C04悩み解決
部分的な脱毛を繰り返さないために、毎日やっておきたいこと
抜けた毛が元の長さに戻るまで、背中でおよそ3か月、しっぽや後ろ足の外側では半年から1年かかります。部分的な脱毛に気づいてから毛が生えそろうまで、その場所はずっと無防備なままです。予防のためにできることは、この期間に集中しています。いま生えかけている毛を、伸びきるまで守る。毎日やっておきたいことは、その一点から決まります。
脱毛の予防で、いちばん外しやすいコツ
部分的な脱毛とは、抜けたあとに同じ場所から毛が戻ってこない、あるいは戻り方が周りより遅れている状態のことです。予防という言葉で多くの飼い主が思い浮かべるのは、「次にどこかが抜けないようにすること」です。ただ、いま薄い場所がある子にとって、これから過ごす時間の大半は、次の1回を待つ期間ではありません。いま生えかけている毛が、周りの長さに追いつくまでの期間です。
抜けた場所に、いつまでも毛がないままということはあまりありません。数週間もすると、根元から細く短い毛が立ってきます。この毛は周りの被毛より短く、細く、まだ力がありません。周りの毛が寝て覆ってくれるほどの長さがないので、地肌がそのまま外に出ています。脱毛の予防でいちばん外しやすいコツは、この時期を「もう生えてきたから大丈夫」と読んでしまうところにあります。
- 毛先が細く、表面がまだ整っていません。周りと同じ強さでブラッシングをすると、根元から抜けます
- 長さが足りず、地肌に届く風・摩擦・乾燥をさえぎれません。周りの毛が3センチあっても、そこだけ5ミリなら、覆いは無いのと同じです
- 周りの長い被毛と絡むと、短いほうが引っぱられます。もつれや静電気が起きると、その一点に力が集まります
つまり、生えかけの期間は、抜けた直後より条件が悪くなることさえあります。抜けた直後は飼い主も気をつけますが、うっすら生えてきた頃には気がゆるみ、ブラッシングもいつもの強さに戻ります。そこでもう一度抜ければ、時計は最初に巻き戻ります。3か月かけて伸ばした毛を1日で失うと、次の3か月がまた始まります。
だから予防の考え方は、そう複雑になりません。次の脱毛を止める手を探すのは後まわしにして、いま生えかけている毛が伸びきるまで、その場所の条件を変えないでおく。期間にすれば、気づいた日から数か月です。長く感じますが、やること自体は少なくて済みます。
「これからずっと気をつける」と決めると続きません。期限を「その場所の毛が周りと同じ長さになるまで」に置いてください。終わりが見える約束のほうが守れますし、終わったかどうかを毛の長さで判定できます。
生えそろうまでの日数から決める、予防の順番
毛は、抜けたあとすぐ同じ長さで戻るわけではありません。休んでいた毛穴が動きはじめ、根元から押し出され、毛先が元の長さに届くまでには時間がかかります。かかる時間は部位によって違い、短いところで3か月、長いところでは1年ほどです。この差が、脱毛の予防をどこから始めるかという順番を、そのまま決めます。
| 薄くなった場所 | 元の長さに戻るまでの目安 | 生えそろうまで、ずらしておくもの |
|---|---|---|
| 背中・腰まわり | 3か月ほど | ブラッシングの強さ。毛先だけを通す |
| 首のまわり | 半年ほど | 首輪の位置と、締め具合 |
| 脇・内股 | 半年ほど | ハーネスの帯が通る位置、服の縫い目 |
| しっぽ・後ろ足の外側 | 半年から1年 | 寝床の、体が当たる面 |
予防の順番は、いちばん長くかかる場所から決めます。しっぽや後ろ足の外側は、生えそろうまでの時間がいちばん長いうえ、寝ているあいだずっと同じ面が当たり続けます。1日のうち体が動いていない時間のほうが長いことを考えると、寝床の面を替えるのは、散歩中のことを気にするより先に手をつける価値があります。
逆に、背中や腰まわりは3か月で戻るぶん、待てる場所です。ここに毎日ブラシを当てて生えぐあいを確かめるより、手を出さずに3か月を過ぎるほうが早く終わります。脱毛の予防で急ぐべき場所と、急がなくていい場所を分けておくと、毎日やることが減ります。
