C11比較・選び方

洗うか、拭くか、スプレーか。汚れの種類で選ぶ

公開日 2020年10月7日|文=mofuwa編集部

明るく片づいた部屋の淡い色の床に座っている、短い毛の落ち着いた犬
手を出す前に見るのは道具の棚ではなく、指の腹に残った手ざわりのほうです。写真:Pexels/Pixabay

散歩から帰って前脚をつかんだとき、指の腹がざらっと鳴る日と、ぬるっとすべる日があります。同じ「汚れた」でも、ざらつく日と、すべる日と、乾いてぱりっとしている日では、犬の体についているものが別です。ついているものが別なら、落とし方も別になります。洗うか、拭くか、スプレーするか。この選び方は、道具の棚の前ではなく、指先で確かめた時点でほとんど決まっています。水に溶けるもの、油、粒。この3つに分けるところから始めます。

水に溶けるか、油か、粒か|犬の汚れの見分け方は指の腹の手ざわりに出る

犬の汚れの落とし方を決める前に、その汚れが何でできているかを3つに分けます。目で見て分けようとすると、色の濃いものほど手ごわく見えて、判断を外します。実際には、うっすらとしか見えない油のほうが、毛の根元に長く残ります。分けるのは見た目ではなく、指の腹で軽くこすったときの手ざわりのほうです。道具の選び方を先に決めようとすると外れます。先に決まっているのは、いつも汚れの側です。

この3つは、同じ日に同じ場所へ重なってつきます。雨あがりの散歩では、前脚に粒と水に溶けるものが同時にのり、その下に毎日出ている油があります。重なっているのに、落とし方は3つとも別です。だから「まとめて洗う」がいちばん確実に見えて、実際には毛の内側にだけ粒が残る、ということが起きます。

見分け方をひとつだけ覚えるなら、濡らす前に触ることです。濡らしたあとでは、粒も油も水に溶けるものも、手ざわりが全部同じになります。玄関で足を持ち上げた最初の3秒。ここで確かめた手ざわりが、そのあとの手順を決めます。

乾いたら固まるか、毛の内側へ入るか|3種類の汚れの落とし方を条件で比較する

3つの汚れは、乾いたときの振る舞いと、毛のどこまで入るかで分かれます。この2つが分かると、水を当てていい順番が決まります。順番を外すと、落としたはずのものが奥へ移動するだけになります。

同じ日に3つが重なっていたら、どれから手をつけるか(犬の汚れの落とし方の比較)
汚れの種類乾いたときの振る舞い水だけで動くか毛のどこまで入るか手を出す時点
粒軽くなって奥へ落ちる動くが、濡れると広がる根元から地肌まで濡らす前
油薄い膜になって残るほとんど動かない根元にたまって続く粒を払ったあと
水に溶けるものぱりっと固まる動く入るが、湿らせれば戻せる最後
この順でやると奥へ送らずに済む水を当てる回数が1回で足りる根元まで手が届く全体で3〜4分

表の最終行が、3つを1日の手順に落としたときの答えです。粒を先に払い、油を浮かせ、残りを水分で移す。この順でやると、前脚の付け根から指のあいだまでが3〜4分で終わります。逆の順、つまり最初に水を当ててしまうと、砂が泥になって毛の内側へ入るので、同じ場所を三度触ることになり、8分前後かかります。かかる分数が倍になるだけでなく、その子が途中で足を引っ込めます。

頻度も、この表から出てきます。粒がつくのは外に出た日だけです。水に溶けるものは、ついたその場で拭けば終わります。3つのうち、毎日かならず足されていくのは油だけです。週に1回のシャンプーで一度きれいにしても、次の洗う日までに6日ぶんの油が根元に積み上がります。毎日の1本の選び方が、この一行から決まってきます。

粒を先に払うと、あとの2つが半分で終わる|犬の汚れの落とし方の使い分けは順番の話

使い分けというのは、道具を3つ持つことではなく、手を出す順番を決めることです。同じ道具でも、3番目に使うか1番目に使うかで、落ちる量が変わります。順番は汚れの側の性質で決まっているので、その子の毛質や季節では変わりません。使い分けの選び方に迷いが出るのは、順番を決めずに道具だけを増やしたときです。

