C08季節・行事
予約が取れない月、家でどこまでやるか|任せる部分と自分でやる部分
受付で次の枠を聞いたら、いちばん早い日が3週間先だった、という月があります。気温が上がり始めると、短くしてほしいという依頼が同じ時期に集まるので、トリミングの台に乗れる日は先へ押し出されます。責める相手はいません。1人が1日に仕上げられる頭数には上限があるからです。困りごとの中身は、予約が取れなかったことではなく、間隔が21日伸びたその21日を、何もしないまま渡してしまうことのほうです。この記事では、伸びた日数を数えて、サロンに任せる工程と家でやる工程を分けます。
軸1・間隔が何日伸びたかを数える|トリミングの予約が押し出される時期
予約が取れない月にまずやることは、別の店を探すことでも、キャンセル待ちに名前を入れることでもありません。何日伸びたのかを、日数の形で出すことです。トリミングを6週で回していたつもりが、実際には9週になっていた。この差の21日が、この記事のあいだじゅう出てくる数字になります。
トリミングの枠が埋まる時期は、毎年ほぼ同じところに来ます。気温が上がり始め、換毛期と重なり、短くしてほしいという依頼が集中します。1人のトリマーが1日に仕上げられる頭数は決まっているので、枠は先のほうから埋まります。予約が取りにくくなること自体は毎年くり返す条件で、その年だけの事情ではありません。毎年くり返すなら、こちらも毎年同じ手を先に打てます。
| 数えるもの | 書き方 | 例 |
|---|---|---|
| 前回、台に乗った日 | カレンダーに丸を1つ | 起点 |
| 決めていた間隔 | 6週なら42日 | 42日 |
| 実際に台に乗る日まで | 電話をかけた日ではなく、台に乗る日で数える | 63日 |
| 伸びた日数 | 実際の日数から、決めていた間隔を引く | 21日 |
| 家で手を入れた日数 | 背中でも足先でも、1分でも触れた日を数える | 21日のうち何日か |
最後の行が、この記事の答えを決めます。伸びた21日のうち、家で手を入れた日が3日なら、その子にとっては21日ぶんまるごと間隔が伸びたことになります。18日なら、伸びたのはサロンの工程だけで、毎日の工程は途切れていません。同じ21日でも、その子の毛の上に起きたことは別物です。予約が取れなかったという事実だけを見ていると、この差は最後まで見えません。
軸2・サロンの台の上でしかできないこと|家に残る工程を3つの条件で分ける
工程を分ける条件は3つです。戻せるか、道具の先がその子の体に近いか、毎日必要か。この3つを当てはめると、任せる側と家でやる側がほぼ自動的に決まります。
- 戻せるか:刃を入れて短くしたものは、その日のうちには戻りません。戻せない工程を、家で練習する場所にはしません
- 道具の先が近いか:目のそば、耳のふち、足の指のあいだ。はさみの先が動く場所は、その子が台の上で固定されているかどうかで結果が変わります
- 毎日必要か:毎日必要な工程は、予約の間隔をどれだけ詰めても埋まりません。4週まで詰めても、28日のうち27日は家の側にあります
3つ目が、いちばん見落とされます。予約が取れないという困りごとは、間隔を詰めれば片づくように見えます。ところが間隔を詰めて片づくのは、1つ目と2つ目の工程だけです。毎日必要な工程のほうは、間隔が4週でも9週でも、家にある日数のほうが圧倒的に多いまま変わりません。予約が取れない月に埋めるべきなのは、詰めても埋まらなかったほうの工程です。
この分け方をすると、サロンへの頼み方も変わります。「短めにしておいてください」ではなく、「次が9週後になるので、その前提でどこを残すか決めてください」と伝えられます。間隔を先に共有しておくと、トリマーの側は残す場所を選べます。足裏の毛は滑らない長さに、目の上は視界に入らない位置に、背中は伸びても絡みにくい高さに。同じ1回の予約でも、伸びた日数を知らせたかどうかで、仕上がりの狙いが変わります。湿度が高い時期に9週空くのか、乾燥する時期に9週空くのかでも、残し方は違ってきます。
