C09シーン別・暮らし

ドッグカフェを楽にする、敏感肌の子と暮らす人の毎日の習慣

公開日 2020年9月26日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの店内で、木のテーブルのそばに落ち着いて伏せているクリーム色の犬
この落ち着きは、その日の朝につくったものではありません。前の晩と、帰ってからの側にあります。写真:Alexandr Meadow/Pexels

予約は11時、家を出るのは10時20分。ドッグカフェへ行く日は、その40分のあいだに手が3つ増えます。ブラシをかけ、足の裏を拭き、口のまわりを拭く。ふだんの朝はどれもやらないのに、この日はやってしまいます。ただ、敏感肌の子と暮らしていると、その3つは負担の側に回ります。触る回数が増えるということは、そのぶん摩擦の回数が増えるということだからです。しかも当日は時間がないので、いつもより手が急ぎます。この記事は、手を増やす話ではありません。当日を空にして、前の晩と帰ってからに振り分ける。ドッグカフェの日を、敏感肌の子にとって引き算にするための組み立て方を書きます。

出かける前の40分に、手が3つ増える|ドッグカフェの日だけ起きることの背景

ドッグカフェは、抜け毛とにおいがその日だけ「他人の側の問題」になる場所です。ふだんの散歩なら、抜けた毛は風に持っていかれます。家に戻れば、落ちた毛は自分の家の床に落ちます。ところが店内では、隣の席の人の服に移り、椅子の布に残ります。だから、出かける前に手を入れておきたくなります。この気持ちの出どころは、その子の皮膚ではなく、店にいる時間のほうにあります。

そこで増える手は、たいてい3つです。被毛の表面にブラシを通す、足の裏を拭く、口のまわりを拭く。どれも理にかなっています。落ちる毛を先に落としておけば店内では減りますし、足の裏は椅子とソファに直接触れます。口のまわりは、においがいちばん出やすい場所です。やる理由がそれぞれ独立しているので、3つとも削れません。結果として、40分のあいだに3つとも入ります。

問題は、その3つがふだんの毎日のケアには入っていないということです。日曜の朝に急に増えた手なので、順番も、当てる強さも、決まっていません。ブラシは一度に長く動きますし、足を拭く布は同じ面で4本ぶん使われます。急いでいるので、当たり前にそうなります。ドッグカフェの日の手は、量が増えているだけでなく、質が荒くなっています。

Noteドッグカフェそのものが負担なのではありません

店内でその子が落ち着いていられるなら、ドッグカフェは飼い主にとっても、その子にとっても悪い時間ではありません。負担になっているのは、店にいる2時間ではなく、その前の40分のほうです。この記事で動かすのはそこだけです。行く回数を減らす話でも、我慢する話でもありません。

敏感肌の子には、増やした手数そのものが負担になる理由

敏感肌の子と暮らしていると、皮膚の側の条件が、ふつうより狭くなっています。同じ強さでブラシを当てても、赤みが出る日と出ない日があります。同じ布で拭いても、乾いている日は引っかかります。だから、その子にとっての条件は「何をしたか」ではなく「何回触ったか」のほうに寄ります。ドッグカフェの日に手が3つ増えるというのは、触る回数が3つぶん増えるということです。

しかも、増えた3つは全部が乾いた状態で行われます。乾いた被毛にブラシを通すと、毛どうしがこすれます。乾いた布で足の裏を拭くと、指のあいだの皮膚が引っぱられます。口のまわりは、もともと皮膚が薄い場所です。摩擦がいちばん強く出る3か所を、いちばん急いでいる時間に触っていることになります。

もう一つあります。出かける前の手は、その子の側から見ると予告なく始まって、途中で止まらない手です。ふだんの毎日のケアなら、嫌がったところで一度やめられます。予約の時間があると、やめられません。押さえる力が上がり、姿勢を保たせる時間が長くなります。皮膚に当たっている強さは、飼い主が思っているより上がっています。

当日に増える3つの手が、敏感肌の子の側で何になっているか
当日に増える手その子の側で起きていること急ぐと何が変わるか
被毛の表面にブラシを通す乾いた毛どうしがこすれる一度の動きが長くなり、同じ場所を何度も通る
足の裏を拭く指のあいだの薄い皮膚が引っぱられる同じ布の面で4本ぶん拭くことになる
口のまわりを拭くもともと皮膚が薄い場所に力がかかる押さえる手のほうに力が入る
3つを続けてやる触られている時間が連続する途中でやめる選択肢がなくなる

整理すると、こうなります。ドッグカフェで減らしたいのは、店内で落ちる毛とにおいです。敏感肌の子で減らしたいのは、触る回数です。この2つを同じ40分でやろうとすると、必ずどちらかが崩れます。そして時刻が決まっているぶん、崩れるのはいつも皮膚の側です。だから、同じ時間に置かないことにします。

当日を空にして、前の晩と帰ってからに振り分ける|ドッグカフェの日の考え方

考え方は一つだけです。ドッグカフェの当日、出かける前には何もしない。そのぶんを、前の晩と、帰ってからに移します。手を減らすのではなく、置き場所を変えるだけなので、店内で落ちる毛の量はほとんど変わりません。変わるのは、触られる時間が短い40分に集中しなくなることのほうです。

なぜ前の晩でいいのかというと、抜けかけている毛は、落としてから半日ではそれほど戻らないからです。ブラシで浮いた毛を外へ出しておけば、翌日の午前中に急に増えることはありません。逆に、当日の朝に落とした毛は、家の玄関から車の中までのあいだに、また表面へ上がってきます。時間を置いたほうが、落ち着いた状態で店に入れます。

