C03使い方・お手入れ手順

停電時のケア手順

公開日 2026年2月18日|文=mofuwa編集部

窓からの柔らかい光だけが入る静かな部屋で、クリーム色の毛布の上に静かにいる淡い色の猫
明かりが落ちた部屋でも、その子が落ち着いていられる場所は、たいてい前の日と同じ場所です。写真:cat823/Pixabay

夜8時すぎに停電して天井の明かりが落ちたあと、床に置いた懐中電灯がつくった光の輪は、直径40センチでした。その輪の中に、その子の背中と前足がちょうど入ります。入らなかったのは、耳のうしろ、おなかの下、しっぽの付け根、うしろ足の4か所です。停電の日のケアの手順は、輪の中へ2か所ずつ入れながら、ライトを何回置き直すかで決まります。置き直しを3回で終えた夜と、5回に伸ばした夜では、翌朝まで見ないままになる部位の数が変わります。

床に伏せたライトの、直径40センチの輪|停電のケアで先に決める順番

置き直しとは、床に置いた明かりの位置を動かすことです。懐中電灯を毛布のふちにもたせて床へ置くと、光は横へ逃げず、床に直径40センチほどの輪ができます。輪の中は毛をかき分けて地肌の色まで見えますが、輪の外は影になって、被毛の表面すら分かりません。停電の夜のケアの手順は、洗面所で組む手順とは別物になり、この輪をいくつ動かせるかという作業に変わります。手で明かりを持てば自由に動きますが、そのぶん拭く手が1本になるので、置いたままで回す前提にしています。

見たい6か所と、1つの輪に同時に入るかどうか
部位同じ輪に入る組み合わせ輪を動かす必要この夜に見るかどうか
背中の真ん中前足の先と同じ輪に入るなし見る。その子が立ったままでいられる
前足の先背中と同じ輪に入るなし見る。床に近く、輪の中心に来やすい
腰の上しっぽの付け根と同じ輪1回見る。輪を40センチ動かせば届く
しっぽの付け根腰の上と同じ輪1回見る。腰と同じ輪の端に入る
耳のうしろどの部位とも組めない2回時間があれば。頭を動かすと輪から出る
おなかの下どの部位とも組めない3回翌日へ回す。体勢ごと変えることになる

表の右端が、停電の夜の順番です。部位の重要さではなく、同じ輪に入るかどうかで並んでいます。背中と前足は1つの輪で片づき、腰としっぽの付け根はもう1つの輪で片づきます。ここまでで4か所、置き直しは1回です。耳のうしろから先は、1か所ごとに輪を動かすことになるので、置き直しの回数が急に増えます。6か所を全部見ようとすると3回、体勢を変えるおなかの下まで入れると4回を超えます。

停電した夜の、23分ぶんの流れ 明かりが落ちてから紙に書き終えるまでを、時刻で並べたものです。置き直しの回数が増えるほど、終わりの時刻が後ろへずれます。3回めの置き直しを終えた時点でやめると、23分で収まります。 床に置いたライトを、40センチずつ動かしていきます 20:10 天井の明かりが落ちる 部屋の明るさが、窓の外の光だけになる 20:14 懐中電灯を床へ置く 毛布のふちにもたせ、40センチの輪を作る 20:16 輪の中へ背中と前足を入れる 動かさないまま、2か所を拭き終える 20:21 1回めの置き直し 輪を腰の側へ動かし、2か所を足す 20:27 2回めの置き直し 耳のうしろへ。ここで手が止まりやすい 20:33 紙に3行を書いて終える 回数と、輪の外に残った部位の数 翌朝の明かりで最初に見るのは、この紙に残った部位からです
置き直しは3回まで。4回めに入った夜は、部位を減らして終えます。

紙に書くのは3行だけです。日付と時刻、置き直しの回数、輪の外に残った部位の名前。停電の夜は記録が残りにくく、翌朝になると「だいたい拭いた」という感覚だけが残ります。残った部位の名前が書いてあれば、翌日の毎日のケアは、その1行から始められます。逆に書かないと、いつも見ている背中だけが2日続けて拭かれ、輪の外にあった部位は3日めまで手が届きません。

輪の中に2か所ずつ入れて回す|停電のケアを家でできる5つの手順

手順は5つです。座る場所をその子の寝床の横に決め、ライトを床へ置いて輪を作り、輪の中で背中と前足を拭き、輪を腰の側へ40センチ動かして2か所を足し、紙に3行書いて終わります。この夜に湯は使いません。給湯も温風も止まっているので、洗う日と洗う日のあいだの1日として組み立てます。

