C03使い方・お手入れ手順

毛玉をほどく順番|引っぱらないための手順

公開日 2020年12月16日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色のソファでくつろいでいる、毛の長い白い猫
ほどけなかった毛玉より、途中でブラシを置いた回数のほうが、その子の痛みに近い数字です。写真:Lara/Pexels

12月の夜、膝の上で1つの毛玉に向き合った90秒のあいだに、ブラシを太ももへ置いた回数は4回でした。置いたのは、指で毛を分けたいのに両手がふさがっていたからです。人の手は2本しかなく、毛玉の根元を押さえる手と、毛を外へ抜く手と、ブラシを持つ手で3本ぶんが要ります。引っぱらない毛玉のほどき方は、腕の力を弱めることではなく、この3本目が要る瞬間を減らす順番のことです。置いた回数が減った日は、同じ毛玉でも、その子が身をよじった回数まで一緒に減っていました。

1つの毛玉にブラシを置いた回数|毛玉のほどき方が引っぱりに変わる境目

毛玉のほどき方でいちばん先に数えたいのは、ほどけた本数ではなく、ブラシを手から置いた回数です。置くのは、手が足りなくなったときだけです。片手で毛玉の根元を押さえ、もう一方の手で毛を外へ抜き、そのあいだにブラシで境目を探そうとすると、手が1本足りません。足りない1本を作るために、ブラシを太ももへ置きます。置いた瞬間、根元を押さえていた手もいったん離れるので、毛玉は元の向きへ戻ります。

毛玉が引っぱられるのは、抜く力が強いときだけではありません。押さえていた手が離れて、毛玉が戻る向きに動いたときにも、根元では同じことが起きています。フェルトのように固まった毛玉は、毛が引っぱられた状態がそのまま続いている場所です。90秒のあいだに4回置いたということは、その子の背中では、4回ぶんの戻りが起きていたことになります。

ブラシを置いた4回は、それぞれ何をしようとした瞬間か
置いた場面やりたかったことそのとき離れた手その子の側で起きたこと
最初の10秒毛玉の大きさを指で確かめる根元を押さえていた手毛玉が体から浮いて、根元が引かれた
30秒あたり外側の毛を1本ずつ分けるブラシを持っていた手分けた毛がまた毛玉側へ戻った
60秒あたりその子の体勢を戻す両手とも向きが変わり、境目の位置が動いた
終わりぎわほどけた量を見る根元を押さえていた手最後に押さえを外され、根元が引かれた

表を見ると、4回のうち3回は、道具を持ち替えたくて置いていました。順番を組み直せば、この3回は置かずに済みます。残りの1回、体勢を戻すための中断だけは、座る場所と体勢を先に決めておくことで消せます。毛玉のほどき方を変えるというのは、力加減の話ではなく、この4回をどこまで削れるかという話です。

指を入れる前に1手だけ足します。mofuwa グルーミングスプレーを、これからほどく面に行き渡らせてから、指を入れます。この1本はブラッシングの前に使う1本なので、毛玉に指を入れる前という場面がそのまま当てはまります。乾いたままの被毛は、静電気で毛どうしが寄り、外側の毛を1本外したそばから隣の毛へ貼りつきます。うるおいのある状態で分けたほうが、分けた毛がその位置に残ります。

指2本で根元を挟んでから、外側の毛だけ抜く|引っぱらない毛玉の手順

手順は5つで、そのうち2つはブラシを持つ前に終わります。置き場所を決め、ほどく面へ行き渡らせ、指2本で根元を挟み、外側の毛から外へ抜き、90秒で区切ります。ブラシを持つのは4つ目に入ってからです。

  1. 1|膝にのせて、ブラシは手の届く太ももの外側へ置いておく

    ソファに浅く座り、その子を膝の上で横向きにします。立たせたままでは、根元を押さえた手とその子の重心が同じ側になり、身をよじるたびに押さえが外れます。ブラシは最初から太ももの外側に置いておきます。置く場所が決まっていないと、持ち替えのたびに置き場所を探すぶんだけ、手が体から離れます。

  2. 2|指を入れる前に、ほどく面へ行き渡らせる

    mofuwa グルーミングスプレーを、これからほどく面に行き渡らせます。手のひらに取ってからのせる形でもかまいません。還元水100%で、香料も色もアルコールも入っていないので、ほどく面に行き渡らせる量を気にせずに済みます。指を入れてから取りに立つと、押さえていた手が完全に離れ、そこまでの90秒が最初からになります。

