C09シーン別・暮らし

在宅ワークの日を楽にする、保護犬・保護猫を迎えた人の毎日の習慣

公開日 2026年7月25日|文=mofuwa編集部

明るく片づいた部屋の床で、静かに伏せている淡いクリーム色の犬
同じ部屋にいる時間が長い日ほど、その子が伏せていられる時間のほうは短くなることがあります。写真:PicsbyFran/Pixabay

在宅ワークの日に、席を立った回数を数えてみたら、午前中だけで14回ありました。飲み物を入れる、洗濯物を回す、宅配を受け取る、次の打ち合わせの資料を印刷する。そのたびに、床にいたその子が顔を上げて、こちらを目で追いました。保護犬・保護猫を迎えて2か月の家では、この14回が全部「人が動いた回数」として、その子の側に積み上がります。在宅ワークは、迎えたばかりのペットにとって、人がずっといる状態です。それは安心できる条件でもあり、同時に、人から離れた時間が一日に一度も来ない条件でもあります。この記事は、仕事中の数時間だけ、こちらが意識してその子を見ない時間をつくる、という話です。在宅ワークの日ほど疲れて終わる保護犬・保護猫の家で、動かせるのは人の側の行動のほうでした。

午前中だけで14回、こちらが席を立っていました|保護犬・保護猫を迎えた家の在宅ワークの一日

その日の記録から書きます。9時に机につき、最初に席を立ったのは9時20分でした。台所で湯を沸かして、戻る。10時前に洗濯機を回して、戻る。10時40分に宅配が来て、玄関まで往復する。11時に印刷したものを取りに行く。数えていたのは仕事の中断の回数のつもりでしたが、書き出してみると、それはそのまま部屋を横切った回数でもありました。午前だけで14回。その14回のすべてで、床にいたその子は顔を上げていました。

保護犬・保護猫を迎えて2か月ほど経つと、家の中で移動できる範囲が広がります。うちの場合も、最初の2週間は寝床から出てこなかったのが、1か月を過ぎたあたりから居間の真ん中まで来るようになりました。在宅ワークの日は、その居間にこちらが一日じゅういます。その子が広げた場所と、こちらが仕事をしている場所が、そっくり重なっていました。広がったのはいいことだと思っていたので、重なっていることのほうは考えていませんでした。

気になったのは、在宅ワークが続いた週の夕方でした。仕事を終えて声をかけても、寝床から出てくるまでに時間がかかる日が増えました。出社していた日の夕方は、玄関の音で出てきていたのに、です。その子が何を感じていたのかは、こちらには分かりません。分かるのは、こちらが一日に14回その部屋を横切ったという、人の側の回数だけです。ペットの側の気持ちを想像で埋めるより、数えられるほうを数えることにしました。

Note在宅ワークが悪い、という話ではありません

保護犬・保護猫を迎えた家で、人が家にいる時間が長いことは、多くの場面で助かります。ごはんの間隔を細かく分けられますし、トイレの様子も見られます。問題は在宅ワークそのものではなく、在宅の日には「人がいない時間」という条件が一日に一度も作られないことのほうです。出社の日には自動的にできていた条件が、在宅の日には自動では生まれません。作らないと存在しない、というだけの話です。

人がいる時間と、その子が休める時間は別ものです|保護犬・保護猫に在宅ワークが有利にならない背景

在宅ワークの日は、人の側から見れば条件がそろっています。時間があり、目が届き、何かあればすぐ動ける。保護犬・保護猫を迎えた直後に在宅ワークが重なると、多くの方がここを味方だと考えます。私もそう考えていました。ただ、その子の側の条件は「人が近くにいる」ではなく「人から離れられる時間がどれだけあるか」で決まります。この2つは、同じ部屋の中では逆向きに動きます。

ここで気をつけたいのは、迎える前のことを想像で埋めないことです。以前どんな場所にいたのか、どんな暮らしだったのか、こちらには分かりませんし、推測しても記事にも毎日にも使えません。使えるのは、いまこの部屋に、人から離れた場所と時間がどれだけあるかという、測れる条件のほうです。ペットの過去ではなく、いまの部屋の側を見る。保護犬・保護猫を迎えた家では、この置き換えが効きます。