  1. 1|座る場所を、その子の寝床の横に決める

    明かりが落ちた部屋で、その子が自分から移動してくれることは期待できません。こちらが寝床の横へ座ります。停電の夜は音も少ないので、こちらが動くたびの床の音がよく届きます。座ってから手を動かすまでのあいだに、20秒ほど何もしない時間を置いてください。

  2. 2|ライトを床へ置き、輪を作る

    毛布や壁のふちにもたせて、光が横へ逃げない向きにします。輪の中心を、その子の背中の真ん中の真横に置きます。ここで輪の直径を測っておくと、次に動かす距離が決まります。40センチの輪なら、40センチずつ動かせば影が残りません。

  3. 3|輪の中で、背中と前足を拭く

    1本を右手に持ち、布を左手に1枚。背中の真ん中に吹きかけ、毛の向きに沿って一方向に拭きます。続けて前足の先へ。この2か所はライトを動かさずに済むので、手が止まる場面が出ません。

  4. 4|輪を腰の側へ40センチ動かし、2か所を足す

    1回めの置き直しです。ライトを持ち上げず、床の上を滑らせて動かします。持ち上げると光の向きが変わって、輪の大きさが毎回違ってしまいます。動かした先で、腰の上としっぽの付け根を拭きます。ここまでで4か所です。

  5. 5|紙に3行を書いて、その夜は終える

    置き直しの回数と、輪の外に残った部位の名前を書きます。2回めの置き直しへ進むかどうかは、その子がまだ同じ場所にいるかで決めてください。移動してしまった夜は、そこで終わりにして、残った部位を紙へ書くほうが先です。

この夜に使う1本を mofuwa グルーミングスプレーにしているのは、毎日きれいにしてあげたい側から作られた1本だからです。犬も猫も体から脂を出すので、明かりが落ちていても皮脂は出続けます。停電のあいだは湯を沸かす手だても乾かす手だても止まっていますから、この夜にできるのは吹きかけて拭くところまでです。洗う日と洗う日のあいだを埋める形が、そのまま停電の夜の手順になります。アルカリ側の電解水が油と乳化するので、余分な皮脂は布の側へ移っていきます。

この1本は、その子が自分の体をなめることを設計の出発点にしています。犬猫の皮膚はヒトの3分の1ほどの薄さで、口が届く範囲には自分で舌を当てます。その前提から作られているので、吹きかけた量を数えずに使えます。40センチの輪の中では、手もとの液の量を目で確かめることができません。量を気にしなくていいことが、暗い部屋での手順をそのまま短くしています。

冬の停電では、もう1つ起きることがあります。暖房が止まって、その子が毛布や人の衣類に体をつけて過ごすので、被毛に静電気がたまります。乾いた毛にブラシを通すと毛が浮いて指に絡み、その引っぱりで手が止まります。mofuwa グルーミングスプレーはブラッシングスプレーとしても使えるので、拭いたあとにブラシへ持ち替えれば、静電気の起きにくい状態で梳かせます。輪の中で梳かす範囲は、背中の真ん中の1か所までにしておくと、置き直しが増えません。

猫では、停電の夜ほど音が目立ちます。家電の音が全部止まっているので、吹きかけたときのプシュッという音だけが部屋に残ります。音は手より早く届くので、輪の中に入っていたその子が、1か所めを拭く前に輪の外へ出ていきます。mofuwa 猫用グルーミングウォーターは、中身を変えずに容器を霧の出ない形へ替えた1本なので、静かな部屋でも音の段が増えません。犬と猫が同居している家では、この夜に手に取る容器がここで分かれます。

頻度は上げません。停電の夜に4か所を拭いたなら、翌朝は紙に残った部位から2か所です。毎日の回数を増やすより、輪の外に残った部位を翌日へ送るほうが、被毛と皮膚の状態は平らになります。停電が2日続いた夜も同じで、1晩に4か所、置き直しは1回から2回のままにしてください。

輪の外に残った4か所が、翌日まで残る|停電のケアで置き直しが増える頻度

置き直しが増えるのは、部位を増やしたときではありません。輪から出ていく動きが起きたときです。その子が体の向きを変えると、さっき輪の中にあった部位が影に入ります。こちらはもう一度ライトを動かすので、置き直しが1回増えます。4回を超えた夜は、たいてい同じ部位を2度探しています。紙の回数を見ると、この空回りが先に分かります。

回数が増えた夜の直し方は1つです。翌朝に部位を増やすのではなく、その夜の部位を4か所から2か所へ減らします。置き直し0回で終わる背中と前足だけにして、腰としっぽの付け根は明かりが戻ってからにします。暗い部屋で6か所を追いかけた夜と、2か所で終えた夜を比べると、翌朝までに一度も手が触れなかった部位の数は、2か所で終えた夜のほうが少なくなります。探している時間が、そのまま触らない時間になっているからです。

