C03使い方・お手入れ手順
高齢の飼い主が無理なくできる手順
10キロの12歳を浴室で洗った日、手を往復させた回数を数えたら、洗うだけで280回、すすぎを入れて410回でした。74歳の手で410回です。翌日に肩が上がらなくなったので、次の月から数える対象を時間から回数に変えました。高齢の飼い主が無理なくできる手順を組むとき、先に決めるのは所要時間ではありません。その日に手を何往復させるかを数字にしてから、工程の順番を並べ直します。往復を減らす向きに組むと、洗う日そのものは残せます。
洗う日に手を往復させた回数を数える|高齢の飼い主が家でできる範囲の決め方
高齢の飼い主が家でできる範囲を決めるとき、最初に数えるのは手の往復です。時間で考えると「30分なら大丈夫」に見えますが、翌日に残るのは分数ではありません。同じ動きを何度くり返したかのほうです。浴室に紙を持ち込んで、前足を洗うあいだに手を何度行き来させたかを数えてみると、片方の前足だけで20往復を超えていました。
| 工程 | 手の往復 | かかった時間 | 止まった回数 |
|---|---|---|---|
| 四肢(1本あたり20往復) | 80 | 6分 | 1回 |
| 背中と腰 | 70 | 4分 | 0回 |
| 胸とおしり周り | 80 | 6分 | 2回 |
| 顔まわりと耳のうしろ | 50 | 4分 | 1回 |
| すすぎ(全身2巡) | 130 | 9分 | 3回 |
| 合計 | 410 | 29分 | 7回 |
29分という数字だけを見ると、続けられそうに思えます。同じ日の往復は410回で、途中で手を止めたのが7回でした。止まった回数は、肩と指が先に限界に来た合図です。高齢の飼い主の手順を組み直すなら、ここを起点にします。時間を短くする工夫ではなく、往復そのものを別のものに渡す形を探すほうが早く効きます。
なぜ往復が要るのかというと、泡を地肌まで届かせるためです。被毛の上から泡をのせても、地肌には届いていません。だから手でかき分けて、指の腹で往復させます。被毛が厚い子ほど回数が増え、それでも届ききらない場所が残ります。その子の側では、擦られているあいだはずっとじっと耐えている時間になります。往復は飼い主の負担であると同時に、その子の皮膚への刺激でもあります。
ここから先の手順は、その往復を人の手ではなくお湯に渡す形で並べます。使うのは mofuwa 入浴シャンプーです。お湯に溶かすと湯そのものが洗浄液になるので、かき分けなくても全身が均一に浸ります。擦らないのに、擦って泡を届かせるより地肌へむらなく届く。これが往復を減らせる理由で、時短はその結果として付いてきます。
湯を張る・溶かす・浸ける・軽く流す|高齢の飼い主が力を使わない順番
手順は5つです。座る場所を先に作り、湯を張って入浴シャンプーを溶かし、その子を入れて浸け、手を動かすのは前足とおしり周りだけにして、軽く流して終わります。順番で大事なのは、力を使う工程をいちばん先に湯へ渡してしまうことです。溶かす前に手を動かし始めると、往復の数は元に戻ります。
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1|浴室に椅子を持ち込み、座る場所を先に作る
洗い場に風呂用の椅子を置き、座ったまま腕が湯船の縁に届く位置に決めます。立ったまま始めると、途中で座る場所を探すことになり、その往復が1回増えます。手順の1番目を椅子にするのは、あとの工程を全部座ったまま進めるためです。
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2|湯を張って、溶かす
その子の体が肩まで浸かる高さまで湯を張り、入浴シャンプーを溶かします。溶かす量は容器の表示に合わせてください。ここで湯の全体に行きわたらせておくと、あとで濃さを直す手間が出ません。かき混ぜるのは手のひら1枚ぶんの動きで足ります。
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3|入れて、浸けておく
