C09シーン別・暮らし

共働きで時間がない人のための散歩から帰ったあと|5分で終わらせるケア

公開日 2020年9月5日|文=mofuwa編集部

明るい光の入る玄関先で、淡い色の犬が落ち着いて立って待っている
散歩後のケアに手が入るのは、その子がまだ玄関にいるあいだだけです。写真:Leohoho/Pexels

玄関のドアを閉めて、リードのフックを外す。散歩後にまとまった手が入るのは、たいていここから数分のあいだだけです。そのあと部屋に上がると、洗濯機が回りはじめ、夕飯の支度が始まり、その日はもう体に触れません。共働きの家で散歩後のケアが続かないのは、やる気の問題でも、手順を知らないからでもありません。1日の合計が足りないのではなく、連続した数分が玄関にしか残っていない。時間がないと感じているとき、実際に起きているのはそちらです。この記事では、速く済ませる方法ではなく、玄関に何を置いておくかという話をします。

玄関の数分で終わる日と、終わらない日|共働きの家で散歩後のケアが続かない理由

平日の夜、玄関のドアを閉めたところから書きます。リードを外して、フックにかける。その子は水を飲みに行きたがるし、こちらは片手にビニール袋を持ったままです。ここから部屋に上がるまでのあいだが、共働きの家に残っている唯一の、連続した時間です。長くて3分、短い日は1分もありません。散歩後のケアという言葉で思い浮かべる手順は、だいたいこの数分に入るか入らないかで決まります。

部屋に上がったあとのことも書いておきます。上がった瞬間に、その日の残りの用事が一斉に始まります。洗濯機を回す、米を炊く、風呂を沸かす、子どもの支度をする。そのどれもが、途中で手を止めにくい種類の用事です。あとでやろうと思った散歩後のケアは、この列の最後尾に並びます。最後尾に並んだものは、たいてい順番が回ってきません。時間がないというのは、1日の合計が足りないという意味ではなく、この列に割り込めないという意味です。

もうひとつ、部屋に上がると条件そのものが変わります。玄関では、その子は立っています。こちらも立っています。足の裏はまだ室内の床に触れていませんし、体についてきたものも、まだどこへも移動していません。部屋に上がった瞬間から、外から持ち帰ったものは床とソファと寝床へ分かれて運ばれていきます。同じ2分の散歩後のケアでも、玄関で使う2分と、部屋に上がってから使う2分では、片づける対象の数が違います。

だから、散歩後のケアが続かない理由を「時間がないから」で止めないでください。時間がないのは事実で、そこは動かせません。動かせるのは、その短い時間をどこで使うかのほうです。帰宅後の数分を玄関に固定できた日は、部屋に上がったあとに何も残りません。固定できなかった日は、床とソファに仕事が分かれて、結局その日は最後まで手が回らない。続く日と続かない日の差は、意志ではなく場所のほうについています。

Note速くしようとすると、翌日に返ってきます

時間がないときにまず考えるのは「速く済ませる」ですが、散歩後のケアでこれをやると、力が強くなり、動きが雑になります。急いで押さえられた経験が1回あると、次の日その子は玄関で立ち止まらなくなります。逃げる相手を捕まえるところから始まるので、翌日は今日より時間がかかる。速さを上げて縮めた30秒は、翌日の1分になって返ってきます。1日の中で完結する話ではありません。

速さではなく場所|時間がない人のための、散歩後のケアの考え方

考え方はひとつだけです。手を入れる場所を、できるだけ上流に置く。外から持ち帰ったものは、玄関から部屋へ、床からソファへ、ソファから寝床へと下流に流れていきます。流れきったあとで拭こうとすると、拭く対象がその子の体だけでは済まなくなります。玄関で止めれば、対象はその子の体だけです。散歩後のケアで時間を縮めたいなら、動きを速くするのではなく、上流で止めるほうを選んでください。

玄関でできることの範囲は、実際にはとても狭いです。全身は無理ですし、洗うのも当然できません。できるのは、足先と、腹の下と、内股のあたりくらいまで。ただ、散歩から持ち帰ってくるものは、ほとんどがその狭い範囲に集まっています。地面に触れているのはそこだけだからです。背中や首まわりに手を入れるのは、時間に余裕のある週末で構いません。玄関の数分でどこを触るかは、外を歩いてきた体のうち、どこが地面に近かったかで決まります。

