C09シーン別・暮らし
雨の日の散歩、はじめて犬を迎えた人はどうしている?
雨の日の散歩から帰って、玄関でその子の背中に手を置くと、手のひらは濡れます。ただ、そこで分かるのは表面のことだけです。初めて犬を迎えた人がつまずくのは、拭き方でも道具でもなく、どこまで濡れているのかを測る基準をまだ持っていないことのほうです。毛の外側が濡れて見えても地肌は乾いていることがありますし、見た目はそれほどでもないのに根元まで届いていることもあります。この記事では、雨の日に犬の体で実際に何が起きているかを先に書き、そのあとで、指を1か所だけ入れて濡れを3段階に分ける手順を置きます。
雨の日の散歩が、晴れの日の毎日の散歩と違うところ|初めての人が持っていない基準
まず、雨の日に犬の体で起きていることを書きます。ここを飛ばして手順から入ると、毎回同じことをやることになり、必要のない日にも時間をかけ、必要な日に足りません。雨の日の散歩で濡れるのは、上からだけではありません。むしろ、初めて犬を迎えた人が見落としやすいのは下からのほうです。地面に落ちた雨は跳ね返って、腹の下、内股、胸、前脚の内側に当たります。人は靴と傘に守られていますが、犬の体はそこが地面から20〜40センチの高さにあります。
そして、上からの雨と下からの跳ね返りでは、濡れの届き方が違います。上から落ちた雨は、まず毛の外側にとどまります。毛の表面には水をはじく性質があるので、しばらくは玉のまま乗っています。下から跳ね返った水は、毛の流れに逆らって入るので、最初から根元へ向かいます。だから、背中がびしょ濡れに見える日でも地肌は乾いていることがあり、背中はほとんど濡れていないのに腹の下だけ根元まで届いている、ということが起こります。
| 上から落ちてくる雨 | 地面からの跳ね返り | |
|---|---|---|
| 当たる場所 | 背中、頭、肩 | 腹の下、内股、胸、前脚の内側 |
| 毛への入り方 | 外側にとどまりやすい | 毛の流れに逆らって根元へ入る |
| 見た目 | 濡れているのがすぐ分かる | 外からはほとんど分からない |
| 一緒に入るもの | 雨そのもの | 地面の土や砂 |
| 乾くまで | 風が当たれば早い | 体に挟まれていて風が通らない |
| 初めての人の見落とし | 少ない | 多い |
もうひとつ、雨の強さや散歩の時間から判断しようとすると外します。小雨で15分でも、水たまりの多い道を歩けば腹の下は根元まで届きます。逆に、強い雨でも舗装された乾いた区間を歩いてくれば、表面で止まっていることがあります。天気予報の数字と、その子の体の状態は、思っているほどつながっていません。初めて犬を迎えた人ほど、外の条件から逆算しようとしがちですが、体に触って決めたほうが早く、そして正確です。
なぜ段階を分ける必要があるのかも書いておきます。濡れが表面で止まっているなら、押さえて水気を取れば数分で終わります。根元まで届いていると、そこから乾くまでに時間がかかり、そのあいだ毛は濡れたまま体に張りついています。濡れた毛どうしは動くと絡みますし、湿ったままの時間が長いほど、においも出やすくなります。皮膚の状態が気になるのは、そのあとの話です。やることの量が段階で3倍近く変わるので、最初に分けたほうが結局は短く済みます。
初めて犬を迎えた人からいちばん多いのが、「この濡れ方は普通なのか、放っておいてよいのか」という問いです。これは経験がないと判断できません。逆に言えば、経験の代わりになる基準を1つ持てば、初日から同じ判断ができます。この記事で作るのはその基準です。難しい観察は要りません。指を1か所入れて、3つのうちどれかを選ぶ。それだけで、雨の日の散歩のあとに迷わなくなります。
指を毛の中に入れて根元を1か所|雨の日の散歩から帰ったあとの手順
手順に入ります。玄関で、立たせたまま行います。部屋に上がってからだと、その子は伏せてしまい、腹の下に手が入りません。確かめる場所は2か所だけです。初めての人ほど全身を触りたくなりますが、5か所も6か所も触ると時間がかかり、しかも情報が増えすぎて判断できなくなります。背中の真ん中と、腹の下。この2か所で足ります。
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足先は測らない、と決める
雨の日の散歩のあと、足先は必ず濡れています。ここは確かめる意味がないので、最初から「濡れているもの」として扱ってください。足先を触ってから全体を判断すると、毎回いちばん濡れている場所を基準にすることになり、実際より重い段階を選んでしまいます。足先は手順の最後に、まとめて手を入れます。
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背中の真ん中で、毛の流れと直角に指を1本沈める
毛を左右にかき分けるのではなく、指を差し込むように入れます。爪ではなく指の腹で、根元に触れるところまで入れてください。ここで分かるのは、上から落ちた雨がどこまで届いたかです。表面は濡れているのに、指の腹が乾いた毛に触れるなら、その雨は外側で止まっています。
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腹の下でも、同じことを1回だけ
