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皮脂とは?犬猫のべたつきとフケは同じ量の振れ

公開日 2020年10月23日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のシーツの上に落ち着いて座っている淡い色の猫
毛の表面ではなく根元に指を入れたときに、その日の状態がいちばん分かります。写真:Dasha/Pexels

犬や猫の背中に指を入れてべたつくときは、皮脂が多い側へ振れています。皮脂とは、皮脂腺から出て被毛と皮膚の表面をおおう脂のことをいいます。落とすべき汚れとは少し違い、多すぎても少なすぎても困るものという点に、この言葉のややこしさが集まっています。多ければべたつきとにおいになり、少なければ乾きとフケになる。どちらの側にも困りごとがあります。この記事では、犬や猫の皮脂がどこから出て何をしているのか、その量がどう変わるのか、家で見て分かることは何かを順に書いていきます。最後に、洗うという行為が皮脂をゼロにする作業ではない、という話までつなげます。

皮脂とは、皮脂腺から出て被毛と皮膚をおおっている脂のこと

皮脂とは、皮膚にある皮脂腺という組織から出る脂で、被毛と皮膚の表面をおおっているものとされています。皮脂腺は毛の生えている根もと側に付いていて、出た脂はまず毛の根元に乗り、そこから毛先のほうへ広がっていきます。犬では、足先、首の後ろ、腰から尾のあたり、あごに皮脂腺が多いと説明されています(Merck:犬の皮膚の構造)。皮膚の表面では、汗や水分と混ざり合って薄い膜のような状態になり、これは皮脂膜と呼ばれています。

ここで押さえておきたいのは、皮脂とは体の外から付いたものではない、ということです。泥やほこりや落ちた毛は外から乗ったものですが、皮脂は体が自分で出しているものです。だから、落としきったら終わりという性質のものではありません。落とせば、また出てきます。出てくること自体が正常な働きです。

何をしているのかというと、同じ解説では、皮膚をやわらかく、しっとりと保つこと、被毛につやを出すこと、菌が増えにくい性質をもつことが挙げられています。ここに、飼い主が家で分かる働きをもう1つ足せます。毛どうしのすべりをよくして、からまりにくくすることです。犬でも猫でも、ブラシの通りやすさとしてそのまま体感できます。

皮脂とは汚れの一種ですか、と聞かれることがあります。そのままの皮脂は汚れとは呼びません。ただし、出てからしばらく時間がたち、ほこりや抜けた毛や外のものと混ざると、そこからは汚れの側に回ります。つまり、皮脂が汚れになるかどうかを分けているのは、量よりもそこに乗っている時間のほうです。この見方は、あとの章でもう一度出てきます。

皮脂と、外から乗った汚れの違い 同じように毛に乗っていても、体が自分で出したものと、外から付いたものでは扱い方が変わります。 分かれ目は、どこから来たものかです 皮脂 体が自分で出している 毛の根元から出てくる 落としてもまた出る 膜になって水分を守る ゼロにはできない 外から乗った汚れ 外から付いたもの 毛の表面に乗る 落とせば終わる 時間がたつと皮脂と混ざる 落としきってよい 皮脂は、時間がたって外のものと混ざったところから汚れの側に回ります
落としきってよいのは右側だけです。左側は、量を戻す対象になります。
Note「皮脂を落とす」と「皮脂膜を落とす」は別のこと

毛の表面に乗っている古い皮脂と、皮膚の上にできている膜は、同じ脂でも役割が違います。前者は落としてよく、後者は落としすぎると乾きに向かいます。ところが、家で手を動かすときにこの2つを分けるのはむずかしく、たいてい一緒に落ちます。だから、洗う回数を決めるときは「どちらまで落とすつもりか」ではなく「何日で戻るか」で見るほうが、実際には合わせやすくなります。

多くても少なくても困る|皮脂が両側で問題になる理由

皮脂の話がわかりにくくなるのは、多い側にも少ない側にも困りごとがあるからです。汚れなら少ないほどよいのですが、皮脂はそうなりません。ここを押さえると、家でのケアの目標が「減らすこと」ではなくなります。

多い側から書きます。出たばかりの皮脂とは、ほとんどにおいのないものだとされています。においが立ってくるのは、空気に触れて変化したり、皮膚の上にふだんからいる菌がそれを分解したりしたあとです。つまり、においの強さは量そのものより、乗っている時間に比例します。あわせて、ほこりや抜けた毛が脂に付くので、指を入れたときにべたつきます。毛が数本ずつ束になり、根元の側から先に重くなります。

少ない側も書きます。皮膚の表面をおおう膜が薄くなると、水分が逃げやすい状態になります。乾いた皮膚は、はがれた角質が白い粉になって毛の間に残ります。これがフケです。毛のほうは、すべりが悪くなってぱさつき、毛先が広がります。空気の乾く季節には静電気も起きやすくなり、ブラシを当てたときに毛が逆立ちます。犬でも猫でも、冬に起きる変化の多くはこちら側です。

