C03使い方・お手入れ手順
毛玉をほどく順番|引っぱらないための手順
12月の夜、膝の上で1つの毛玉に向き合った90秒のあいだに、ブラシを太ももへ置いた回数は4回でした。置いたのは、指で毛を分けたいのに両手がふさがっていたからです。人の手は2本しかなく、毛玉の根元を押さえる手と、毛を外へ抜く手と、ブラシを持つ手で3本ぶんが要ります。引っぱらない毛玉のほどき方は、腕の力を弱めることではなく、この3本目が要る瞬間を減らす順番のことです。置いた回数が減った日は、同じ毛玉でも、その子が身をよじった回数まで一緒に減っていました。
1つの毛玉にブラシを置いた回数|毛玉のほどき方が引っぱりに変わる境目
毛玉のほどき方でいちばん先に数えたいのは、ほどけた本数ではなく、ブラシを手から置いた回数です。置くのは、手が足りなくなったときだけです。片手で毛玉の根元を押さえ、もう一方の手で毛を外へ抜き、そのあいだにブラシで境目を探そうとすると、手が1本足りません。足りない1本を作るために、ブラシを太ももへ置きます。置いた瞬間、根元を押さえていた手もいったん離れるので、毛玉は元の向きへ戻ります。
毛玉が引っぱられるのは、抜く力が強いときだけではありません。押さえていた手が離れて、毛玉が戻る向きに動いたときにも、根元では同じことが起きています。フェルトのように固まった毛玉は、毛が引っぱられた状態がそのまま続いている場所です。90秒のあいだに4回置いたということは、その子の背中では、4回ぶんの戻りが起きていたことになります。
| 置いた場面 | やりたかったこと | そのとき離れた手 | その子の側で起きたこと |
|---|---|---|---|
| 最初の10秒 | 毛玉の大きさを指で確かめる | 根元を押さえていた手 | 毛玉が体から浮いて、根元が引かれた |
| 30秒あたり | 外側の毛を1本ずつ分ける | ブラシを持っていた手 | 分けた毛がまた毛玉側へ戻った |
| 60秒あたり | その子の体勢を戻す | 両手とも | 向きが変わり、境目の位置が動いた |
| 終わりぎわ | ほどけた量を見る | 根元を押さえていた手 | 最後に押さえを外され、根元が引かれた |
表を見ると、4回のうち3回は、道具を持ち替えたくて置いていました。順番を組み直せば、この3回は置かずに済みます。残りの1回、体勢を戻すための中断だけは、座る場所と体勢を先に決めておくことで消せます。毛玉のほどき方を変えるというのは、力加減の話ではなく、この4回をどこまで削れるかという話です。
指を入れる前に1手だけ足します。mofuwa グルーミングスプレーを、これからほどく面に行き渡らせてから、指を入れます。この1本はブラッシングの前に使う1本なので、毛玉に指を入れる前という場面がそのまま当てはまります。乾いたままの被毛は、静電気で毛どうしが寄り、外側の毛を1本外したそばから隣の毛へ貼りつきます。うるおいのある状態で分けたほうが、分けた毛がその位置に残ります。
指2本で根元を挟んでから、外側の毛だけ抜く|引っぱらない毛玉の手順
手順は5つで、そのうち2つはブラシを持つ前に終わります。置き場所を決め、ほどく面へ行き渡らせ、指2本で根元を挟み、外側の毛から外へ抜き、90秒で区切ります。ブラシを持つのは4つ目に入ってからです。
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1|膝にのせて、ブラシは手の届く太ももの外側へ置いておく
ソファに浅く座り、その子を膝の上で横向きにします。立たせたままでは、根元を押さえた手とその子の重心が同じ側になり、身をよじるたびに押さえが外れます。ブラシは最初から太ももの外側に置いておきます。置く場所が決まっていないと、持ち替えのたびに置き場所を探すぶんだけ、手が体から離れます。
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2|指を入れる前に、ほどく面へ行き渡らせる
