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猫は起きている時間の約3割を毛づくろいに使う

公開日 2020年10月30日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色の布の上に座って自分の体をなめている淡い色の猫
自分でやっている量が多いからこそ、人の手が入る場所は限られてきます。写真:Yudi Ding/Pexels

猫が体をなめている姿は、1日のうちに何度も見かけます。これを合計すると、起きている時間の約3割になるとされています。この割合が指しているのは、猫が自分でやっているケアの量です。比べる相手は、人がその子にブラシを入れている時間になります。毎日5分だとしても、起きている時間に対しては約1%ほどです。桁が2つ違うということになります。この記事では、約3割という数字が何を数えたものかを先に整理して、そのうえで猫が自分で届く場所と届かない場所を比べます。人の手をどこに置くかは、そこから決まります。

約3割という割合は、猫が自分でやっているケアの量を数えたもの

まず、この数字が何を数えたものかを決めておきます。猫は起きている時間の約3割を毛づくろいに使うとされています。ここで大事なのは、1日24時間に対する割合ではない、という点です。猫は1日の大半を寝て過ごすとされているので、24時間で割ると、まったく違う数字になります。分母は「起きている時間」です。

毛づくろいとして数えているのは、舌で被毛をなめる動作だけではありません。前脚をなめてから顔をこする動き、後ろ脚で耳の後ろをかく動き、歯で毛の根元をかむような動きも、同じひとまとまりとして扱われます。猫にとっては、被毛の手入れと、体温の調整と、気持ちを落ち着けることが、同じ動作の中に混ざっています。だからこの割合は、掃除の時間としてだけ読むと少し外れます。

約3割という割合につく条件
条件割合がどちらに動きやすいか
分母の取り方起きている時間で割るか、1日で割るかで大きく変わります
年齢若い猫のほうが動きが多く、高齢になると回数が減ることがあるとされます
季節毛の生え変わる換毛期には、毛づくろいの時間が増える傾向があるとされます
個体差同じ環境でも、猫ごとの差が大きい部分です
数え方短い毛づくろいをどこまで1回と数えるかで、合計が変わります
体調落ち着かないときや、皮膚が気になるときに増えることがあります

つまり、約3割という割合は、おおよその目安として置かれている数字です。小数点まで詰めた値ではありませんし、すべての猫に当てはまる定数でもありません。一般にそのくらいとされている、という受け取り方で十分です。この記事でも、そこから先の細かい数字は作りません。

それでも、この割合には使いどころがあります。猫のケアの大部分は、すでに猫自身がやっているということが、はっきりするからです。人が足すのは、残りの部分だけです。ここを最初に置いておくと、ブラッシングの目標が「たくさんやること」ではなくなります。

人がブラッシングに使う割合は、その100分の1ほど|同じ1日で比べた違い

比べる相手を置きます。人が同じ猫にブラシを入れている時間です。毎日きちんとやっている家庭でも、1回5分あたりがふつうでしょう。起きている時間を8時間とすると、480分のうちの5分です。割合にすると約1%になります。猫の側の約3割と並べると、桁が2つ違うことが分かります。

同じ1日の中で、被毛に手が入っている時間の割合 猫が自分で毛づくろいに使う時間と、人がブラッシングに使う時間を、起きている時間に対する割合で並べた棒グラフ 猫が自分でなめている時間 約3割 人が毎日5分ブラシを入れる 約1% 人が週2回5分ブラシを入れる 1%に届かない
分母はどちらも「猫が起きている時間」です。数字は本文で置いた目安から計算しています。

この差を見て、人のブラッシングが足りていない、と受け取る必要はありません。同じ仕事を分担しているのではなく、やっていることが違うからです。猫の毛づくろいは、舌のざらつきで毛の表面をなでる動きが中心になります。人のブラシは、毛の根元まで歯を入れて、抜けた毛を引き出す動きです。届く深さも、扱える量も違います。

同じ被毛に対して、猫と人がやっていることの違い
猫の毛づくろい人のブラッシング
時間の割合起きている時間の約3割同じ分母で約1%
届く深さ毛の表面から中ほどまで毛の根元まで歯が入る
抜けた毛の行き先飲み込むことになるブラシに残って外へ出る
得意な場所顔・前脚・腹・脇腹背中・肩・尾のつけ根
苦手なこと自分の背中側に届きにくい毎日の回数を増やせない
換毛期の変化回数が増える傾向がある1回で取れる量が増える