抱き上げて湯に入れ、そのまま浸けます。この時間は手を動かしません。背中も胸も脇も、湯が同じだけ触れています。かき分ける工程がないので、こちらの手は椅子に座ったまま、その子の体を支えるだけになります。浸けておく時間は容器の表示のとおりにします。
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4|手を動かすのは、前足とおしり周りだけ
湯だけでは落ちにくい場所が2か所あります。地面に触れていた足の裏と、おしり周りです。ここだけ手を入れます。数えたら、前足2本で16回、おしり周りで22回、合わせて38往復でした。410回のうち、残したのはこの38回だけです。
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5|軽く流して、タオルは置いたまま使う
すすぎは軽く済みます。泡を落とすための往復が要らないので、上から湯をかけて流すだけです。拭くときは、持ち上げずに床に敷いた布の上へ移して、体の上に置いて押さえます。持ち上げる動きを1回減らすと、腰と肩に残るものが変わります。
この順番にすると、手の往復は38回、途中で止まった回数は1回になりました。29分だった時間は14分です。時間が半分になったことより、翌日に肩が上がることのほうが、続けるかどうかを決めます。高齢の飼い主の手順は、その日にできたかどうかではなく、翌日に同じことができるかで測ってください。
入浴シャンプーには保湿の成分が入っているので、洗ったあとに別の1本を足す工程が要りません。工程が1つ消えると、道具を取りに行く往復も消えます。浴室と脱衣所を行き来する回数は、手の往復ほど数えられていませんが、高齢の飼い主にとってはここも同じ負担です。使うものを湯の中で1つにまとめると、手順の途中で立ち上がる回数が減ります。
足腰が弱って長く立っていられない子にも、この順番は向いています。浸かるだけなので、立っていられる時間の長さが手順の前提になりません。その子が座ったままでも、湯は同じだけ体に触れています。擦る工程がないぶん、こちらが支える力もタオルで押さえるくらいで足ります。
38回のうち、手が止まるのは最後の8回|高齢の飼い主が洗う頻度を決めるときに見るもの
38回まで減らしても、止まる場所は残ります。うちの場合はおしり周りの終わりの8回で、指が開かなくなります。ここで無理に続けると、翌日の分がなくなります。頻度を決めるときに見るのは、洗った日数ではなく、この止まり方です。
| 止まった場所 | 何が先に来ているか | その週の頻度 |
|---|---|---|
| 最後の8回で指が開かない | 握る力のほう | おしり周りを翌日に回して、浴室は同じ間隔で |
| 浸けている途中で腕が下がる | 支える腕のほう | 湯の高さを下げて、支える時間を短くする |
| 入れる前の抱き上げで止まる | 持ち上げる動きのほう | 浴室の回数を減らし、桶で足だけの日を増やす |
| 同じ日に2回とも止まる | その日の体調のほう | その日は流すだけで終わり、翌日に回す |
頻度を先に決めて手順を当てはめると、止まった日に無理が出ます。順番を逆にしてください。38回のどこで止まったかを紙に書いて、次の週の間隔を決めます。毎日やるのは、玄関の桶のほうです。散歩から帰って、家に入る前に足だけ洗う。桶に張ったお湯へ薄めて使う飼い主もいます。分量の目安は容器の表示に合わせてください。足だけなら、往復は前足2本の16回で終わります。
洗う日と洗う日のあいだに、足の汚れを持ち込まない日が並ぶと、浴室を使う日の間隔が空いても汚れがたまりません。高齢の飼い主が手順を続けられるかどうかは、浴室の日ではなく、玄関の日の数で決まります。桶は玄関に出したままにしておきます。しまうと、取りに行く往復が毎日1回ずつ増えます。
止まり方が、こちらの手の側ではなくその子の側から来ていることもあります。いつもは浸かっている子が、湯に入れた瞬間に立ち上がる。おしり周りに手を入れると、毎回そこだけ体をひねる。こうなると往復の数は関係がありません。皮膚の側に理由があると、手順をどう軽くしても同じ場所で止まり続けます。
