C05犬種・猫種別ケア

シーズーのケア|涙やけを減らす3つの習慣

公開日 2020年10月20日|文=mofuwa編集部

顔の毛が長く、目のまわりがよく見えるシーズー
目のまわりの毛は、下だけでなく上からも涙やけに関わっています。写真:PicsbyFran/Pixabay

シーズーの顔の毛は、鼻すじのわきから上に向かって生えています。伸びるにつれて毛先は目のほうへ向き、まばたきのたびに目の表面に触れます。シーズーの涙やけを減らそうとするとき、たいていの家庭が最初に手を入れるのは目の下です。ところが上の毛が目に入り続けているかぎり、下をどれだけ拭き取っても涙は出つづけます。ここでは上と下の2か所を分けたうえで、3つの習慣にまとめます。

シーズーの涙やけは、上と下の二か所で作られている

シーズーの顔には、涙やけに関わる作りが二つ重なっています。一つは顔の平たさで、目が大きく前に出ていること。前に出た目は表面が広く、それだけ乾きやすくなります。乾けば、そのぶん涙が多く作られます。ここまでは、顔の平たい犬種に共通する話です。

もう一つが、この犬種で強く出るほうです。目のまわりの毛が、上を向いて生えています。鼻すじのわきや目頭の下から立ち上がるように伸びるので、長くなるほど毛先は目のほうへ向かいます。まばたきのたびに毛先が目の表面をなでる状態になり、触れられた目は、涙を出して押し流そうとします。

つまりシーズーの涙やけには、「上から来るもの」と「下で受けるもの」という二つの側面があります。上は涙を出させている側、下はあふれた涙を吸って濡れたままとどめている側です。目のまわりを拭き取るケアは、このうち下だけを扱っています。

Note先に手を入れるのは「上」です

下の毛をいくらこまめに拭いても、上の毛が目に触れているあいだは涙が出つづけます。拭き取りの回数を増やす前に、目に入っている毛があるかどうかを見てください。明るいところで顔を正面から見て、目頭のあたりから立ち上がっている毛が、まぶたのふちを越えているかどうかが目印になります。

目に入る毛と、涙を受ける毛|手の入れ方の違い

同じ「目のまわりの毛」でも、上と下では役目が違います。違うのは場所だけではなく、変化の速さも、家でできることも、続ける間隔も違います。

上の毛と下の毛で、何が違うか
上(目に入る毛)下(涙を受ける毛)
何が起きているか毛先が目の表面に触れ、涙を出させているあふれた涙を吸い、濡れたままとどめている
変わる速さ毛が伸びるぶんだけ。数週間かけて変わるその日の湿り具合しだい。一日のうちで変わる
家でできること毛の向きを変える、目に届かない長さを保つ水分を移して、乾いている時間を長くする
続ける間隔数週間に一度、予定として置く毎日、朝と夜

この表でいちばん見落とされるのは、右の列の「変わる速さ」です。下の毛の状態は一日で変わるので、拭き取りの手ごたえはすぐに感じられます。いっぽう上の毛は数週間かけてじわじわ伸びるので、変化に気づけません。手ごたえのあるほうばかり続けて、手ごたえのないほうが後回しになる。シーズーの涙やけが止まりにくいときは、たいていこの形になっています。

毛の色も、気づきにくさに関わります。シーズーは顔の毛色に幅があり、口のまわりや眉のあたりだけ白い子も、顔全体が明るい子もいます。変色が顔の一部にしか出ない子では、量が増えているのか同じなのかを色だけで判断できません。色ではなく、目の下を指の背で触って湿っているかどうかで見てください。

上から先に手を入れる|涙やけを減らす3つの習慣

ここからが本題です。3つに絞りました。3つは、かかる時間も繰り返す間隔もばらばらです。同じリズムにそろえようとすると、いちばん間隔の長いものが必ず抜けます。ばらばらのまま、別々の場所に置いてください。

  1. 習慣1:朝、目に入っている毛を外に向ける(10秒・毎日)

    顔を正面から見て、目頭のあたりから立ち上がっている毛を、指で外側へなでて向きを変えます。それだけです。切るのではなく、向きを変えるだけなので、道具も要りません。10秒で終わるので、朝ごはんの前に固定してください。夜には戻っていますが、一日のうち目に触れている時間がそれだけ短くなります。

  2. 習慣2:目の下の毛から、水分を移す(1分・朝と夜)

    乾いた柔らかい布かコットンを目の下に当てて、5秒ほど押さえます。こすりません。拭き取りの目的は汚れを落とすことではなく、濡れている時間を短くすることです。あふれた涙を布に移せば、それだけで足ります。目頭から頬へ、一方向に。往復させると、毛が目のほうへ戻ります。

  3. 習慣3:目の上の毛の長さを、予定表で決めておく(数週間に一度)

    これだけは毎日の習慣ではありません。トリミングの予約に「目の上の毛が目に届かない長さ」を毎回頼む、という形で予定に置いてください。間隔は毛の伸び方によりますが、次の予約を取って帰るのがいちばん確実です。目の近くにハサミを入れるのは危険なので、ご自身では切らないでください。動いた拍子に目を傷つける事故が起きます。

