C04悩み解決
静電気のケアで、実は逆効果になっている3つのこと
霧吹きを2回、背中に吹いた直後は、立っていた毛がすとんと寝ます。ところが15分後、同じ場所の毛だけが以前より高く立ち上がっています。静電気のケアでやってはいけないことは、この「一度は収まる」手のなかに集まっています。効かない手なら、続ける人はいません。効いたように見えて、そのあとで戻るから、何年も繰り返されます。ここでは、やってはいけない3つを、収まっている時間の長さから見ていきます。
静電気を抑えるやり方として、毛を濡らしていませんか
静電気は、毛と何かがこすれたときに生まれた電気の偏りが、逃げ場を失って毛に留まることで起きます。水は、その逃げ道になります。だから毛を濡らすと、その場では確かに収まります。ここまでは間違っていません。やってはいけないのは、濡らしたあとを放っておくことのほうです。
濡れた毛が乾いていく過程には、水分が減っていく途中に、いちばん帯電しやすい状態を通る区間があります。びしょ濡れのときは電気が逃げ、完全に乾いてしばらくたてば元の状態に戻ります。問題はその間です。表面にわずかな水分が残り、逃げ道としては足りない。この区間を、濡らしたぶんだけ必ず通ります。
しかも、乾く速さは場所ごとに違います。背中の上面は空気に触れているので早く乾き、脇の下や内ももは遅れます。毛の長い部分と短い部分でも変わります。結果として、先に乾いたところから順に立ちはじめます。全体が同じように立つのではなく、まだらに立つ。「片側だけ立っている」「胸のところだけ広がる」と感じるのは、この乾き方の差が出ているだけのことがあります。
毛を濡らす手が続いてしまう理由は、判定するタイミングにあります。吹いた直後を見て「効いた」と決めているので、15分後に立ち上がっていることが、同じ手の結果だと結びつきません。静電気の手を試すときは、直後に毛が寝たかどうかではなく、30分後と、その日の夜にどうなっているかで見てください。
ここから、やってはいけない3つを具体的に見ていきます。3つとも別の道具を使いますが、体に起きていることは同じです。
霧吹き・濡れた手・濡れタオル|やってはいけない3つと、強まる順番
静電気でやってはいけない3つを並べます。左から順に、水の量が多くなります。水の量が多いほど、収まっている時間は長く、そのあと通る区間も長くなります。
| やり方 | 収まっている時間 | そのあとに起きること |
|---|---|---|
| 霧吹きで毛を湿らせる | 1〜3分ほど | 表面のごく浅いところだけが濡れるので、すぐ乾きはじめる。吹いた面と吹いていない面で、立ち方が分かれる |
| 濡れた手でなでる | 3〜10分ほど | 手が触れた線に沿って濡れる。乾いたあと、なでた向きに毛が寝た部分と立った部分が縞になる |
| 濡れタオルで拭く | 10〜30分ほど | 毛の根元まで水が入る。乾くまでの時間が長く、途中で毛が立ちはじめると、寝床や服とこすれる回数がそのぶん増える |
やってはいけない1つ目は、霧吹きです。いちばん手軽で、いちばんよく使われます。ただ、霧吹きが濡らせるのは毛の表面だけで、量としては数分ぶんしかありません。吹いた直後に毛が寝るので効いたように見えますが、そのぶん立ち上がるまでも早い。1日に何度も吹くことになり、吹くたびに、いちばん立ちやすい区間を1回ずつ通します。回数のわりに残らない手です。
2つ目は、濡れた手でなでることです。手を洗ったあとの湿った手で背中をなでる。これも直後は収まります。困るのは、手が触れた線の上だけが濡れることです。乾いたあとに、なでた線に沿って寝た毛と、その両脇の立った毛が縞のように分かれます。同じ面の中で立ち方が違うと、毛どうしがぶつかって、よけいに広がって見えます。
3つ目は、濡れタオルで拭くことです。3つのなかでは、いちばん長く収まります。そのぶん、根元まで水が入るので、乾ききるまでに30分近くかかります。この30分のあいだ、その子は寝床に横になり、抱かれ、服とこすれます。いちばん帯電しやすい状態のまま、こすれる場面を通過していることになります。拭いた直後は落ち着いて見えるのに、夕方になって手がつけられないほど広がるのは、この形です。
3つに共通しているのは、毛の側を濡らして、そのまま自然に乾かしているという一点です。静電気のやってはいけないを1つだけ覚えるなら、ここになります。
濡らすなら、乾かしきるまでを1セットに|静電気のコツ
濡らすこと自体が悪いわけではありません。途中で放すのがやってはいけない形です。散歩のあとに足を拭く、食後に口のまわりを拭く。生活のなかで毛が濡れる場面はなくせません。だから、濡らすと決めたときは、乾かしきるまでを1つの作業として組みます。ここからが代わりの順番です。
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濡らす前に、乾かす道具を出しておく
タオルとドライヤー、あるいは扇風機を、手の届くところに並べてから濡らします。順番を入れ替えるだけで、途中で放す日がなくなります。道具を取りに行くあいだの3分が、いちばん立ちやすい区間に重なります。
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濡らす範囲を、拭く場所だけに絞る
足先を拭きたいなら足先だけ、口のまわりなら口のまわりだけ。広い面を濡らさないほど、乾かしきるまでが短くなります。背中や胸のような面の広いところは、静電気のためにわざわざ濡らさないでください。
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乾いたタオルで、先に水を移す
こすらずに、押さえて水を吸わせます。ここで水分の大半を取ってしまえば、そのあと風を当てる時間が半分以下になります。こするとそれ自体がこすれる場面になるので、押さえるだけにしてください。
