C05犬種・猫種別ケア
アビシニアンはなぜあごの黒ずみが起きやすいのか。短毛から考える
宅配の段ボールを玄関に置いた瞬間、アビシニアンはもう箱の角にあごをこすりつけています。テープをはがす前から、中身とは関係なく、角のところを何往復もします。あごニキビの話をするとき、最初に見直されるのはたいてい食器ですが、その子のあごが今日触れたものを書き出すと、食器は並んだ相手のうちの1つでしかありません。箱の角、棚と壁のすきま、洗濯かごのふち、飼い主の手のひら、床の継ぎ目。顔から先に入っていく猫ほど、この数は増えます。この記事は、アビシニアンのあごが1日に何に触れたかを数えてみる、という読みものです。
箱の角、棚のすきま、人の手のひら|猫のアビシニアンで、あごが触れた場所を数える考え方
あごニキビとは、あごの下の毛の中に黒い点が集まって見える状態のことです。皮脂と細かな汚れが、毛穴の出口のあたりに残ったものが黒く見えています。だから、あごの下に何が触れて、そのあと何が残ったかを追えるなら、話はそこまで複雑になりません。難しくなるのは、触れた相手を1つに決めようとしたときです。
実際に、1日を追いかけてみます。朝、玄関に置いた段ボールの角。テレビ台と壁のあいだの、体一つぶんのすきま。洗濯かごのふち。椅子の脚。飼い主が差し出した手のひら。床の板の継ぎ目。日が傾いてから窓辺のカーテンの裾。夜、キャリーバッグの取っ手。そして食器のふち。アビシニアンと暮らしていれば、この並びに心当たりがあるはずです。
ここで数えたいのは、種類ではなく回数のほうです。段ボールに1回あごを当てて終わる猫はいません。角に沿って何往復もして、向きを変えて、もう一度戻ってきます。1つの相手に対して、あごが触れる回数は数回から十数回になります。この数え方をすると、食器のふちに当たっている時間は、1日の中では短いほうに入ります。
「食器を替えたのに変わりません」という話がよく出ます。器の形や素材を見直すことは意味のある手ですが、それが1日ぶんのうちの1つ目でしかないなら、残りは動いていません。アビシニアンのあごニキビを考えるときは、器を替えたかどうかではなく、器を替えたあとに何番目の相手が残っているかを見てください。
- 段ボール・紙袋の角:新しいものが家に入るたび、真っ先に触れます
- 家具と壁のすきま:通り抜けるときに、両側に当たります
- 飼い主の手のひらと指:呼ぶたび、なでるたびに触れています
- 床の継ぎ目・カーペットのふち:伏せたときに、あごが直接のります
- キャリーやかごの取っ手:高さがちょうどあごの位置にあります
- 食器と水皿のふち:数のうちの1つ。時間としては長くありません
1日ぶんを書き出すだけでも並びは見えますが、曜日で家の中の物の動きが変わるので、平日2日と休日1日の3日ぶんがあると十分です。正確な回数はいりません。「今日はあごを当てていた」と気づいた相手を、その場でメモに足していくだけで構いません。3日たったところで見返すと、思っていた順番と違うものが上に来ています。
顔から先に入っていく猫|アビシニアンのあごニキビと、こすりつける行動の背景
なぜ、あごの下にばかり残るのか。ここには2つの背景があります。1つはアビシニアンという猫の動き方、もう1つは体の作りのほうです。
まず動き方です。アビシニアンは、高いところにも狭いところにも入りたがる子が多く、そのとき先に差し込むのは前脚ではなく顔です。頭が入るかどうかを、ひげの根元とあごで確かめてから体を入れていきます。棚のすきま、家具の裏、開いた引き出し。確かめる回数がそのまま、あごが何かに触れる回数になります。好奇心が強い子ほど、この数は伸びます。
もう1つ、猫には口のまわりからにおいをつける行動があります。家具の角や人の手にあごをこすりつけるのは、その一部です。新しいものが家に入ると、その日はこすりつける回数がまとまって増えます。季節の変わり目に衣類ケースを出した週、家具を入れ替えた週。あごニキビに気づいた時期を思い出すと、こういう週と重なっていることがあります。
次に、体の作りです。アビシニアンの被毛は短く、細い毛が体に沿って寝ています。毛の1本ずつに濃淡の帯が入っていて、その重なりが体の色をつくっています。あごの下は、その短い毛がさらに短くなる場所です。毛のクッションがほとんどないので、触れたものは毛の表面ではなく地肌に近いところで受け止められます。長毛の子なら毛先で止まるものが、ここでは止まりません。