  1. 前の晩:被毛の面を通すのは、この日だけにする

    寝る前に、毛の流れに沿って一方向へ、背中と体の側面をゆっくり通します。時間で区切らず、場所で区切ってください。今日は背中と側面だけ、と決めれば、途中でやめられます。予約の時刻に追われていないので、嫌がったところで止められるのが、いちばん大きい違いです。

  2. 前の晩:口のまわりは、乾いた布で拭かない

    敏感肌の子で赤みが出やすいのがここです。乾いた布で拭くのではなく、グルーミングスプレーを含ませた布を当てて、数秒置いてから、押さえるように離します。こすらないので、動きは1回で終わります。においは、この一手で落ちる範囲までで構いません。残りは店内で気にしないと決めてしまいます。

  3. 当日:出かける前は、何もしない

    これがこの記事の中心です。ブラシも布も出しません。やることは、リードとカラーに毛がついていないか見るところまで。その子の体には触りません。ここを空けておくと、車に乗せる時点でその子が落ち着いています。店に入ってからの2時間は、そちらのほうが効いてきます。

  4. 帰宅後:持ち帰ったものを落とすのは、この順番で

    足の裏から始めます。店の床と椅子に触れていた順に、下から上へ。ここも1本ずつ布の面を変えてください。4本を同じ面で拭くと、最後の1本は落としたものを塗り直しているだけになります。背中と側面は、翌日に回して構いません。帰宅直後にすべてを終わらせなくても、毎日のケアの側で追いつきます。

同じ3つの手を、時間の側で振り分ける
やることやらないこと
前の晩被毛の面を通す/口まわりを湿らせて当てる足の裏。ここは翌日に汚れます
当日の朝リードとカラーを見るだけその子の体に触れる手すべて
帰宅後足の裏を1本ずつ/気になる場所だけ全身を一度にやり直すこと
翌日ふだんどおりの毎日のケアへ戻す前日の埋め合わせを足すこと

前の晩と帰ってからの手に使うのが mofuwa のグルーミングスプレーです。敏感肌の子で差が出るのは、当てる布が乾いているか、湿っているかです。含ませてから当てれば、口のまわりも足の指のあいだも、こすらずに1回の動きで終わります。被毛の面を通す前にひと吹きしておけば、毛どうしのこすれと静電気が起きにくい状態で梳かせます。口に入っても差し支えない基準でつくられているので、口のまわりに当てたあとにその子がなめても、量を気にせずにいられます。毎日きれいにしておきたいという側は、この1本で足ります。

Caution帰ってきた日に、埋め合わせをしないこと

当日の朝を空けたぶん、帰宅後にまとめてやろうとする方がいます。けれど帰ってきた直後は、その子がいちばん疲れている時間です。移動と、知らない人と、店内の音。そこへ全身のケアを足すと、当日の朝に3つ増やしたのと同じことになります。足の裏だけで切り上げて、残りは翌日に置いてください。

3回めのドッグカフェで、前の晩にやることが2つに減る|経験がたまるほど手は減る

この振り分けは、1回で完成しません。その子の場合、どれが要らなかったのかは、やらなかった日にしか分かりません。だから、行くたびに1つだけ記録してください。記録するのは、やったことではなくやらなかったことです。前の晩に口まわりをやらなかった日、帰宅後に背中をやらなかった日。それで何か困ったかどうかを、翌日の夕方に思い出します。

ドッグカフェの経験がたまるというのは、店内でうまく過ごせるようになることだけを指しません。その子に必要のなかった手が、1つずつ分かっていくことのほうです。敏感肌の子と暮らしていると、増やした手はそのまま条件になります。だから、減らせたぶんがそのまま結果になります。犬とドッグカフェへ行く経験を重ねるほど、出かける前にやることは減っていくはずです。

Point店を選ぶときに見ておくと、手が1つ減る場所

椅子が布か、拭ける素材か。席の間隔が広いか。この2つで、当日に必要な手が変わります。布の椅子で席が近い店ほど、前の晩の被毛の手が効いてきます。拭ける椅子で席の間隔がある店なら、前の晩も背中を軽く通すだけで足ります。その子の条件を変えられないぶん、店の条件のほうを先に見ておくと、触る回数を増やさずに済みます。

最後に、毎日のケアの話として片づけないほうがよい変化を書いておきます。ドッグカフェから帰った翌日に、同じ場所の赤みが毎回出るようになった。前の晩に布を当てただけで嫌がるようになった。口のまわりや足の指のあいだをなめ続けている。皮膚がじくじくしている、においがある、被毛が根元から抜けて地肌が見える。こうした変化があるときは、手の振り分けを工夫する前に、動物病院にご相談ください。敏感肌と言われている子ほど、家でのケアの調整と、皮膚そのものの変化が混ざって見えます。行くたびに1行だけ残してきた「その回に抜いた手」と「翌日の夕方の様子」を持っていくと、店に行った日の条件から切り分けてもらえます。

ドッグカフェの日に、飼い主が手を増やしたくなるのは自然なことです。人の目のある場所へ、いっしょに出ていくからです。ただ、敏感肌の子にとっては、増やした手のほうが先に効いてしまいます。当日を空にして、前の晩と帰ってからへ移す。それだけで、店に入る時点でのその子の状態は変わります。増やす方向に手が動きそうになったら、その手を前の晩に置けないかどうかを先に考えてみてください。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。