C09シーン別・暮らし
車でのおでかけ、敏感肌の子と暮らす人はどうしている?
片道1時間半の車のおでかけから帰って、後席から外した敷物をたたんでいるとき、その子の体がこの1枚に触れていた時間が3時間あったことに気づきました。家の中で、同じ布に3時間続けて触れている場面は、寝ているときくらいしかありません。犬と車で移動する日は、家では使っていない素材に、その日いちばん長く肌が触れる日になります。敏感肌の子と暮らしていると、こういう日には拭く手を足したくなります。ただ、触る回数そのものが条件になっている子には、手数を増やす方向が使えません。この記事では、車に「家の続き」を1枚だけ作る、という組み立て方を5つの手順にまとめます。
その日いちばん長く肌に触れているのは、家にない布です|敏感肌の子と車で移動する日の前提
家の中で、その子の肌が長く触れている面を数えると、たいてい3つか4つです。寝床に敷いている布、ソファに掛けているカバー、床のラグ、それから人の膝。どれも、この家で選んで、この家の洗剤で洗っているものです。敏感肌の子と暮らしていると、この4つに落ち着くまでに何年かかかっていることが多いと思います。洗剤を替え、柔軟剤をやめ、素材を替えて、いまの形になった。家の中というのは、その積み重ねでできています。
車の後席は、その積み重ねの外側にあります。座面と背もたれの布は、メーカーが決めた素材です。洗濯機に入れられないので、家の洗剤とは一度も接していません。革であれば、拭くための液がまた別にあります。犬と車で移動するとき、その子の腹や内ももや肘は、この面に体重をかけたまま何十分もそこにあります。家の敷物の上でも同じ時間を過ごしますが、家では自分で場所を変えられます。車の中で動ける範囲は、座席1つぶんしかありません。
時間で並べると分かりやすくなります。片道1時間半なら、往復で3時間です。犬と車で移動する日は、その3時間が一続きになります。家では、寝床に1時間、ソファに30分、床に20分というふうに分散していて、そのあいだに何度も体の向きが変わっています。移動の日だけ、同じ面に一続きで触れている時間ができる。敏感肌の子にとっては、この一点だけで、ふだんとは違う日になります。
ここで手を打とうとすると、多くの場合は拭く回数が増えます。乗る前に拭き、降りてから拭き、家に着いてもう一度拭く。ただ、敏感肌の子で条件になっているのは、汚れの量よりも触る回数そのものです。月に4回車で移動する家なら、それだけで触る回数が月に12回増えます。手数を足す方向は、この子には使えません。増やせないという制約が先にあって、そこから逆算するしかありません。
使えるのは、触れる面のほうを替える手です。拭く回数を増やすのではなく、車で触れる素材を、家で使っているものと同じにする。これなら増えるのは、布1枚と洗濯1回ぶんだけです。その子の体に触る回数は1回も増えません。犬でも猫でも、考え方は同じです。
- 家で肌が触れている面:素材も洗剤も自分で選び、洗う頻度も決められます
- 車で肌が触れている面:素材を選べず、洗濯機にも入れられません
- 触れている時間:家では分散し、車では往復ぶんが一続きになります
- 体重のかかり方:カーブと停車のたびに、同じ面へ押しつけられます
- 温度:閉じた空間なので、触れている面の温度が家より上がります
- 逃げ場:家では場所を移れますが、車では座席1つぶんしか動けません
車の座面は、人が長く座るために作られた面です。問題は素材の良し悪しではなく、その子にとって初めての素材だという一点です。敏感肌の子と暮らしている家ほど、家の中は何年もかけて条件をそろえてあります。移動の日は、そのそろえた条件から2〜3時間だけ外へ出る日になります。だから、車の側を良いものにするより、家の条件をそのまま持ち込むほうが早く済みます。
車に家の敷物を1枚だけ移す|敏感肌の子と車で移動する日のやり方と手順
ここからが手順です。用意するのは、いま家で使っている敷物のうちの1枚だけです。買い足しません。犬と車で移動する日のやり方として、5つに分けます。1日で全部やる必要はありませんが、順番は入れ替えないでください。1と2が決まらないうちに3から始めると、結局は車専用の運用ができあがります。