同じ2分を、どこで使うか
玄関で使う2分部屋に上がってからの2分
その子の姿勢立っている。押さえなくてよい座る・寝る。呼び戻すところから始まる
触る範囲足先・腹の下・内股同じ範囲+座った場所
片づける対象体だけ体、床、ソファ、寝床
中断のしやすさほかの用事がまだ始まっていない洗濯・食事の合間に割り込む
終わったあとその日の散歩後のケアは完了あとで気づいた場所がもう一度出てくる
翌日への持ち越しなし床とソファの掃除が残る

この表で見てほしいのは、所要時間がどちらも2分だということです。かけている時間は同じなのに、終わったあとに残っているものの量が違います。時間がない人が探すべきなのは、1分半で終わる手順ではありません。2分のままでいいので、その2分が効く場所へ移すことです。手順を短くする工夫には限界がありますが、場所を移すのは一度決めれば終わります。

もうひとつ、玄関で終わらせると決めておくと、判断の回数が減ります。帰宅後にその都度「今日はやるか、やらないか」を考えていると、疲れている日はほぼ確実にやらないほうへ倒れます。玄関を上がる前にやる、と場所で決めてしまえば、判断そのものが要らなくなります。時間がないときにいちばん重いのは、実は手を動かす時間ではなく、やるかどうかを決める時間のほうです。

Point決めるのは手順ではなく、置き場所です

散歩後のケアの手順書をつくっても、共働きの家では読み返す時間がありません。決めるなら、手順ではなく置き場所のほうにしてください。置き場所は一度決めれば毎日同じで、思い出す必要がありません。玄関に何があるかを見れば、その日にやることが自動的に決まります。習慣を時刻でつくろうとすると、帰宅時刻がずれる日に崩れます。場所でつくった習慣は、何時に帰っても崩れません。

玄関に置いてあるものを入れ替えると、散歩後のケアはここまで変わる

ここからが、実際に動かせる部分です。玄関に置くものを決めます。数は多くしません。置くものが5つを超えると、玄関が散らかって、そのこと自体がストレスになります。基準は「取りに行かずに、片手で届くか」の一点です。取りに行く動作が1回でも発生すると、時間がない日の散歩後のケアはそこで止まります。

玄関に置くもの5つと、それが消している動作
置くもの消している動作置き場所
吸水しやすい布を2枚洗面所へ取りに行く往復扉の内側、腰の高さ
使い終わった布を入れる小さなカゴ濡れた布を持ったまま部屋を横切る布のすぐ下
足を乗せる高さのある台しゃがんで足を持ち上げる姿勢上がりかまちの手前
片手で吹きかけられるケアスプレー水を使う場所まで連れて行く布と同じ棚
手元を照らす明かりどこが汚れているか探す時間玄関の壁側

この5つのうち、いちばん効くのは3つ目の台です。共働きの帰宅後にいちばん体力を使うのは、しゃがんで立つ動作だからです。足を乗せる高さがあると、こちらは立ったまま作業できて、その子も片足ずつ体重を預けられます。かがまなくてよくなるだけで、同じ手順が体感で半分になります。厚めの本を積んで布をかけただけのものでも構いません。高さがあることのほうが大事です。

  1. その子を立たせる場所を、玄関のどこか1点に決める

    扉のすぐ内側か、上がりかまちの手前か。毎回同じ場所にするのが条件です。場所が決まっていると、リードを外したあとその子が自分でそこに立つようになります。呼び戻す手間がなくなるので、ここだけで20〜30秒縮みます。時間がない日ほど、この20秒が効きます。

  2. 片手で届く高さに、布とスプレーをまとめる

    棚の1段でも、扉の内側に掛けたポケットでも構いません。立ったまま、体をひねらずに取れる高さにしてください。かがんで取る位置に置くと、しゃがむ回数が1回増えます。1回のしゃがみは数秒ですが、毎日2回、1年で700回を超えます。

