C12Q&A・豆知識
猫は起きている時間の約3割を毛づくろいに使う
猫が体をなめている姿は、1日のうちに何度も見かけます。これを合計すると、起きている時間の約3割になるとされています。この割合が指しているのは、猫が自分でやっているケアの量です。比べる相手は、人がその子にブラシを入れている時間になります。毎日5分だとしても、起きている時間に対しては約1%ほどです。桁が2つ違うということになります。この記事では、約3割という数字が何を数えたものかを先に整理して、そのうえで猫が自分で届く場所と届かない場所を比べます。人の手をどこに置くかは、そこから決まります。
約3割という割合は、猫が自分でやっているケアの量を数えたもの
まず、この数字が何を数えたものかを決めておきます。猫は起きている時間の約3割を毛づくろいに使うとされています。ここで大事なのは、1日24時間に対する割合ではない、という点です。猫は1日の大半を寝て過ごすとされているので、24時間で割ると、まったく違う数字になります。分母は「起きている時間」です。
毛づくろいとして数えているのは、舌で被毛をなめる動作だけではありません。前脚をなめてから顔をこする動き、後ろ脚で耳の後ろをかく動き、歯で毛の根元をかむような動きも、同じひとまとまりとして扱われます。猫にとっては、被毛の手入れと、体温の調整と、気持ちを落ち着けることが、同じ動作の中に混ざっています。だからこの割合は、掃除の時間としてだけ読むと少し外れます。
| 条件 | 割合がどちらに動きやすいか |
|---|---|
| 分母の取り方 | 起きている時間で割るか、1日で割るかで大きく変わります |
| 年齢 | 若い猫のほうが動きが多く、高齢になると回数が減ることがあるとされます |
| 季節 | 毛の生え変わる換毛期には、毛づくろいの時間が増える傾向があるとされます |
| 個体差 | 同じ環境でも、猫ごとの差が大きい部分です |
| 数え方 | 短い毛づくろいをどこまで1回と数えるかで、合計が変わります |
| 体調 | 落ち着かないときや、皮膚が気になるときに増えることがあります |
つまり、約3割という割合は、おおよその目安として置かれている数字です。小数点まで詰めた値ではありませんし、すべての猫に当てはまる定数でもありません。一般にそのくらいとされている、という受け取り方で十分です。この記事でも、そこから先の細かい数字は作りません。
それでも、この割合には使いどころがあります。猫のケアの大部分は、すでに猫自身がやっているということが、はっきりするからです。人が足すのは、残りの部分だけです。ここを最初に置いておくと、ブラッシングの目標が「たくさんやること」ではなくなります。
人がブラッシングに使う割合は、その100分の1ほど|同じ1日で比べた違い
比べる相手を置きます。人が同じ猫にブラシを入れている時間です。毎日きちんとやっている家庭でも、1回5分あたりがふつうでしょう。起きている時間を8時間とすると、480分のうちの5分です。割合にすると約1%になります。猫の側の約3割と並べると、桁が2つ違うことが分かります。
この差を見て、人のブラッシングが足りていない、と受け取る必要はありません。同じ仕事を分担しているのではなく、やっていることが違うからです。猫の毛づくろいは、舌のざらつきで毛の表面をなでる動きが中心になります。人のブラシは、毛の根元まで歯を入れて、抜けた毛を引き出す動きです。届く深さも、扱える量も違います。
| 猫の毛づくろい | 人のブラッシング | |
|---|---|---|
| 時間の割合 | 起きている時間の約3割 | 同じ分母で約1% |
| 届く深さ | 毛の表面から中ほどまで | 毛の根元まで歯が入る |
| 抜けた毛の行き先 | 飲み込むことになる | ブラシに残って外へ出る |
| 得意な場所 | 顔・前脚・腹・脇腹 | 背中・肩・尾のつけ根 |
| 苦手なこと | 自分の背中側に届きにくい | 毎日の回数を増やせない |
| 換毛期の変化 | 回数が増える傾向がある | 1回で取れる量が増える |
表の3行目が、この2つを分ける最大の違いです。猫が自分でなめて取った毛は、体の外へは出ていきません。飲み込んだぶんは、あとで吐き出すか、便と一緒に出ていくことになります。人がブラシで取った毛は、ブラシに残ってそのまま外へ出ます。同じ「毛を取る」でも、行き先が違います。
