C08季節・行事
2頭目を迎えて、初めての梅雨|増えたのは手間ではなく、拭くところの数
2台目のケージを並べて置いた翌週、拭き掃除にかかる時間を計ったら、1頭のときの7分が16分になっていました。頭数は2倍です。時間は2.3倍でした。増えていたのは手間の重さではなく、拭くところの数のほうです。1頭のときに毎日通していた面は4つでしたが、2台になった家では12に増えていました。多頭飼いのケージは、台数のぶんだけ面が増えるのではなく、2台のあいだに新しい面ができます。梅雨の時期はその面が乾かないので、数え落とすと1週間でにおいの出どころになります。
2台になって、拭く面は2倍ではなく3倍になる|多頭飼いのケージを数える手順の前提
多頭飼いのケージで最初にやるのは、拭く面を紙に書き出して数えることです。拭き掃除の時間を計る前でも、道具をそろえる前でもありません。数が分からないまま毎日やると、抜ける面がいつも同じ場所になり、そこだけが1週間で濃くなります。
1頭のときに毎日通していたのは4面です。ケージの床、トレーの縁、扉の格子、ケージの前の床。2台に増えると、単純に考えればこれが8面になります。ところが実際に書き出すと12面になります。2頭が行き来することで、どちらのケージにも属さない面が4つできるからです。
| 面 | どこか | 1頭のときにあったか |
|---|---|---|
| 1〜2 | 2台ぶんのケージの床 | 1台ぶんだけあった |
| 3〜4 | 2台ぶんのトレーの縁 | 1台ぶんだけあった |
| 5〜6 | 2台ぶんの扉の格子 | 1台ぶんだけあった |
| 7〜8 | それぞれのケージの前の床 | 1台ぶんだけあった |
| 9 | 2台のあいだの床 | なかった |
| 10 | 2頭が行き来する通路の線 | なかった |
| 11 | 並んで使う水皿とその下 | なかった |
| 12 | 順番に通る出入り口の敷居 | なかった |
下の4行が、2頭目を迎えた家でだけ生まれる面です。どちらのケージの拭き掃除にも入っていないので、ケージを2台とも丁寧に拭いた日でも、この4面には手が入りません。においの相談で「ケージは毎日拭いているのに」となる家の多くが、ここを数えていません。
梅雨の時期は、この4面の条件がさらに動きます。湿度の高い日が続くと、拭いた面が乾くまでの時間が伸びます。晴れた週なら5分で乾く面が、20分たっても湿ったままになる。乾いていない面をその子が踏み、その足で2台のあいだを行き来する。1頭のときは行き止まりだった線が、2頭になると往復する線に変わるので、湿った面を運ぶ距離も2倍になります。
紙は1枚で足ります。12の番号を縦に書いて、その日に通した番号へ丸をつけるだけです。1週間続けると、丸のつかない番号が2つか3つに固まります。やる気の問題ではなく、動線の問題です。通った順番のいちばん後ろにある面は、どの家でも同じように落ちます。だから次の手順では、落ちる面を先頭へ持ってきます。
増えた4面から先に通す|多頭飼いのケージの拭き掃除のやり方
順番は5つです。増えた4面を先に通し、2台の中は上から下へ、最後に水皿と敷居へ戻ります。2台を1台ずつ完結させる回り方をやめるのが、この手順の中心です。ケージ単位で回ると、あいだの面がどちらの回にも入らないまま毎日残ります。
-
1|2台のあいだの床と、行き来する通路の線から始める
帰宅後、まだ2頭をケージから出していない時間に通します。人が歩く線ではなく、2頭が行き来している線です。床に光を斜めから当てると、その線だけ毛と乾いた足跡が残っているのが見えます。幅は30センチほどで足ります。ここを先頭に置くのは、最後に回すと必ず落ちるからです。
-
2|扉の格子を、外側から内側の順に通す
格子は2頭とも口をかける面です。外から鼻を押しつけ、内側から噛む。多頭飼いでは、隣のケージの格子を外側からなめることもあります。上の段から下の段へ、横棒に沿って一方向に。往復させると、落とした毛を下の段へ戻すことになります。
-
3|ケージの壁と床を、奥から手前へ
中に入る面は、必ず奥から始めます。手前を先に拭くと、奥を拭いたときに出たものが手前へ落ちて、二度手間になります。床は毛が集まる角から。梅雨の週は、この面がいちばん乾きにくいので、次の手順へ進むまでの時間が乾かす時間になります。
-