任せる4工程と、家でやる3工程を並べる|予約が取れない月のトリミングの比較
7つに分けて、置き場所を決めます。下の表は、伸びた日数が21日だった場合のものです。日数が違えば、右端の欄だけが動きます。
| 工程 | 置き場所 | そう決めた条件 | 伸びた21日での扱い |
|---|---|---|---|
| 毛の長さを変える | サロン | 切ったら戻らない | 待つ。家では刃を入れない |
| 顔まわりと目のそばを整える | サロン | はさみの先がその子の目に近い | 視界にかかるなら、短い枠の空きだけ電話で聞く |
| 足の裏の毛をそろえる | サロン | 滑りに直結する | 床側にマットを足して、次の予約まで持たせる |
| 全身を洗って乾かし切る | サロン | 乾かし切る風量が家にない | 21日のうち1回。予約の直前ではなく中ほどに置く |
| 毎日の表面の汚れを落とす | 家 | 毎日必要。間隔を詰めても埋まらない | 21日ぜんぶ |
| 汚れた場所だけ部分的に流す | 家 | その日のうちに済み、乾かす範囲も狭い | 雨の日と、土の上を歩いた日だけ |
| 日数と、手を入れた日を記録する | 家 | 次の予約を決める材料になる | 毎日1行 |
並べて分かるのは、回数の偏りです。サロン側の4工程は、21日のあいだに合計で1回か2回しか出番がありません。家側の3工程には、21日のうち21回ずつ出番があります。回数で見れば、伸びた間隔のほとんどは家の側に落ちています。予約が取れなかったことで手から離れたのは1回ぶんで、残りの20日ぶんは、まだこちらの手の中にあります。
表の3行目にだけ、少し説明を足しておきます。足の裏の毛は伸びると床で滑りますが、これは毛の側だけの問題ではありません。滑る側にも手が入ります。廊下と、食器の前と、ソファから降りる場所。この3か所にマットを敷けば、足裏の毛が伸びたままでも次の予約まで持ちます。サロンにしかできない工程でも、別の場所から支えられるものがあります。「サロンの工程だから待つしかない」と決めつける前に、その工程が何のためにあるかまで戻ると、家でできる手が1つ見つかることがあります。
サロン側と家側、先に埋めるのはどっちか|予約が取れない間隔をまたぐ1本
先に埋めるのは家側です。回数が21倍違うからという理由だけではありません。サロンの工程は、21日待てばそのまま実行されます。家の工程は、やらなかった日がそのまま欠けて、あとから取り返せません。間隔が伸びたことの影響を直接受けるのは、家側だけです。
とはいえ、21日ぶん毎日ブラシを持つ、という形にすると3日でやめます。伸びた日数を埋める手は、1分で終わる形でなければ続きません。mofuwaグルーミングスプレーは、その1分の側に置く1本です。散歩から帰ったら、背中と足のつけ根に吹きかけて、手のひらで毛の流れに沿って流します。ブラシを出す気力がない日でも、台所へ行くついでに終わります。
中身はアルカリ電解水で、油となじんで乳化します。予約までの日数が伸びるほど、毛の上には外から乗ったものと、その子自身から出た脂が積み上がります。乳化して浮くのは、この積み上がったほうの余分な脂です。地肌の側に要る脂は残るので、21日続けてかけても、乾きすぎる方向へは進みません。間隔が伸びた月にやりたいのは、1回を強くすることではなく、毎日を欠けさせないことです。
量を数えなくていいことも、21日続けるうえでは大きい部分です。グルーミングスプレーは、規格の面では清涼飲料水に求められる基準を満たしています。背中いちめんにかけても、残量を気にして手を止めずに済みます。猫にも同じ1本が使えます。猫は、そもそもトリミングの予約という枠組みの外にいる子が多く、はじめから家の側だけで回っています。湯を張ること自体が負担になる子には、この一動作で毛の表面を毎日通せる形のほうが、間隔の考え方としても合っています。室温が上がる時期は、猫も自分の毛づくろいに時間をかけなくなるので、背中の真ん中が先に残ります。
