C03使い方・お手入れ手順
家族で分担するケアの決め方
冷蔵庫の横に7行の紙を貼って1週間、背中の行には丸が12個つき、足先と耳のうしろの行は空欄のままでした。手が2つある家なので、1人でやっていたときより回数は増えています。それでも触られた場所の数は増えていませんでした。家族でケアを分担するときに数えるものは、誰が何回やったかではなく、7か所のうち何か所が1週間ゼロだったかです。空欄の出方には型があり、型ごとに割り直す軸が変わります。
1週間の紙で、空欄のままだった部位を数える|家族でケアを分担する前の目安
家族でケアを分担するかどうかを決める前に、1週間だけ記録を取ります。縦に体の7か所、横に7日ぶんの日付を書いた紙を、通り道の壁に貼るだけです。触った人が、触った場所のマスに丸を1つ書きます。うまくやろうとしなくてかまいません。むしろ、いまのやり方をそのまま1週間続けたほうが、あとで見る意味があります。
| 部位 | 丸の数 | 書いた人 | 読み取れること |
|---|---|---|---|
| 背中 | 12 | 2人とも | 同じ場所を、同じ日に2回やっている |
| 腰の上 | 6 | 2人とも | 背中のついでに手が動いている |
| 胸 | 4 | 1人だけ | 抱き上げる人の手だけが届いている |
| 前足のつけ根 | 2 | 1人だけ | ブラシを持った日だけ入っている |
| おしり周り | 1 | 1人だけ | 気づいた日に、その場で片づけている |
| 足先 | 0 | — | 玄関で見ているが、手は入っていない |
| 耳のうしろ | 0 | — | 毎日見えているのに、1週間ふれていない |
丸の合計は25です。1人でやっていた月の記録が16だったので、回数は増えています。増えていないのは、触られた部位の数のほうです。7か所のうち2か所が1週間ゼロで、そこは前の月も同じく空欄でした。家族の手が増えて伸びるのは回数で、空欄はそのまま残ります。目安はここに置きます。空欄が3か所以上あるなら、分担のしかたを組み替える段です。0か所か1か所なら、いまの形を変える必要はありません。
紙は1週間で捨てません。ここから先の切り分けは、この1枚に書かれた空欄の位置だけで進みます。家族のだれに聞いても、自分がどこを何回やったかは覚えていません。「毎日やっている」と「ほとんど触っていない」が同じ部位について同時に出てくるのが普通です。紙があると、その食い違いを人の記憶の側で解く必要がなくなります。
丸が重なる場所と、空くままの場所|家族の分担が崩れていくサイン
空欄の出方は、4通りに分かれます。どれに当たるかで、次にやることが変わります。うちは下の表のAとDが重なっていました。1つに決まらない家も多いので、当てはまる行が2つあるならその2つとも見てください。
| 型 | 紙の見え方 | サイン | 止めているもの |
|---|---|---|---|
| A | 空欄が足先・耳のうしろ・おしり周りに集まる | 立ったまま届く範囲だけに丸がある | 体勢 |
| B | 空欄が特定の曜日の列にそろう | その人の帰宅が遅い日だけ、縦に空く | 時刻 |
| C | 丸は毎日あるのに、背中の行だけ重なる | 2人が同じ日に同じ場所をやっている | 言葉 |
| D | 丸が1人の行にしか並ばない | もう1人は1週間で1回か2回 | 道具の置き場 |
この4つに、やる気や性格の話は入っていません。家族の分担が続かない家ほど、原因を人の側に置いて説明しがちです。ところが紙を見ると、空欄は人の列ではなく部位の行に並びます。立ったまま手を伸ばせば背中と腰には届き、足先と耳のうしろには届きません。これは2人でも3人でも同じで、手の数を増やしても解けない種類の空欄です。
Cの型がいちばん気づかれません。丸の数だけ見れば毎日ケアができている家で、紙をつけるまでは誰も困っていません。「気になったところをやる」という決め方だと、2人とも同じ目立つ場所を選びます。背中は面積が広く、毛の乱れが見えやすく、その子も嫌がりません。だから2人が別々に選んで、同じ日に重なります。
Dの型は、道具のしまい場所を聞けばすぐ分かります。洗面台の上の棚、寝室の引き出し、いつも持ち歩くかばんの中。しまってある場所が1人の生活の中にあると、もう1人は取りに行くところから始めることになります。取りに行く手間は、1日3分のケアには重すぎます。その子の体の話ではなく、家の中の距離の話です。
