C04悩み解決
口のにおいのケアで、実は逆効果になっている3つのこと
ごはんのあとに顔を近づけて、その子の口の前で3秒ほど息を嗅ぐ。口臭が気になりはじめた飼い主が、まず必ずやることです。ところがこのやり方では、口の中のにおいを嗅げていません。家庭でのケアでやってはいけないことが3つあるのですが、その3つはどれも、口の中で起きていることではなく、においの確かめ方のほうの話です。確かめ方が外れていると、そのあとに何をしても、当たったかどうかが分かりません。やってはいけない3つを先に外して、代わりに置く手順まで通します。
口臭のケアを家でできる範囲に置き直す|犬でも猫でも同じ前提
口臭のにおいは、口の中・口のまわりの被毛・体の内側のどこから出ていても、鼻には同じ「口が臭う」として届きます。だから家でできる最初の仕事は、においを消すことではなく、どこから出ているのかを分けることです。ここを飛ばすと、家でできる範囲を超えたところに手を出すことになります。
| 内容 | |
|---|---|
| 家でできる | どこがにおっているかを部位ごとに分けて確かめる/同じ条件で週ごとに比べる/口のまわりの被毛と食器を清潔に保つ/変化を記録して動物病院に持っていく |
| 家でできない | 歯の内側や歯ぐきの奥の状態を判断する/においの原因を特定する/口の中の処置をする/体の内側が関わっているかを見分ける |
左の列だけが、家庭のケアの持ち場です。持ち場のいちばん最初にあるのが「確かめる」で、そこが外れているケースがとても多い。やってはいけない3つを次で見ますが、3つとも右の列に踏み込んだ話ではありません。左の列の、最初の一手の話です。
犬でも猫でも、この前提は同じです。猫は口を触らせてくれる時間が短いので、なおさら1回の確かめ方が正確でないと、やり直しがききません。やってはいけないことを先に外しておくと、少ない回数でも判断できるようになります。
口のまわりを拭いてから嗅ぐ、歯みがきをしてから嗅ぐ。順番としてはやってはいけない部類に入ります。いま出ているにおいを薄めてから測っても、比べる基準がなくなります。確かめるのが先、手当てはそのあとです。
口臭でやってはいけない3つは、嗅ぐコツではなく嗅ぐ場所の問題
やってはいけない3つを並べます。どれも「もっと近づく」「もっと長く嗅ぐ」といった嗅ぎ方のコツで直るものではありません。嗅いでいる場所そのものが、口の中ではないからです。
| やってはいけないこと | 実際に嗅いでいるもの | なぜ外れるか |
|---|---|---|
| ① 口の前でにおいを嗅ぐ | 吐く息 | 呼気は口の中のにおいとは限らない。肺から上がってくるものが混ざる |
| ② 口を開けさせて嗅ぐ | 入れ替わったあとの空気 | 開けた瞬間に外の空気が入る。いちばん薄いところを嗅いでいる |
| ③ 顔全体を嗅いで判断する | 口まわりの被毛のにおい | よだれ・食べこぼし・皮脂が毛に残ったにおいと混ざる |
① 口の前で嗅ぐ。吐く息には、口の中のにおいと、体の内側から上がってくるにおいの両方が乗ります。強く感じた日に「歯が悪くなった」と決めてしまうと、口の中ばかり見ることになります。逆に、口の中に理由があるのに息が弱い日もあります。呼気は、2種類のにおいが混ざったあとの結果です。混ざったものを嗅いで、混ざる前のことを判断しようとするのが、この一つ目でやってはいけない理由です。
② 口を開けさせて嗅ぐ。これはいちばん誤解されているところです。口を大きく開けさせれば奥のにおいが分かりそうに思えますが、開けた瞬間に、口の中の空気は外の空気と入れ替わります。そのあと鼻を近づけても、嗅いでいるのは入れ替わったあとの薄い空気です。しかも口を開けさせられること自体を嫌がる子が多く、翌日から触らせてもらえなくなります。負担が大きいのに、いちばん薄いところを嗅いでいる。やってはいけない3つの中で、割に合わなさが際立ちます。
③ 顔全体を嗅いで判断する。口のまわりの被毛には、よだれと食べこぼしと皮脂が残ります。湿ったまま乾かなければ、そこで雑菌が増えます。これは口の中とは別に手当てできるところなのに、顔ごと嗅いでしまうと、口の中の話と区別がつかなくなります。被毛のにおいを口臭として数えている限り、拭き取りで解決する話に歯みがきで挑むことになります。
3つとも、部位ごとに分けられない情報を集めています。右の奥なのか、前歯なのか、口の外側の毛なのか。分けられない情報をどれだけ集めても、明日どこに手を当てるかは決まりません。口臭のケアが空回りするのは、たいていここです。
ガーゼを5秒当てて嗅ぐ|口臭を部位ごとに分ける順番
代わりに置くのは、これだけです。乾いたガーゼを歯ぐきに5秒当てて、そのガーゼを嗅ぐ。口の中の空気ではなく、歯ぐきの表面にあるものをガーゼに移してから嗅ぐので、口を開けさせる必要がありません。そして何より、部位ごとに分けられます。順番どおりにやってください。
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乾いたガーゼを、5〜6枚に切り分ける
指先にのる大きさで足ります。濡らさないでください。濡れているとにおいが薄まり、水のにおいが乗ります。ウェットシートも同じ理由で使いません。歯みがき用のシートも、香りがついているものは避けてください。
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上唇を、めくらずに少しだけ持ち上げる
口を開けさせないのがこの手順の要です。頬の外側から指を添えて、上唇を数ミリ浮かせるだけ。口の中の空気が入れ替わらない状態を保ちます。ここで嫌がる子は、今日はやめて明日にしてください。
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歯ぐきに、ガーゼを5秒当てる
