C03使い方・お手入れ手順

先住猫と新入り猫のケアの順番

公開日 2026年6月3日|文=mofuwa編集部

明るい部屋のクリーム色のラグの上で、少し離れた場所に伏せている2匹の淡い色の猫
新しい子が来た週にいちばん減るのは、先にいた子にふれる時間です。写真:Huy Phan/Pexels

新入りの子がうちに来て4日目の夜、隔離部屋のドアを閉めたところで気づいたのは、先住猫の背中に3日ふれていなかったことでした。先住猫と新入りのケアの順番は、においがどちらへ動くかという話として語られます。それは半分で、もう半分は手の数の話です。数えるのは、1週間のうち先住猫にふれた日数です。7日のうち3日まで落ちた週は、においの向きを直しても戻りません。順番を先住猫から始めた週は、7日のうち6日が残ります。

においが動く向きは一方通行|先住猫と新入りのケアの手順が決まるところ

先住猫と新入りのケアは、先住猫から始めます。手についたにおいが動く向きを、先住猫から新入りへの一方通行にそろえるためです。逆に回すと、先住猫は自分の場所に知らない猫のにおいが乗った状態で背中をさわられます。順番を決めているのは、どちらが大事かではなく、においがどちらへ運ばれるかです。

手についたにおいが、どちらへ運ばれたときに問題になるか
向き先住猫の側で起きること新入りの側で起きること順番としての可否
先住猫 → 新入り自分のにおいのままケアが終わる家のにおいを先に覚えられるこの向きだけを使う
新入り → 先住猫知らない猫のにおいで背中をさわられる先に済んだぶん落ち着く使わない
同じ日に行き来するドアの前に来て、部屋に入らなくなる人の出入りの回数だけ緊張が続く行き来は1往復までにする
どちらもやらない日ふれた日数の欄が空く隔離期間が長く感じられる先住猫の側だけは埋める

表の3行目が、先住猫と新入りのケアでいちばん見落とされるところです。においの向きに気をつけていても、1日に何度も部屋を行き来すれば、先住猫はドアの前で待つようになります。行き来の回数は、においの向きと同じくらい先住猫の側に届いています。順番を守るというのは、向きを決めることと、行き来を1往復に収めることの2つです。

そしてもう1つ、においの話だけでは出てこない数字があります。新入りが来た週、手が足りなくなるのは新入りの世話のほうです。食事の回数、トイレの確認、部屋の換気。その分だけ先住猫にふれる時間が後ろへ動き、後ろへ動いた日はそのまま空きます。先住猫と新入りのケアで先に落ちるのは、順番でも道具でもなく、先住猫にふれた日数です。

1週間のうち、先住猫にふれた日数がどう動くか 紙に7日ぶんの丸を並べたときの例です。新入りが来た週は、においの向きに気をつけていても先住猫の欄が空きます。順番を先住猫から始める形に変えると、空く日が1日か2日に収まります。 数えるのは、ふれた分数ではなく「ふれた日があったか」の丸の数です 新入りが来る前の1週間 7日 来た週(新入りから先に回した) 3日 順番を先住猫からに変えた週 6日 隔離が終わった週 7日 下限は6日。5日以下が2週続いた週は、新入りの側の並びを短くします
空いた日は翌週にまとめて返せません。1日ずつ埋めるしかない欄です。

紙は1枚で足ります。7日ぶんのますを2段作り、上の段に先住猫、下の段に新入り。ふれた日に丸を書き、部屋を行き来した回数を右端に足すだけです。上の段に丸が6つ並んでいれば、その週の順番は守れています。数字の代わりに丸にしているのは、分数を書き始めると短い日に丸を書かなくなるからです。

先住猫に4分、新入りに4分|先住猫と新入りのケアのやり方

やり方は5つです。先住猫の部屋で4分、手を洗って上着を替え、隔離部屋で新入りに4分、出るときにもう一度手を洗い、紙に丸と行き来の回数を書きます。先住猫の4分を先に置くことと、その日はもう新入りの部屋へ戻らないことが条件になります。

  1. 1|先住猫の部屋で、床に座ってから呼ぶ

    立ったまま近づくと、先住猫は窓ぎわの定位置から動きません。床に座って、こちらの手を膝の上に置いた状態で待ちます。来たら背中と腰の2か所。新入りが来てからの数日は、この2か所だけで足ります。場所を増やすより、毎日同じ2か所に丸がつくほうが先です。

  2. 2|猫用 mofuwa グルーミングウォーターで、先住猫に4分

    毛の根もとまで届くように含ませ、毛の流れに沿って一方向に通します。押しても霧の音が鳴らない容器なので、隣の部屋にいる新入りに音が届きません。猫は自分で毛づくろいをするので、口に入ることが前提になります。中身は電解水で、舐めることを出発点に組まれている1本なので、量を控えながら使う必要がありません。