だから、割合の差そのものを埋めようとしなくて構いません。人が1日に1時間ブラシを入れたとしても、猫の3割には届きませんし、届く必要もありません。見るべきなのは、その3割が届いていない場所がどこかのほうです。
猫が自分で届く場所と、届きにくい場所の見分け方
ここが、この記事の比較の中心です。猫の毛づくろいがよく届いている場所と、届きにくい場所は、体の上ではっきり分かれます。分かれ方は体の柔らかさで決まるので、猫であればおおよそ共通しています。
見分け方は、図を覚えるより手で確かめたほうが早く身につきます。指を毛の中に入れて、根元まで下ろしたときの感触で分かります。猫の毛づくろいが届いている場所は、毛が根元から毛先まで一方向にそろっていて、指がすっと抜けます。届いていない場所は、根元の側で毛が絡み、指が途中で止まります。
- 毛の向き:届いている場所は毛先がそろい、届いていない場所は向きがばらつきます
- 指の抜け方:根元まで入れた指が止まるかどうか。止まる場所が、届いていない場所です
- 湿り:なめた直後の場所は毛先が湿っています。乾いたままの場所は届いていません
- 毛玉の位置:もつれは、届きにくい側にかたよって出てきます
- 静電気:空気が乾く時期には、届いていない場所のほうが毛が立ちやすくなります
この見分け方をひととおりやると、たいてい同じ結論になります。人の手が要るのは、背中の真ん中と尾のつけ根の2か所です。この2か所は、猫が口を届かせにくく、前脚でもこすれない場所です。約3割の毛づくろいが、ここだけ抜けています。
換毛期になると、この2か所の差がさらに開きます。抜けた毛の量が増えるのに、届いていない場所ではそれが体の上に残り続けるからです。毛づくろいの割合が増えても、届かない場所の割合はゼロのままなので、放っておくと差が広がる一方になります。
背中の真ん中と尾のつけ根で、手の使い分けと道具の選び方が変わる
残った2か所に、どう手を入れるかです。同じ「届いていない場所」でも、背中の真ん中と尾のつけ根では、出てくるものが違います。背中の真ん中は毛の問題、尾のつけ根は脂の問題になりやすいと考えておくと、使い分けが決まります。
| 背中の真ん中 | 尾のつけ根 | |
|---|---|---|
| 主に出てくるもの | 抜けた毛のたまり、毛のもつれ | 根元のべたつき、においの残り |
| 触ったときの感じ | 指が根元で止まる | 指の腹に脂が残る |
| 向いている手つき | 毛の流れに沿って、根元から毛先へ | 小さく区切って、短い回数で |
| 1回の長さ | 1〜2分。長く続けると嫌がられます | 30秒ほど。ここは特に短く |
| 換毛期の増やし方 | 回数を増やす。1回の時間は変えない | 回数は変えず、日を空けない |
| やらないほうがよいこと | 同じ場所を往復してこすること | 強く押しつけて拭き取ること |
道具の選び方も、この2か所で変わります。背中の真ん中は、毛の根元まで歯が入るブラシで、毛の流れに沿って一方向に通します。往復させないのがこつです。行きで浮かせた毛を、帰りで押し戻してしまうためです。尾のつけ根は、ブラシより指と布のほうが向いています。ここは皮膚が薄く、猫が嫌がりやすい場所でもあるからです。
背中の真ん中と尾のつけ根は、猫が毎日かけている約3割の外に残ったままの場所です。ここだけは人が毎日さわっておきたいので、毎日使える道具を選びます。mofuwa グルーミングスプレーは、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。使っているのは特許電解水だけで、香料も界面活性剤も入っていません。猫は起きている時間の約3割を口で毛に触れて過ごすので、体につけたものはその割合のぶんだけ口に入ります。この水は清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、猫があとから自分でなめ直す前提のまま、量を気にせず使えます。猫に直接吹きかけるのではなく、布に取ってから当ててください。噴射の音を嫌がる猫は少なくありませんし、届かない2か所だけを拭くのであれば、布のほうが場所を絞れます。ブラッシングの前に一度通しておくと、毛先のすべりが変わって、根元まで歯が入りやすくなります。
