回すか|断水のケアで最初に数える手順

断水の日に最初に数えるのは、水の残量ではなく、ケアへ回せる杯数です。飲む水と、トイレや手洗いに要る水を先に取り分けると、体のケアへ残る量は多くありません。この家では計量カップ1杯、200ミリリットルでした。1杯で拭ける範囲は、体の1か所です。1杯を4か所へ分けると、どの場所も湿らせただけで終わります。だから断水のケアは、どこへ1杯を回すかを決める作業から始まります。

決めるために見るのは、汚れている場所ではありません。汚れの種類です。同じ「背中が汚れている」でも、乾いた砂がのっているだけなら水は要らず、泥が乾いて毛が束になっているなら1杯を使うことになります。断水の日にやる観察は、汚れを4つに分けるところまでで、どこを拭くかはそのあと自動的に決まります。

水の要らない側を受け持つのが、mofuwa グルーミングスプレーです。犬も猫も体から脂を出すので、断水しているあいだも皮脂は出続けます。電解水が油となじんで乳化するため、余分な皮脂は布に取られます。その子が自分の体をなめることを設計の出発点にしている1本なので、吹きかけた量を数えずに使えます。1杯を数えている日に、量を数えなくていい1本があるかどうかで、回せる区画の数が変わります。

断水のケアの手順を組むときに、いちばん外しやすいのが順番です。水の要る区画から手をつけると、1杯を使い切ったところで手が止まり、水の要らない区画は毎日の側へ送られないまま1日が終わります。水の要らない2つを先に片づけて、最後に1杯を使う。この順番だけで、その日に触れる区画の数が2つから4つに増えます。

指で払う・手のひらに移す・押して布に映す|断水のケアで汚れを4つに分ける見分け方

見分け方は3つの動作で足ります。指で払う、手のひらで軽く押して離す、乾いた布を当てて押す。この3つで、汚れは4つに分かれます。動作はどれも10秒かかりません。断水の日は水で確かめることができないので、手と布のほうを物差しにします。

3つの動作で分かれる4つの汚れと、水が要るかどうか
汚れ見分ける動作と、そのとき起きること乾くまで水が要るか
① 乾いた砂・土・抜け毛指で払うと粉になって落ち、指には何も残らないすでに乾いている要らない
② 皮脂・脂手のひらで押して離すと、指紋の谷に薄く移る乾かない要らない
③ 濡れている汚れ乾いた布を当てて押すと、布に色が映る20分から1時間1杯の候補
④ 乾いて固まった汚れ指で払っても落ちず、毛が束になって動くすでに固まっている1杯を回す先

①と②が、水を使わずに済む側です。①は毛の表面にのっているだけなので、布で払う向きを一方向にそろえれば移ります。②は水で流そうとしてもはじかれるので、断水の日かどうかに関係なく、乳化させて布へ移す手になります。断水の日に水を惜しむ必要があるのは、③と④の2つだけです。4つの区画を見て、③と④がある区画が2つを超えた日は、杯数のほうを増やす相談になります。

1杯200ミリリットルを、4つの汚れへ振り分けた1日の内訳 指で払って落ちる汚れと、手のひらに移る脂には水を使っていません。濡れている汚れには布を当てたあとに50ミリリットル、乾いて固まった汚れには150ミリリットルを回しています。1杯を4つに等分すると、固まった汚れが最後まで残ります。 ある1日の配分の例。家と汚れ方で変わります ① 乾いた砂・土・抜け毛 0mL ② 皮脂・脂 0mL ③ 濡れている汚れ 50mL ④ 乾いて固まった汚れ 150mL ①と②に0ミリリットルと書けるかどうかが、断水の日のいちばんの分かれ目です
水が要るのは4つのうち2つだけで、1杯はそこへ集まります。

見分け方でつまずくのは、③と④の境目です。乾いているように見えても、毛の根もとだけ濡れていることがあります。布を当てて押したときに布が色づくかどうかで分けますが、毛の表面だけ乾いた状態だと、布は色づきません。毛を指で分けて、地肌に近いところへ布を当て直してください。ここで③を④と見間違えると、固まっていない汚れに150ミリリットルを使うことになります。