換毛期に入ると全身の毛が入れ替わるので、薄い場所は周りに紛れて見つけにくくなります。春と秋は抜け毛の量そのものに目が行きやすく、記録が止まりがちです。換毛期こそ、場所を写真で覚えておいてください。季節が過ぎたあとに「どこが薄かったか分からない」となると、比べるものがなくなります。
手を打つ順番を、症状の目立ちやすさで決めないでください。目立つ場所ほど早く戻り、目立たない場所ほど長くかかります。しっぽの外側や後ろ足のように、飼い主から見えにくく、寝ているあいだに当たり続ける場所を先に整えます。
毎日やっておきたい3つの、具体的なやり方
脱毛の予防として毎日やることは、3つです。どれも「足す」やり方ではなく、いまやっていることを1つずつ止めるか、位置を移すだけです。脱毛の予防では、増やした手のぶんだけ生えかけの毛に触ることになります。触った回数が、そのまま遅れになります。
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生えかけの場所を、指で触らない
毛がどこまで伸びたかを確かめようとして、1日に何度もその場所を指でなでる。これがいちばん多いつまずきです。生えかけの毛は根元が浅く、なでる程度の力でも抜けます。確かめた回数だけ、生えそろう日が遅れます。触るのは月に1回と決めて、それ以外の日は目で見るだけにしてください。
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その場所に当たるものを、生えそろうまでずらす
首輪なら指2本ぶん前か後ろへ位置を移す。寝床なら、体が当たっている面を替えるか、その面に薄い布を1枚かける。服なら、縫い目がその場所を通らないものに替える。外すのではなく、当たる位置を移すだけです。ずらしておくのは、周りと同じ長さになるまでのあいだだけで構いません。
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ブラッシングは、薄い場所の周りだけを毛先から通す
薄い場所そのものは飛ばして、その周囲の被毛だけを毛先から順にほぐします。周りの毛がもつれると、絡んだ先で生えかけの短い毛が引っぱられるからです。静電気が起きやすい時期は、ブラシを当てる前に手を軽く湿らせてください。被毛にうるおいが残っているうちのほうが、毛が飛ばず、根元にも力がかかりません。
この3つに加えて、月に1回だけ長さを比べます。毎日やることの中に記録を混ぜないのは、記録のたびに触ってしまうからです。毎日やるのは「触らない」ほうで、月に1回だけ「確かめる」ほうに切り替えます。手順は次のセクションにまとめました。
毎日ブラシを当てて生えぐあいを確かめる、薄い場所だけを念入りに洗う、ドライヤーの熱をその一点に当て続ける。どれも「早く戻したい」という気持ちから出てきますが、生えかけの毛には強すぎます。予防のためにできることは、この3つをやらないことのほうに寄っています。
毛が生えかけている場所を、清潔に保ちたいという気持ちもあると思います。ただ、その場所だけを狙って洗ったり拭いたりすると、力の加減が必ず強くなります。体を拭く日は、薄い場所も周りと同じ強さで、同じ速さで一度通り過ぎるだけにしてください。特別扱いをやめることが、いちばん確実なやり方です。
月に1回、長さを比べる手順と、予防の話で終わらせない変化
3か月から1年という単位の変化は、記憶では比べられません。毎日見ている飼い主ほど、少しずつの変化に気づけなくなります。月に1回、同じ条件で写真を撮って並べる。これが唯一の判定方法です。手順は4つだけです。
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毎月おなじ日、おなじ部屋、おなじ時間に撮る
光の当たり方が変わると、地肌の見え方が変わります。窓からの明るさが同じになる時間帯を1つ決めてください。照明の下で撮るなら、その照明に固定します。
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薄い場所のとなりに1円玉を置く