4|トレーの縁を、外周に沿って一周する
トレーは中より縁に残ります。引き出したときに指が触れるところと、本体との合わせ目です。2台ぶんで2周。ここで2台の差が出たら、そのまま覚えておいてください。片方だけ縁の汚れ方が違う週は、その子の側で何かが変わっています。
-
5|水皿の下と、出入り口の敷居で終える
水皿は動かして、置いてあった床の面を拭きます。多頭飼いでは並んで飲むので、皿のまわりに飛んだ水が乾かないまま残ります。敷居は2頭が順番に通る面です。最後に回すのは、ここが12面でいちばん早く乾くからです。
12面を通すのに使うのは、mofuwa瞬間消臭スプレーです。ケージ、トレー、床、布、車の座席。この記事で数えてきた場所が、そのまま使える場所と重なっているので、面ごとに持ち替える必要がありません。多頭飼いで面が12に増えると、持ち替えの回数がそのまま時間になります。
この1本が電解水だけでつくられている理由は、12面の内訳を数えると分かります。扉の格子が2面、ケージの床が2面、トレーの縁が2面、水皿の下が1面、2台のあいだの床が1面。12面のうち8面は、どちらかの子の口が届く面です。格子は噛み、床は寝そべって顔をつけ、水皿の下は飲むたびに鼻が近づきます。口が届く面が全体の3分の2を占めているのだから、そこへ通すものは、口に入ることを前提にして選ぶことになります。
香りを足していないことは、多頭飼いでは別の意味も持ちます。2頭は、互いのにおいで距離を測っています。どこまでが自分の場所で、どこからが相手の場所かを、毎日鼻で確かめ直している。香りをのせて覆うつくりのものを12面すべてに通すと、その境界が一度に消えます。境界が消えた日の夜に、ふだん入らないケージへ入る、水皿の前で止まる、といった動きが出ることがあります。この1本は香りを重ねず、においのもとになっているものに反応して、感じ取れるにおいのほうを弱めます。掃除のあとも、2頭から見た境界は昨日と同じ位置に残ります。
梅雨の週の使い方には、ひとつだけ足すことがあります。吹きかけてすぐ拭き上げるのではなく、面ごとに30秒置いてから拭きます。湿度が高い日は、乾いた汚れが浮くまでの時間が長くなるためです。そのかわり、拭き上げたあとの水分は残しません。梅雨に12面を通すときは、湿らせる時間を足して、残す水分を減らす。この2つを逆にすると、拭き掃除のたびに湿った面を12個つくることになります。
翌週には面の数が戻っている|多頭飼いのケージで毎日の拭き掃除が崩れる3つ
12面が10面に戻り、次の週には8面に戻る。多頭飼いの拭き掃除は、やめることでは崩れません。数える面が静かに減っていく形で崩れます。減る面はいつも同じ4つで、どれも2台目を迎えたときに増えた面です。
- ケージ1台ずつで完結させる:1台目を終えて2台目へ移ると、あいだの床と通路が、どちらの回にも入りません。1台ずつ回すやり方は1頭のときの習慣なので、2台目が来た日から意識して崩さないと戻ります
- 2頭を出してから始める:出したあとに拭くと、拭いた面をその場で踏まれます。梅雨の週は乾くまでの時間が長いので、踏まれる回数がそのまま増えます。帰宅後、ケージから出す前の5分に入れてください
- 片方の子のケージだけ丁寧になる:汚し方が激しいほうへ時間が寄ります。寄せたぶんだけ、もう片方の縁とトレーが薄くなり、2週間後に差が出ます。時間は面の数で割って、頭数では割りません
崩れた週の戻し方は決まっています。面の数を1から数え直すのではなく、丸のつかなかった番号だけを翌日の先頭に入れます。12面を全部やり直そうとすると、時間が読めなくなってその日ごと飛びます。落ちた面は2つか3つなので、先頭に足しても2分ほどしか増えません。多頭飼いの毎日の拭き掃除は、全部やる日をつくらないことで続きます。
もう1つ、面の数を減らしてよい日もあります。来客のあった日、雷の鳴った日、2頭のどちらかを動物病院へ連れて行った日。こうした日は増えた4面だけを通して終わりにします。その日の紙には番号を書かず、横線を1本引いておきます。あとで見返したときに、崩れた週なのか、外の予定が入った日なのかを分けて読めます。