  3. 3|手を洗い、上着を替えてから隔離部屋へ入る

    手だけでは足りません。先住猫を膝にのせた上着には、胸から腹のあたりに毛とにおいが残ります。上着を1枚替えるのは、においの向きを一方通行にするためではなく、翌日の逆流を防ぐためです。上着は2枚を交代で使い、先住猫用の1枚を隔離部屋に持ち込まないようにします。

  4. 4|隔離部屋では、キャリーの扉を開けたまま4分

    新入りを抱き上げずに、キャリーの中にいる状態で上からの1面だけを通します。出さないぶんふれられる面は減りますが、来て数日の子はこの1面で足ります。ここでも容器の音が鳴らないので、新入りが部屋の奥へ入りません。終わったら扉を閉めずに、こちらが先に部屋を出ます。

  5. 5|ドアの外で手を洗い、紙に丸と行き来を書く

    上の段に丸、下の段に丸、右端に行き来の回数。その日はもう隔離部屋に入りません。食事とトイレの確認は、この4分と同じ出入りにまとめておくと、行き来が1往復で収まります。先住猫と新入りのケアが続いているかどうかは、上の段の丸の数だけで読めます。

この並びで容器の話が2回出てくるのは、先住猫と新入りが壁1枚をはさんで暮らしているからです。猫用 mofuwa グルーミングウォーターは、スプレーの音を嫌がる猫がいるという飼い主からの声が多く集まったことで生まれた1本で、中身は犬猫向けのグルーミングスプレーと同じものに、猫向けの若干のイオン調整を加えています。変えたのは容器のほうです。音が出ない形なので、隔離部屋で使っても、その音が先住猫の側に届きません。

音が届かないことが、この時期だけ大きく働きます。新入りが来てからの2週間、先住猫は隣の部屋で起きている物音をすべて聞いています。プシュッという音が壁ごしに鳴れば、そこで何かが起きていると読み、次にこちらがドアを開けたときには定位置から動かなくなります。翌日の先住猫の4分は、前の日に隔離部屋で鳴った音で決まっていることがあります。

毎日これを続けるのは、猫の皮膚から脂が出るのが新入りが来たかどうかと関係ないからです。2匹とも昨日きれいにした背中が今日また重くなります。猫を洗うのは犬よりも難しく、新入りの子はまだ家に慣れていないので、湯を使う工程はしばらく置けません。それでも毎日きれいにしてあげたいという部分を、2匹ぶん毎日やれる形にしているのがこの1本です。被毛が乾いたままブラシを通すと静電気で毛が浮きますが、先に含ませておけば通しやすくなります。

Point上着2枚とボトル1本で、向きをそろえる

そろえるものは上着2枚だけです。ボトルは1本で足ります。中身が口に入る前提で組まれている1本なので、2匹で分ける理由がありません。分けるのは、体にふれる布の側です。上着、ひざかけ、ブラシ。この3つを2組にして、それぞれの部屋に置いたままにします。1か所にまとめると、間に取りに行く動きが入り、行き来が2往復目に増えます。

時刻は先住猫の側から決めます。新入りの食事の時間は動かせますが、先住猫が窓ぎわにいる時間は毎日ほぼ同じです。その時間の10分前に始めれば、4分と着替えと4分が1往復に収まります。時刻を変える日と、ふれる場所を増やす日を重ねないでください。先住猫が来なかったときに、時間帯のせいなのか場所のせいなのかが読めなくなります。

丸が5つ以下になった週|先住猫と新入りのケアで家でできる数え直し

崩れるとき、先に減るのは上の段の丸です。下の段は新入りの世話と一緒に動くので、埋まったままになります。上の段が5つ以下になった週は、においの向きを直しても戻りません。家でできる数え直しは3つに絞れます。

戻し方は決まっています。全部を組み直すのではなく、上の段の丸が6つ並んでいた週の並びまで戻して、そこから数え直します。場所は背中と腰の2か所に戻し、行き来は1往復に戻す。3週続けて6つ以上が並んだら、そこで先住猫の場所を3か所に増やします。増やす順は、腰から胸、胸から耳のうしろです。

丸がつかなくても、数えなくてよい日があります。新入りを動物病院へ連れて行った日、先住猫の爪を切った日、来客があった日です。こういう日は丸の欄に横線を引きます。あとで見返したときに、順番が崩れたのか、その日の家の側で起きたことなのかを分けて読めます。