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家で使っている敷物から、車に回す1枚を決める
新しく買わないのが要です。いま寝床に敷いている布、いま使っているブランケット、いまソファに掛けているカバー。この中から1枚を選びます。すでに何十回も洗っていて、その子が触れても何も起きていないと分かっている布です。敏感肌の子にとって、それは家の中でいちばん確かめの済んでいる素材です。新品は、洗って柔らかくなるまでのあいだ、その確かめが終わっていません。
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洗濯を、家のものと同じ枠・同じ洗剤にする
車に回した1枚を、ほかの洗濯物と分けないでください。同じ洗剤、同じ回数、同じ乾かし方。ここを分けた瞬間に、その布は家の続きではなくなります。柔軟剤を使っていない家なら、この1枚にも使いません。移動のあとだからと専用の洗い方を作ると、素材は同じでも、肌に触れる状態のほうが変わります。
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車専用のものを、1つも買わない
防水シート、専用カバー、消臭加工の敷物。どれも車のためには良いものですが、買った時点で、家とは別の系統が1つ増えます。敏感肌の子と暮らす家では、系統が増えるほど、何かあったときに何を疑えばいいのかが分からなくなります。座席を汚したくないなら、家の布の下、その子の体が触れないところに防水のものを敷いてください。上に来る面だけは、必ず家の布にします。
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座る位置を1か所に決めて、毎回そこに敷く
後席の左右どちらか、あるいは足元。1回目に決めて、そこから変えません。位置が動くと、敷いた布からはみ出す部分が毎回変わります。同じ位置で毎回敷いていれば、はみ出す場所も同じところに固定されます。犬と車で移動する回数が増えるほど、この差は開きます。10回乗って、触れた面が1枚のままなのか、10回とも少しずつ違うのか。後者は、あとから何も読めません。
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降りたら、その日のうちに家の敷物と一緒に洗う
車に置きっぱなしにしないでください。この1枚は車の備品ではなく、家の敷物が一時的に外へ出ているだけです。降りたら外して、家の洗濯かごへ入れる。次に移動する日に、また持って出ます。閉じた車内に置いたままだと温度が上がり、次に乗る日までのあいだに布の状態が変わります。家に戻すところまでが、1回ぶんの手順です。
| いつ | 何をする | その子に触る回数 |
|---|---|---|
| 乗る前 | 決めた位置に、家から持ってきた1枚を敷く | 0回 |
| 移動中 | 布に触らない。その子にも触らない | 0回 |
| 降りたあと | 布を外して持って帰る | 0回 |
| 帰宅後 | 家の洗濯かごに入れる | 0回 |
| 洗濯の日 | 家のものと同じ枠で洗う | 0回 |
| 次に乗る日 | 同じ位置に敷く | 0回 |
表のいちばん右の列を見てください。5つの手順を通して、その子の体に触る回数は1回も増えていません。増えたのは、布を持ち出して持ち帰るという人の側の動作だけです。敏感肌の子と暮らす家で組める手順は、この形しかないと思っています。触る回数を変えずに、触れる面のほうを家に寄せる。やっていることは、それだけです。
全部が難しいときは、1つだけ選んでください。手順1です。家で使っている布を1枚、車へ持っていくところまでで、触れる面はもう変わっています。2から5までは、その1枚を家の側に戻し続けるための仕組みなので、後から足していけます。逆に、手順1を飛ばして5だけをやっても、洗っているのは車専用の布です。
