C12Q&A・豆知識
賃貸の退去費用ににおいは影響する?
賃貸の退去でペットのにおいがどう扱われるかは、契約によって違います。だから、この記事では金額も、契約の条項も書きません。書けるのは、退去が決まってからでも間に合うことだけです。間に合うものが1つあります。記録です。入居したときの写真と、いま撮る写真。この2枚があるかどうかで、話し方が変わります。撮るのは床の隅、壁の下のほう、ドアの下。ペットの背の高さに近い、低い位置ばかりです。この記事では、賃貸とペットと退去にまつわる疑問を、8つの問答に分けて書きます。
賃貸の退去で、ペットのにおいは費用に影響しますか
契約によって違います。ペットと暮らせる賃貸でも、契約書に書かれている条件は物件ごとに違い、退去のときに何をどこまで見るかも一律ではありません。だから、この記事では金額の目安も、割合も、契約の条項も書きません。そこを一般論で書くと、自分の契約と食い違ったまま準備を進めることになります。
見るべきものは、手元にあります。自分の賃貸借契約書と、入居のときに受け取った書類です。ペットに関する特約が別紙になっていることもあります。退去の話が出たら、まずその紙を出してきて、該当する箇所を読む。ここが最初の一歩になります。読んで分からないところは、管理会社に文書で確認します。
そのうえで、この記事が扱うのは1つだけです。退去が決まってからでも間に合う、記録の取り方です。部屋の状態は、写真に撮った時点で止まります。言葉で説明しようとすると記憶に頼ることになりますが、写真なら、いつどこがどうだったかが残ります。賃貸の退去で、ペットと暮らしていた側が自分で用意できるのは、ここです。
敷金がいくら戻るか、原状回復の負担がどちらにどれだけ乗るか、特約が有効かどうか。これらは契約の中身と、当事者どうしの話し合いで決まります。記事の側で線を引くと、読んだ人の契約と合わないまま判断させることになります。賃貸の退去について具体的な取り決めを知りたいときは、契約書と、必要に応じて公的な相談窓口をあたってください。ここで書けるのは、部屋の側で自分ができる準備だけです。
退去が決まってから、間に合うものは何ですか
間に合うものと、間に合わないものがあります。退去の連絡をしてから引き渡しまでの期間でできるのは、記録を取ることと、表面の手当てまでです。順番に並べると、次のようになります。
| やること | 間に合うか | 理由 |
|---|---|---|
| 写真を撮る | 間に合います | その日のうちに終わります |
| 換気を毎日入れる | 間に合います | 住んでいるあいだも続けられます |
| 拭き取りをやり直す | 間に合います | 表面に乗ったぶんは動きます |
| 寝床と食器まわりを片づける | 間に合います | 置き場所ごと移せます |
| 布類を洗って乾かす | 日数しだいです | 乾く時間を数えて決めます |
| 床材や壁材に入ったもの | 間に合いません | 入るのに時間がかかったものです |
いちばん下の行だけは、退去が決まってから動かせません。そこは、間に合わないものとして横に置きます。動かせないものに時間を使うより、動かせるものを全部やってから、残った状態を記録するほうが早い。賃貸の退去では、記録が最後まで手元に残る材料になります。
順番としては、①いまの状態を撮る ②片づけと拭き取りをする ③終わった状態をもう一度撮るの3回に分かれます。撮るのが最初と最後の2回あるのは、自分がやった作業を残しておくためです。ペットと暮らしていた部屋を、どこまで手入れして返したかが、あとから見える形になります。
写真は、部屋のどこを撮るのですか
床の隅、壁の下のほう、ドアの下。この3か所から始めます。理由ははっきりしていて、ペットの体の高さがそこだからです。犬も猫も、人の目線より下で暮らしています。体がふれるのも、抜け毛や皮脂が乗るのも、低い位置に集まります。
| 場所 | 何が乗りやすいか | 撮り方 |
|---|---|---|
| 床の隅・巾木ぎわ | 抜け毛と、乾いた皮脂がたまります | 隅が2辺とも入る角度で撮ります |