mofuwa グルーミングスプレーを、これからほどく面に行き渡らせます。手のひらに取ってからのせる形でもかまいません。還元水100%で、香料も色もアルコールも入っていないので、ほどく面に行き渡らせる量を気にせずに済みます。指を入れてから取りに立つと、押さえていた手が完全に離れ、そこまでの90秒が最初からになります。
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3|毛玉と地肌のあいだを、指2本で挟む
利き手ではないほうの親指と人差し指で、毛玉の根元側、地肌と毛玉のあいだをつまみます。つまむのは毛玉ではなく、毛玉の下にある毛の束です。ここを挟んでいるあいだは、外側でどれだけ毛を引いても、力が地肌まで届きません。この手は、90秒のあいだ一度も離しません。
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4|外側の毛から、外へ向けて1本ずつ抜く
もう一方の手の指で、毛玉のいちばん外側の毛を、毛玉から外へ向けて抜きます。ブラシを使うのは、外側がほぐれて毛の向きが見えてからです。ブラシは外側の層にだけ当て、固まっている境目より内側には通しません。境目へ入れると、先が地肌に届き、挟んでいる指より下を引くことになります。
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5|90秒で区切り、残りは翌日の同じ時刻へ
時計を見て90秒で手を止めます。ほどけ残っていても、そこで区切ります。同じ毛玉に長く向き合うほど、その子が身をよじる回数が増え、ブラシを置く回数も増えます。翌日の同じ時刻に、同じ毛玉の同じ側から再開します。区切った位置を覚えておけるのは、毎日同じ時刻にしているときだけです。
この1本をほどく前に置くのは、毎日きれいにしてあげたい、という側から作られた1本だからです。犬も猫も体から脂を出すので、前の日に整えた被毛が翌日にはまた寄りはじめます。毎日シャンプーをする時間はありませんし、サロンへ毎日連れて行くこともできません。汚れの原因になる脂は落とし、セラミドやスクワランは残す設計なので、毛玉に向き合う週に毎日続けても、手順は1日目と同じままです。グルーミングスプレーでありブラッシングスプレーでもあるので、ほどき終えたあとの仕上げも同じ1本で続きます。
固まった毛玉の下には、引き上げられた地肌が一緒に持ち上がっています。毛玉だけを切るつもりで刃を入れると、地肌まで届きます。皮膚は薄く、切れても毛に隠れて出血が見えないことがあります。家で扱うのは、指とブラシが届く外側の層までです。境目より内側で固まっている毛玉は、はさみではなく、トリミングサロンで毛を短くしてもらう相談へ回してください。
外側・境目・地肌の3層で決める|毛玉をほどく順番
毛玉をほどく順番は、場所の順番ではなく、深さの順番です。体のどこから始めるかより、1つの毛玉のどの層から手を入れるかで、置く回数が変わります。層は3つに分かれます。
| 層 | 手ざわり | 使う手 | ここで置いてしまいがちな瞬間 |
|---|---|---|---|
| 外側 | 毛が1本ずつ動く | 指で外へ抜く | 早くほどきたくてブラシへ持ち替える |
| 境目 | 毛が束になって動く | 指で境目の位置を確かめるだけ | 束をまとめて引こうとして両手がふさがる |
| 地肌の側 | 毛が面で動く | 親指と人差し指で挟んで止める | 挟むのをやめて、毛玉を持ち上げて見る |
犬でも猫でも、この順番は変わりません。変わるのは、外側の層がどれだけ厚いかです。下毛のある犬の背中は外側の層が厚く、指で抜ける毛が多いぶん90秒で進みます。猫の脇や内股は外側の層が薄く、すぐ境目に届きます。境目に早く届いた日は、そこで止めるのが正しい進み方です。進まないのではなく、その毛玉は家でほどける範囲の外側にあった、ということになります。
もう1つ、順番を守っていても置く回数が減らない場合があります。毛玉が1つではなく、隣り合って2つ以上あるときです。1つ目をほどいているあいだに2つ目が視界に入ると、確かめたくなって手が離れます。始める前に、今日ほどく毛玉を1つだけ決めて、指で軽く印をつけておきます。2つ目は明日の90秒に回します。