その子を立たせたまま、腹の下に手を回して、同じように指を沈めます。雨の日にいちばん条件が変わるのがここです。体で挟まれていて風が通らないので、根元まで届いた水は長く残ります。嫌がる子には、片手で胸を支えて、もう片方の手で短く済ませてください。ここを飛ばすと、判断そのものが成り立ちません。
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指の腹の感覚を、3つのどれかに当てはめる
水がついてくるか、ひんやりするだけか、乾いているか。迷ったら重いほうを選ぶのが、初めてのうちの決め方です。慣れてくると、ひんやりだけの段階が判別できるようになります。判断に使うのは指1本の感覚だけで、道具は要りません。
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決めた段階を、声に出すか、メモに残す
「今日はB」と決めてしまうと、そのあとの手が自動的に決まります。雨の日の散歩から帰るたびにこれをやると、4〜5回で自分の基準ができます。初めての人にとっていちばん価値があるのは、この記録のほうです。3回目には、玄関で触った瞬間に段階が分かるようになります。
| 段階 | 指の腹に伝わるもの | 体で起きていること |
|---|---|---|
| A 表面で止まっている | 根元の毛は乾いている | 水は毛の外側に乗っているだけ |
| B 根元がひんやりする | 湿り気はあるが水はつかない | 水分が根元近くまで下りている |
| C 地肌まで届いている | 指に水がついてくる | 皮膚の面まで濡れ、体温で温まっている |
この3段階は、犬の大きさや毛の長さが違っても同じように使えます。基準にしているのが外から見た印象ではなく、指の腹に伝わるものだからです。初めて犬を迎えた人が「うちの子はどうなのか」を測れないのは、比べる相手がいないからです。指の感覚を基準にすると、比べる相手が要らなくなります。昨日のうちの子と、今日のうちの子を比べるだけで済みます。
3段階のそれぞれで、家でできることが変わります
段階が決まったら、やることは自動的に決まります。ここを毎回考えないで済むようにするのが、この記事の目的です。いちばん避けたいのは、Aの日にCの手順をやることと、Cの日にAで済ませてしまうことです。前者は時間の無駄で、その子にも負担がかかります。後者は、濡れが残ったまま夜を越すことになります。
| 段階 | 家でできること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| A 表面で止まっている | 足先と腹の下を、乾いた布で押さえる | 5分ほど |
| B 根元がひんやりする | 押さえ拭き → 部屋の空気を動かす → 30分後にもう一度根元を触る | 15分ほど+確認 |
| C 地肌まで届いている | 押さえ拭き → 弱い風で距離を取って乾かす → 寝床に入れる前に根元を確認 | 30分以上 |
Aの日は、深追いしないでください。表面の水を布に移すだけで終わります。毛の流れに沿って、布を押し当てて離す。こするのではなく、押さえて水を移すのが基本です。雨の日の散歩のたびに全身を乾かす習慣にしてしまうと、初めての人ほど長続きしません。Aが3回続く週もあります。それでいいので、その日は5分で切り上げてください。
Bの日にいちばん大事なのは、時間を置いてもう一度触ることです。押さえ拭きをした直後は、どこも同じくらい湿って感じます。30分後にもう一度、同じ2か所に指を入れてください。背中が乾いていて腹の下だけ湿っているなら、風が通っていない場所が残っているということです。その子を立たせて、腹の下に空気が入るようにするだけで変わります。部屋の風の通り道に寝床があるなら、その日は寝床の位置を少しずらしてください。
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Cの日は、足先より先に腹の下から手を入れる
地肌まで濡れているとき、いちばん乾きにくいのは体に挟まれている面です。足先は後回しでも乾きますが、腹の下は放っておくと朝まで湿っています。順番を逆にするだけで、乾くまでの時間が変わります。
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布を2枚使い、1枚目で水を移し、2枚目で仕上げる
1枚を絞りながら使うと、途中から水を戻すことになります。初めて犬を迎えた人が用意しておくとよいのは、高い道具ではなく吸水しやすい布をもう1枚です。雨の日の散歩のあとに困る場面のほとんどは、これで減ります。
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風は弱く、距離を取り、根元へ向ける
強い風を近くから当てると、表面の毛だけが先に乾いて、根元は濡れたまま残ります。乾かすのは表面ではなく根元です。手を毛の中に入れて、指のあいだに風を通すようにすると、根元まで届きます。熱を長く同じ場所に当てないでください。
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寝床に入れる前に、もう一度だけ根元を触る
ここが最後の確認です。湿ったまま寝ると、体の下になった面は朝まで乾きません。雨の日の夜に一度だけこの確認を挟むと、翌朝の毛のもつれ方がはっきり変わります。触って乾いていれば、そこで終わりです。