皮脂が多い側と少ない側で、家に出てくる形の違い
見るところ多い側少ない側
指で根元を触ったときしっとりを通り越して、指に残るさらさらだが、粉が指につく
におい数日で戻ってきて、だんだん強くなるほとんどしない。しても弱い
毛の状態束になる。根元から重くなる広がる。毛先がぱさつく
皮膚の表面てかりが出る。毛をかき分けると光る白い粉が毛の間に残る
起きやすい季節気温と湿度が上がる時期空気が乾く時期
起きやすいきっかけ洗う間隔があきすぎたとき洗う回数を増やしたとき

この表の最後の2行が、この記事でいちばん伝えたい理由の部分です。皮脂の量は、その子の体の側の条件だけで決まっているわけではありません。洗う間隔をあければ多い側に寄り、洗う回数を増やせば少ない側に寄ります。人が動かせる変数が、はっきりあるということです。

もうひとつ、ちょうどよい量とは何かという問題があります。これは個体ごとに違い、同じ子でも年齢と季節で動きます。だから、よその子と比べても答えは出ません。比べる相手は、その子の先週です。皮脂の変化を追うときに、他の子の写真や一般的な数字が役に立たないのは、そういう理由です。

皮脂の変化に家で先に気づくのは指先|どこを、いつ触るか

皮脂の変化は、見た目にはなかなか出てきません。てかりが目で分かるころには、指ではとっくに分かっています。だから、家で追う場所は指先です。犬でも猫でも、触る場所と触り方はほとんど同じで構いません。

  1. 毛の上ではなく、根元まで指を入れる

    毛の表面をなでても、そこにあるのは古い皮脂と外から乗ったものだけです。指の腹を毛の中に差し入れて、地肌に届くところまで下ろします。そこで一度止めて、指を左右に小さく動かします。

  2. 場所は4つに決めておく

    背中の中央、尾のつけ根、耳の後ろ、あごの下。この4か所は、皮脂の変化がいちばん早く出る場所とされています。毎回同じ順番で回ると、前回との違いが分かります。順番を変えると比べられなくなります。

  3. 指のほうを嗅ぐ

    その子の体に鼻を近づけるのではなく、触った指を嗅ぎます。体全体のにおいは慣れてしまって分かりませんが、指に移ったぶんは強さの違いが出ます。においの経験は、こうやってしか積み上がりません。

  4. 洗ってからの日数を数えておく

    触ったときの感じは、洗ってから何日目かで変わります。日数とセットで覚えないと、変化なのか経過なのか分かりません。洗った日をカレンダーに1文字だけ書いておけば足ります。

この4つを続けていくと、その子の目安が出てきます。洗った翌日はさらさら、3日目でしっとり、7日目で指に残る。この戻り方の速さが、その子の皮脂の出方です。速さそのものに良し悪しはありません。速いなら洗う間隔を短くし、遅いなら長くする。そういう使い方をします。

変化として拾いたいのは、この戻り方が急に変わったときです。いつもは7日かかっていたのに3日で戻る。逆に、10日たってもさらさらのまま粉が出る。どちらも、その子の中で起きた変化です。犬の皮脂の変化も猫の皮脂の変化も、こういう形でしか家からは見えません。数字ではなく、日数のずれとして出てきます。

Caution皮脂の変化に、皮膚の変化がくっついているとき

べたつきや粉と一緒に、地肌の赤み、ぶつぶつ、かさぶた、毛が薄くなっている場所、同じところをなめ続ける、においが急に強くなるといった変化があるときは、家で量を調整する範囲を超えています。洗い方を変えて様子を見る前に、動物病院にご相談ください。相談に行くときは、最後に洗った日と、いつからどう変わったかをメモしていくと話が早く進みます。

洗うことは皮脂をゼロにすることではない|量を戻すという考え方の背景

洗うことは、皮脂をゼロにする作業ではありません。多すぎる側に振れたものを、その子のちょうどよい量へ戻す作業です。ゼロを目指すと、必ず少なすぎる側へ行き過ぎます。ここまで読んできた多い側と少ない側の話は、そのまま洗い方の話につながっています。

行き過ぎたときに何が起きるかというと、往復が始まります。落としすぎて膜が薄くなり、乾く。乾いた状態が続くと、出る側の働きが強くなる。数日でべたつきが戻ってくる。気になってまた洗う。洗う回数を増やしているのに、べたつくまでの日数がだんだん短くなっていく。これは、量を戻す作業ではなく、量を振り回している状態です。