  3. 使い終わったものの行き先を、玄関の中に用意する

    散歩後のケアが続かなくなる理由で多いのが、濡れた布の置き場所がないことです。持ったまま洗面所へ行く動線が生まれると、その往復のあいだに別の用事が始まります。行き先を玄関の中に置けば、その日の作業は玄関の中で閉じます。カゴごと洗濯機へ運ぶのは、翌朝でも週末でも構いません。

  4. 補充する日を、曜日で決める

    布が切れた日から、散歩後のケアは止まります。補充を「気づいたとき」にすると、気づく余裕がある日にしか補充されません。日曜の夜に布を2枚戻す、と曜日で決めてください。時間がないときに機能する仕組みは、たいてい思い出さなくて済む形をしています。

5つのうち、スプレーだけは中身の話をしておきます。玄関に置いているのは mofuwa のグルーミングスプレーです。犬も猫も、体から脂を出しながら暮らしています。昨日きれいにした場所が、今日の散歩でまた汚れる。毎日きれいにしておきたい、という前提からつくられたものなので、玄関の数分という短さのほうに合います。布に含ませて、足先と腹の下を毛の流れに沿ってなでるように拭く。原料は電解水で、余分な皮脂が外の汚れごと乳化して、布のほうへ移ります。清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、拭いたそばからその子が足をなめても、こちらが拭き直しに戻らなくて済みます。量を数えなくていいぶん、片手がふさがっている日でも手が止まりません。ブラッシングまで回る日は、グルーミングスプレーを吹きかけてからそのまま梳かせるので、静電気の起きにくい状態で1回ぶんが終わります。時間がない日の玄関で効いているのは、取りに行かなくていいことと、見張らなくていいことの2つです。

Caution玄関を「拭く場所」にしすぎないでください

置くものを増やしていくと、玄関がケア用品の棚になります。そうなると今度は散らかった玄関を片づける時間が必要になり、片づけられない週にまるごと崩れます。5つに絞る、という数の上限のほうを先に決めてください。ものが少ないほうが、時間がない日に手が動きます。何を足すかより、何を置かないかのほうを考えると続きます。

続かなかった経験の見直し方|朝と夜で、散歩後のケアの手をそろえる

共働きの家では、朝と夜で条件がまったく違います。朝は時計に追われていて、1分の遅れが電車1本の遅れになります。夜は時間の融通は少し利きますが、こちらの体力が残っていません。この2つに同じ手順をあてはめようとすると、どちらかが必ず崩れます。散歩後のケアが続かなかった経験のほとんどは、朝に合わせた手順を夜にやろうとしたか、その逆かのどちらかです。

玄関に置き場所をつくる方法が向いているのは、この2つの時間帯に同じように効くからです。朝は判断を減らし、夜は移動を減らす。置いてあるものは同じでも、効いている理由が時間帯で違います。朝は「考えなくても手が出る」ことが助けになり、夜は「取りに行かなくていい」ことが助けになります。手順を2種類つくる必要はありません。

続けていると、平日の負担そのものが少しずつ下がっていきます。毎日玄関で足先と腹の下に手が入っていれば、体についたものが室内へ運ばれる量が減り、床やソファを片づける回数も減ります。散歩後のケアにかけた2分が、掃除の時間のほうから返ってきます。時間がないと感じている人にとって、増えた2分より、減った掃除のほうが体感では大きいはずです。

Caution時間の問題ではないサインが出たときは、動物病院へ

玄関で毎日体に触れていると、変化に早く気づけます。同じ場所をなめ続けている、足先を地面につけたがらない、指のあいだが赤い、拭いたときに嫌がる、においが急に強くなった、歩き方が変わった。こうした変化は、散歩後のケアの回数を増やして様子を見る話ではありません。時間がないときほど後回しにしがちですが、早めに動物病院へご相談ください。前の週と比べて何が変わったかを一言メモしておくと、診察が短く済みます。

最後にもう一度だけ書きます。共働きの家で散歩後のケアに使える時間は、玄関にいる数分だけです。その数分を長くすることはできませんが、その数分に何ができる状態にしておくかは、こちらで決められます。速さを競うのをやめて、玄関の棚を1段空けるところから始めてください。時間がない日にも手が動くかどうかは、その日の気力ではなく、扉の内側に何が掛かっているかで決まります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。