そして、あごの下はその子の舌が届かない面です。前脚で顔を洗う動きも、あごの先までは回りますが、下側の面には入りません。体のほとんどの場所は自分で手入れができるのに、あごの下だけが手つかずで残ります。触れた回数が多く、皮脂が出て、毛が短く、自分では届かない。アビシニアンのあごニキビは、この4つが同じ1か所に重なった結果として見えています。
| 条件 | 何が起きているか |
|---|---|
| 触れる回数が多い | 顔から先に確かめる猫ほど、あごが相手に当たる回数が増える |
| 皮脂が出やすい場所 | 口のまわりから、あごの下にかけて皮脂が回る |
| 毛がとくに短い | 毛のクッションがなく、地肌までの距離が近い |
| 自分では届かない | 舌も前脚も回らないので、ついたものがそのまま残る |
湿度の話も、ここに重なります。空気が乾く時期に、気になるからと洗う回数を増やすと、皮膚のうるおいが先に減ります。うるおいが減った地肌は、そのぶん皮脂を出して表面を守ろうとします。洗いすぎたあとに黒い点が増えて見えるのは、この順番で起きていることがあります。乾く時期こそ、洗う回数ではなく触れる相手のほうを動かしてください。
触れる回数と、触れる面を入れ替える|アビシニアンのあごニキビで動かせる変化
3日ぶん数え終わったら、上に来た相手から順に見ます。ここで大事なのは、相手を取り上げないことです。段ボールを家に入れない、すきまを塞ぐ、なでるのをやめる。どれもその子の1日を細くするだけで、続きません。動かすのは相手そのものではなく、触れる回数か、触れる面か、触れたあとの時間の3つのどれかです。
| 相手 | 動かすもの | 具体的にやること |
|---|---|---|
| 段ボール・紙袋 | 触れる回数 | 開けたその日にたたむ。置きっぱなしの日を作らない |
| 家具と壁のすきま | 触れる面 | 通り道を1本に決め、その面だけ拭く日を作る |
| 飼い主の手のひら | 触れたあとの時間 | 手で顔をなでたあと、あごの下だけ布でひとなでする |
| 床・カーペットのふち | 触れる面 | 伏せる場所は数か所に決まっています。そこだけ回す |
| キャリーやかごの取っ手 | 触れる回数 | 使わない日はしまう。出しっぱなしにしない |
| 食器と水皿 | 触れたあとの時間 | 毎日洗って、完全に乾かしてから戻す |
この表で入れ替わっているのは、努力の量ではなく順番です。いちばん触れている相手が段ボールなら、器をどれだけ替えても順番は変わりません。逆に、家具の配置が長く変わっていない家では、通り道の面のほうが上に来ます。数えた結果は家ごとに違うので、よそで効いた手をそのまま持ってこないほうが早く進みます。
-
あごの下を、明るいところで一度だけ見る
後ろから抱えて、指であごを持ち上げすぎないでください。猫が自分から上を向く瞬間に合わせるほうが、毛の流れが崩れません。おやつを少し高い位置に持つと、数秒だけ上を向きます。黒い点の位置と、まとまっている範囲を覚えておいてください。
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毛の流れに沿って、あごの下だけブラッシングする
短毛でも、あごの下は毛が寝て重なっています。柔らかいブラシで数回なでると、毛の向きがそろって地肌が見えるようになります。ここでこすらないでください。黒い点をこすって落とそうとすると、地肌のほうが先に赤くなります。
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上位3つの相手だけ、条件を1つずつ変える
3日ぶんのメモの上位3つに絞ります。同時に全部を変えないでください。1週間に1つずつ入れ替えると、どれが効いた条件なのかが分かります。変えた日をメモに書き足しておくと、次の相談のときにそのまま材料になります。
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2週間後に、同じ明るさで見比べる