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乾きにくい場所から、先に風を当てる
脇の下、内もも、耳のうしろ、指のあいだ。乾く速さの差をなくすことが目的なので、遅れる場所を先に始めます。背中から始めると、背中だけ先に乾いて、まだらに立ちます。
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根元に指を入れて、乾いたか確かめてから終わる
表面が乾いていても、根元が湿っていれば区間はまだ続いています。毛を分けて、皮膚に近いところを指の腹で触ってください。ひんやりしたら、まだ途中です。ここまでで1セットです。
もう一つ、毛の側を触らずに済ませるコツがあります。相手を、毛ではなく触れているものの側にするという手です。着ている服、寝床の毛布、抱くときに腕にかけるもの。こすれる相手を綿の多いものへ入れ替えると、そもそも生まれる量が減ります。濡らす必要がないので、乾かす手間もかかりません。1日のなかで触れている時間が長いものから、1つずつ替えてみてください。
毛を濡らす代わりに、触る側の手を湿らせます。軽く水をつけて、水気をしっかり拭き取ってから毛に触れてください。手が湿っていれば、生まれた電気の逃げ道になります。毛には水が残らないので、乾いていく区間そのものが発生しません。換毛期でブラッシングの回数が増える時期ほど、この差が出ます。
毛が立ったままの日が続くと、その先で困るのは毛玉です。立ち上がった毛どうしは引っかかりやすく、絡んだところに換毛期の抜け毛が入ると、指では開かない束になります。そこまで行くと、選べるのが「切る」だけになります。切った場所は毛の長さが変わるので、生えそろうまで同じところでまた絡みます。mofuwa 毛玉予防ジェルは、そうなる前の毛を1本ずつ覆っておくためのジェルです。手のひらに5プッシュ出して全身に伸ばし、ブラッシングでなじませる。2〜3日に1回で足ります。水ではないので、塗ったあとに乾いていく区間が生まれません。
触り直す頻度を減らす|犬の静電気でつまずく最後の場面
順番を直しても続かない人がいます。つまずくのは、たいてい頻度のところです。立っている毛が気になって、1日に何度も触り直してしまう。犬の静電気で、最後に残るのがこの場面です。
触り直す1回ごとに、手と毛がこすれます。乾いた手なら、そのたびに電気が生まれます。直そうとする動作そのものが、原因の側に回っています。やってはいけない3つを全部やめても、頻度が減らなければ結果は変わりません。
- 触る回数を、1日3回までと決める:朝、帰宅後、寝る前。気づくたびに手を伸ばすのをやめます
- 1回の長さは30秒:長く続けるほど、こすれる量が増えます。短く、回数も少なくが基本です
- 触る前に、必ず手を湿らせる:この一手だけは、回数が減っても省かないでください
- 気になるときは、うるおいの側を見る:部屋の湿りが足りているか、毛先が乾いていないか。毛を触らずに確かめられます
- 2週間、同じ組み方で続ける:頻度を変えた効果は、その日には出ません。朝の毛の立ち方を毎日1枚撮って比べてください
頻度を落とすと、最初の数日は毛が立ったままの時間が増えます。そこで元に戻す人が多いのですが、触り直しをやめてから落ち着くまでに、だいたい3日から1週間かかります。この期間を越えられるかどうかが、静電気のケアで続く人と続かない人の分かれ目です。
触る回数を3回に決めたなら、そのうちの1回を毛の側にあてられます。ブラッシングの前に毛玉予防ジェルを毛先になじませておくと、指やブラシが引っかからずに奥まで入ります。引っかからないぶん、同じ1回でこすれる量が減ります。塗るのは、脇の下、内もも、耳のうしろから。乾きにくくて後回しになる場所と同じところです。濡らしてから乾かす手と違って、待つ時間がありません。手を湿らせて触る30秒と合わせても、1回あたりは1分ほどで終わります。
そして、静電気の話として扱ってはいけない変化もあります。毛が立つのではなく抜ける、地肌に赤みやフケがある、同じ場所をなめ続けている、触ると嫌がる、季節が変わっても戻らない。これらは乾いた空気やこすれでは説明がつきません。当てはまるときは、自己判断せず動物病院にご相談ください。静電気の手を続けながら様子を見る場面ではありません。
静電気のケアで変わるのは、道具を足したときではありません。濡らしたら乾かしきる。触るのは1日3回まで。触る前に手を湿らせる。この3つを2週間続けたころに、朝の毛の立ち方が変わってきます。毎日1枚ずつ撮った写真を並べて、続けられた形だけ残してください。
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よくある質問
- 加湿器で部屋の湿度を上げるのは、やってはいけないことに入りますか?
- 入りません。部屋の空気を湿らせるのと、毛を直接濡らすのは別の手です。空気側は乾いていく区間をつくらないので、続けて構いません。ただ、湿度計の数字が上がっても腕や服とこすれる場面は減らないので、触れているものの素材と合わせて考えてください。
- シャンプーのあとも、同じことが起きますか?
- 同じ区間を通ります。ただ、洗ったあとは必ず乾かすので、途中で放す形になりにくいのが違いです。気をつけたいのは乾かす順番のほうで、脇の下や内ももなど乾きにくい場所を後回しにすると、そこだけ遅れて立ちはじめます。乾きにくい場所から風を当ててください。
- 静電気を防ぐスプレーを使えば、濡らすことになりませんか?
- 水分の量と、そのあと乾かすかどうかで考えてください。全体に吹いて自然に乾かすなら、霧吹きと同じ形になります。使うなら量を絞り、布に含ませて毛の流れに沿って撫でる、根元まで濡らさない、という使い方にしてください。判断に迷うときは、30分後の毛の立ち方で確かめられます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