  1. 1. 濡らす前に、粒を払う

    手のひらで毛の流れに沿って2〜3回なでるか、目の粗いブラシを1往復させます。乾いた布があるなら、たたむのではなく背の面で撫でます。ここで砂と草の種が落ちるので、玄関のマットの上でやります。20〜30秒で終わります。

  2. 2. 油を浮かせてから、布へ移す

    水だけを当てると、油の膜の上を水が滑るだけで布に移りません。浮かせる工程を先に入れて、そのあと乾いた布で押さえます。こするのではなく、押し当てて離す。1か所につき2回で足ります。

  3. 3. 残った水に溶けるものを、湿りで移す

    よだれや飲みこぼしは、ここまでの工程で毛が動いているので、最後に軽く湿らせるだけで戻ります。乾いて固まってから時間がたっているときだけ、10秒ほど当てて柔らかくしてから移します。

  4. 4. 乾かすのは、触るのをやめてから

    3つが終わってから、乾いたタオルで水分を取ります。順番の途中でタオルを当てると、まだ浮いていない油をタオルで毛の内側へ押し込むことになります。乾かす工程は、いちばん最後にひとまとめにします。

手を出す順番で、汚れが向かう先が変わる 粒を払う前に水を当てると、砂が泥になって毛の内側へ入ります。同じ3つの工程でも、並べる順で、汚れが外へ出るか奥へ入るかが分かれます。 粒を払う 濡らす前 油を浮かせる 布へ移す 湿りで移す 最後に乾かす 表面が空く 残りだけが相手 先に水を当てた場合 砂が泥になって内側へ入る 同じ場所を三度触って8分 この順で通した場合 水を当てるのは1回で足りる 前脚の全体が3〜4分
順番は道具ではなく、汚れの側の性質で決まっています。

音の出方も、順番で変わります。粒を払う工程は、ブラシが毛をこする音だけです。水を使う工程は、絞る音と、しずくの音が入ります。音を嫌がる子では、静かな工程を先に置いて、体が落ち着いてから音の出る工程へ進みます。逆にすると、最初の音でその場を離れてしまい、いちばん大事な粒の工程が残ります。

Point布を替えるのは、色がついたときではありません

拭いている途中で布を替える目安は、見た目の汚れではなくすべり方です。押し当てて離したときに、布の面が毛にひっかからずに滑るようになったら、その面はもう油を含んでいます。同じ面で続けると、いま取ったものを次の場所へ塗り広げることになります。1枚の布を4つの面に分けて使い、1面につき2か所まで。前脚の4本なら、布1枚でちょうど足ります。

毎日足される側から決める|洗う日と拭く日をまたぐ選び方が変わる場所

3つのうち、毎日かならず足されるのは油だけでした。だから、毎日手に取る1本の選び方は、粒でも水に溶けるものでもなく、油をどう扱えるかで決まります。犬の体も猫の体も、生きているあいだ毎日いくらか脂を出しています。昨日ととのえた毛が、今日また同じように汚れるのはそのためです。それでも毎日シャンプーするわけにはいきませんし、サロンに毎日通うこともできません。

mofuwa グルーミングスプレーは、この「毎日足されるほう」に手が届く形で組まれています。アルカリ電解水と油がなじんで乳化するので、落ちるのは汚れのもとになっている余分な脂で、地肌に要る皮脂は残ります(deck p16)。順番でいうと、2番目の「浮かせる」工程を、吹くだけで済ませられるということです。浮いたところへ乾いた布を当てれば、そのまま布へ移ります。

手順としては、吹いてブラシを通す。それだけです。1番目に払いきれなかった粒も、毛が動くときに一緒に浮いて梳き出されます。原料は口に入ることを前提に選ばれているので、かける量を加減しなくて済みます。前脚の内側でも指のあいだでも、帰宅後にその子が舐めにいく場所へそのまま回せます。落とし方を場所で切り替えずに済むぶん、手順が1本につながります。

ブラッシングスプレーとしても使えるので、静電気の起きにくい状態で梳かせます。乾いた季節に毛が立ち上がっていると、粒がくっついて離れにくくなります。先に吹いておくと、1番目の工程で落ちる粒の量が増えて、そのぶん後ろの工程が軽くなります。湯船そのものが負担になるシニアの犬や猫では、湯に入れないという選び方ができます。できない子として扱うのではなく、そうしないほうがいい子として、毎日の側へ手を回します。