サロンに戻る日のことも、この1本で変わります。21日ぶん表面を通してあった子と、通していなかった子では、台の上での作業の入り方が違います。洗う前に落ちているものが多ければ、その日のトリミングは長さを決めることに時間を使えます。予約が取れない月に家でやっていたことは、次の予約の中身に返ってきます。間隔が伸びた月は、次の1回の質を決める月でもあります。
21日のうち18日手を入れても、同じ場所だけにおいが戻る/伸びた日数と関係なく、背中や足のつけ根の一点を1日に何度もなめる/かき分けたときの地肌の色が、前回の予約のときとはっきり違う/触られるのを嫌がる日が、間隔の後半になるほど増える。ここまで来ると、予約が取れたかどうかの話ではなくなります。数えた日数と、手を入れた日数を書いたメモを持って、サロンの枠より先に動物病院の枠を取ってください。何日目から変わったかが日数で言えると、話の始まりを口頭で組み立て直さずに済みます。
次の予約を取るときに持っていく2つの数字|トリミングの間隔を家の日数で決める
次にトリミングの予約の電話をかけるとき、手元にあるのは2つの数字です。今回伸びた日数と、そのうち家で手を入れられた日数。この2つがあると、「6週でお願いします」という頼み方から抜けられます。21日伸びて18日手を入れられた家は、次も9週で回せます。21日伸びて3日しか入れられなかった家は、間隔を詰めるより先に、毎日の側を1分の形に組み直すほうが順番として先です。
| 残すもの | 中身 | 次に使うところ |
|---|---|---|
| 伸びた日数 | 決めていた間隔との差 | 次の枠を何週先まで許容できるかの判断 |
| 家で手を入れた日数 | 1分でも触れた日の数 | 間隔を詰めるか、毎日の形を変えるかの分かれ目 |
| サロンに伝えた前提 | 次が何週後になるか | 残す場所の狙いを、仕上がりに反映してもらうため |
今日できるのは、カレンダーの前回の丸から今日までが何日かを数えて、その横に、手を入れた日の数を書くことだけです。2つの数字がそろえば、次に予約が取れない月が来ても、慌てて別の店を探す前にやることが決まっています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 予約がどうしても取れません。別のサロンを探したほうがいいですか。
- 探す前に、いま通っている店へ伸びた日数を伝えてみてください。次が9週後になると分かっていれば、キャンセルが出たときに声をかける順番や、次回に残す場所の決め方が変わることがあります。店を変えると、毛質と刈り上げの高さの引き継ぎが一度切れるので、最初の1回はどうしても探り合いになります。それでも間隔が3か月近くまで伸びるようなら、依頼が集中する時期を外した日で、年に2回ぶんの枠を先に押さえてしまうほうが早く片づきます。予約を取る作業そのものを、季節の変わり目の前へ動かす、という考え方です。
- 間隔を4週まで詰めれば、家でやることは減りますか。
- 減る工程と、減らない工程があります。毛の長さをそろえる、目のまわりを整えるといった工程は、間隔が短いほど1回あたりの作業が軽くなります。一方で、毎日の表面の汚れは、間隔が4週でも28日のうち27日は家の側にあります。日数の比で見ると、間隔を詰めることで動かせるのは全体のごく一部です。費用も移動の負担も4週ごとにかかるので、間隔を詰める判断は、家の側の1分が実際に続いていることを確かめてからのほうが、無駄になりません。
- 猫を飼っています。トリミングに通っていないと、この数え方は使えませんか。
- 起点を変えれば使えます。猫の場合、台に乗った日にあたるのは、その子が自分で毛づくろいを届かせられなくなった場所が増えた日です。背中の真ん中、しっぽのつけ根、後ろ足のつけ根。この3か所のうち、手で触ったときに毛が寝ていない場所の数を、週に1回数えます。数が増えていく週が続いたら、家の手数を足す合図です。間隔という言葉を、予約と予約のあいだではなく、数えた日と次に数える日のあいだに置き換えると、同じ考え方がそのまま通ります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