表の3行目が、この2つを分ける最大の違いです。猫が自分でなめて取った毛は、体の外へは出ていきません。飲み込んだぶんは、あとで吐き出すか、便と一緒に出ていくことになります。人がブラシで取った毛は、ブラシに残ってそのまま外へ出ます。同じ「毛を取る」でも、行き先が違います。

だから、割合の差そのものを埋めようとしなくて構いません。人が1日に1時間ブラシを入れたとしても、猫の3割には届きませんし、届く必要もありません。見るべきなのは、その3割が届いていない場所がどこかのほうです。

猫が自分で届く場所と、届きにくい場所の見分け方

ここが、この記事の比較の中心です。猫の毛づくろいがよく届いている場所と、届きにくい場所は、体の上ではっきり分かれます。分かれ方は体の柔らかさで決まるので、猫であればおおよそ共通しています。

猫の毛づくろいが届く場所と、届きにくい場所 猫は前脚を使って顔まわりを、舌で体の前と下側を手入れできます。届きにくいのは背中側の中央付近です。 体の柔らかさで決まるので、猫であればおおよそ共通します 自分で届く 顔と耳のまわり あごの下と胸元 前脚と後ろ脚 脇腹とおなか 尾の先のほう 届きにくい 背中の真ん中 肩甲骨のあいだ 首の後ろ 尾のつけ根 背中側の毛の根元 毛玉や毛のもつれは、右側にかたよって出てきます
分かれ目は、口が届くかどうかと、前脚でこすれるかどうかです。

見分け方は、図を覚えるより手で確かめたほうが早く身につきます。指を毛の中に入れて、根元まで下ろしたときの感触で分かります。猫の毛づくろいが届いている場所は、毛が根元から毛先まで一方向にそろっていて、指がすっと抜けます。届いていない場所は、根元の側で毛が絡み、指が途中で止まります。

この見分け方をひととおりやると、たいてい同じ結論になります。人の手が要るのは、背中の真ん中と尾のつけ根の2か所です。この2か所は、猫が口を届かせにくく、前脚でもこすれない場所です。約3割の毛づくろいが、ここだけ抜けています。

換毛期になると、この2か所の差がさらに開きます。抜けた毛の量が増えるのに、届いていない場所ではそれが体の上に残り続けるからです。毛づくろいの割合が増えても、届かない場所の割合はゼロのままなので、放っておくと差が広がる一方になります。

背中の真ん中と尾のつけ根で、手の使い分けと道具の選び方が変わる

残った2か所に、どう手を入れるかです。同じ「届いていない場所」でも、背中の真ん中と尾のつけ根では、出てくるものが違います。背中の真ん中は毛の問題、尾のつけ根は脂の問題になりやすいと考えておくと、使い分けが決まります。

届かない2か所の、手の使い分け
背中の真ん中尾のつけ根
主に出てくるもの抜けた毛のたまり、毛のもつれ根元のべたつき、においの残り
触ったときの感じ指が根元で止まる指の腹に脂が残る
向いている手つき毛の流れに沿って、根元から毛先へ小さく区切って、短い回数で
1回の長さ1〜2分。長く続けると嫌がられます30秒ほど。ここは特に短く
換毛期の増やし方回数を増やす。1回の時間は変えない回数は変えず、日を空けない
やらないほうがよいこと同じ場所を往復してこすること強く押しつけて拭き取ること

道具の選び方も、この2か所で変わります。背中の真ん中は、毛の根元まで歯が入るブラシで、毛の流れに沿って一方向に通します。往復させないのがこつです。行きで浮かせた毛を、帰りで押し戻してしまうためです。尾のつけ根は、ブラシより指と布のほうが向いています。ここは皮膚が薄く、猫が嫌がりやすい場所でもあるからです。

背中の真ん中と尾のつけ根は、猫が毎日かけている約3割の外に残ったままの場所です。ここだけは人が毎日さわっておきたいので、毎日使える道具を選びます。mofuwa グルーミングスプレーは、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。使っているのは特許電解水だけで、香料も界面活性剤も入っていません。猫は起きている時間の約3割を口で毛に触れて過ごすので、体につけたものはその割合のぶんだけ口に入ります。この水は清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、猫があとから自分でなめ直す前提のまま、量を気にせず使えます。猫に直接吹きかけるのではなく、布に取ってから当ててください。噴射の音を嫌がる猫は少なくありませんし、届かない2か所だけを拭くのであれば、布のほうが場所を絞れます。ブラッシングの前に一度通しておくと、毛先のすべりが変わって、根元まで歯が入りやすくなります。