1円玉は直径20ミリです。大きさの基準になるものが一緒に写っていないと、写真同士を比べられません。薄い場所の広さが縮んでいるのか、変わっていないのかが、これで分かります。
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薄い場所の中心と、そこから3センチ外側の毛を、同じ写真に入れる
比べる相手は、先月の写真ではなく、同じ子の、すぐ隣の毛です。周りの毛の何割の長さまで来ているか。3か月で半分、半年で8割まで来ていれば、順調に伸びています。
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撮った日を、写真といっしょにメモする
気づいた日を起点にして、何か月目かを数えます。受診することになったとき、この並びがそのまま経過の記録になります。手帳に日付だけ書いておけば十分です。
ここまでが、家でできる予防の全部です。逆に言えば、次のような変化は予防の話で終わらせないでください。条件を整えて待つ対象ではなく、動物病院で確かめる対象です。
薄い場所が1か月で目に見えて広がった、地肌が赤い、フケが急に増えた、ぶつぶつやかさぶたがある、においがする、じゅくじゅくしている、その場所を舐め続ける・噛む、元気や食欲が落ちている、水を飲む量が変わった、3か月たっても生えかけの毛がまったく伸びていない。ひとつでも当てはまるときは、自己判断で様子を見ずに動物病院にご相談ください。部分的な脱毛の背景に、皮膚以外の理由があることもあります。
受診が決まったら、その場所をきれいにしてから連れて行かないでください。フケやかさぶた、毛の抜け方そのものが手がかりになります。撮りためた写真と、気づいた日、ずらしたもの(首輪の位置や寝床の面)を伝えられるようにしておくと、診察が早く進みます。
生えかけの場所が周りより短いことも、まだ力がないことも、その子は知りません。いつもどおりの強さで床にこすりつけ、いつもどおりに舐めます。薄いと分かっているのは飼い主だけなので、そこに何を置くかも、飼い主の側で決めることになります。mofuwa スキンケアミストは、アルコール・オイル・界面活性剤・防腐剤といったものを入れていないミストです。置いたあとに何も残らないことが、この記事でいう「特別扱いをやめる」というやり方を、そのまま通せる条件になります。体を拭く日に、布に取って、薄い場所も周りも同じ速さで一度通り過ぎるだけ。地肌が出ている場所だけを狙って重ねると、そのぶん力が入ります。
月に1回の写真で、その場所の毛が周りの8割まで来たら、特別扱いは終わりです。先にやめるのは、ずらしておいた首輪の位置や寝床の面のほうから。体を拭くときの並びだけは終わったあとも変えないでおくと、次に薄い場所が出たときに、比べる相手が最初から手元にあります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 予防のために、フードやサプリメントを変えたほうがいいですか?
- 自己判断で変えることはおすすめしません。食べるものを変えると、毛の変化が食事によるものなのか、時間の経過によるものなのかが分からなくなります。まず動物病院で相談してください。家庭で先にできるのは、生えかけの毛に当たる条件を変えないでおくことのほうです。
- 生えかけの場所を、シャンプーで洗ってもいいですか?
- 普段どおりの頻度で洗って構いません。避けたいのは、その場所だけを念入りに洗うことと、乾かすときにドライヤーの熱を一点に当て続けることです。周りと同じ強さ、同じ速さで通り過ぎてください。乾かすときは、風を動かしながら当てます。
- 毛が生えてきたら、予防はもうやめていいですか?
- 周りの毛と同じ長さになるまで続けてください。背中なら3か月、しっぽや後ろ足の外側なら半年から1年が目安です。伸びかけの段階でブラッシングの強さや首輪の位置を元に戻すと、そこからもう一度抜けることがあります。判定は、月に1回撮っている写真で行ってください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