  3. 3|毛玉と地肌のあいだを、指2本で挟む

    利き手ではないほうの親指と人差し指で、毛玉の根元側、地肌と毛玉のあいだをつまみます。つまむのは毛玉ではなく、毛玉の下にある毛の束です。ここを挟んでいるあいだは、外側でどれだけ毛を引いても、力が地肌まで届きません。この手は、90秒のあいだ一度も離しません。

  4. 4|外側の毛から、外へ向けて1本ずつ抜く

    もう一方の手の指で、毛玉のいちばん外側の毛を、毛玉から外へ向けて抜きます。ブラシを使うのは、外側がほぐれて毛の向きが見えてからです。ブラシは外側の層にだけ当て、固まっている境目より内側には通しません。境目へ入れると、先が地肌に届き、挟んでいる指より下を引くことになります。

  5. 5|90秒で区切り、残りは翌日の同じ時刻へ

    時計を見て90秒で手を止めます。ほどけ残っていても、そこで区切ります。同じ毛玉に長く向き合うほど、その子が身をよじる回数が増え、ブラシを置く回数も増えます。翌日の同じ時刻に、同じ毛玉の同じ側から再開します。区切った位置を覚えておけるのは、毎日同じ時刻にしているときだけです。

外側・境目・地肌の3層と、ブラシを入れてよい深さ 毛玉は外側の層、固まりはじめた境目、地肌に近い根元の3層に分かれています。指で抜くのは外側の層、ブラシを当てるのも外側の層までで、境目より内側へブラシを入れると、挟んでいる指より下へ力が届きます。根元を挟んだ指は、この3層のいちばん下で力を止める役目をしています。 外側 抜ける 境目 止める 地肌 挟む 指で1本ずつ外へ ブラシはここまで 外側の層でやること 毛玉から外へ向けて抜く ブラシは外側だけに当てる 境目より内側でやらないこと 固まった面へブラシを入れる 根元を挟まずに引き上げる
止めているのは力ではなく、力が届く深さです。

この1本をほどく前に置くのは、毎日きれいにしてあげたい、という側から作られた1本だからです。犬も猫も体から脂を出すので、前の日に整えた被毛が翌日にはまた寄りはじめます。毎日シャンプーをする時間はありませんし、サロンへ毎日連れて行くこともできません。汚れの原因になる脂は落とし、セラミドやスクワランは残す設計なので、毛玉に向き合う週に毎日続けても、手順は1日目と同じままです。グルーミングスプレーでありブラッシングスプレーでもあるので、ほどき終えたあとの仕上げも同じ1本で続きます。

Cautionはさみを毛玉の下へ入れない

固まった毛玉の下には、引き上げられた地肌が一緒に持ち上がっています。毛玉だけを切るつもりで刃を入れると、地肌まで届きます。皮膚は薄く、切れても毛に隠れて出血が見えないことがあります。家で扱うのは、指とブラシが届く外側の層までです。境目より内側で固まっている毛玉は、はさみではなく、トリミングサロンで毛を短くしてもらう相談へ回してください。

外側・境目・地肌の3層で決める|毛玉をほどく順番

毛玉をほどく順番は、場所の順番ではなく、深さの順番です。体のどこから始めるかより、1つの毛玉のどの層から手を入れるかで、置く回数が変わります。層は3つに分かれます。

3つの層と、そこで使う手・使わない手
層手ざわり使う手ここで置いてしまいがちな瞬間
外側毛が1本ずつ動く指で外へ抜く早くほどきたくてブラシへ持ち替える
境目毛が束になって動く指で境目の位置を確かめるだけ束をまとめて引こうとして両手がふさがる
地肌の側毛が面で動く親指と人差し指で挟んで止める挟むのをやめて、毛玉を持ち上げて見る

犬でも猫でも、この順番は変わりません。変わるのは、外側の層がどれだけ厚いかです。下毛のある犬の背中は外側の層が厚く、指で抜ける毛が多いぶん90秒で進みます。猫の脇や内股は外側の層が薄く、すぐ境目に届きます。境目に早く届いた日は、そこで止めるのが正しい進み方です。進まないのではなく、その毛玉は家でほどける範囲の外側にあった、ということになります。