Point3つのうち、効きが遅いのは3つ目です

習慣2は数日で手ざわりが変わります。習慣1も、その日から目の触られ方が変わります。習慣3だけは、次に伸びてくるまで結果が見えません。だから「やった気がしない」まま抜けます。抜けたことに気づくのは数週間後で、そのころには涙やけがまた濃くなっています。予定表に書くのは、忘れないためというより、手ごたえがなくても続けるためです。

毛が伸びる時期に合わせた、3つの習慣の選び方

3つを毎日きっちり回せる時期ばかりではありません。トリミングに行った直後と、次の予約が近づいた時期とでは、上の毛の状態がまったく違います。その時期にいちばん効くものを選んでください。

時期ごとに、どれを厚くするか
時期上の毛の状態厚くする習慣
カット直後目に届いていない習慣2だけでよい。ここで色が薄くなるか見る
中ごろ毛先がまぶたのふちに近づく習慣1を毎朝。習慣2はそのまま
次の予約が近い時期毛先が目に触れている習慣1と2を続けつつ、予約を前倒しできないか見る

この表の使い分けで大事なのは、いちばん上の行です。カット直後に涙やけの出方がどう変わるかを見ておくと、その子にとって上と下のどちらが効いているのかが分かります。カット直後に目の下の湿りがはっきり減る子は、上の毛が主な原因だったということです。逆に、カット直後もあまり変わらない子は、下の受け方のほうを厚くしてください。

季節でいうと、毛の伸びる速さは年間を通して大きくは変わりません。それより、換毛の時期や乾燥する時期に顔をこすることが増えると、上の毛の向きが乱れます。顔を前足でこすったり、床にこすりつけたりする回数が増えた時期は、習慣1を1日2回に増やしてください。

顔まわりで毎日濡れるのは、目の下だけではありません。シーズーは口のまわりとあごの下の毛も長く、食事と水のたびにそこが湿ります。目の下から水分を移すのと同じ動きで、口のまわりも布で受けておくと、顔全体で濡れている時間が短くなります。毎日きれいにしてあげたいのに、毎日シャンプーはできない。顔の毛が長い犬では、この差がいちばん顔に出ます。

その布に含ませるものとして、mofuwa グルーミングスプレーが使えます。口のまわりとあごの下は、その子自身の舌が届く場所です。mofuwa グルーミングスプレーは舐めても問題のない基準でつくられているので、顔まわりに使ってから、そのまま食事をさせられます。乾いた布だけで拭くより毛の表面がすべるので、長い毛を引っぱらずに汚れを布へ移せます。ただし、目のまわりへ直接吹きかけないでください。布に含ませてから、目の下より外側だけを拭きます。習慣2は目の下、これは口のまわり。同じ1分のなかで、受ける場所を2か所に分けるという形です。

数日で変わった涙やけは、毛の長さでは説明がつかない

顔の作りは急に変わりません。毛の伸び方も、数週間かけてゆっくり変わります。だから「数日で急に変わった」は、上でも下でも説明がつきません。そのときは、涙やけのケアで様子を見る対象から外してください。

Caution目は、家で待てる日数がいちばん短い場所です

片目だけ涙が増えた、目を開けにくそうにしている、白目が赤い、黒目が白っぽく見える、まぶしがる、目のまわりが腫れている、目のまわりの皮膚が赤い・においがある、前足でこすり続けている。この形が出たときは、拭き取りの回数を変えて様子を見ないでください。皮膚の変化なら2週間ほど記録してから判断することもありますが、目は日数の単位が違います。数日のうちに動物病院で診てもらってください。

受診の前に、いつから変わったか、片方か両方か、最後にトリミングに行ったのはいつか、家で使っているものはあるかをメモしてください。シーズーの場合、最後のカットの日付は診てもらううえで手がかりになります。目のまわりをきれいにしてから連れて行くと、目やにの状態が分からなくなることがあるので、そのままで構いません。

最後にひとつ。いま毛に付いている色は、こすっても落ちません。色を消そうとして目のすぐ下をこすると、皮膚のほうが先にいたみます。上の毛を目から離し、下の毛が濡れている時間を短くする。この二つを続けた先で、伸びてきた毛のほうが入れ替わっていきます。シーズーの涙やけは、色を落とす作業ではなく、これから伸びる毛を濡らさない作業だと考えてください。

Product

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よくある質問

目の上の毛は、家で切ってもいいですか?
おすすめしません。目の近くにハサミを入れるのは危険で、動いた拍子に目を傷つける事故が起きます。家でできるのは、指で外側へなでて向きを変えることまでです。長さの調整はトリミングサロンで、目に毛が届かない長さにしてもらってください。
拭き取りは1日に何回くらいがいいですか?
朝と夜の2回で足ります。回数を増やすより、1回ずつを「こすらずに5秒押さえる」形にしてください。回数を増やしても目に入る毛が残っていれば涙は出つづけますし、こする回数が増えるぶん目の下の皮膚に負担がかかります。
3つの習慣のうち、どれか1つしか続けられないときは?
習慣2(目の下の毛から水分を移す)を残してください。毎日その日のうちにできて、いちばん取りこぼしが少ない習慣です。ただし習慣3(目に届かない長さを保つ)を落としたままだと、数週間後に元に戻ります。次のトリミングの予約だけは、先に取っておいてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。