C05犬種・猫種別ケア
メインクーンと暮らすなら知っておきたい、しっぽまわりの汚れの話
メインクーンが寒い日に丸くなると、長いしっぽが後ろから回り込んで、前足のあたりまで届きます。体に巻きつけて眠れるだけの長さがある、ということです。ここで一つ、見落とされやすい事実があります。その直前まで、そのしっぽの先は床に置かれていました。寝床の縁、トイレを出たところ、窓ぎわのほこりが集まる場所。しっぽまわりの汚れを探すとき、体から出てくるものだけを見ていると、この持ち帰り分が数に入りません。メインクーンのしっぽまわりには、その場に出る汚れと、しっぽ自身が外から運んでくる汚れの2つがあります。この記事では、その2つを並べて、見分け方と、どちらから手を付けるかを書きます。
体に巻ける長さがある|メインクーンのしっぽが汚れを運ぶ条件
メインクーンは北米の寒い地域で育った猫種で、長い被毛と、体に対してかなり長いしっぽを持っています。しっぽの毛は体のどこよりも長く伸びて、幅のある一枚の面のようになります。寒い場所で丸くなるとき、この面を体に巻きつけて、鼻先や前足を覆うことができます。装飾のために長いのではなく、体を包むための長さです。メインクーンと暮らしていると、冬の朝にこの姿を何度も見ることになります。
包めるということは、体のあちこちに触れられるということでもあります。しっぽの先は、丸くなったときに前足やあごの下まで届き、歩いているときには床の上を通り、座っているときには座面に置かれます。しっぽは、体の中でいちばん広い範囲を移動して、いちばん多くのものに触れる部分です。触れたものが乾いたほこりであれば毛の中に入り、湿ったものであれば毛先にまとまって残ります。
ここで、メインクーンのしっぽまわりの汚れの出どころが2つに分かれます。1つは、その場所そのものから出てくる汚れです。皮脂や、排泄のあとに残るもの、毛づくろいの舌が届ききらずに残るもの。もう1つは、しっぽの先が外で拾ってきて、体に巻きつけたときにつけ根や脇腹へ置いていく汚れです。前者はその場に出て、その場に留まります。後者は毎日どこかから運ばれてきて、置かれる場所も日によって変わります。
この違いを分けずに扱うと、拭く場所と回数がかみ合わなくなります。つけ根だけを毎日拭いているのに、翌朝また汚れているとき。多くの場合、つけ根で汚れが作られているのではなく、しっぽの先に残っていたものが、寝ているあいだにもう一度そこへ置かれています。拭いている場所と、汚れが来ている場所が違うわけです。メインクーンのように長いしっぽを持つ猫では、この取り違えが起こりやすくなります。
猫は自分でしっぽの先まで舌を運べますが、メインクーンの体格では、しっぽのつけ根の上側や、後ろ脚の外側に回り込む面までは、体をひねっても届ききらないことがあります。人がやるのは手を貸すことではなく、その子の毛づくろいが届かない範囲を代わることです。届いている場所まで人が拭くと、毛づくろいの回数だけが増えます。どこが届いていないかを先に決めてから、手を入れてください。
その場に出る汚れと、しっぽが運んでくる汚れ|メインクーンで比べる2つ
2つの汚れを、同じ項目で並べます。比べるのは汚れの色や量ではなく、どこで作られたかと、どう広がるかです。メインクーンのしっぽまわりでは、この2つがしばしば重なって出ます。重なっているときも、片方ずつ切り分けられれば、手の入れ方は決まります。
その場に出る汚れは、動きません。つけ根の下側、肛門のまわり、後ろ脚のつけ根の内側といった、体の作りで決まった場所に出ます。皮脂は毎日少しずつ出ますから、汚れ方も少しずつです。拭き取れば、次に同じくらい溜まるまでには数日かかります。広がり方も、中心から外へ、ぼんやりと均一に広がります。左右のどちらかに偏る理由がありません。
しっぽが運んでくる汚れは、動きます。しっぽの先が触れた場所によって、拾ってくるものが日ごとに変わります。体につくときは、しっぽが当たった面だけが帯のように汚れます。丸くなる向きが決まっている子では、いつも同じ側の脇腹や後ろ脚の外側に出ます。つけ根を拭いても、しっぽの先に残っていれば、翌日また同じ場所に置かれます。
| その場に出る汚れ | しっぽが運んでくる汚れ | |
|---|---|---|
| どこで作られるか | その場所の皮膚と毛 | 床・寝床・トイレの縁など体の外 |
| 出る場所 | つけ根の下側、後ろ脚の内側 | しっぽが当たる面。日ごとに動きます |
| 広がり方 | 中心から外へ、均一に | 帯のように、片側だけに |
| 濃いのはどこか | 根元に近いほど濃い | しっぽの先から中ほどが濃い |
| 拭いたあと | 数日は戻りません | 翌日また同じ場所に付きます |
| 左右の差 | 出ません | 丸くなる向きの側に偏ります |