空き方が4通りあるので、当てる手も4通り|家族のケアの分担を組み替えるチェック
型ごとに、割り直す軸が違います。人の名前で割るのをやめて、体勢・時刻・言葉・置き場のどれかで割ります。4つ全部を同じ週に動かさないでください。1つ変えて1週間、紙の空欄がどう動いたかを見てから次へ進みます。
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Aの家|届かない部位だけを、別の体勢に切り出す
立ったまま入れる背中と腰は、いまのままで置いておきます。足先と耳のうしろは、床に座るか膝にのせないと手が入りません。この2か所を「座ってやる係」として切り出し、座れる時間がある人に渡します。部位を均等に割るのではなく、体勢の違うものだけを分けるという割り方です。
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Bの家|人ではなく、時刻に部位を貼る
紙の横軸を曜日から時刻に変えます。帰宅してすぐの3分に足先、寝る前に背中と耳のうしろ、と決めます。その時刻に家にいる人がやるので、担当者の名前は書きません。帰りが遅い日の縦の空欄は、これで埋まります。
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Cの家|1日1部位に、丸は1つまで
重なりを止めるには、決め方の言葉を変えます。「気になったところ」をやめて、部位の名前で指定します。紙の同じマスに丸が2つ書かれていたら、2人目は隣の行へ移ります。ケアの総量は変えずに、当たる場所を横へずらすだけです。
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Dの家|道具を、2人が毎日通る場所に出しておく
しまう場所を1人の生活の中から出して、廊下の棚や玄関のそばへ移します。出しっぱなしに見える置き方のほうが、家族の分担では続きます。取りに行く距離が0になった時点で、1週間に1回だった人の行に丸が並び始めます。
うちが最初に動かしたのはDでした。洗面台の上に置いていた mofuwa グルーミングスプレーとブラシを、廊下の棚のいちばん手前に移しただけです。家族で使うものは、しまうほど1人の担当になっていきます。吹きかけてブラシを通すだけで済む形なので、置き場所が変われば、通りがかりにもう1人の手が入るようになります。
分担でいちばんそろわないのは量です。人が変われば、吹きかける回数も、手のひらにとる量も変わります。グルーミングスプレーの中身は電解水で、飲料の水に求められる規格の基準を通したものです。塗ったあとにその子がなめる前提でつくられているので、量の多い少ないを家族のあいだで合わせなくて済みます。そろえるのは量ではなく、どの部位に手を入れたかだけです。犬でも猫でも体からは脂が出続けるので、前の日に丸をつけた部位は、次の日にはまた同じだけ汚れています。全身を洗う日を家族の予定に合わせて毎日つくるのは無理があり、サロンの予約も月に数えるほどです。空いた日を埋めるのは、そのとき家にいた人の手になります。
猫がいる家では、押したときの音が家族の人数ぶん増えます。同じ音でも、押す強さと距離が人によって違うので、その子の側では別の出来事になります。猫用 mofuwa グルーミングウォーターは、音を嫌がるという声を受けて容器を霧の出ない形に替えた1本です。押しても音が鳴らないので、誰の手で使われても、その子に届くものが変わりません。犬の記事でよく出てくる「慣れさせる」という段が、猫では人数ぶん増えるところを止められます。
2週間、同じマスが空いたままだったとき|家族の分担を止めているものを体の側から見る
軸を1つ変えても、同じマスが2週間空欄のまま動かないことがあります。そのときは割り方の話をいったん置いて、その部位そのものを見てください。空欄は、届かないから空くとは限りません。手を伸ばすと、その子のほうが先に場所をずらしているために空いていることがあります。
- 触ろうとすると立ち上がる:足先と耳のうしろで多い動きです。届かないのではなく、届く前に移動されています
- その1か所だけをなめている:家族の誰かが「そこはいつもなめてる」と言っていた場所が、紙では空欄になっていることがあります