湯に入れた瞬間に立ち上がる日が3日続く/おしり周りの手を入れる回で、毎回そこだけ体をひねる/浸けたあとに同じ1か所をなめている/毛をかき分けると地肌が赤い、さわると熱い/足の裏の16回のあいだ、足を引っこめ続ける。こうした動きは、手順を軽くしても変わりません。数えた紙を持って動物病院で診てもらってください。38回のうちどの場所の回で止まったのか、それが何日続いているのかを見せれば、往復の数と一緒に伝わります。紙に書いてあるのは回数だけなので、説明を言葉で組み立てる必要がありません。
診てもらったあとに家で続けるぶんも、回数で書き直せます。手を入れない場所が決まったなら、38回から引くだけです。高齢の飼い主の手順で残しておきたいのは、引き算ができる形にしてあることです。工程を言葉で覚えていると、どこを削ればいいのかが分からなくなります。
往復の数を紙に書いておく|高齢の飼い主が来月も同じ手順を使えるコツ
浴室の棚に、往復の数を書いた紙を1枚置いています。前足16回、おしり周り22回、合計38回。止まった回数と日付だけを、洗った日に書き足します。3か月ぶん並べると、同じ38回でも止まる回数が増えていく月が分かります。
| 月 | 浴室の回数 | 1回の往復 | 止まった回数の平均 |
|---|---|---|---|
| 6月 | 月4回 | 38回 | 1回 |
| 7月 | 月4回 | 38回 | 2回 |
| 8月 | 月3回+桶を毎日 | 38回 | 1回 |
8月に浴室の回数を1回減らしたのは、止まった回数が増えたからです。減らしたぶんは玄関の桶で埋めています。被毛の手ざわりは7月と変わっていません。数字を残しておくと、こういう入れ替えを勘でやらずに済みます。来年の同じ月に、同じ手順が使えるかどうかも、この紙の側から判断できます。
続けるコツは、往復の数を減らしたあとに増やし直さないことです。手順が軽くなると、その日は余力が出ます。余った力で顔まわりを足したくなりますが、そこを足した月は、次の月の止まった回数が増えていました。余力は使い切らずに、翌日へ残しておいてください。
今日やれるのは、浴室に椅子を1つ置いて、桶を玄関に出しておくところまでです。数えるのは次に洗う日からで足ります。
Product
mofuwa 入浴シャンプー
400ml / 3,410円(税込)
浸かるだけで洗える入浴タイプ。「泡立て・ごしごし・すすぎ」の3手間を省けるので、高齢のペット・大型犬・多頭飼いのご家庭に向いています。
商品ページを見るよくある質問
- 数えるのが面倒です。往復の回数は、だいたいで構いませんか。
- だいたいで構いません。1回の工程で10回を超えているかどうかが分かれば足ります。厳密な数より、月ごとの並びのほうに意味があります。数えるのが続かないときは、往復ではなく「途中で手を止めた回数」だけにしてください。止まった回数は覚えていられる程度の数字で、しかも体のほうから出てきた数字です。洗い終わってから、指を折って思い出すだけでもかまいません。高齢の飼い主の手順では、数える手間そのものを工程に足さないほうが続きます。
- 大型犬だと湯船に入れるのが大変です。抱き上げる工程は減らせますか。
- 湯船まで運ぶ工程を切り離してください。浴室の床にすべり止めを敷いて、その子を歩いて入れます。湯は洗い場で使える深めの容器に張って、足腰から順に浸けていく形にすると、抱き上げる回数が0になります。全身が同時に浸からないので、前半と後半で2回に分けます。分けたぶん時間は伸びますが、持ち上げる動きは消えます。大型犬では、往復の数より持ち上げる回数のほうが先に限界に来ます。数えるのはそちらに替えてください。
- 猫にも同じ順番で使えますか。湯に入るのを嫌がります。
- 嫌がる子を湯に入れる手順は組まないでください。猫では、浴室ではなく玄関の桶までにしておくほうが現実的です。足の裏だけをお湯に浸けて、あとは布で押さえます。それも嫌がるなら、水を使う工程はやめて、洗う日と洗う日のあいだのケアに寄せます。猫は自分で毛づくろいをするので、人の手が入る場所は犬より少なくて足ります。高齢の飼い主にとっても、追いかけて捕まえる工程が入る手順は、往復の数以上に負担が大きくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