| 先に手を入れる場所 | つけ根そのもの | しっぽの先。運ぶ側を止めます |
2つが重なって出ているときは、濃さの分布で見当がつきます。つけ根がいちばん濃く、しっぽの先へ向かうほど薄くなっていくなら、その場に出る汚れが主です。反対に、しっぽの中ほどから先が濃く、つけ根はまだらというときは、運ばれてきた汚れのほうが主になっています。メインクーンはしっぽの毛が長いので、先の側の汚れは毛の中に隠れて、外からは見えにくくなります。
白い布を3か所に当てる|メインクーンのしっぽの汚れの見分け方
目で見て決めようとすると、メインクーンのしっぽまわりはほとんど判定できません。毛が長く、色も濃淡があるので、汚れているのか影なのかが分かりません。使うのは、白い布1枚です。湿らせず、乾いたまま当てます。押しつけずに、当てて離す。移った色の濃さを、3か所で比べます。
-
しっぽの先から3分の1のところに、布を当てて握る
毛の外側ではなく、布ごと軽く握って毛の中まで挟みます。ここが濃いなら、運んでくる側の汚れがあります。メインクーンのしっぽは毛が長いので、表面だけ当てても何も移りません。握って離す、を2〜3回繰り返してください。
-
しっぽの中ほどで、同じことをする
先の側と比べます。先が濃く中ほどが薄いなら、拾ってきた汚れが先に留まっている状態です。中ほどまで同じ濃さで続いているなら、運ばれる量が多いか、しばらく拭かれていないかのどちらかです。ここまでが、しっぽ側の確認です。
-
つけ根の下側に、布を当てる
しっぽを軽く持ち上げて、つけ根の下側に当てます。ここで移る色が、その場に出る汚れです。先の2か所より濃ければ、つけ根そのものに手を入れる日です。薄ければ、今日拭くのはしっぽの側だけで足ります。
-
丸くなったときに、しっぽが当たる脇腹を確かめる
その子がいつも丸くなる向きの側です。ここに帯のような汚れがあれば、運ばれた汚れが置かれている場所が特定できます。左右で差が出るなら、それは運ばれてきた汚れです。左右が同じなら、その場に出る汚れとして扱ってください。
| しっぽの先 | つけ根 | その日にやること |
|---|---|---|
| 濃い | 薄い | しっぽの先から中ほどまで。つけ根は触りません |
| 薄い | 濃い | つけ根だけ。しっぽの側は今日はやりません |
| 濃い | 濃い | しっぽの先から先に。つけ根はそのあとで |
| 薄い | 薄い | その日は拭かなくて構いません |
メインクーンは穏やかな子が多いと言われますが、しっぽの先を握られるのを嫌がる子はいます。布を当てて離すだけなら1秒で終わるので、拭く作業より先にこちらを習慣にしておくと、あとが楽になります。握って引っぱらないこと、しっぽを持ち上げる角度を変えないことの2つだけ守ってください。嫌がったら、その日はそこで終わりにします。
運んでくる側から止める|メインクーンのしっぽまわりで、どっちを先に拭くか
順番の話です。両方に汚れがあるとき、先に手を入れるのは、しっぽの先の側です。理由は単純で、運んでくる側を止めないかぎり、つけ根はいくら拭いても翌日また同じ状態になるからです。逆に、しっぽの先をきれいにしておけば、つけ根に運ばれてくる分がなくなるので、その場に出る汚れだけを相手にすればよくなります。
しっぽを拭くときは、毛の流れに沿って、つけ根から先へ向かって送ります。逆から拭くと、毛が逆立って中の汚れが根元の側へ移動します。拭く向きは、汚れを外へ送り出す向きにそろえてください。布は1回ごとに面を変えます。同じ面で往復すると、拾った汚れをまた戻すことになります。メインクーンのしっぽは長いので、3〜4回に分けて位置をずらしながら進めてください。
つけ根の側は、そのあとです。しっぽを軽く持ち上げて、下側から上へ。力を入れてこするのではなく、布を当てて数秒置き、浮いたところを一度で拭き取ります。こすると毛が絡み、そこに汚れが留まる場所が新しくできます。メインクーンはつけ根まわりの毛も長いので、こすった跡がそのまま毛のもつれになりやすい場所です。
| やり方 | その日の見た目 | 翌日 |
|---|---|---|
| つけ根だけを拭く | きれいになります | しっぽから運ばれて、また汚れます |
| しっぽの先だけを拭く | つけ根は汚れたままです | 新しくは運ばれてきません |
| しっぽの先 → つけ根の順 | 両方きれいになります | 運ぶ側が止まり、戻りが遅くなります |
| つけ根 → しっぽの先の順 | 両方きれいになります | 拭いた手で運ぶ側を触るので、戻る場所が増えます |
