C04悩み解決
シニア期の毛玉|若い頃と同じケアでは追いつかない
シニア期の毛玉は、毎回ほとんど同じ場所にできます。体をひねる動作が減り、自分で届く範囲が狭くなり、寝ている時間が長くなる。この3つが重なった場所です。若い頃と同じ頻度でブラシを入れているのに毛玉が追いつかないのは、届かない場所が先に決まってしまうからです。やり方を増やすのではなく、組み替える話になります。
毛質より、動きの変化が効いている
毛玉は、抜けた毛が抜けきらずに残り、そこに周囲の毛が絡んでできます。だから増えるのは、毛が増えたからではなく、抜けた毛が残るようになったからです。
-
体をひねる動作が減る
犬も猫も、若いうちは自分で背中側まで手入れができます。関節が硬くなると、まずこの動作から減ります。猫の場合はグルーミングそのものの回数も減るので、影響が大きく出ます。
-
寝ている時間が長くなる
同じ姿勢で床に接している時間が増えると、その面の毛は押しつぶされ、こすれます。横向きで寝る子は脇と腰、うつ伏せの子は胸元。接している場所から毛玉ができ始めます。
-
毛が細く、絡みやすくなる
毛質の変化も確かにあります。ただしこれは3つのうちのひとつで、しかも変えられません。手を打てるのは、上の2つのほうです。
つまり対処すべきは毛ではなく、届かなくなった場所です。ここを取り違えると、ブラシを変えても手ごたえが出ません。
できる場所は、決まっている
毛玉が全身に均等にできることはありません。次の場所に集中します。
| 場所 | 理由 |
|---|---|
| 脇の下 | 前足の動きで毎日こすれ、しかも自分では届かない |
| 内股・後ろ足の付け根 | 皮膚が接していて乾かず、動くたびに絡む |
| 首の下・胸元 | 首輪が当たる。うつ伏せで寝る子は床にも接する |
| 背中の後ろ半分・腰 | 体をひねらないと届かない。寝ているときに押しつぶされる |
| 耳のうしろ | 毛が細く、絡みやすい。こすりつける動作が加わる |
この5か所を先に決めておけば、全身をくまなく探す必要はありません。ケアの時間を、できる場所に集中させるほうが、シニア期には現実的です。
集中させる先が決まると、道具も1つで足ります。mofuwa グルーミングスプレーは、洗い流さずに使う無香料のケアスプレーで、横になっている子の上側にひと吹きして、そのままコームを通す使い方ができます。毛が寝るぶん静電気が起きにくく、細くなった毛が浮き上がらないので、歯が根元まで届きます。シニア期に差が出るのは、ブラシの種類より、毛が動く状態にしてから歯を入れることのほうです。
その子の毛玉のできる場所は、たいてい毎回同じです。1週間に1回、その5か所だけ指で確かめると決めてください。小さいうちなら、ブラシを入れずに指でほぐせます。
できてしまった毛玉を、どこまで扱ってよいか
毛玉には、家庭で扱ってよいものと、そうでないものがあります。判断の基準は皮膚から浮いているかどうかです。
- 指で持ち上がる、下に隙間がある:根元をつまんで支えながら、毛先の側から少しずつほぐせます
- 皮膚に密着していて動かない:家庭で扱う範囲を超えています。無理に引っ張らないでください
- 硬いフェルト状になっている:ほぐすことはできません。トリマーや動物病院に相談してください
- 下の皮膚が赤い、湿っている:毛玉の下で状態が変わっています。取ることより先に相談してください
毛玉を切ろうとして皮膚を切ってしまう事故は、非常に多く起きています。シニア期は皮膚が薄く、毛玉と一緒に皮膚が持ち上がります。切る必要がある場合は、バリカンを使えるトリマーか動物病院にお願いしてください。
ほぐす場合も、根元を指でつまんで皮膚が引っ張られないように支えるのが必須です。毛先の側から、少しずつ。1回で終わらせようとせず、日を分けてください。
ブラシより先に、指で5か所