| 壁の下のほう | 体がふれた跡と、こすれが出ます | 壁と床の境目を横から撮ります |
| ドアの下・枠 | 出入りのたびに前脚が当たります | 開けた状態と閉めた状態の2枚 |
| 寝床を置いていた場所 | 長時間ふれていた面です | 物をどけてから床を撮ります |
| 食器を置いていた場所 | 水と食べこぼしが落ちます | 床と、その奥の壁ぎわも入れます |
| 窓のそばとサッシ | 外を見に来る場所になります | レールの中まで入るように撮ります |
この6か所は、ふだんの掃除でも見落としやすい高さです。立ったままだと視界に入りません。しゃがんで撮ると、自分でも初めて気づくところが出てきます。気づいたら、そこは拭き取りの対象になります。撮る作業と、手当てをする作業は、続けてやると1回で済みます。
湿り気が残っているところは、時間がたつと雑菌が増えて、においの出方が変わっていくと言われています。食器のまわりと、窓のサッシは、水が関わるぶんそこが起きやすい場所です。賃貸の退去に向けて撮るときは、乾いているかどうかも一緒に見ておきます。
あとから見比べられる撮り方は、どうしますか
撮るだけなら誰でもできます。見比べられる形にするには、条件をそろえます。手順は5つです。
-
明るいうちに、照明もつけて撮る
暗い写真は、あとから見たときに何も読み取れません。昼間の時間帯に、部屋の照明も一緒につけます。影で汚れに見えるものが写ると、それはそれで話がややこしくなります。
-
1か所につき、引きと寄りの2枚を撮る
引きの1枚で、部屋のどこかが分かるようにします。寄りだけだと、どの部屋のどの隅か分からなくなります。2枚をセットで残します。
-
部屋ごとにまとめて、順番に撮る
玄関から入って、時計回りに一周する。撮る順番を決めておくと、抜けが出ません。次に撮るときも同じ順番でまわれます。
-
日付が残る形で保存する
撮影日時が記録される設定にしておくか、日付の分かるものを一緒に写します。賃貸の退去で使うなら、いつの状態かが決め手になります。
-
撮り終えたら、その場でバックアップする
端末1台だけに置いておくと、機種変更で消えます。クラウドか、別の場所へコピーします。入居時の写真も、同じ場所にまとめておきます。
入居時の写真と並べるときは、同じ位置から、同じ画角で撮り直します。立つ場所を変えると、比べたときに変化なのか角度なのか分からなくなります。入居時の写真を画面に出しながら、その構図に合わせて撮るのがいちばん確実です。ペットと暮らした年数が長いほど、この一手間が効いてきます。
入居時の写真が残っていないときは、どうしますか
いま撮ります。入居時のものが無いことは、あとから取り返せません。取り返せないものを悔やむより、これから先の記録を始めるほうが早い。賃貸に住んでいる途中の人は、この記事を読んだ日に一度撮っておくと、次の退去のときに材料になります。
- いまの状態を、s3の6か所ぶん撮る:これが手元にある最も古い記録になります
- 入居時の書類を撮る:入居時に提出したチェックシートの控えがあれば、それも記録です
- 契約書のペットに関する箇所を撮る:どこに何が書いてあるかを、自分で確認するためです
- 管理会社とのやりとりは文字で残す:電話で話したら、内容をメールで送って残します
- 退去前の立ち会いの日程も記録する:いつ誰が来たかを書いておきます
3つ目について補足します。契約書を撮るのは、条項を誰かに解釈してもらうためではありません。自分がどの紙を根拠に話しているかを、はっきりさせるためです。ペット可の賃貸には特約が付いていることが多く、退去時の扱いもそこに書かれています。読んで分からなければ、分からないまま管理会社へ質問すればよく、記事の側で意味を決めることはできません。
写真が1枚も無い状態から始めても、退去日までの記録は残せます。片づける前と、片づけたあと。この2回だけでも、自分が何をして返したかは示せます。賃貸の退去で使う材料としては、無いよりはるかにましです。
写真と一緒に残しておくと役に立つ記録は何ですか
写真は状態を残しますが、自分が何をしたかは残しません。そこを埋めるのが、日付つきのメモです。難しく書く必要はなく、その日にやったことを1行ずつ足していくだけで足ります。