4つに分けた汚れで、手が4つに分かれる|断水のケアのチェックと組み立て

4つの汚れには、4つの違う手が対応します。同じ手を4回くり返すことにはなりません。順番は①②③④です。水の要らない2つを先に終えて、残った1杯を③か④へ回します。チェックは、区画ごとに①から④のどれだったかを紙に書くだけで足ります。

  1. ①には、布の一方向だけを使う

    乾いた布を毛の向きに沿って一方向に滑らせます。往復させると、落ちた粉が毛の根もとへ戻ります。背中と腰はここで終わることが多く、水は0ミリリットルです。払い終わった布は、次の区画へ使い回さずに面を変えてください。

  2. ②には、吹きかけて拭くところまで

    脂は水ではじかれるので、乳化させて布へ移します。区画に吹きかけ、布で一方向に拭き、手のひらでもう一度押して、指紋の谷へ移る量が減ったかを見ます。減っていれば終わりです。ここも水は0ミリリットルです。

  3. ③には、布を当てて押してから50ミリリットル

    濡れている汚れは、先に乾いた布で水分を吸わせます。布に映らなくなってから、必要なら50ミリリットルを使います。順番を逆にして水から始めると、濡れている範囲が広がって、乾くまでの時間が1時間を超えます。

  4. ④には、残りの150ミリリットルを1か所へ

    固まって毛が束になっているところだけに使います。束の外側からほぐすのではなく、束の根もとへ水を置いて、時間を置いてから布で挟みます。1杯を4か所へ分けず、この1か所へ集めるのが、断水の日の組み立てです。

②の手で mofuwa グルーミングスプレーを使うところは、①の払いのあとにそのまま続けられます。布を持ち替えずに、面を変えるだけです。断水の日に手順を短くできるのは、①と②がつながっているところだけです。③と④は布の枚数も時間も別に要るので、同じ流れに混ぜられません。紙に①②③④のどれだったかを書いておくと、翌日は①と②の区画から始める手順に入れます。

香りを足していないことも、断水の日には別の意味を持ちます。水で流せない日は、つけたものがそのまま被毛に残ります。ペットは自分のにおいが好きで、余分なにおいは負担になるので、流せない日に足すものが少ないほうが、その子の側で起きることも少なくなります。皮膚のほうも同じで、断水の日に増やすのは水ではなく、布の枚数だと考えてください。

猫の場合は、①の前にもう1つ手前の段があります。吹きかけたときのプシュッという音です。断水の日は家の中が静かで、給水の音も家電の音もないので、この音だけが残ります。mofuwa 猫用グルーミングウォーターは、中身を変えずに容器を霧の出ない形へ替えた1本なので、静かな家でも音の段が増えません。犬と猫が同居している家では、断水の日に手に取る容器がここで分かれます。

杯数を1杯増やす前に見る3つ|断水のケアで様子見にできる線と、受診を決める線

杯数を増やすかどうかは、汚れの量ではなく、その子の体の側で決めます。④の区画が2つあるだけなら、1杯を2日に分けて片づける形で足ります。様子見にできる線と、その日のうちに動いたほうがよい線は、次の表のように分かれます。

断水のあいだ、様子見にできる状態と、線を越えた状態
見るところ様子見にできる線を越えている見る間隔
皮膚の色毛を分けると、いつもと同じ色に見える赤く見えて、さわると熱い1日1回
なめる時間拭いたあとに数秒なめて、離れる同じ場所を5分以上なめ続ける拭いたあと毎回
④の区画の数1つか2つで、日ごとに増えていない2日で3つ以上に増えた1日1回
飲む水の量いつもと同じ量を飲んでいる取り分けた分を飲みきらない1日2回
被毛の湿り③が20分から1時間で乾く半日たっても根もとが湿っている拭いた2時間後

表の右から2列めが、断水のケアで受診を決める線です。断水は何日で明けるかが読めないので、様子見の期間を日数で決めません。④の区画の数と、なめている時間の2つを数えて、増えているか減っているかで決めます。1杯のままで区画の数が減っているなら、水を増やす必要はありません。杯数を増やしても区画が減らない日が2日続いたときは、汚れの話ではなくなっています。