12面を毎日通しているのに、片方のケージのトレーの縁だけが1日でざらつく/2台のあいだの床に、片方の向きからの跡だけが毎日つく/同じ面を拭いても、においが戻るまでの日数が片方だけ短くなっている/格子をなめている時間が、2頭で目に見えて違ってきた/水皿の下が、片方の側だけ毎日濡れている。こうした差は、面の数でも掃除の順番でも説明がつきません。12面の紙を2週間ぶん持って、動物病院へ行く日を決めてください。どの面が、どちらの子の側で、いつから戻らなくなったのか。頭数で割らずに面で書いてある紙は、2頭のどちらの話なのかが最初から分かる材料になります。
12面を12分に収める|多頭飼いのケージで家でできる拭き掃除の形
面が3倍になっても、時間は3倍になりません。1頭のときの7分が16分で収まったのは、面ごとに道具を持ち替えず、1つの順番で通し切ったからです。慣れると12面で12分ほどになります。1面あたり1分の計算です。
| やっていること | 多頭飼いでどうするか | 理由 |
|---|---|---|
| 面ごとに道具を替える | 瞬間消臭スプレー1本で通す | 持ち替えの回数が時間の半分を占める |
| ケージを1台ずつ回る | 面の順番で回る | あいだの4面がどちらにも入らない |
| 週末にまとめて全部やる | 毎日12面を薄く通す | 梅雨は乾くまでの時間が読めない |
| 汚れた面を長く拭く | 先に30秒置いてから拭く | こする時間より、浮かせる時間が効く |
| 2頭を出してから始める | 出す前の5分に入れる | 拭いた面を踏まれる回数が減る |
| 毎日全面を完璧にする | 落ちた番号を翌日の先頭へ | 全部やる日をつくると飛ぶ |
右端の列が、多頭飼いで家でできることの全部です。道具を増やさず、日数を空けず、面の順番だけを固定する。2頭目を迎えた家で最初の梅雨を越えると、この順番はそのまま習慣として残ります。3頭目が来ても、増えるのは面の数と、あいだの床が1本増えることだけです。数え方が同じなら、書き足すだけで済みます。
室内で過ごす時間が長い週ほど、毎日の拭き掃除の重みが変わります。雨で散歩が短くなると、2頭が家の中で行き来する回数が増え、通路の線が濃くなる。梅雨のあいだだけは、増えた4面を朝と夜の2回通す家もあります。そのときも、中の8面は1回のままでかまいません。増やすのは、通行量の増えた面のほうだけです。
今夜できるのは、紙に12の番号を書いて、壁に貼るところまでです。拭くのは明日からで足ります。番号が目に入る場所にあるだけで、2台のあいだの床が最後に回されることがなくなります。1週間ぶんの丸がそろったころには、その順番は手が覚えています。
Product
mofuwa 瞬間消臭スプレー
500ml / 2,420円(税込)
香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。
商品ページを見るよくある質問
- 2頭のケージを離して置けば、あいだの4面は増えませんか。
- 離すと、あいだの床と通路の2面は薄くなりますが、消えません。2頭は離れていても行き来するので、線が長くなるぶん、拭く幅が増えることもあります。水皿と敷居は置き方で減らせます。皿を2つに分けて、それぞれのケージの前に置けば、並んで飲む面はなくなります。ただし多頭飼いでは、2頭が同じ場所で飲むこと自体に意味がある時期もあるので、面の数だけで決めないでください。数えるのは、減らすためではなく、抜けないようにするためです。
- 梅雨のあいだ、ケージの中まで毎日拭くと湿っていきませんか。
- 拭いたあとに水分を残さなければ、湿りは積み上がりません。順番のほうで調整します。奥から手前、上から下へ通すと、最後に拭いた面から順に乾いていくので、次に入るまでの時間が乾かす時間になります。逆に、面をあちこち飛んで拭くと、乾きかけた面にもう一度触れることになります。梅雨の週に気をつけるのは回数ではなく、同じ面に二度触れない順番のほうです。
- 1頭のときに使っていた拭き掃除の手順は、そのまま使えますか。
- 手順そのものは使えますが、回り方だけ変えます。1頭のときはケージを1台やり切れば終わりでしたが、2台になるとその回り方があいだの4面を落とします。面に番号をつけて、番号の順に通す形へ組み替えてください。中身は同じで、並べ替えるだけです。2頭目を迎えた最初の1週間でこれをやっておくと、そのあと何年か続く形になります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