もう1つ、丸の数では出てこない崩れ方があります。上の段に7つ並んでいるのに、先住猫が毎回こちらの手を見てから座り直している場合です。ケアの時間そのものは足りていて、足りていないのはその前後の時間です。4分の前に、何もしないで同じ場所に3分座るだけの時間を足すと、手を見る回数が減ります。

Caution丸の欄より先に、体の側に変化が出ているとき

先住猫が、背中の同じ場所だけを長くなめ続けている/毛をかき分けると地肌が赤く、さわると熱い/新入りの毛が根もとで固まって離れない/耳のうしろをこすりつける回数が日ごとに増える/2匹のどちらかが、食べる量と丸の数が同じ週に落ちた。こうした変化は、新しい子が来た緊張だけでは説明がつかないことがあります。皮膚の側に理由があると、順番をどれだけ正しく組んでも丸は増えません。新入りの子は受け入れから2週間のうちに一度、先にいた子と同じ動物病院で体のほうを見てもらう日をつくってください。丸の数と行き来の回数を書いた紙を持っていくと、どちらの子がいつから減ったのかがそのまま伝わります。そのうえで、翌日からは背中と腰の2か所だけを続けます。

隔離が終わったあとに残る並び|先住猫と新入りの毎日のケア

ドアを開けてよくなっても、順番は変えません。先住猫が先、手を洗って上着を替え、新入りがあと。同じ部屋で暮らし始めると、においの向きは自然に混ざりますが、混ざるのは部屋の話で、こちらの手の話は別に残ります。

隔離が終わってから、場所を増やしていく順番
週先住猫にふれる場所新入りにふれる場所その週に数えるもの
1週目背中・腰背中(上からの1面)上の段の丸の数
2週目背中・腰・胸背中・腰2匹が同じ部屋にいた時間
3週目背中・腰・胸・耳のうしろ背中・腰・胸先住猫が先に来た回数
4週目前の週に足の裏を足す耳のうしろブラシを持ち替えた回数
5週目以降増やさず、同じ4か所を保つ背中から前足のつけ根まで丸が7つ並んだ週の数

先住猫の側を4週で止めているのは、増やしすぎると1回が長くなり、忙しい日に丸ごと飛ぶからです。新入りの側が追いついてくるまでは、先住猫の場所を先に増やしません。表の右端が、その週に見る唯一の物差しです。場所の数でも分数でもなく、丸と回数だけを数えます。

1か月たったら、上の段に並んだ丸の数を週ごとに比べてください。6・6・7・7と並んでいれば、先住猫と新入りのケアは2匹ぶんで回っています。新しい子が来て変わるのは飼い主の手の数で、先にいた子の皮膚から脂が出る速さは変わりません。そこがずれたままだと、丸は増えないまま場所だけが増えていきます。

今夜は、床に座って先住猫を待ち、背中と腰の2か所で終わりにしてかまいません。紙は先住猫の部屋の壁に貼っておきます。毎日残っていくのは、ふれた場所の数よりも、上の段に並んだ丸の数のほうです。

Product

猫用 mofuwa グルーミングウォーター

猫用 mofuwa グルーミングウォーター

300ml / 2,970円(税込)

猫のために容器から見直したケアウォーター。拭き取りが要らず、噴射音が出にくいタイプです。

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よくある質問

隔離は何週間必要ですか。そのあいだ新入りにふれてよいですか。
期間は受け入れの状況で変わるので、動物病院で確認した日数に合わせてください。ふれてよいかどうかも同じところで決まります。ふれてよいと分かってからは、キャリーの中にいる状態で上からの1面だけにします。抱き上げるのは、部屋のドアを開けてよくなってからで足ります。1面だけでも、毎日下の段に丸がつけば、被毛の重さは変わってきます。
先住猫が2匹、新入りが1匹です。順番はどうなりますか。
先住猫の2匹を続けて通し、そのあと手を洗って上着を替え、新入りへ回します。先住猫どうしのあいだには着替えを入れません。同じ家のにおいの側なので、行き来の回数を増やす理由になりません。1回のケアは4分・4分・4分の12分になりますが、紙の上の段は2行に分け、どちらの子の丸が先に減るかを見てください。減るのは、たいてい呼ばなくても来るほうの子です。
ボトルは2匹で1本のままでよいのですか。
1本で足ります。中身は口に入ることを前提に組まれているので、毛づくろいで舐めても量を数え直さずに済みます。2匹で分けたくなるのは、においが移ることへの心配からだと思いますが、移るのはボトルではなく、こちらの手と上着のほうです。分けるのはブラシと上着とひざかけの3つで、そこを2組にしておけば、ボトルは持ち歩いてかまいません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。