受診を決めたあとにやることは、水を使うことではありません。紙に書いた区画の記号を持っていくことです。①から④のどれがどの区画にあったか、1杯をどこへ回したか、なめていた時間が何分だったか。断水のあいだは写真も暗くなりがちなので、この3つが書いてあるほうが伝わります。

Caution④の区画が2日で3つに増え、1杯では追いつかないとき

④の区画が2日で3つ以上に増えた/1杯を回した区画を、そのあと5分以上なめ続けている/毛を分けると地肌が赤く見え、さわると熱い/③が半日たっても根もとまで乾かない/取り分けた飲む水を飲みきらない。こうした増え方は、水の杯数では説明がつきません。皮膚のほうに理由があると、水を2杯に増やしても④の区画は減り続けません。区画の記号と杯数、なめていた時間を書いた紙を持って、動物病院で皮膚を見てもらう日をつくってください。断水の何日めから、どの区画が増えたのかが、紙1枚でそのまま伝わります。

水が戻った日に、まず1か所だけ|断水のケアを毎日の側へつなぎ直す

水が戻った日に、全身をいつもの手順へ戻さないでください。断水のあいだ、その子の体は水に触れていません。蛇口が復旧した当日に全身を濡らすと、乾かすまでの時間がふだんより長くなります。戻すのは1か所だけ。④が残っていた区画から、いつもの手順へ返していきます。

水が戻ってからの3日で、区画をいつもの手順へ返す順番
日返す区画使う水この日に紙へ書くこと
1日め④が残っていた1か所いつもの量束がほぐれたかどうか
2日め③だった区画いつもの量根もとまで乾くのに何分かかったか
3日め①と②だった区画0ミリリットル手のひらに移る量が断水前に戻ったか

3日めに水を使わないのは、①と②が断水のあいだも毎日回せていた区画だからです。ここはもともと水の要らない側で、断水が明けたからといって変えるところがありません。断水の日にやっていたことのうち、半分はそのまま毎日のケアに残ります。残りの半分だけが、水の戻る日を待っていたことになります。

その紙は、水が戻ってからも引き出しへ入れておいてください。次に蛇口が止まったとき、その家でケアへ回せた杯数と、どの区画に④が出やすいかが、もう分かっている状態から手順に入れます。1回めは量るところから始まりますが、2回めは数字を読むところから始まります。

今夜できるのは、計量カップで1杯ぶんの水をその子の体へ使ってみて、何か所ぶんになるかを数えるところまでです。200ミリリットルが1か所なのか2か所なのかは、毛の量と体の大きさで変わります。その数字が分かっていれば、蛇口が止まった朝に量る手間が要りません。

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よくある質問

ウェットシートがあれば、1杯ぶんの水は要らなくなりますか。
①と②の区画では要らなくなりますが、④では置き換わりません。固まって毛が束になったところは、シートで表面をなでても束の根もとまで届きません。届かないまま表面だけ動かすと、束は締まる向きに動きます。④に必要なのは、根もとへ置いて時間を待つための水です。シートは①の払いと、③で布の代わりに水分を吸わせる場面で数を稼げます。断水の日は、シートの枚数と1杯の使い先を別々に数えてください。
断水が1週間続きました。④の区画が増えていくのは避けられませんか。
増える速さは変えられます。④は、③を放っておいた区画から生まれます。濡れている汚れをその日のうちに布で吸わせておけば、翌日に固まった状態で見つかることが減ります。つまり杯数を増やすより、布の枚数を増やしたほうが、④の数は減っていきます。1日1枚だった布を3枚にして、③を見つけた区画にその日のうちに当てる。これで1週間ぶんの④の増え方は目に見えて変わります。
猫は自分で毛づくろいをするので、断水の日は何もしないほうがいいですか。
①の区画については、待つ判断で構いません。猫は乾いた砂や抜け毛を自分で運び出せます。ただし②と④は自分では片づきません。脂は舌では乳化しないので残り、固まった束はなめるほど締まります。何もしないほうがいいのは、猫が自分で届く場所のうち①だけです。届かない場所は、背中の真ん中と、しっぽの付け根のあたりに集まります。そこだけを1日1区画、布の一方向で見てください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。