こすりません。当てて、そのまま数えるだけです。右上の奥から始めて、1か所につき1枚使います。こするとその子が痛がり、次から触らせてもらえなくなります。
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ガーゼを10センチ離して嗅ぎ、順番に並べる
鼻にくっつけないでください。10センチほど離すと強弱が分かります。嗅いだガーゼは、当てた場所の順に机に並べます。右上・左上・前・右下・左下の5枚です。
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いちばん強い1枚を決めて、日付とともに書き残す
「9/4 右下がいちばん強い」の一行で足ります。強さの絶対値ではなく、どこが一番かだけを残してください。翌週も同じ手順でやると、場所が動いたかどうかが分かります。
つまずくのは、たいてい2つ目と3つ目です。口を開けさせようとしてしまう。長年やってきた確かめ方なので、手が勝手に動きます。ここでやってはいけないのは、うまくいかない日に無理を通すことです。5枚そろわなくても構いません。2枚しか取れなかった日は、2枚ぶんの比較として残してください。
もうひとつのつまずきは、ガーゼが湿ってしまうことです。よだれが多い子は、当てた時点で濡れます。その場合は、当てる時間を3秒に短くして、枚数を増やしてください。湿ったガーゼどうしで比べるぶんには、条件がそろっているので比較になります。乾いたものと湿ったものを混ぜて比べないでください。
口のまわりの被毛は、この手順とは別に扱います。乾いた布で口の外側とあごの下を拭いて、その布のにおいを嗅ぐ。ガーゼ5枚と、外側を拭いた布1枚。この6枚がそろうと、口の中と口の外がはじめて分かれます。やってはいけない3つを外すというのは、この6枚に置き換えるということです。
口臭を記録する頻度
頻度は、週に1回で足ります。毎日やってはいけないというより、毎日やると比べられなくなります。食後すぐか、食後2時間かで結果が変わるからです。曜日と時間を決めて、同じ条件でやってください。日曜の夜、といった決め方で構いません。
| 周期 | やること |
|---|---|
| 週に1回 | ガーゼ5枚と、外側を拭いた布1枚。いちばん強い場所を書き残す |
| 毎日 | 口のまわりとあごの下の拭き取り。湿ったまま乾かない時間をつくらない |
| 毎日 | 食器と水の器を洗う。指でこすってぬめりが残らないところまで |
| 1日2回、5分 | 部屋の換気。部屋のにおいと、その子のにおいを分けるため |
| 週に1回 | 寝床のカバーを替える。外したカバーのにおいも一度嗅ぐ |
4週ぶんたまると、動きが見えます。同じ場所がずっと強いのか、場所が移っているのか、全体に強くなっているのか。この3つは、意味が違います。同じ場所が続くなら、その一点を診察で伝えられます。場所が移るなら、口の中以外の理由も含めて考える材料になります。
ガーゼに血がつく、片側だけ急に強くなった、口を触ると声を出す、よだれが増えた、顔の片側が腫れている、食べるのに時間がかかる・こぼす・片側で噛む、水を飲む量が変わった、体重が落ちてきた、においが数日で急に強くなった。いずれかに当てはまるときは、家庭で確かめている段階ではありません。動物病院にご相談ください。迷ったら早いほうを選んでください。
受診の前に、書き残した一行のメモを持っていってください。「いつからか」より「どこが強いか」のほうが、伝わる情報になります。診察の直前に口のまわりを拭いてしまうと、よだれの量や色が分からなくなることがあるため、そのまま連れて行くほうが確実です。
拭いたところは、その子がいちばん先に舌を持っていく場所です。口のまわりとあごの下に何を残して終わるかは、拭いた側が全部決めています。口のまわりに置く1本として選んだのが mofuwa スキンケアミストです。中身は電解水100%で、清涼飲料水の規格基準という、本来は飲みものにあてる物差しのほうで測られています。拭いた面をそのまま舐められても、こちらが手を戻して拭き直さずに済みます。口臭を確かめる手順は口を触ることの上に成り立っているので、触らせてもらえる回数が限られている子ほど、手を戻さないで終われることの意味が大きくなります。使うのは、ガーゼ5枚と外側を拭いた布1枚を並べ終えたあとです。確かめる前に拭くと、先週と比べる基準が消えます。順番は、確かめる・拭く、で固定してください。ガーゼを当てる手順のほうでは使いません。乾いたガーゼで嗅ぐ、という条件を変えないためです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- ガーゼを当てるのを嫌がります。どうすればいいですか?
- その日はやめてください。無理に続けると、翌週はもっと短い時間しか触らせてもらえなくなります。まず数日は、口の外側を触るだけで終わる日をつくってください。頬の外から指を添えられるようになってから、ガーゼを1枚だけ試します。5枚そろえることより、来週も触らせてもらえることのほうが大事です。
- 歯みがきをしたあとに確かめても、意味はありませんか?
- 比べる基準としては使えません。直後は口の中の状態が変わっているので、先週の数字と並べられなくなります。確かめるのは歯みがきの前に、と決めておいてください。順番が入れ替わった週は、記録に「みがいた後」と書き添えて、別の日として扱ってください。
- 猫でも、同じ手順でできますか?
- できますが、枚数を減らしてください。猫は触らせてくれる時間が短いので、5か所を1日でそろえようとすると途中で終わります。今週は右側の2枚、来週は左側の2枚、というように週をまたいで集めてください。1回で全部そろえることより、同じ条件で続けられることを優先します。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