車専用を1つ買うと、そこで家と切れます|毎日の洗濯にどう入れておくか
実際にいちばん多いつまずきは、手順3です。車専用のものを、つい1つ買ってしまう。買いたくなる理由はきちんとあって、家の布を車で使うと、家の布のほうが汚れるからです。砂も抜け毛も、移動したぶんが家の洗濯かごに入ってきます。だったら車用に1枚買って、そこで完結させたほうが家がきれいだ、という判断になります。
ただ、そこで切れるのは掃除の話ではなく、洗う判断のほうです。車専用の布は、洗うタイミングを自分で決めなければいけません。家の洗濯は毎日か2日に1回、何も考えなくても回っています。車の布だけはそこに入っていないので、「そろそろ洗うか」と思った日にしか洗われません。月に4回車で移動する家で、洗うのが月1回になると、3回ぶんが乗ったままの布に、次の移動でまた3時間触れることになります。敏感肌の子にとっては、素材が同じでも、これは別の面です。
| 買いたくなるもの | 家の側で置き換える形 | そう決める理由 |
|---|---|---|
| 専用のシートカバー | 家の布+その下に防水のもの | 肌が触れる面だけを家のものにできます |
| 消臭加工の敷物 | 家の布を、洗う枠ごと持ち込む | においは布に残るので、洗う頻度のほうが効きます |
| 車用の毛取りブラシ | 家で使っているものを持ち出す | 布についた毛は、家で洗う前に取ったほうが早いです |
| 専用の洗剤 | 家で使っている洗剤のまま | 洗剤を1種類にしておくと、何かあったとき疑う先が減ります |
| 車に置きっぱなしの1枚 | 毎回持ち帰る1枚 | 閉じた車内は温度が上がり、置いた日数ぶん状態が変わります |
もう1つ、枚数の話をしておきます。2枚あると回ります。1枚が洗濯中でも、もう1枚を持って出られるからです。ただし、2枚とも家で使っている布にしてください。1枚が家の布で、もう1枚が車用の新品だと、その子が触れた面が2種類になります。犬と車で移動したあとに何か変化があったとき、どちらの日だったのかを思い出せません。枚数を増やすのはかまいませんが、種類は増やさないでください。
この組み立ての良いところは、毎日の側に何も足さないことです。洗濯は毎日回っているものにそのまま乗せ、ケアの回数は増やさず、車に乗らない日は何も変わりません。敏感肌の子と暮らす家で続くのは、毎日のやることが増えない形だけだと思います。移動の日のためだけの習慣を1つ作ると、乗らない日にもそれを覚えていなければいけません。覚えていられるうちはいいのですが、たいてい3か月で止まります。
毎日の中に入れておくと、頻度の管理も自然に済みます。家の洗濯が2日に1回なら、車に使った布も2日以内に洗われます。洗う頻度を決めなくても、洗う枠に入っているだけで頻度が決まる。敏感肌の子のケアは、判断の数を減らすほど続きます。何を使うかより、いつ洗うかを考えなくていい形にしておくほうが、結果として長く保ちます。
敏感肌の子の記録は、続けようとすると重くなります。触れる面を1枚に固定しておくと、それ自体が記録の代わりになります。車で移動した日は、その1枚を洗濯かごに入れた日です。洗濯は家の毎日の中に残るので、こちらで別に書かなくても、どのくらいの頻度で乗っているかがあとから分かります。動物病院で「最近の生活で変わったことは」と聞かれたときに、思い出せる形になっているかどうかは、けっこう差になります。
布が1枚で足りているかを、降りた30分で確かめる|家でできること
降りたあとに見る場所を、先に決めておきます。座面に触れていた側です。腹、内もも、脇の下、肘の外側、それと尾のつけ根。犬と車で移動したあとに変化が出るのは、背中や頭ではなく、体重がかかっていた下側です。上から見て毛並みを確かめても、この面は見えません。抱き上げる必要もなく、立たせたまま、手のひらを下からすべらせるだけで足ります。
- 腹と内もも:座面と直接触れていた面です。毛をかき分けて地肌の色だけ見ます
- 脇の下:体が沈むと布が寄る場所です。こすれた跡が出るならここです
- 肘の外側:伏せた姿勢だと、ここに体重が集まります