Pointうるおいと静電気は、同じ話の裏表です

空気が乾く時期には、毛の中のうるおいが少なくなり、ブラシを当てたときに静電気が起きやすくなります。静電気が出る日は、毛が広がって根元までブラシが入りません。そういう日は、乾いたままブラシを入れるより、布で毛先から一度なでてから始めるほうが早く終わります。猫の場合、1回が短く済むかどうかが、続けられるかどうかをそのまま決めます。

約3割という割合を、人の1日の何分に置き換えるか

最後に、この記事の数字を人の側の予定に置き換えます。猫が起きている時間の約3割を毛づくろいに使っているのなら、人がやるのは、その3割が届いていない2か所だけで足ります。時間にすると、1日3分から5分です。全身をやろうとするから続かないだけで、2か所なら続きます。

届かない2か所に、1日3〜5分を割り当てる
いつどこかかる時間
毎日背中の真ん中を、毛の流れに沿って通す1〜2分
毎日尾のつけ根に指を入れて、根元の状態を見る30秒
2〜3日に1回尾のつけ根を、布で短く拭く30秒
週に1回首の後ろと肩甲骨のあいだを確かめる1分
換毛期のあいだ背中の真ん中の回数を、1日2回にする追加で1〜2分

この表に入っていないものは、猫が自分でやっている約3割のほうに含まれています。顔も、腹も、前脚も、人が手を出さなくて構いません。やらないことを先に決めておくと、やることが3分に収まります。猫のケアで割合の話をする意味は、ここにあります。数字は、増やす理由ではなく、減らす根拠として使えます。

そのうえで、毛づくろいの割合そのものを見ておく価値もあります。いつもより明らかに長くなめている、逆にほとんど毛づくろいをしなくなった。どちらも、その子の中で起きた変化です。同じ場所ばかりをなめている、なめている場所の毛が薄い、なめたあとに毛が湿ったまま乾かない、といった様子も同じです。割合という言葉を頭に入れておくと、こういう変化に気づきやすくなります。

Caution毛づくろいの変化が続くときは、動物病院にご相談ください

毛づくろいの時間が急に増えた、または減った状態が数日続くとき、同じ場所をなめ続けて毛が薄くなっているとき、地肌に赤みやかさぶたがあるとき、吐く回数が増えたときは、ブラッシングの回数を調整する前に動物病院にご相談ください。猫の毛づくろいは、被毛の手入れだけでなく、体調や落ち着かなさの表れとしても出てきます。いつからどう変わったかと、なめている場所をメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

最後に、この記事の数字の使いどころをもう一度置いておきます。約3割という割合は、人のブラッシングを増やす理由ではなく、手をどこに置くかを決める根拠です。猫が自分で届いている場所には足さず、届いていない2か所に1日3〜5分。グルーミングスプレーを布に取って、その2か所だけを通す。人の側の割合が1%のままでも、猫の毛づくろいと合わせれば、全身の帳尻は合います。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

猫の毛づくろいの割合は、季節で変わりますか
毛の生え変わる換毛期には、毛づくろいの時間が増える傾向があるとされています。抜けた毛が被毛の中に残るためです。ただし個体差が大きく、割合として何%増えるという数字は置けません。増えたかどうかは、その子の先月と比べて判断してください。
毛づくろいが増えたので、ブラッシングも増やしたほうがいいですか
換毛期のように理由がはっきりしているときは、背中の真ん中の回数を1日2回にする程度で足ります。1回の時間は延ばさないでください。理由が思い当たらないのに毛づくろいが増えているときは、回数を増やす前に動物病院にご相談ください。
子猫と高齢の猫で、毛づくろいの割合は違いますか
一般に、若い猫のほうが動きが多く、高齢になると回数が減ることがあるとされています。高齢の猫では、背中側に体を曲げにくくなるぶん、届かない場所が広がることもあります。その場合は、人が手を入れる場所を、背中の真ん中から少し広げてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。