だから、洗う側の道具には昔から難しい注文がついています。落としたいものだけを落として、残したいものは残す。皮脂の中には、外から乗った脂と混ざって時間のたったものもあれば、皮膚の側にとどまって膜をつくっているものもあります。前者は落としたい。後者は残したい。この2つは、同じ脂です。

この注文にどう答えるかを、実際に測って比べた検証があります。ワンテンスの電解還元水では、皮脂に近い性質をもつごま油を使って、洗浄力を比べる試験が行われました。比較したのは、水道水とごま油、飲料用のアルカリイオン水と油、高機能性電解還元水とごま油の3条件です。東洋ビューティー/ウェーブコーポレーション調べによるもので、油がどれだけ乳化するかを見る形になっています。

落としたいものと残したいものを、脂の種類で分けて考える
脂の種類どこにあるかどう扱いたいか
時間のたった皮脂毛の表面と根元。ほこりや抜け毛と混ざっている落としたい
オレイン酸などの脂肪酸皮脂の中に含まれる。べたつきとにおいの側に回りやすい落としたい
セラミド角質のすきまを埋めている。膜の側にある残したい
スクワラン皮膚の表面の膜をつくる側にある残したい

この考え方は選択的乳化と呼ばれています。セラミドやスクワランのように残しておきたいものは落とさず、オレイン酸のほうを選んで乳化させる、という設計です。皮脂をゼロにするのではなく、皮脂の中身を分けて扱おうとしている、と言い換えられます。洗うことを「量を戻すこと」として組み立てると、道具の側もこういう形になります。

そして、洗う日と洗う日のあいだの話が残ります。犬も猫も皮脂は毎日出ていますが、毎日洗うわけにはいきません。水を使うたびに膜の側も動くからです。ここで動かせるのは量ではなく、前半に書いた「乗っている時間」のほうです。ブラッシングには、抜けた毛やほこりを取るほかに、皮膚から出た脂を毛全体へ配り直す働きがあるとされています(VCA:猫の被毛の手入れ)。mofuwa グルーミングスプレーは、特許電解水をもとにした無香料・界面活性剤不使用のスプレーです。梳かす前に直接かけて、そのままブラシを通せます。散歩から帰った犬なら背中の中央と尾のつけ根、毛づくろいの舌が届きにくい猫なら首の後ろ。出てから日のたった皮脂が、ほこりや抜け毛と混ざりきる前に、毛から離れていきます。グルーミングスプレーが引き受けているのは、皮脂を減らすことではなく、古い皮脂が毛に乗っている日数を短くしておくことです。背中を舐める犬にも、かけた場所を毛づくろいする猫にも毎日かけられるのは、清涼飲料水の規格基準をクリアしているからです。

最後にもう一度、定義に戻ります。皮脂とは、皮脂腺から出て被毛と皮膚をおおう脂のこと。体が自分で出していて、多すぎても少なすぎても困るもの。この2つを覚えておくと、明日から手ざわりの見え方が変わります。べたついていたら「多い側に振れている」、粉が出ていたら「少ない側に振れている」。どちらも、その子の中で起きている行き来です。良し悪しではなく、位置の話として見てください。

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よくある質問

犬の体がべたつくのは、皮脂が多いからですか。
多い側へ振れているサインです。ただ、べたつきの強さは量だけで決まっていません。出てから日がたつほど、ほこりや抜けた毛と混ざって、指に残る手ざわりに変わります。洗った日から何日目かを数えて、指を入れたときの感じと並べてみてください。3日目で戻る子と、7日目で戻る子がいます。速いほうが悪いのではなく、その子の間隔がそこにある、という読み方をします。
猫にも皮脂の手入れは要りますか。
要ります。猫は自分で毛づくろいをしますが、首の後ろのように舌の届きにくい場所は残ります。ブラッシングには、抜けた毛を取るほかに、皮膚から出た脂を毛全体へ配り直す働きがあるとされています。毛の長い子ほど毎日梳かす側に入り、短い子は間隔をあけられます。梳かすときに根元まで指を入れておけば、その日の手ざわりも一緒に分かります。
フケが出るのは、皮脂が足りないからですか。
少ない側へ振れているときに出ますが、それだけとは限りません。乾きで出る粉と、皮膚の側に何か起きて出る粉は、家では見分けられません。粉と一緒に、地肌の赤み、かさぶた、毛が薄くなっている場所、同じところを舐め続けるといった変化があるときは、洗い方を変える前に動物病院にご相談ください。
においが気になるので、洗う回数を増やしてもいいですか。
回数を増やすと少ない側へ行き過ぎて、かえって戻りが早くなることがあります。動かすのは回数ではなく、古い皮脂が毛に乗っている日数のほうです。洗う日と洗う日のあいだに、背中の中央と尾のつけ根だけを拭いておくと、においの立つ元が減ります。それでも数日でにおいが戻るなら、間隔ではなく別の理由を探す番になります。

本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。