C08季節・行事
衣装を着せた30分で、胸の毛がもつれていた
玄関で3枚、部屋で2枚。衣装を着せていた時間は、着せ始めから脱がせるまでで30分でした。脱がせた直後に胸の毛へ指を入れると、第二関節のあたりで止まります。前の晩にブラシを通したときには、こんな場所はありませんでした。背中も脇腹も、いつもどおり指が抜けます。30分でできた毛のもつれは、体じゅうに散らばりません。胸と、前あしの付け根の内側に寄ります。この記事で数えるのは2つだけです。衣装を着せていた分数と、脱がせたあとに指が止まった場所の数。10月は被毛が入れ替わる時期と重なるので、同じ30分でも9月とは結果が変わります。
30分だけ着せて、胸で止まった指|衣装と毛のもつれが重なった日の経験
着せるのに10分、写真に15分、脱がせるのに5分。衣装が体に乗っていた時間は、合わせて30分でした。脱がせた直後、首の下から前あしの付け根にかけて、指1本ぶんほどの幅で毛が束になっていました。背中の毛は指が抜けます。脇腹も抜けます。止まるのは胸だけです。その子は脱がせたあと、その場で胸をなめ始めました。前の晩にブラシを通した時点では、この束はどこにもありません。つまり、束ができたのはその30分のあいだです。
| 経過 | その子の動き | 胸の毛の状態 |
|---|---|---|
| 着せた直後 | 立ったまま動かない | 布が胸に触れているだけ |
| 5分 | 歩き出して前あしが前後する | 布が同じ向きへずれ始める |
| 15分 | おすわりと立ち上がりを繰り返す | 首の下の毛が縫い目に沿って寄る |
| 30分・脱がせる前 | 写真のために抱き上げる | 1か所で毛が束になっている |
| 脱がせた直後 | 自分で胸をなめる | 指が第二関節で止まる |
| 翌朝 | いつもどおり | 同じ場所に小さな固まりが残る |
この日から、数えるものを2つに決めました。衣装を着せていた分数と、脱がせたあとに指が止まった場所の数です。毛のもつれは、できあがったあとに見ると、その子の毛が細いせいだと言いたくなります。けれども前の晩に無かったものが30分で出ているなら、変わったのは毛の側ではなく、その30分のあいだに胸へ加わっていた力のほうです。分数と場所の2つだけなら、写真を撮った日にカレンダーの端へ書けます。「30分・3か所」。この6文字が、来年の同じ日に効いてきます。
並べてみると、分数だけで説明がつかないことがすぐに分かります。9月に同じ衣装を10分着せた日は、脱がせたあとに指が止まる場所はありませんでした。10月の30分で3か所。時間が3倍になったぶんだけ増えた、という読み方もできます。ただ、去年の10月に20分着せたときも2か所でした。分数が同じでも、月が違えば場所の数が変わります。月をまたいで変わっているのは、着せ方ではなく胸の毛そのものです。
衣装の内側で毛のもつれが始まる背景|前あしが動くたびに布がこする胸
胸がほかの場所より先に束になるのは、そこが前あしの動きに巻き込まれる位置にあるからです。背中に乗っている布は、歩いても体と一緒に平行に動きます。胸の布は違います。前あしが前へ出るたびに、布は左右から交互に引かれ、そのあいだに挟まった毛だけが同じ向きへ倒されます。1歩で1回。15分歩き回れば、数える気になれない回数になります。衣装の形が悪いという話ではありません。前あしが動く以上、胸の布は必ずこの動き方をします。
- こすれる回数が多い:胸の毛は1歩ごとに布と体のあいだで前後に動きます。背中の毛は布が乗っているだけなので、同じ30分でも回数がまるで違います
- 毛が立ち上がる時間がない:倒れた毛は、そのままにしておけば根元から起き上がります。30分続けて着せていると、起き上がる前に次の一歩が来ます
- 毛の向きがそろっていない:胸は、首から下りてくる毛と前あしから上がってくる毛がぶつかる場所です。向きの違う毛どうしが同じ場所で倒されると、毛先が互いに入り込みます
- 自分では届きにくい:背中や脇腹は後ろあしや口が届きますが、胸の中央はなめるしかありません。なめたぶん湿って、乾くときにさらに締まります
毛のもつれは毛先から始まる、と思われがちです。指が止まるのは確かに毛先ですが、束の中心は根元寄りにあります。倒された毛が根元で交差し、そこを起点にして毛先までねじれていく。だから毛先だけをブラシで引くと、中心の交差が締まる向きに力が入ります。脱がせた直後に胸を梳かすときは、毛先から入って毛先で終わるのではなく、束の下に指を1本差し入れて根元を押さえ、そこから毛先へ向けて少しずつ抜いていきます。押さえる指があるだけで、その子が痛がって胸を引く回数が減ります。
10月に入ると、部屋の湿度が少しずつ下がり始めます。布と毛がこすれたときに静電気が起きやすくなり、倒れた毛どうしが離れにくくなります。9月の10分と10月の30分の差には、時間の差だけではなく、この離れにくさも混ざっています。湿度が下がる時期の衣装は、同じ布でも毛にとっては別のものになります。衣装を着せる日を10月に選ぶなら、着せる時間を秋の前半の感覚のままにしておかないほうが安全です。
10月の胸の毛は9月と違う|換毛期に起きる衣装と毛のもつれの変化
