C04悩み解決
毛玉が出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
いま毛玉ができている場所の毛を、3か月前の長さと比べてみてください。あのときより長くなっていれば、その子の毛は切らないかぎり伸び続けます。毛玉の犬種差として語られるものの中身は、たいていここです。伸びきったところで止まる毛なら、いずれ抜けて入れ替わるので、悩みは毛玉より抜け毛のほうに寄ります。同じ被毛でも、伸び続けるか止まるかで、毛玉のでき方も、やることも逆になります。
切らなければ伸び続ける毛と、途中で止まる毛
毛玉の犬種差として名前が挙がるとき、その名前が指しているのは毛の長さや量だと思われがちです。ところが名前の中身を開けてみると、そこにあるのは長さそのものではなく、毛が伸びるのをどこで止めるかという一点です。ここで犬種名を使わずに話を進めます。混血の子にも、そのまま当てはめられるようにするためです。
毛には、伸びる期間と休む期間があります。この2つの長さの比率が、そのまま被毛の性格になります。
- 伸び続ける毛:伸びる期間が長く、切らなければ何年でも長くなります。人の髪に近い動き方です。伸びている最中の毛は抜けませんから、古い毛が体の上に残り続けます
- 一定の長さで止まる毛:数センチから十数センチで伸びるのが止まり、そこで抜けて新しい毛と入れ替わります。伸ばそうとしても、その長さより長くはなりません
毛玉の芯になるのは、どちらの場合もいま生きていない毛です。伸び続ける毛の場合、役目を終えた古い毛が抜けずにその場に残り、そこへ新しい毛が巻きついていきます。止まる毛の場合、抜けたのに被毛の中に引っかかったままの毛が、周りの毛と絡みます。毛玉は、外へ出そびれた毛から始まります。
猫の被毛は、長毛と呼ばれる子でも、伸びる期間には終わりがあります。猫の毛玉は、抜けた毛が外へ出ないまま溜まってできるほうが多いと考えて構いません。ただし、自分で毛づくろいをしなくなった子は、抜けた毛を運び出す係が一人減った状態になります。そのときは、止まる毛でも毛玉の増え方が変わります。
伸び続ける毛と止まる毛|毛玉のでき方の違い
2つのタイプで、毛玉のでき方はここまで違います。
| 見るところ | 伸び続ける毛 | 一定の長さで止まる毛 |
|---|---|---|
| 古い毛の行き先 | 抜けずに被毛の中に残り続ける | 伸びきったところで抜ける |
| 毛玉の芯にあるもの | 残った古い毛。そこへ新しい毛が絡む | 抜けたのに外へ出ていない毛 |
| 増える時期 | 一年じゅう。カットの間隔が空くほど | 換毛期の数週間に偏る |
| できやすい場所 | こすれる場所(脇・内股・耳のうしろ) | 毛が密な場所(腰・しっぽの付け根・首) |
| 毛玉の手ざわり | 毛先まで巻き込んだ、細長い束 | 根元近くで平たく詰まった板状 |
| ふだんの悩み | 毛玉と、伸びすぎ | 抜け毛と、静電気 |
| 放っておいたとき | 根元まで届く大きな塊になる | 被毛全体がフェルトのように詰まる |
この表で見ておきたいのは、「増える時期」の行です。伸び続ける毛は、季節に関係なく、前回カットしてからの日数だけで毛玉が増えます。止まる毛は、ふだんは落ち着いていても換毛期に一気に来ます。同じ「毛玉が多い子」でも、いつ来るかがまったく違うということです。
手ざわりの違いも見分けの手がかりになります。伸び続ける毛の毛玉は、毛先まで巻き込んで細長くなります。止まる毛の毛玉は、抜けた毛が根元付近で詰まるので、平たく板のようになります。指を毛玉と皮膚のあいだに入れたとき、板状のものはほとんど隙間がありません。
3か月前の長さと比べる|どちらの毛かの見分け方
見た目の長さでは判別できません。止まる毛でも十分長い子はいますし、伸び続ける毛でも短くカットされていれば短毛に見えます。見分け方は、長さそのものではなく、長さが変わったかどうかです。
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前にその子の毛の長さを見た日を決める
前回のカットの日がいちばん確実です。カットしたことがなければ、3か月前の写真を使います。全身が写っていて、体の向きが分かるものを選んでください。
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背中の真ん中の毛を1本つまむ
毛玉ができている場所ではなく、いつも同じ場所で測ります。背中の真ん中は、こすれや汚れの影響がいちばん少ない場所です。親指と人差し指でつまみ、根元から毛先までを反対の手の指ではさんで長さを見ます。
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3か月前と比べて、長くなっているかを見る
はっきり長くなっていれば伸び続ける毛です。写真と見比べて、体の輪郭からのはみ出し方が変わっていなければ止まる毛です。数ミリの差は誤差として無視して構いません。
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顔・耳・しっぽも別に見る
体は止まる毛でも、顔まわりや耳の飾り毛、しっぽだけが伸び続ける子は珍しくありません。その場所だけ、伸び続ける毛として扱ってください。犬種差というより、体の中で混ざっていると考えるほうが実際に合います。
春と秋に、部屋の床や服に毛が目立って増える時期があるなら、止まる毛が多い子です。一年を通して抜け毛がほとんど気にならないのに毛玉だけができるなら、伸び続ける毛が多い子です。3か月の長さ比べとあわせて見ると、判断が確かになります。