在宅ワークの日に、人の側の行動と、その子の側で観察できること
人の側の行動その子の側で観察できること数えるなら
席を立って台所へ行く顔を上げて目で追う。距離によっては立ち上がる立ち上がった回数
部屋の中を通り抜ける寝ていた姿勢が崩れ、伏せ直す同じ場所に戻るまでの秒数
通話で声を出す耳の向きが変わる。寝床から出てくる日がある声を出した時間帯と、出てきた回数
名前を呼ぶこちらへ来る。来たあとにこちらの手が空いていない日がある呼んだのに何もしなかった回数
席に戻るそばに来て、また伏せる伏せてから次に顔を上げるまでの長さ

表の右端を1週間ぶん並べると、在宅ワークの日には「伏せてから次に顔を上げるまで」がいちばん短いことが分かりました。出社の日は留守番なので、そもそも数えられません。つまり、その子がまとまって伏せていられる長さは、こちらが部屋にいる日のほうが短くなっていた、ということです。ペットの側に何かが起きているのではなく、こちらが14回動いたぶん、そこで切れていました。

保護犬・保護猫の家でよく言われるのは「慣れるまでそっとしておく」です。この言い方は正しいのですが、在宅ワークの日には実行が難しくなります。同じ部屋で仕事をしていると、そっとしているつもりでも、人は一日に何度も立ち上がるからです。そっとするかどうかは気持ちの問題ではなく、席を立つ回数と通り道の問題でした。だから、気持ちのほうではなく、時間割のほうを変えます。

仕事中の2時間を、こちらが見ない時間として先に決める|在宅ワークとペットの時間の組み方

やったことは1つです。午前10時から12時までを、こちらが席を立たない時間、その子を見ない時間として先に決めました。その子に何かをさせるのではなく、人の側の行動を止めるだけです。保護犬・保護猫を迎えた家で、その子に「休んでいい」と伝える方法をこちらは持っていません。持っているのは、こちらが動かないという行動のほうです。手順にすると5つになります。

  1. 前の日のうちに、2時間ぶんの用事を机の上へ移しておく

    水筒、充電器、その日に使う資料。席を立つ理由を、前の日のうちに机の上でつぶしておきます。洗濯機を回すのも、宅配の受け取り希望も、この2時間の外へ置きます。在宅ワークで席を立つ回数は、決意ではなく前日の配置で決まりました。当日に我慢しようとすると、3日でやめることになります。

  2. その子が使える場所を、人の通り道から1つ外す

    居間の真ん中に寝床があるなら、壁ぎわか、こちらの視界に入らない位置へ1つ増やします。今ある場所を取り上げるのではなく、選べる場所を足すだけです。保護犬・保護猫を迎えた家では、その子が自分で選んだ場所を動かさないほうが確実です。増やした場所を使うかどうかは、その子が決めます。使わなくても、こちらの側の条件は変わりません。

  3. 2時間のあいだは、名前を呼ばない・目を合わせない・通り道を変えない

    この3つだけです。ペットの側に何かを求めるものは1つもありません。目が合ったときに反応しない、というのは冷たいようですが、反応しないと決めておくほうが、その子にとっては読みやすい2時間になります。在宅ワークの日にこちらが不規則に反応すると、いつ動くかがこちらの都合で決まってしまいます。

  4. 2時間が終わったら、こちらから1回だけ声をかける

    終わりを、その子ではなくこちらが決めます。12時になったら名前を呼んで、そこで初めて触ります。始まりと終わりが決まっている時間は、回数を重ねるほど短く感じられるようになります。保護犬・保護猫の家で、こちらが決められることは多くありません。この2時間の始まりと終わりは、数少ないこちらの持ち分です。

  5. その日いちばん長く伏せていた時間を、1つだけ書く

    紙に日付と数字を1つ書くだけで足ります。20分、35分、1時間。数えるのは触った回数ではなく、触らなかった時間のほうです。在宅ワークとペットの記録は、やったことを書くと増える一方になります。1日1つに絞ると、3週間ぶんが1枚に収まります。