空気が乾く時期には、毛の中のうるおいが少なくなり、ブラシを当てたときに静電気が起きやすくなります。静電気が出る日は、毛が広がって根元までブラシが入りません。そういう日は、乾いたままブラシを入れるより、布で毛先から一度なでてから始めるほうが早く終わります。猫の場合、1回が短く済むかどうかが、続けられるかどうかをそのまま決めます。
約3割という割合を、人の1日の何分に置き換えるか
最後に、この記事の数字を人の側の予定に置き換えます。猫が起きている時間の約3割を毛づくろいに使っているのなら、人がやるのは、その3割が届いていない2か所だけで足ります。時間にすると、1日3分から5分です。全身をやろうとするから続かないだけで、2か所なら続きます。
| いつ | どこ | かかる時間 |
|---|---|---|
| 毎日 | 背中の真ん中を、毛の流れに沿って通す | 1〜2分 |
| 毎日 | 尾のつけ根に指を入れて、根元の状態を見る | 30秒 |
| 2〜3日に1回 | 尾のつけ根を、布で短く拭く | 30秒 |
| 週に1回 | 首の後ろと肩甲骨のあいだを確かめる | 1分 |
| 換毛期のあいだ | 背中の真ん中の回数を、1日2回にする | 追加で1〜2分 |
この表に入っていないものは、猫が自分でやっている約3割のほうに含まれています。顔も、腹も、前脚も、人が手を出さなくて構いません。やらないことを先に決めておくと、やることが3分に収まります。猫のケアで割合の話をする意味は、ここにあります。数字は、増やす理由ではなく、減らす根拠として使えます。
そのうえで、毛づくろいの割合そのものを見ておく価値もあります。いつもより明らかに長くなめている、逆にほとんど毛づくろいをしなくなった。どちらも、その子の中で起きた変化です。同じ場所ばかりをなめている、なめている場所の毛が薄い、なめたあとに毛が湿ったまま乾かない、といった様子も同じです。割合という言葉を頭に入れておくと、こういう変化に気づきやすくなります。
毛づくろいの時間が急に増えた、または減った状態が数日続くとき、同じ場所をなめ続けて毛が薄くなっているとき、地肌に赤みやかさぶたがあるとき、吐く回数が増えたときは、ブラッシングの回数を調整する前に動物病院にご相談ください。猫の毛づくろいは、被毛の手入れだけでなく、体調や落ち着かなさの表れとしても出てきます。いつからどう変わったかと、なめている場所をメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。
最後に、この記事の数字の使いどころをもう一度置いておきます。約3割という割合は、人のブラッシングを増やす理由ではなく、手をどこに置くかを決める根拠です。猫が自分で届いている場所には足さず、届いていない2か所に1日3〜5分。グルーミングスプレーを布に取って、その2か所だけを通す。人の側の割合が1%のままでも、猫の毛づくろいと合わせれば、全身の帳尻は合います。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 猫の毛づくろいの割合は、季節で変わりますか
- 毛の生え変わる換毛期には、毛づくろいの時間が増える傾向があるとされています。抜けた毛が被毛の中に残るためです。ただし個体差が大きく、割合として何%増えるという数字は置けません。増えたかどうかは、その子の先月と比べて判断してください。
- 毛づくろいが増えたので、ブラッシングも増やしたほうがいいですか
- 換毛期のように理由がはっきりしているときは、背中の真ん中の回数を1日2回にする程度で足ります。1回の時間は延ばさないでください。理由が思い当たらないのに毛づくろいが増えているときは、回数を増やす前に動物病院にご相談ください。
- 子猫と高齢の猫で、毛づくろいの割合は違いますか
- 一般に、若い猫のほうが動きが多く、高齢になると回数が減ることがあるとされています。高齢の猫では、背中側に体を曲げにくくなるぶん、届かない場所が広がることもあります。その場合は、人が手を入れる場所を、背中の真ん中から少し広げてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
