C03使い方・お手入れ手順
子どもに手伝ってもらう手順
夕食のあと、6歳が背中を10回なでてから手を止めずに11回目へ進んだので、こちらが「10」と声に出して数え直しました。子どもにケアを手伝ってもらうとき、渡し方でいちばん効いてくるのは場所でも道具でもなく、回数です。大人の手のひらは背中の真ん中から腰まで一度で通りますが、6歳の手では3回に分かれます。同じ「ひとなで」という言葉で渡すと、進む面積が3分の1になったまま気づかれません。子どもが手伝うぶんは、1か所と10回だけを数字で渡します。
大人の1回は、子どもの手では3回ぶん|子どもが毎日ケアを手伝うときの前提
子どもにケアを手伝ってもらう前に、手のひらの幅を1回だけ比べておきます。大人の手のひらを犬の背中にのせると、首のうしろから背中の真ん中までがほぼ収まります。6歳の手のひらは、その半分ほどの幅です。同じ範囲を通そうとすれば、手を3回に分けて動かすことになります。ここを合わせずに「背中をなでてあげて」と渡すと、子どもは言われたとおり1回で終えて、実際には背中の3分の1しか手が入っていない、という日が毎日続きます。
| 渡した言葉 | 大人がやった場合 | 6歳がやった場合 | 紙に残る数 |
|---|---|---|---|
| 背中をなでて | 首から腰まで1回で通る | 首から真ん中までで止まる | どちらも「1回」 |
| 背中を10回 | 10回で腰まで往復する | 10回で真ん中まで進む | どちらも「10回」 |
| 背中の真ん中を10回 | 10回で同じ幅を通る | 10回で同じ幅を通る | 同じ幅・同じ数 |
表の3行目だけが、大人と子どもで同じ結果になります。場所を細かく指定して、回数をそろえたときだけ、渡した手伝うぶんが数の上で一致します。毎日のケアを分けて進めるなら、この形で渡してください。範囲の広い場所を任せるより、狭い1か所を10回のほうが、子どもの手の動く幅に合っています。
もう1つの前提は、終わりの決め方です。大人は毛の状態を見て「もういい」と判断しますが、子どもはその判断の材料を持っていません。だから終わりが来ないか、早く来すぎるかのどちらかになります。被毛の見え方で終わりを決める役は大人に残したまま、回数という形だけを子どもに渡します。10まで数えられる年齢なら、その日から手伝うぶんが成立します。
手に持つのは mofuwa グルーミングスプレーで、吹きかけてブラシを通すだけの1本です。工程が短いぶん、子ども側へ渡せる部分が残ります。その子の体からは毎日脂が出ているので、昨日10回なでた背中も、今日また同じところが汚れています。毎日そこに手が1つ増えるかどうかは、3週間ぶんを並べると被毛の手ざわりの側に出てきます。
1か所と10回だけ渡す|子どもが家でできるケアの手伝う手順
手順は5つです。大人が1回やって見せ、手のひらに出して子どもの手へ移し、声に出して10回数えながら一方向へ動かし、10回で手を離し、同じ1か所を3日続けます。場所を増やすのは、10回が3日そろってからです。座る場所はリビングの床に決めておきます。ソファの上だと、子どもの手の高さがその子の背中より上になり、押す向きの力が入ります。
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1|大人が1回やって、数え方を見せる
首のうしろから背中の真ん中まで、毛の向きに沿って手のひらを滑らせながら「1」と言います。見せるのは手の動きより、声のほうです。子どもはこのあと自分で数えるので、どこからどこまでが1回なのかを、音で覚えてもらいます。往復はしません。戻す動きを入れると、1回が2回に聞こえます。
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2|手のひらに出して、子どもの手へ移す
容器は大人が持ち、大人の手のひらに出してから、子どもの手のひらへ移します。ノズルをその子の体や子どもの手に向けて押すことはしません。移す量は、子どもの手のひらが薄く光るくらいで足ります。液が垂れるほど多いと、10回のうち3回目あたりで手を拭きに行くことになります。
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3|声に出して数えながら、一方向に10回
背中の真ん中の1か所だけを、毛の向きに沿って10回。子どもが自分で数えます。数える声が止まったら手も止まっているので、大人は手を見ずに声を聞いていれば足ります。数と手がずれ始めたら、そこで区切ってかまいません。
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4|10回で手を離して、いったん立つ
10で終わりです。うまくいった日ほど、そのまま次の場所へ進みたくなりますが、11回目に入ると終わりの線が消えます。その子の側でも、10回で終わるものという形が残りません。手を離して立つところまでを、1日ぶんの手伝うケアにします。
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5|同じ1か所を、3日続けてから広げる
翌日も同じ背中の真ん中を10回です。3日そろったら、隣の1か所を足します。背中の真ん中から腰、腰から胸の順で、1回に1か所だけ増やします。増やした場所も10回から始めます。
この手順で子ども側に残るのは、数を数えることと、手を毛の向きに沿って動かすことの2つだけです。力の向きや、どこで終わるかの判断は渡していません。家でできる形にするために削ったのはそこで、代わりに数字を2つ渡しています。子どもが手伝うケアは、任せる範囲を広げるほど続かなくなります。
グルーミングスプレーを子どもの手のひらから使うのは、ノズルを体に向けずに済むからです。中身は電解水で、なめることを先に考えてつくられています。子どもの手についた液をその子がなめても、量を数え直さずに済みます。手のひらに多めに移っても、そのまま10回を続けてください。香りを足していないので、その子の側で確かめるものも増えません。乾いた毛のままブラシを通すと静電気で毛が浮きますが、この1本を通したあとなら、大人が引き受けるブラシの工程もつながりやすくなります。