紙の3行めに書いた部位の名前が、3日続けて同じになったときは、置き直しの話ではなくなっています。停電が終わって明かりが戻っても、その部位だけ手が届いていません。輪の外にあったからではなく、その子が触らせていない可能性があります。同じ部位の名前が3回並んだら、明るい場所で毛をかき分けて、皮膚の色を見てください。

Caution紙の3行めに、同じ部位が3夜続けて並んだとき

同じ部位の名前が3夜続けて紙に残る/その部位に吹きかけた瞬間だけ体を起こす/輪の中で見たとき、地肌が赤く見えて、さわると熱い/拭いたあとにその場所をなめ続けている/明かりが戻ってからも、その部位に手を入れると振り返る。こうした並び方は、明かりの量や置き直しの回数では説明がつきません。その部位が痛い、かゆいという体の側の理由が隠れていると、明るい部屋で手順をやり直しても同じ行が埋まります。置き直しの回数と部位の名前を書いたその紙を持って、動物病院で皮膚のほうを見てもらう日をつくってください。何夜めから、どの部位で手が止まったのかが、紙1枚でそのまま伝わります。

明かりが戻る前に紙へ書く3行|停電のケアを毎日の側へ戻すコツ

停電の夜のケアで最後に残す作業は、拭くことではなく書くことです。明かりが戻ったあとに書こうとすると、置き直しの回数は思い出せません。輪の外に残った部位の名前も、朝になると1つか2つ抜けます。ライトの輪が床にあるうちに、その輪の中で紙へ書いてください。3行なら30秒で終わります。

翌朝の明かりで拾い直す順番と、その部位にかかる時間
順拾い直す部位前の夜の状態かかる時間
1おなかの下置き直し3回めで届かず、翌日へ回した2分。体勢を変えてもらう時間が要る
2耳のうしろ輪の中に入れたが、頭が動いて外れた1分。明るければ布を小さくたたむだけ
3うしろ足の先輪の端に入っていたが、影が残った1分。指のあいだまで見える
4しっぽの付け根前の夜に拭けている30秒。前の夜の続きとして触る
5背中の真ん中前の夜に拭けている30秒。ブラシを通すのはここだけ

翌朝にかかる時間は、上から順に短くなります。前の夜に輪の外だった部位ほど、明るい場所で時間を使うことになります。停電の夜に何か所拭けたかより、翌朝に何分よぶんにかかったかを見てください。4分を超えている朝は、前の夜に部位を追いかけすぎています。2分で終わった朝は、置き直し1回で4か所という手順がうまく収まった夜です。

この順番は、明かりが落ちていない日にも使えます。夜に部屋の照明を1つだけ消して、床のライト1つで背中と前足を拭いてみると、置き直し0回で2か所が終わることが体で分かります。停電の日に初めてやる手順をなくしておくことが、暗い部屋でいちばん効くコツです。毎日のケアのどこかに、この形の1回を混ぜておいてください。

今夜やれるのは、懐中電灯を1本、その子の寝床の横の床へ置いてみるところまでです。輪の直径が何センチになるかは、家具と床の色で変わります。40センチなのか60センチなのかが分かっていれば、明かりが落ちた夜に測る手間が要りません。

Product

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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

ヘッドライトを頭につければ、置き直しは0回になりますか。
輪は顔の向きについてくるので、置き直しという動作はなくなります。代わりに別のことが起きます。光がこちらの視線と同じ向きから当たるので、毛の陰影が消えて、地肌の色が平らに見えます。床のライトは横から当たるぶん、フケや毛の浮きが影として見えます。見るために使うなら床、動きながら探すなら頭。両方あるなら、拭くときは床に置いたほうを使って、紙に書くときだけ頭のほうを点けるのが早いです。
停電が3日続いたら、途中で洗ってあげたほうがいいですか。
湯を沸かせるようになったかどうかで決まります。判断の分かれ目は洗う側ではなく、乾かし終えられるかどうかのほうです。温風が使えない状態で全身を濡らすと、乾くまでの時間がその子の体温を削ります。3日目でも、輪の中で4か所を拭くところまでにしておくほうが、体の負担は小さく収まります。電気が戻って温風が使える日まで待ってから、いつもの順番で洗ってください。
猫が暗い部屋で高いところへ上がってしまい、輪の中に入りません。
輪をその子のところへ持っていくのではなく、輪を置いたままにして待ちます。高い場所へ上がるのは、明かりが落ちて床の見通しが変わったからです。ライトを床に置いたまま20分ほど何もしないでいると、光の輪の外周あたりまで降りてくることがあります。降りてきた場所が輪から40センチずれていたら、輪を1回動かして、そこで2か所だけ拭いてください。その夜はそれで終わりにして、残りは紙に書いておきます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。