10月の胸の毛は、9月の胸の毛と別のものだと考えたほうが、数字が合います。夏のあいだ表に出ていた毛が抜け、下から短い毛が伸びてきます。換毛期のあいだは、長さのそろっていない毛が同じ面に並びます。短い毛は倒れても目立ちませんが、長い毛の下に入り込んで、そこで引っかかります。抜けかけて根元から離れている毛も混ざっています。この毛はブラシにも指にもついてこないまま、束の芯として残ります。9月には無かった芯が、10月の胸には入っている。同じ30分でも結果が変わるのは、ここです。
| 見るところ | 9月の胸 | 10月の胸 |
|---|---|---|
| 毛の長さ | だいたいそろっている | 短い毛と長い毛が混ざる |
| 抜けかけの毛 | 少ない | 根元から離れた毛が残っている |
| 部屋の湿度 | まだ高い日が多い | 下がり始める |
| 倒れた毛の戻り | 自分で起き上がる | 静電気で寄ったまま残る |
| 脱がせたあとの手 | 指で梳かせば足りる | 根元を押さえてから抜く |
ここまで分かると、衣装の側で変えられることは意外に少ないと気づきます。布の素材を替えても前あしは動きます。時間を半分にしても、換毛期の芯は残ります。変えられるのは、着せる前の胸の毛の状態のほうです。倒れてもすぐ起き上がる毛と、倒れたまま残る毛では、同じ30分でも脱がせたあとが違います。うちで毎日使っているのは mofuwa グルーミングスプレーです。犬も猫も体から脂を出しますし、散歩に行けば外の汚れもつきます。毎日きれいにしておきたいのに、シャンプーは毎日できないし、サロンにも毎日は通えません。そのあいだを埋めるためのものです。
胸に使うときに助かるのは、量を気にしなくていいことです。この子は脱がせたあと必ず胸をなめます。清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でできているので、なめる場所だとわかっていても、束の下まで届く量を吹きかけられます。アルカリ電解水が油となじんで乳化するので、落ちるのは汚れのもとになっている余分な脂のほうで、地肌に要る皮脂はそのまま残ります。胸は脂の出やすい場所なので、ここが1日ぶんべたついていると、布とこすれたときに毛どうしがまとまりやすくなります。うるおいを残したまま余分なぶんだけ動かす、というのが、着せる日の前の晩にやっておきたいことです。
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前の晩に胸だけ梳かす
全身をやる必要はありません。首の下から前あしの付け根まで、グルーミングスプレーを吹きかけてから、根元を押さえて毛先へ抜きます。ここで指が止まる場所があれば、その日のうちにほどいておきます。翌日の30分は、この状態から始まります
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着せる直前にもう一度、胸に吹く
ブラッシングスプレーとしても使えるので、静電気の起きにくい状態で布をかぶせられます。乾ききった毛に布を当てるより、倒れた毛が起き上がりやすくなります
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30分を2回に割る
15分着せて脱がせ、胸を1度梳かしてから、もう15分。合計は同じ30分でも、倒れたまま過ぎる時間が半分になります。写真を撮る枚数は変わりません
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脱がせた直後に、その場で胸を見る
あとで見ようとすると、束は乾いて締まります。脱がせたその場で指を入れ、止まった場所の数だけ数えて書いておきます。ほどくのは数えたあとで構いません
前あしの動きで毛が倒れる向きは、体の前後です。同じ前後方向にブラシを通すと、倒れた毛の上をなぞるだけで終わります。首の下から胸の中央へ、体の縦の線を横切る向きに手を入れると、倒れて重なっていた層が分かれます。1回で全部やろうとせず、幅1センチずつ場所をずらしていくほうが、その子が胸を引く回数は少なくなります。
来年の10月に同じ30分を繰り返さないための考え方|衣装と胸の毛のもつれ
数え始めると、手元には短い記録が並びます。「30分・3か所」「15分×2・1か所」「衣装なし・0か所」。この並びが2、3行たまると、分数を減らして場所が減ったのか、前の晩の5分が効いたのかが、自分の字で見えてきます。毛のもつれの話は、ほどけたかどうかで終わりがちですが、記録に残るのは「次に何分まで着せられるか」のほうです。来年の10月は、この行から始められます。
ただし、分数を減らしたのに場所の数が減らない、衣装を着せていない週にも同じ場所に束ができる、束の中心の地肌が赤い、その一点だけを何日もなめ続けている。この並びになったときは、着せていた時間の話ではなくなります。胸は自分でなめられる数少ない場所なので、なめ続けた結果として毛が固まっていることもあります。カレンダーの端に書いた分数と場所の数は、そのまま何週間ぶんかの経過になっています。分数と場所の数が並んだその紙を、動物病院へ持っていく番です。家で数えた行は、いつから場所が増えたのかを、口で説明するより正確に伝えてくれます。
来年の10月にも、同じ衣装と同じ30分が来ます。そのときに手元にあるとよいのは、今年の分数と場所を書いた1行と、前の晩に胸だけ梳かしておく5分です。衣装を替える必要はありません。胸の毛の側を先に整えておく。脱がせた直後に指が止まる場所は、それだけで減っていきます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