雨が続く週こそ、毎日玄関でその子をきれいにしておきたくなります。そこで手に取るのが mofuwa のグルーミングスプレーです。布に含ませて、足先と腹の下を毛の流れに沿ってなでてください。犬は体から脂を出すので、昨日きれいにした場所は今日また汚れます。だから、雨の日の散歩から帰るたびに続けられる形かどうかが先に来ます。グルーミングスプレーは清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、足先のように口が届く場所でも、かける量を気にしなくて済みます。ブラッシングの前にひと吹きしておくと、静電気が起きにくい状態で梳かせます。
初めて犬を迎えた人がいちばんやりがちなのが、布で毛をこすることです。人が自分の髪を拭くときの動きが、そのまま出ます。濡れた毛はこすられると絡みます。一度絡んだところは翌日以降ほどきにくくなり、その部分だけ乾きも遅くなります。動かすのではなく、押し当てて離す。手が疲れる動きではないので、慣れれば時間も変わりません。
雨が続く週の頻度と、初めての人がつまずくところ
梅雨や秋の長雨の時期には、雨の日の散歩が何日も続きます。ここで頻度の考え方を持っていないと、3日目あたりで崩れます。初めて犬を迎えた人がつまずくのは、たいてい1日目ではなく3日目です。1日目は丁寧にやれます。2日目もなんとかなります。3日目に、乾いた布が切れます。
- 雨の日のたびに洗ってしまう:洗う頻度を上げるほど、乾かす時間が増えて負担が積み上がります
- 生乾きのまま寝床に入れる:体の下になった面は朝まで乾きません。毛が絡み、においも残ります
- 布でこすって水を取ろうとする:濡れた毛が絡み、翌日以降のブラッシングが長くなります
- 雨の日だけ念入りで、晴れの日はゼロ:触る回数が少ないと、いつまでも基準が育ちません
- 布のストックを数えていない:3日連続の雨で切れます。雨の予報が出た日に補充してください
頻度の決め方はひとつです。散歩の回数ではなく、段階で決めてください。Aが続く週は、毎日5分で終わります。Cが2日続いたら、3日目は散歩の時間を短くする、コースを舗装された道に変える、といった調整をしてよい時期です。雨の日に必ず1時間歩かなければいけない、というきまりはありません。散歩の目的は運動だけではないので、雨の強い日は距離を短くして、家の中で頭を使う遊びに置き換える日があっても構いません。
記録についても書いておきます。日付、段階、乾くまでにかかった分数。この3つだけを、4回分だけつけてみてください。4回そろうと、自分の家の基準ができます。「この降り方ならB」「このコースならA」が分かるようになると、玄関で迷う時間がなくなります。初めての人にとって、雨の日の散歩がいちばん重いのは最初のひと月です。記録は、そのひと月を短くするためのものです。
乾いたあとも同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、指のあいだをかじる、触ると痛がる、においが急に強くなった、雨の日でないのに同じ場所が湿っている。こうした変化は、雨の日の散歩や乾かし方の話として片づけないでください。初めて犬を迎えた人ほど「自分の拭き方が悪かったのでは」と考えがちですが、判断は動物病院にゆだねたほうが早く済みます。いつから、どこが、どんなふうに変わったかをメモして持っていってください。
最後にまとめます。雨の日の散歩から帰ったら、足先は測らず、背中の真ん中と腹の下の2か所に指を入れる。表面で止まっているか、根元がひんやりするか、地肌まで届いているか。3つのうちどれかを決めれば、そのあとの手は自動的に決まります。初めて犬を迎えた人に足りないのは技術ではなく、基準です。指1本で作れる基準なので、今日の雨から始められます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- レインコートを着せれば、雨の日の散歩のあとの手間は減りますか
- 背中や肩の濡れは減りますが、腹の下と内股は残ります。地面からの跳ね返りは、レインコートの下から入るからです。手間が半分になるというより、確かめる場所が1か所に絞られる、と考えてください。着せた日は背中を飛ばして、腹の下だけ指を入れれば足ります。裾が長いタイプは内側が湿ったままになることがあるので、脱がせたあとに根元を触る手順は残してください。
- 雨の日は、散歩に行かなくてもいいですか
- 行かない日があっても構いません。犬にとっての散歩は運動だけが目的ではないので、雨が強い日は距離を短くして、家の中でにおいを探す遊びなどに置き換える方法もあります。ただ、雨の日をすべて避けてしまうと、初めての雨に出るのが数か月先になり、その子にとって雨そのものが慣れないものになります。小雨の日に短く出る、を混ぜておくほうが後で楽です。
- 子犬のうちから、雨の日の散歩に慣らしたほうがいいですか
- ワクチンの接種状況によって外に出せる時期が変わるので、まず動物病院で確認してください。出られるようになってからは、短い時間から始めるのがすすめられます。慣らしたいのは雨そのものより、帰ったあとに立って待つこと、腹の下を触られることのほうです。晴れた日にも同じ姿勢で触る練習をしておくと、初めての雨の日に慌てずに済みます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