90秒で置く回数が4回から減らない日が続く/挟んだ指の下の地肌が赤い、熱をもっている/同じ場所に毛玉が何度も戻ってくる/ほどこうとすると声が出る、噛もうとする/毛玉の下から、かさぶたや湿った感じが出てくる。こうした変わり方は、ほどき方の問題として続けないほうが安全です。数えた回数と日付、毛玉のある場所を書いたものを持って、動物病院で皮膚のほうを見てもらう日をつくってください。何秒で、どの層で止まるようになったかが、そのまま伝わります。診てもらったあとも、外側の層までの手順はそのまま続けられます。
犬でも猫でも90秒で区切る|毛玉を引っぱらずに続けるコツ
続けるためのコツは、時間を延ばさないことに尽きます。90秒を3分にすると、置く回数はだいたい倍になります。手が疲れて挟む力が緩み、緩んだぶんだけ根元が引かれるからです。1日90秒を7日続けたほうが、1日10分を1回やるより、ほどけた量は多くなります。
| 日 | 向き合う毛玉 | その日に見るところ | 翌日へ持ち越すもの |
|---|---|---|---|
| 1日目 | いちばん外側がほぐれている1つ | 置いた回数 | 区切った位置 |
| 2〜3日目 | 同じ毛玉 | 回数が減ったかどうか | 外側の層の残り |
| 4日目 | 同じ毛玉か、隣の1つ | 境目の位置が動いたか | 印をつけた場所 |
| 5〜7日目 | 隣の1つ | 身をよじった回数 | 翌週へ回す毛玉の数 |
回数が減りはじめると、減り方には順番があります。先に消えるのは、体勢を戻すために置いた1回です。次に、道具を持ち替えるために置いた回数が減ります。最後まで残るのは、毛玉の大きさを確かめたくて置く1回で、これは0にしなくてかまいません。目で確かめるための1回だけは、その子の側に戻りが起きない置き方ができます。挟んだ指をつけたまま、もう一方の手を離すだけにすれば、根元は引かれません。
ほどき終えた面は、そのままにせず、同じ1本を行き渡らせてから毎日のブラッシングへ戻します。ほどいた直後の毛は向きがそろっていないので、翌日また寄りはじめます。毎日のブラッシングのやり方が変わらないまま続いていれば、次の毛玉は小さいうちに指で見つけられます。
今夜は、毛玉を1つだけ決めて、90秒だけにします。数えるのは、ブラシを置いた回数だけです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 毛玉をほどくとき、ブラシと指のどちらから始めるのが正しいですか。
- 指からです。ブラシから始めると、外側の毛と境目の毛をまとめて引くことになり、挟んでいる指より下へ力が届きます。指で外側の毛を1本ずつ外へ抜いて、毛の向きが見えてからブラシに持ち替えます。この順番にすると、ブラシを持つ時間そのものが短くなるので、置く回数も自然に減ります。ブラシの目が細かいものしか手元にない日は、指だけで90秒を終わらせても構いません。
- 90秒で区切ると、いつまでたっても終わりません。1日で終わらせてはいけませんか。
- 終わらせようとした日ほど、翌日の毛玉は大きくなります。長く向き合うと、その子は途中で身をよじり、よじった向きで毛がもう一度寄るためです。同じ毛玉に7日かけた場合と、1日で10分かけた場合を比べると、ほどけた量だけでなく、翌週に新しくできた毛玉の数が変わります。時間ではなく、置いた回数が3回を下回った日を目安にして、そこから隣の毛玉へ進んでください。
- 膝にのせられない大きさの子では、どこで挟めばいいですか。
- 床に座り、その子を横向きに寝かせて、自分の膝で背中側を支えます。挟む場所は変わりません。毛玉と地肌のあいだをつまむところまで同じで、変わるのは自分の姿勢だけです。大きい子ほど毛玉1つが厚いので、90秒で外側の層が終わらないことがあります。終わらなかった日は、どこまで進んだかを指で確かめて、その位置から翌日を始めます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