5つのうち、いちばん効いたのは1つ目でした。前の日のうちに机へ物を移しておくと、当日の午前は席を立つ理由がなくなります。逆に、いちばん効かなかったのは2つ目です。場所を足しても、うちの場合はしばらく使いませんでした。使わなかったからといって外す必要はありません。在宅ワークの日に、その子が選べる場所が1つ増えたという条件だけが残ります。ペットの側の反応で判断すると、条件のほうまで捨てることになります。

Point見ない時間は、朝いちばんに置かない

起きてすぐの時間帯は、ごはんとトイレと、その日の様子を見る時間にあてたいところです。見ない2時間は、そこから2時間以上あとに置くほうが続きました。在宅ワークの日程でいえば、10時から12時か、14時から16時のどちらかです。保護犬・保護猫を迎えて日が浅いうちは、午前と午後で1回ずつではなく、まず1回だけにします。ペットの側の条件を変えるのではなく、人の側の予定を1つ作るだけなので、増やすのはあとからで間に合います。

3週間で減ったのは、こちらが席を立つ回数のほうでした|在宅ワークとペットの毎日に残ったこと

3週間つづけて、紙に残ったのは日付と数字だけです。数字は「その日いちばん長く伏せていた時間」で、1週目は20分前後でした。2週目は40分前後、3週目には1時間を超えた日が2日ありました。ただし、この数字はその子が変わった証拠ではありません。同じ紙に書いていた「午前に席を立った回数」が、14回から6回に減っています。動かなくなったのはこちらのほうでした。

3週間で、在宅ワークの日に紙へ残った数字
見ない時間午前に席を立った回数いちばん長く伏せていた時間
1週目決めていない14回20分ほど
2週目10時から12時9回40分ほど
3週目10時から12時(14時台も試した日あり)6回1時間を超えた日が2日

在宅ワークの日にもう1つ変えたのは、ケアの回数です。一日じゅう家にいると、思いついたときに何度でも触れてしまいます。保護犬・保護猫を迎えた家では、触られることに慣れているとは限りませんから、回数が増えるほど、その子の側の許容が先に尽きます。そこで、在宅の日のペットのケアは1日1か所と決めました。月曜は口の周り、火曜は前足、水曜は背中、木曜は耳の外側、金曜は寝床の布。1か所につき30秒です。

その30秒に使っているのが mofuwa スキンケアミストです。曜日の中でいちばん短いのは月曜で、口の周りは、迎えて2か月の子がまだ数えられる回数しか許してくれない場所です。ここに置いたものは、30秒のあいだにその子の舌が届きます。中身が電解水100%であることは、この家では安全側の説明というより、あとから拭き取る工程を作らなくていい理由のほうです。コットンに1、2回とって、上唇の外側を毛の流れに沿って一往復。取りにいく手順が残らないので、そこで手を離せます。においを取りにいくためではなく、短い時間で終えて、その子から離れるための道具として使っています。在宅ワークの日は時間があるぶん、丁寧にやろうとして長くなりがちです。長くなるほど、見ない時間をつくった意味が薄くなります。終わりが決まっている30秒のほうが、保護犬・保護猫の家では回りました。

最後に、切り分けておきたいことがあります。伏せている時間が急に増えた、呼んでも起き上がらない日が続く、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、食べる量が落ちた、水を飲む量が明らかに変わった。こうした変化は、在宅ワークの時間割の話ではありません。見ない時間をつくったせいでもありません。1つでも重なっているときは、ケアの回数を調整する前に動物病院にご相談ください。迎えて日が浅い家では、どこまでがふつうなのかを決める材料がそもそも足りません。迷ったときは早いほうを選んで構いません。

在宅ワークは、保護犬・保護猫を迎えた家にとって、時間が取れるという意味では確かに有利です。ただ、有利なのは人の側の条件で、その子の側では「人がいない時間が一日に一度も来ない」という別の条件が同時に生まれます。作れるのは、こちらが席を立たない2時間だけです。その子に何かをさせる必要はなく、ペットの気持ちを言い当てる必要もありません。在宅ワークの日に、人が動かない時間を1つ作る。保護犬・保護猫との毎日で、こちらの側から動かせるのはそこでした。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。