立たせずに、片側ずつ。全身を一度に終わらせようとしないのが、続けるための条件です。
-
上になっている側の5か所を、指で確かめる
脇、内股、首の下、腰、耳のうしろ。小さな絡みがあれば、この時点で指でほぐします。ブラシより先に指です。
-
乾いた状態でブラシを入れる
毛の流れに沿って、毛先の側から。根元に一気に入れないでください。皮膚に当たる圧をできるだけ弱くして、短いストロークで進めます。
-
絡みが強い場所は、根元を軽く湿らせる
湿らせると毛どうしのすべりが変わり、ほぐしやすくなります。ただし濡らしすぎると乾かす手間が増えるので、根元が軽く湿る程度に。
-
ほぐしたら、押さえて拭き、乾かす
湿ったまま残すと、そこがまた絡みます。乾いたタオルで押さえ、指を入れて湿り気がなくなるまで乾かしてください。
-
翌日、反対側を同じ手順で
体位を変える負担そのものが減ります。2日で1周と考えれば、無理なく続きます。
手順3で根元を湿らせるところは、グルーミングスプレーが担えます。お風呂そのものが負担になる子には、立たせずに済む形が要ります。横になったまま上側だけを整えて、翌日は反対側。体位を変えるのは1日1回で足ります。舐めても問題のない水質の基準でつくられているので、胸元や前足のように口が届く場所でも、使う量を控える必要がありません。
任せたほうがよい状態
シニア期は、家庭で頑張りすぎないほうがよい場面が増えます。次のような状態なら、迷わず任せてください。
毛玉が皮膚に密着して動かない、広い範囲がフェルト状になっている、毛玉の下の皮膚が赤い・湿っている・においがする、触ると痛がる、短期間で急に毛玉が増えた。いずれかに当てはまるときは、自己判断で取ろうとせず、トリマーまたは動物病院にご相談ください。
とくに短期間で急に増えた場合は、毛玉そのものより、その背景にある変化を見たほうがよいことがあります。自分で手入れをしなくなった、体をひねらなくなった、寝ている時間が急に増えた。こうした変化は、痛みや体調の変化のサインであることがあります。
持病がある子、手術のあとの子は、ケアの内容と時間について先にかかりつけの獣医師に確認してください。触れてよい範囲を教えてもらえれば、家庭でできることの線が引けます。
シニア期のケアは、やることを増やす話ではなく、置き場所を決める話です。上になっている側の5か所に指を入れ、絡みがあればその場でほぐし、スプレーで毛の向きを整えてから梳かす。翌日は反対側。2日で1周が回っているあいだ、毛玉は育ちません。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 毛玉ができたら、はさみで切ってもいいですか?
- おすすめしません。毛玉と一緒に皮膚が持ち上がるため、切ってしまう事故が起きやすい方法です。とくにシニア期は皮膚が薄くなっています。切る必要がある場合は、トリマーか動物病院にお願いしてください。
- 猫が自分で毛づくろいをしなくなりました。毛玉が増えるのは仕方ないですか?
- 毛玉は増えますが、その前に「なぜしなくなったか」を確かめてください。関節の痛み、口の中の不調、体調の変化が背景にあることがあります。急に減ったときは、先に動物病院で相談してください。そのうえで家では、上になっている側の5か所を指で確かめ、絡みが小さいうちに指でほぐすところまでにとどめると、触られること自体の負担が増えません。
- ブラシを嫌がります。どうすればいいですか?
- まず、痛くない状態から始めてください。毛玉がある場所にブラシを入れれば、引っ張られて痛みます。指でほぐせる小さな絡みを先に取り、1回5分以内、横になったまま片側だけ。嫌がる原因が痛みなら、道具を変えるより手順を変えるほうが効きます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