4回目で立ち上がる日と、20回続けてしまう日|子どもが手伝うケアの回数と頻度
崩れ方は2方向です。10回まで届かない日と、10回を超えていく日。どちらも回数の線が消えたことから起きているので、直す場所は同じです。紙に書くのは、その日の数字1つだけにします。
| その日の数字 | 起きていること | 翌日に変えること |
|---|---|---|
| 4回で立った | 数える声のほうに飽きが来ている | 5回×2に割って、あいだに立つ |
| 数は10、手は3回 | 数だけが先に進んでいる | 数える役を大人に戻す |
| 20回まで続いた | 終わりの線が見えていない | 紙に10と書いて床に置く |
| 7回でその子が動いた | 手ではなく、その1か所の側で起きている | 回数目を書いて、場所を変えずに見る |
頻度の考え方も、ここから決まります。1日に何度もやらせないでください。大人と子どもが別々に同じ背中を10回ずつやると、その日は20回になります。回数を合わせた意味が消えるので、1日1か所10回を家の合計にします。子どもの手が入った日は、大人はその場所をとばして別の場所へ回ります。毎日やるのは10回のほうで、場所を増やす頻度は3日に1か所です。
表のいちばん下の行だけ、直す場所が違います。4回目や7回目という同じ回数目で、毎回その子が体をずらすときは、手の動かし方の話ではありません。子どもの手は大人より軽いので、痛みや熱に先に気づくことがあります。「ここ、あついよ」と言われた場所を、あとで大人が確かめると、毛をかき分けた地肌が赤くなっていることがあります。皮膚の側に理由があるときは、回数を減らしても同じ回数目で止まり続けます。
10回のうち同じ回数目でその子が体をずらす/子どもが「ここ熱い」「ここ固い」と言った場所がある/その1か所だけ毛が固まって、子どもの指が地肌まで入らない/なで終わったあと、その場所だけを長くなめている/3日続けても、同じ回数目から先へ進めない。こうした止まり方は、渡した数字を減らしても動きません。数えた紙を持って動物病院で診てもらってください。10回のうち何回目で止まるのか、その回数目が何日続いているのかを見せれば、子どもが気づいた場所をそのまま伝えられます。付き添う人が大人でも、紙に書いてあるのは子どもが数えた数字です。
診てもらったあとに家で続けるぶんも、数字で渡し直せます。触ってよい場所が変わったなら、1か所と10回の場所だけを書き換えます。子どもに伝えるときは、理由より先に数字を言ってください。「今日は背中じゃなくて腰を10回」で足ります。
数えた数字を、その日のうちに声に出す|子どもの手伝うケアが続くコツ
3週間つづけて変わったのは、子どもの言葉です。「なでた」ではなく「今日は7回で動いた」と言うようになりました。数字で渡したものは、数字で返ってきます。毎日の記録として使えるのはこの一言で、紙に書くのは大人でかまいません。
| 週 | 渡した場所 | 1日の回数 | その週の報告 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 背中の真ん中 | 10回 | 4回で立った日が2日 |
| 2週目 | 背中の真ん中と腰 | 各10回 | 10回そろった日が5日 |
| 3週目 | 背中・腰・胸 | 各10回 | 「7回で動いた」と場所を指した |
回数を数えることの利点は、うまくできた日とそうでない日の差が、子どもの側で言葉になるところです。きれいになったかどうかは、子どもには見えません。被毛の変化を読む役は大人に残しておいて、子どもには数えられるものだけを渡します。ケアを手伝うという言い方も、数字にしてしまえば曖昧さが残りません。
今日渡せるのは、1か所と10回の2つだけです。背中の真ん中を10回、声に出して数えてもらうところまでで、今日のぶんは終わりにしてかまいません。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 何歳から手伝ってもらえますか。10まで数えられない年齢では無理でしょうか。
- 5まで数えられるなら、5回で渡せます。10回にこだわる必要はありません。数字を半分にして、同じ1か所を5回にしてください。大切なのは終わりが数で決まっていることなので、5でも3でも成立します。数えられない年齢の場合は、大人が数える役を持ちます。子どもは手を動かすだけで、「1、2、3」は大人の声で入れます。このやり方でも、手の動く幅が3分の1であることは変わらないので、場所は狭い1か所に絞ってください。
- 上の子と下の子で、同じ場所を手伝いたがります。どう分けていますか。
- 同じ日に同じ場所を2人に渡さないでください。合計の回数が20回になり、そこだけ触られる量が増えます。うちは場所を分けています。上の子が背中の真ん中で10回、下の子が腰で5回です。回数が違っていてかまいません。年齢で揃えるより、それぞれの手のひらが1回で進む幅に合わせたほうが、紙に残る数と実際の幅が一致します。同じ場所をやりたがるときは、日で分けて、今日は上の子、明日は下の子にします。
- 子どもが手伝ってくれた日は、大人は何をすればいいですか。
- 子どもが入った場所をとばして、届かない場所に回ってください。足先と耳のうしろは、床に座るか膝にのせないと手が入らないので、大人の側に残ります。おしり周りも同じです。子どもが背中の真ん中を10回やった日は、大人はそこに手を入れません。毎日の総量を増やすのではなく、手が入る場所の数を増やすのが目的です。子どもが手伝うぶんが増えた週は、大人の手が体の端へ回せるようになっています。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