- 毛が固まって、指が地肌まで入らない:ブラシが通らないので、やった人が無意識にとばしています
- さわると熱い、毛をかき分けると皮膚が赤い:空欄が続いた場所に出ていると、順番が逆になっている可能性があります
2週間の紙で同じマスが空いたまま/その部位だけを長くなめている/毛が固まって地肌まで指が入らない/さわると熱い、毛をかき分けると赤い/家族の何人がやっても、その1か所だけ手が止まる。こうした空欄は、分担の割り方では埋まりません。皮膚の側に理由があると、誰が担当してもその場所は避けられ続けます。紙を持って動物病院へ行き、その部位がどの週から空欄になったかを見せてください。7か所のどこが、何日ぶん空いているのかが紙1枚で伝わるので、家族の誰が付き添っても同じ説明ができます。
紙を持っていく意味は、もう1つあります。家族のあいだで話がずれるのは、たいてい「いつからか」の部分です。気づいた人の記憶では3日前、別の人の記憶では2週間前になります。紙の空欄は日付の列に並んでいるので、その食い違いを持ち込まずに済みます。診てもらったあとに家で続けるケアも、戻る先のマスが決まっているぶん、そのまま分担に落とせます。
空欄が7か所から2か所になった月|家族のケアの分担が続く紙の置き方
道具の置き場を変えた月の紙は、丸の総数が28で、空欄は2か所でした。前の月と比べて丸は3つしか増えていません。動いたのは空欄の数です。足先に丸が4つ入り、耳のうしろに2つ入り、代わりに背中の重なりが12から8に減りました。総量はほとんど同じで、当たる場所が横へ広がったということです。
| 月 | 変えた軸 | 丸の総数 | 空欄の部位 |
|---|---|---|---|
| 1か月目 | 何も変えず記録だけ | 25 | 2か所 |
| 2か月目 | 道具の置き場(D) | 28 | 1か所 |
| 3か月目 | 座ってやる係を切り出す(A) | 27 | 0か所 |
3か月目で空欄が0になったあとも、紙は貼ったままにしています。毎日のケアの形そのものは、1か月目から何も変えていません。家族の分担は、決めた形から崩れるのではなく、紙をやめた月から崩れます。1週間つけて空欄を数え直すだけなら、書く手間は1日に数秒です。丸の数が増えた月より、空欄が減った月のほうを覚えておいてください。
今夜書けるのは1行だけでかまいません。7か所の名前を紙に書いて、通り道の壁に貼るところまでです。誰がやるかの相談は、1週間ぶんの空欄が並んでからにしたほうが早く終わります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 家族が3人以上いる家でも、紙は1枚でいいのでしょうか。
- 1枚のままにしてください。人数ぶんに分けると、自分の紙の空欄しか見えなくなります。7か所の行に丸が集まっているかどうかが見たいものなので、誰が書いた丸かは色や印で分ければ足ります。3人いる家で起きやすいのは、背中の行に3人ぶんの丸が重なり、足先と耳のうしろが空欄のまま残る形です。手が3つあっても届く範囲は同じなので、空欄の数は2人の家と変わりません。人数が増えたときに割り直すのは部位ではなく、座ってやる係のような体勢の違うものです。
- 丸を書くのを忘れる家族がいます。記録が抜けた週はやり直しですか。
- やり直しません。忘れた日の空欄と、やらなかった日の空欄は、紙の上では同じに見えますが、1週間まとめて見れば区別がつきます。書き忘れなら、その人の丸が別の部位には並んでいるはずです。どの部位にも丸がない週が続く人がいるなら、それは記録の問題ではなく道具の置き場の問題に寄っています。紙を書く手間を減らしたいときは、丸ではなく縦線1本にしてかまいません。数えるのは形ではなく、空欄のマスの位置です。
- 犬と猫が両方いる家では、紙を分けたほうがいいですか。
- 分けてください。同じ7か所で数えると、猫の耳のうしろと犬の足先が同じ行に並んでしまい、どちらの空欄なのか分からなくなります。紙を2枚にして、猫のほうは行を少なくします。猫は自分で毛づくろいをするので、家族の手が入る場所が犬より少なくて済みます。そのぶん、空欄が3か所あっても慌てなくて大丈夫です。見るのは空欄の数そのものより、先月と比べて位置が動いたかどうかです。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