もう1つ、順番を守っていても置く回数が減らない場合があります。毛玉が1つではなく、隣り合って2つ以上あるときです。1つ目をほどいているあいだに2つ目が視界に入ると、確かめたくなって手が離れます。始める前に、今日ほどく毛玉を1つだけ決めて、指で軽く印をつけておきます。2つ目は明日の90秒に回します。

Caution置いた回数が減らないまま、毛玉の下が変わってきたとき

90秒で置く回数が4回から減らない日が続く/挟んだ指の下の地肌が赤い、熱をもっている/同じ場所に毛玉が何度も戻ってくる/ほどこうとすると声が出る、噛もうとする/毛玉の下から、かさぶたや湿った感じが出てくる。こうした変わり方は、ほどき方の問題として続けないほうが安全です。数えた回数と日付、毛玉のある場所を書いたものを持って、動物病院で皮膚のほうを見てもらう日をつくってください。何秒で、どの層で止まるようになったかが、そのまま伝わります。診てもらったあとも、外側の層までの手順はそのまま続けられます。

犬でも猫でも90秒で区切る|毛玉を引っぱらずに続けるコツ

続けるためのコツは、時間を延ばさないことに尽きます。90秒を3分にすると、置く回数はだいたい倍になります。手が疲れて挟む力が緩み、緩んだぶんだけ根元が引かれるからです。1日90秒を7日続けたほうが、1日10分を1回やるより、ほどけた量は多くなります。

1週間の組み立て方(毛玉1つあたり90秒)
日向き合う毛玉その日に見るところ翌日へ持ち越すもの
1日目いちばん外側がほぐれている1つ置いた回数区切った位置
2〜3日目同じ毛玉回数が減ったかどうか外側の層の残り
4日目同じ毛玉か、隣の1つ境目の位置が動いたか印をつけた場所
5〜7日目隣の1つ身をよじった回数翌週へ回す毛玉の数

回数が減りはじめると、減り方には順番があります。先に消えるのは、体勢を戻すために置いた1回です。次に、道具を持ち替えるために置いた回数が減ります。最後まで残るのは、毛玉の大きさを確かめたくて置く1回で、これは0にしなくてかまいません。目で確かめるための1回だけは、その子の側に戻りが起きない置き方ができます。挟んだ指をつけたまま、もう一方の手を離すだけにすれば、根元は引かれません。

ほどき終えた面は、そのままにせず、同じ1本を行き渡らせてから毎日のブラッシングへ戻します。ほどいた直後の毛は向きがそろっていないので、翌日また寄りはじめます。毎日のブラッシングのやり方が変わらないまま続いていれば、次の毛玉は小さいうちに指で見つけられます。

今夜は、毛玉を1つだけ決めて、90秒だけにします。数えるのは、ブラシを置いた回数だけです。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

毛玉をほどくとき、ブラシと指のどちらから始めるのが正しいですか。
指からです。ブラシから始めると、外側の毛と境目の毛をまとめて引くことになり、挟んでいる指より下へ力が届きます。指で外側の毛を1本ずつ外へ抜いて、毛の向きが見えてからブラシに持ち替えます。この順番にすると、ブラシを持つ時間そのものが短くなるので、置く回数も自然に減ります。ブラシの目が細かいものしか手元にない日は、指だけで90秒を終わらせても構いません。
90秒で区切ると、いつまでたっても終わりません。1日で終わらせてはいけませんか。
終わらせようとした日ほど、翌日の毛玉は大きくなります。長く向き合うと、その子は途中で身をよじり、よじった向きで毛がもう一度寄るためです。同じ毛玉に7日かけた場合と、1日で10分かけた場合を比べると、ほどけた量だけでなく、翌週に新しくできた毛玉の数が変わります。時間ではなく、置いた回数が3回を下回った日を目安にして、そこから隣の毛玉へ進んでください。
膝にのせられない大きさの子では、どこで挟めばいいですか。
床に座り、その子を横向きに寝かせて、自分の膝で背中側を支えます。挟む場所は変わりません。毛玉と地肌のあいだをつまむところまで同じで、変わるのは自分の姿勢だけです。大きい子ほど毛玉1つが厚いので、90秒で外側の層が終わらないことがあります。終わらなかった日は、どこまで進んだかを指で確かめて、その位置から翌日を始めます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。