布に何を含ませるかも、先に決めておきます。mofuwa 猫用グルーミングウォーターは、毎日きれいにしておきたい場所の汚れを、水分ごと布の面へ移して連れ出すための道具です。乾いた布だけで長いしっぽをなでると、毛の中で止まっている粒は動かず、表面の毛だけが逆立ちます。布が湿っていれば粒は布の側へ移るので、毛を引っぱる力もそのぶん下がります。含ませてから、しっぽの毛の流れに沿って先へ送るように拭いてください。直接吹きかけずに布へ含ませるのは、音と、濡れる感触の両方を減らすためです。舐めても問題のない基準でつくられているので、しっぽの先を口で確かめる猫でも、量を気にせず使えます。グルーミングウォーターを使った日は、乾いた布で押さえて根元まで乾かすところまでを1組にしてください。
運ぶ側を減らす手は、しっぽを拭くこと以外にもあります。しっぽの先が毎日触れている場所を1つ変えるほうが、拭く回数を増やすより早く効くことがあります。寝床の敷物を洗う間隔を短くする、トイレの出入り口まわりを拭く、猫が通る廊下の床を毎日1回拭く。メインクーンは体が大きく、しっぽが床に触れる面積もそのぶん広くなります。触れる先がきれいになれば、持ち帰る量は自然に減ります。
しっぽの先を拭いても濃さが戻るときに、見る場所を変える
ここまでは、しっぽまわりの汚れを毛と拭き方の話として書いてきました。しっぽの先を拭き、床の側も変えて、それでも2〜3日で同じ濃さに戻るときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、拭く回数の話として片づけないほうが安全です。
- 拭いた布に、いつもと違うにおいが移る:出どころが皮膚の側に変わっている可能性があります
- つけ根の毛が、根元から束のように濡れている:しっぽの毛の中に湿りが残り続けています
- 同じ場所をなめ続けている、かじっている:汚れより先に、その場所の皮膚を見てください
- しっぽを触ると振り向く、逃げる、声を出す:痛みが出ているときは、その日は触らないでください
- しっぽの動かし方が変わった、下げたままになった:汚れの話ではありません
- 排泄のあとの汚れ方が急に変わった:便の状態そのものが変わっていないか確かめてください
つけ根やしっぽの地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、しっぽを下げたままになった、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまる日は、布を当てるのをやめて、動物病院で地肌を見てもらってください。メインクーンはしっぽの毛が長く、地肌の変化が外からは見えにくい猫種です。白い布に色が移らない日でも、毛の下では変わっていることがあります。
相談に行くときは、白い布に移った色が濃いのはどこか、いつからか、その週に何回拭いたかの3つをメモしていってください。しっぽの先とつけ根のどちらが濃いかが分かっているだけで、外から運ばれた汚れなのか、その場所で起きていることなのかを切り分けてもらいやすくなります。前の晩にきれいに拭いてしまうと、もとの状態が分からなくなるので、当日は触らずに連れて行ってください。
メインクーンと暮らすうえで、しっぽが長いことも、そのしっぽが床に触れることもなくなりません。体を包める長さは、寒い土地で暮らしてきたこの猫種の作りそのものだからです。動かせるのは、しっぽの先に汚れが残っている時間と、その先が毎日触れている場所の2つです。つけ根だけを見て回数を増やすのではなく、運んでくる側から止める。メインクーンのしっぽまわりの汚れで、いちばん結果が変わるのはこの順番です。
Product
よくある質問
- メインクーンのしっぽだけを洗ってもいいですか?
- しっぽの先だけを部分的に洗うことはできますが、毛が長いぶん乾かしきるまでに時間がかかります。濡れたまま床に置かれると、乾いたときに毛が束になって、かえって汚れが留まる場所ができます。洗ったあとは、根元まで乾いたかを指で確かめてください。頻繁に洗うより、拭き取りを短い間隔で続けるほうが、しっぽの毛の状態は保ちやすくなります。
- しっぽの先の毛が長いので、切ってもいいでしょうか?
- しっぽの毛は体を包むためのものなので、短くすると寒い時期の過ごし方が変わります。汚れを理由に切るのであれば、まず拭く向きと間隔を見直してみてください。それでも毎日束になるほど汚れる場合は、切る範囲と長さをトリミングサロンや動物病院で相談してから決めてください。家庭でしっぽにはさみを入れるのはおすすめしません。
- しっぽを触られるのを嫌がる子には、どうすればいいですか?
- しっぽの先から始めず、つけ根の上側を手のひらでなでるところから始めてください。しっぽの先は感覚が敏感で、握られると逃げる子が多い場所です。白い布を当てて離すだけの確認を、なでる流れの中に1秒だけ混ぜる。これを何日か続けてから、拭く作業に入るほうが結果として早く進みます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