- 尾のつけ根:背もたれに寄りかかっていた向きによって変わります
- なめに行くかどうか:降りて30分のあいだに、同じ場所を2回以上なめるかどうかだけ見ます
見る時間を30分に区切るのには理由があります。それより後になると、家の敷物に触れた時間が混ざります。車の布のせいなのか、家に戻ってからのことなのかを分けておきたいので、玄関を上がってから30分で切ります。長く見る必要はありません。地肌の色と、なめに行くかどうかの2つだけです。1回の移動につき1分で終わります。
犬と車で移動する日に、家でできることはここまでです。布を1枚決めて、家の洗剤で洗い、同じ位置に敷き、降りたら持ち帰る。それと、降りて30分だけ下側を見る。腹と内ももに何が触れていたかは、上から見ている人にも、体重をかけていた本人にも分かりません。うちでは、この30分の確認をする手に mofuwa スキンケアミストを持たせています。中身は電解水100%で、そこに何も足していません。敏感肌の子と暮らす家がこれまでやってきたのは、洗剤を1種類にして、柔軟剤をやめて、素材を減らすことでした。増やす側ではなく、減らしてきた並びにそのまま置ける1本かどうかで選んでいます。手のひらを下から滑らせるついでに、腹から内ももへ毛の流れに沿って一往復。これで、その子に触る回数は1回も増えません。
家でできないことも書いておきます。地肌が赤いときに、その理由を決めることです。車の布なのか、その日の気温なのか、食べたものなのか、季節そのものなのか。家では材料がそろいません。だから、こちら側では材料を用意することに徹します。乗った日付、乗っていた時間、敷いていた布が家のどれなのか。この3つが分かれば、切り分けは向こうでしてもらえます。
地肌の赤みが翌日も残る、同じ場所をなめ続ける、触ると避ける、毛が薄くなってきた、フケが急に増えた、体をこすりつける回数が増えた。こうした変化が続くときは、布や敷物を替える前に動物病院にご相談ください。敏感肌の子では、車での移動と関係のない理由が重なって出ることがあります。相談に行くときは、乗った日付と、乗っていた時間と、敷いていた布が家のどれなのかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。犬でも猫でも、見るところは同じです。迷ったときは早いほうを選んでください。
車で移動する回数を減らす必要はありません。動かせるのは、その子の肌が触れている1枚のほうです。家で何年もかけてそろえた条件は、布1枚で車まで持っていけます。移動の回数が増えても、触れる面が同じままなら、増えるのは洗濯の回数だけです。敏感肌の子と暮らす家で増やしていいのは、たぶんそこだけだと思います。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- レンタカーや、人の車に乗せてもらうときはどうすればいいですか。
- 同じです。家から持ってきた1枚を、乗る位置に敷いてください。車が変わっても、その子の肌が触れる面のほうは変わりません。むしろ、いつもと違う車のほうが、前に誰が乗っていたのかが分からないぶん、家の布を持ち込む意味が大きくなります。降りたら持ち帰って、家の洗濯かごに入れるところまで、いつもと同じにしてください。
- 夏場に布を敷くと、暑くならないでしょうか。
- 厚手のものを1枚敷くより、家で使っている薄手のほうを選んでください。床のラグより、寝床に敷いている布やブランケットが向いています。車内の温度そのものは、空調と日よけで下げます。布の役割は温度を下げることではなく、触れる面をそろえることなので、薄くても目的は果たせます。
- 10分くらいの短い移動でも、敷いたほうがいいですか。
- 敷いたほうが楽になります。短いからと敷かない日があると、その子が触れた面が2種類になります。10回のうち3回だけ布がない、という状態がいちばん読みにくくなります。敷くこと自体は数秒で終わるので、時間の長さではなく毎回で決めておくほうが、結果として手間が少なくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