その場で減ったかどうかは分かりません。同じ時間帯、同じ場所で見て、黒い点の範囲が広がっていないかだけ見てください。数が減っているかより、広がっていないかのほうが先です。写真に残しておくと、記憶で比べずに済みます。
表で「触れたあとの時間」と書いた行を、いちばん短くできるのがここです。段ボールの角からあごへ移ったものは、皮脂の出ているその面に乗って、次に触れるまで留まります。こすって落とすやり方が使えない場所だからこそ、時間のほうだけを削る手が要ります。mofuwa猫あごクリーナーは、ジェルが汚れに密着して浮かせ、そのあとやさしく拭き取る、という順で使うものです。指で押したりガーゼで往復させたりする工程が入らないので、毛が短くて地肌が近いこの猫種でも、力の話にならずに済みます。上位3つの相手を1週間ごとに入れ替えるあいだ、これだけは毎日同じ回数で通してください。条件を1つずつ変えるという数え方が、途中で崩れなくなります。3日ぶんのメモで上に来た相手が、いちばん長くあごに触れていた場所です。そこから先に見てください。炎症や出血がある場合は使用せず、獣医師にご相談ください。
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猫ニキビは比較的良くみられる症状ですが、なかなか改善せずケア商品ではあまり良い物がありませんでした。mofuwa猫あごクリーナーは抗炎症成分も含まれていて皮膚に優しく、汚れをふき取ったあとに再度拭き取る必要もないためケアがしやすくてとてもおすすめできる商品です。
黒い点は、こすれば取れそうに見えます。けれどアビシニアンのあごの下は毛が短く、地肌までの距離が近い場所です。指の腹でも、繰り返せば皮膚のほうに変化が出ます。ガーゼで往復させる、爪の先で押し出す、といったやり方はしないでください。取れたように見えても、翌日には赤みのほうが残ります。触れる相手を動かすほうが、遠回りに見えて確実です。
数え終わってから見る場所|アビシニアンのあごニキビを、飼い主の経験だけで決めないために
3日数えて、上位3つの条件を変えて、2週間見た。それでも範囲が広がっているときは、家の中で続けないでください。ここから先は、触れた相手の数で説明のつく範囲を出ています。次のような変わり方があるときは、拭く回数を増やす前に動物病院に相談してください。
- 黒い点の範囲が、2週間で明らかに広がった:数ではなく面積で見てください
- 赤くなっている、腫れているように見える:色の変化は待たない材料です
- しこりのようにふくらんでいる場所がある:触った感触が変わったときです
- あごの下を後ろ足でかき続けている:気にしている時間が延びています
- 毛が抜けて、地肌が広く見えている:毛の話ではなく皮膚の話になっています
- 触ると嫌がる、声を出す:痛みがあるときは、その場で手を止めてください
- 食べにくそうにしている、食べる量が減った:あごの話と切り分けて見る変化です
以前に同じような黒い点があって、そのときは自然に落ち着いた——という経験は、次のときの判断材料にはなりません。見た目が同じでも、進み方はそのときどきで違います。赤み、腫れ、ふくらみ、痛がる様子のどれかが出ているなら、前回どうだったかに関係なく動物病院にご相談ください。アビシニアンは短毛であごの下が見えやすい猫です。見えやすいということは、変化に早く気づけるということでもあります。
相談に行くときは、3日ぶんのメモ、変えた条件と変えた日、2週間前の写真の3つを持っていってください。この3つがあると、家の中で動かせる範囲がどこまでだったかを、その場で切り分けてもらえます。前日にあわてて拭き上げないでください。もとの状態が見えなくなります。
アビシニアンと暮らしていて、顔から先に入っていく性質を取り上げることはできません。段ボールが届けば角にあごを当てますし、家具を動かせばその日は回数が増えます。動かせるのは、あごが触れた相手の側と、触れたあとに残っている時間のほうだけです。器を替えることも、その中の1つとして残ります。ただし1つ目ではなく、3日数えたあとで何番目に来るかで決めてください。アビシニアンのあごニキビの話は、そこから始まります。
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