| 記録 | 書く内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 換気の記録 | 窓を開けた日と、時間帯 | 住んでいたあいだの手入れとして |
| 拭き取りの記録 | どこを、いつ拭いたか | 表面に手を入れた証拠として |
| 洗った日の記録 | 寝床のカバーなど、洗ったもの | 布類の扱いを説明するため |
| 業者に頼んだ記録 | 会社名・日付・作業内容 | 領収書と一緒に保管します |
| やりとりの記録 | 誰と、いつ、何を話したか | 電話のあとにメールで送ります |
この中で、ふだんから続けやすいのは換気と拭き取りの2つです。帰宅後に窓を開ける、寝床のまわりと食器の下を拭く。賃貸に住んでいるあいだの毎日の手当てが、そのまま記録になります。退去が決まってから始めても、その日からの分は積み上がります。
記録は、相手と争うために作るものではありません。話がかみ合わないときに、お互いが同じものを見て話せるようにするためのものです。賃貸の退去で気持ちがこじれるのは、たいてい記憶と記憶を突き合わせているときです。写真とメモがあれば、そこから先の話し合いは事実の上で進みます。
写真から言えないのは、どこまでですか
ここははっきりさせておきます。においは、写真に写りません。写るのは、色の違いと、跡と、形だけです。賃貸の退去でにおいが話題になったとき、写真だけで結論が出ることはありません。
だから、写真の使い道は限られます。「引き渡した日に、部屋がこの状態だった」ことを示すところまでです。そこから先の判断は、契約書に何が書いてあるかと、当事者どうしの話し合いで決まります。写真があれば費用は請求されませんという読み方はできません。
もう1つ、写真からは分からないことがあります。においが、部屋から出ているのか、その子の体から出ているのかです。賃貸の退去に向けて部屋を片づけていると、ここが混ざります。部屋の側の手当てをひととおり終えても気になるときは、次の見出しの内容を読んでください。
退去に向けた記録の3つに畳む|部屋の話と、体の話を分けるとき
ここまでを畳みます。賃貸の退去でペットと暮らしていた側が自分で用意できるのは、3つです。
| そろえるもの | 中身 | いつやるか |
|---|---|---|
| 最初の写真 | 床の隅・壁の下・ドアの下ほか6か所 | 退去が決まった日に撮ります |
| 作業の記録 | 換気・拭き取り・洗った日のメモ | その日のうちに1行ずつ |
| 最後の写真 | 片づけと拭き取りを終えた状態 | 引き渡しの直前に同じ構図で |
この3つは、契約の中身が分からなくても用意できます。用意しておけば、話し合いの土台がそろいます。賃貸の退去で不安になるのは、自分が何をどこまでやったかを示せないときです。示せる形にしておくと、少なくとも部屋の側の話は前へ進みます。
住んでいるあいだの日々の手当てとしては、香りを重ねないタイプのものを、拭き取りと一緒に使う手があります。無香料の瞬間消臭スプレーのように、床や家具に場所を選ばず使える形のものだと、寝床のまわりや食器の下といった低い位置にも回せます。香りでふたをすると、あとから状態を確かめるときの手がかりが読めなくなります。賃貸で暮らすあいだの、毎日のケアとして使う位置づけです。
体の一部だけがにおう、耳や口のまわりのにおいが前と変わった、皮膚が赤い、同じ場所をなめ続けている、抜け毛の量が急に増えた。部屋の換気と拭き取りをひととおり終えても気になるときは、掃除の手を増やす前に動物病院にご相談ください。賃貸の退去に向けた準備で動かせるのは部屋の側だけで、体の側から来ている変化かどうかは家では切り分けられません。気づいた日付と、どこで何を感じたかを書いて持っていくと、その場で見てもらえます。
Product
mofuwa 瞬間消臭スプレー
500ml / 2,420円(税込)
香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