猫と暮らす家で、最初の1本にグルーミングスプレーをおすすめできるのは、毛づくろいの動線を通っても条件が変わらないからです。猫は前脚の内側を舐めて濡らし、その脚で顔と耳を拭います。体にのせたものは、必ずこの動線を通って口へ回ります。犬と猫が同じ家にいるなら、選び方は猫の側に合わせるほうが早く決まります。

Caution順番どおりにやっても、同じ場所が戻ってくるとき

3〜4分で終わっていた前脚に、同じ順番で8分かかるようになった/粒を払う工程で、ブラシに毛が前の倍つく/油の手ざわりが、前脚だけ2週間続けて消えない/拭いたあとに同じ場所を舐める回数が増えて、10日たっても減らない。こうした残り方は、落とし方の順番では説明がつきません。どの工程に何分かけたか、どの場所が何日戻っているかを書き出して、その紙を持って動物病院で診察の枠を取ってください。順番を変えて試した記録は、いつから変わったかを示す材料になります。

どっちを先に減らすか|犬の汚れの落とし方を、頻度の側から組み直す

ここまでを、1週間の形に直します。3つの汚れは、つく頻度が違いました。頻度が違うものを同じ回数で扱うから、多すぎる工程と、足りない工程が同時に出ます。

この4行が、頻度から見たときの選び方です。配分が決まると、洗う日の位置づけも変わります。毎日の工程で油と粒が減っているので、洗う日は「たまったものを一気に落とす日」ではなく、根元の状態を一度そろえ直す日になります。乾かす分数も短くなります。毛の内側に粒が残っていない状態で洗うと、タオルで押さえた時点で抜ける水の量が違うからです。

洗うか、拭くか、スプレーするか。どっちが優れているかという問いには、この記事は答えを出しません。3つは、相手にしている汚れが違うので、比べる土俵に立っていないからです。決めるのは道具の側ではなく、いま指の腹がざらつくのか、すべるのか、ぱりっとしているのか。そこから逆に引いてくると、選び方は毎回ひとつに決まります。

帰ってきたら、濡らす前に前脚を3秒だけ触ってみてください。ざらつくなら払う、すべるなら浮かせる、ぱりっとしているなら湿らせる。この3秒が入るだけで、そのあとの手順が半分の長さになります。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

3つが重なっている日に、いきなりシャンプーで洗ってしまうのは間違いですか。
間違いではありませんが、落ちる量が変わります。粒が毛の内側に入ったまま湯を当てると、砂は泡と一緒に流れる前に、いったん奥へ移動します。すすいでいるあいだに出てくるので、結果としては落ちますが、そのぶん流す時間が長くなり、乾かす時間も伸びます。洗う前の30秒で粒を払っておくと、同じ仕上がりでも湯を当てる時間が短くなり、その子が湯船や洗い場にいる分数が減ります。順番を守る目的は、落ちる落ちないより、拘束している時間を短くすることのほうにあります。
油を浮かせる工程は、お湯だけでも代わりになりますか。
湯の温度が高いほど油はゆるみますが、犬の地肌に当てられる温度には上限があります。人が心地よいと感じる温度は、犬にとっては高いことが多く、地肌の乾きにつながります。温度を上げずに油を動かすには、水と油をなじませる工程を入れるほうが安全です。湯を使うなら、当てる時間を長くするのではなく、当てたあとに布を押し当てて離す回数を増やすほうが、移る量は増えます。
拭く道具はタオルと不織布で、落とし方に差が出ますか。
差が出るのは吸う量ではなく、面の動き方です。タオルは繊維が立っているので、粒をひっかけて持ち上げるのが得意です。不織布は面が平らなので、押し当てて離す使い方で、油と水分をまとめて受け取ります。だから工程1にはタオルの面、工程2と3には平らな面、と分けると手数が減ります。1枚で全部やるなら、タオルの毛足が短いほうを選んで、面を4つに分けて使ってください。布の選び方としては、枚数を増やすより、1枚を何面に分けるかを先に決めておくほうが、手数は減ります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。