カットの周期か、抜け毛の出口か|手の使い分け
タイプが分かれば、やることは決まります。片方はカットの周期を決める話、もう片方は抜けた毛を外へ出す話です。順番が逆になるので、使い分けてください。
伸び続ける毛:カットの周期を先に決める
- 6〜10週で1回と決めて、カレンダーに先に入れる。毛玉ができてから予約すると、そのときには切る以外の選択肢が減っています
- ブラッシングは根元から通す。古い毛が残るのは根元側です。毛先だけをとかしていると、表面はきれいなのに根元で詰まります
- とかす前に、被毛のすべりを整える。乾いた毛に直接ブラシを入れると、毛先が切れて短い毛が増え、それがまた芯になります
- カットの前日は、いつもより長めに触る。毛玉が残ったままだと、その部分だけ短く刈るしかなくなります
止まる毛:抜けた毛を外へ出す
- 換毛期の数週間だけ、回数を上げる。一年じゅう同じ回数にする必要はありません。抜け毛が床に目立ちはじめた週から、1日1回に上げます
- とかしたあと、手で毛の中を撫でて残りを拾う。ブラシを通しただけでは、抜けた毛が被毛の中に残ります。運び出すところまでが一手です
- 静電気の起きる日は、乾いた毛のまま始めない。静電気で毛が立つと、抜けた毛が外へ出ずに絡みます。うるおいのある状態にしてから始めます
- 腰としっぽの付け根を先に。抜けた毛が溜まりやすい場所から手をつけると、全体の詰まり方が変わります
どちらのタイプでも、毛玉の数を決めるのは手を入れた回数です。犬も猫も体から脂を出すので、昨日梳かしたところが今日また絡みはじめます。それでも、洗って流すのは週に一度がせいぜいで、サロンの予約も6〜10週に1回です。日ごとに増えるぶんには mofuwa グルーミングスプレーを使っています。中身は無香料の電解還元水で、清涼飲料水と同じ規格基準に照らして水質を確かめている水です。猫が梳かしたあとに自分を舐めても差し支えないので、毛先まで濡れるくらい使って構いません。
グルーミングスプレーを出す場面は、タイプによって変わります。伸び続ける毛の子は、カットの前日に脇と内股から。ブラシが根元まで通るようになるので、毛玉が残ったままその部分だけ短く刈る場面が減ります。止まる毛の子は、換毛期に腰としっぽの付け根から。静電気で毛が立たない状態にしてから梳かせるので、抜けた毛が被毛の中に残らず外へ出ます。乾いた毛にブラシを入れると毛先が切れて、その短い毛が次の毛玉の芯になります。とかす前のひと吹きは、そこを止めるための一手です。
3か月で長さが変わらないのに毛玉が増える|次にやることの選び方
止まる毛だと分かったのに、換毛期でもないのに毛玉が増えていく。この場合、体の作りでは説明がつきません。犬種差の話をいくら詰めても答えは出ないので、見る場所を変えます。
- 触られていない期間が延びていないか:忙しい時期が2週間続くと、それだけで抜けた毛が溜まります
- 同じ場所ばかりにできていないか:寝ている姿勢、ハーネスや服の当たる面など、押さえつけられている時間が長い場所から始まります
- 皮膚の側が変わっていないか:毛玉の下の皮膚が赤い、においがある、湿っている。毛の話ではなく皮膚の話になっています
- 自分で毛づくろいをしなくなっていないか:とくに猫では、これがそのまま抜け毛の出口が閉じたことを意味します
- 体をひねる動きが減っていないか:届かない場所が先に決まってしまいます
この5つのどれにも当てはまらないのに毛玉が増え続けるとき、あるいは毛玉の下の皮膚が赤い・においがある・触ると嫌がる・毛が薄くなっているときは、被毛の手入れの問題として扱わないでください。毛の側で手を尽くす前に、その週のうちに動物病院で皮膚を見てもらってください。皮膚の状態が先に変わっていて、その結果として毛が絡んでいることがあります。
相談するときは、いつごろから増えたか、体のどこにできるか、前回カットしたのはいつか、換毛期かどうかを伝えてください。3か月の長さ比べの結果も、そのまま説明の材料になります。「うちの子は毛が伸び続けるタイプで、前回のカットから4か月です」と言えるだけで、話がずいぶん早く進みます。
犬種差という言葉は、名前で分けるためのものではなく、その子の毛がどう入れ替わるかを知るための入り口です。伸び続けるのか、止まるのか。そこさえ決まれば、やることは1つに絞れます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 混血の子は、どちらとして扱えばいいですか。
- 名前ではなく、3か月の長さ比べの結果で決めてください。混血でも、伸び続ける毛か止まる毛かのどちらかには寄ります。体は止まる毛で、顔と耳だけ伸び続けるという子も多いので、場所ごとに分けて扱って構いません。
- 短毛なのに毛玉ができるのはなぜですか。
- 短くても、抜けた毛が外へ出ていなければ絡みます。とくに毛が密な子は、抜けた毛が被毛の中に留まりやすく、腰やしっぽの付け根で平たく詰まります。長さではなく、抜けた毛の出口があるかどうかで考えてください。
- 毛が伸び続ける子は、短く刈っておけば毛玉はできませんか。
- できにくくはなりますが、なくなりはしません。短くしても古い毛は抜けずに残るので、こすれる場所では絡みます。短くする利点は、毛玉ができるまでの時間が延びて、気づいてから手を打つ余裕ができることのほうです。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
