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犬と猫の同居、多頭飼いの人はどうしている?

公開日 2021年1月2日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの入る部屋で、淡い色の犬と白い猫が同じ床の上で休んでいる
同じ床を使っていても、人の手が入る量は種で違います。分けるのは愛情ではなく、道具と順番です。写真:Muhammad Khawar Nazir/Pexels

ブラシを持って座ると、犬は自分から体を寄せてきて、猫は同じ部屋の棚の上から見ています。犬と猫の同居を始めて最初に戸惑うのが、この差です。犬の手入れは、人がブラシを入れてはじめて成立します。猫の手入れは、その子が自分の舌で済ませてしまい、人の手はそのあとに少し足すだけで足ります。手入れの主語が、種で違う。多頭飼いの家でうまくいかない原因のほとんどは、この一点を同じ扱いにしていることから来ています。この記事では、なぜそうなるかを先に整理して、そのうえで種の順番で組む手順を書きます。道具を使い回さない、猫を先にする、犬のにおいを猫に運ばない。この3つが柱です。

手入れの主語が種で違う|犬と猫の同居で、多頭飼いの家でできること

犬と猫の同居を始めると、道具の話より先に、時間の使い方でつまずきます。犬には毎日ブラシを入れ、帰宅後には足先を拭き、月に一度は洗います。人が手を入れた量が、そのまま毛と皮膚の状態になります。猫はそうではありません。起きている時間の何割かを毛づくろいに使い、人が何もしなくても、毛は寝て、においも落ち着いています。

この差は性格の話ではなく、体のつくりから来ています。猫の舌には細かい突起が並んでいて、それ自体がブラシとして働きます。犬の舌にはその作りがなく、届く範囲も限られます。犬は自分で自分の毛を整える道具を持っていません。だから人が代わりにやる。猫は持っているので、人は減った分だけ足す。多頭飼いで犬と猫が同居していると、この2つの前提が同じ家の中に並びます。

犬と猫で、手入れの前提がどう違うか
犬猫
手入れの主語人。入れた量が結果になりますその子自身。人はあとから足します
毎日の人の手ブラシと拭き取り。習慣として要ります触れる時間。量より回数の少なさが効きます
外から持ち帰るもの多い。散歩で地面と草に触れています室内であれば、ほとんどありません
水への許容個体差はあるが、使える子が多い使えない子が多い。濡らせない前提で組みます
においの出方全身から。湿ると強くなります局所的。口のまわりと後ろに寄ります
人の手が増えたときたいてい良い方向に働きます毛づくろいと重なり、触りすぎになります

右の列の最後の行が、犬と猫の同居でいちばん見落とされます。犬に効いた手を、そのまま猫にも足してしまう。猫にとっては、その日すでに自分で済ませた場所を、人がもう一度こすっていることになります。多頭飼いで猫のほうだけ毛の状態が落ち着かない、というときは、手が足りないのではなく、多いことがあります。

では、多頭飼いの家でできることは何か。犬と猫で、手を入れる量を分けることと、順番を決めることの2つです。量を分けるのは、いま見た前提の違いから。順番を決めるのは、次のセクションで書く「においが運ばれる向き」からです。この2つを決めてしまえば、道具の数も時間の割り方も自然に決まります。

Note仲がいいかどうかとは、別の話です

犬と猫の同居では、2頭の関係のほうに目が行きます。ただ、毎日のケアに関しては、仲がよくても悪くても組み立ては変わりません。同じ床とソファを使っている、という事実だけが条件です。関係が良好なほど体を寄せる時間が長くなるので、むしろ運ばれるものは増えます。仲のよさは、順番を決める理由になっても、順番を省く理由にはなりません。

猫を先にする順番|犬と猫の同居で、帰宅後のケアを組む4つの手順

順番の結論から書きます。猫が先、犬が後です。理由は1つで、人の手とにおいが、犬から猫へは運ばれるのに、猫から犬へはほとんど問題にならないからです。犬は外から地面と草のにおいを持ち帰ります。それを触った手で猫に触ると、猫は自分の体についた知らないにおいを落とすために、毛づくろいの時間を増やします。逆の向きでは、これが起きません。多頭飼いの帰宅後は、この向きに沿って組みます。

  1. 手順1:玄関に上がる前に、犬の外側を落とす

    室内に入れる前に、足の裏、足先、腹側の順で乾いた布を当てます。ここで落としきれなかったものは、そのあと室内のどこかに置かれます。犬と猫の同居では、その置き場所が猫の通り道と重なります。玄関でかかる時間は1分で足ります。時間をかけるより、上がる前に必ずやることのほうが効きます。

  2. 手順2:手を洗ってから、猫のところへ行く

    犬の足を触った手には、外のにおいが残っています。石けんで洗うのは、猫に触る前の1回だけで構いません。帰宅後の順番でここを飛ばすと、あとの手順をどれだけ丁寧にやっても、においは猫まで届きます。多頭飼いで道具を分けても効果が出ないときは、たいてい手のほうが分かれていません。

  3. 手順3:猫には、短い時間だけ手を入れる

    背中に手のひらを2〜3回、ブラシなら1〜2往復。猫の側は、量ではなく毎日そこにあることのほうが条件です。顔の横や耳のうしろなど、その子が自分で届きにくい場所だけを担当してください。届く場所は本人がやります。ここを人がやると、その日の毛づくろいと重なります。

  4. 手順4:最後に犬に時間を使い、そのまま終わる

    犬のブラッシングと拭き取りは、ここでまとめて済ませます。この順番なら、犬を触ったあとに猫へ手が伸びることがありません。終わったら道具を犬用の置き場に戻して、その日は終了です。多頭飼いで一日の流れを決めておくと、頭数が増えても順番だけは変わりません。

帰宅後5分を、犬と猫でどう割るか
順誰に使う時間何をするか
1犬(玄関)約1分足の裏と足先、腹側を乾いた布で落とす
2人の手約30秒石けんで洗う。ここで種をまたぎます
3猫約1分耳のうしろと顔の横に、短く手を入れる
4犬(室内)約2分ブラシと拭き取り。時間はここに寄せます

この割り方で気づいていただきたいのは、猫に使う時間がいちばん短いことです。多頭飼いだと、手をかけていない子に申し訳なさを感じます。けれど猫の側は、短いほうが噛み合います。5分のうち3分が犬に、1分が猫に、残りが手洗いと道具の置き直しに使われる。犬と猫の同居では、これが偏りではなく、種に合わせた配分です。

Point順番は、頭数が増えても変わりません

犬2頭と猫1頭、犬1頭と猫3頭。多頭飼いの組み合わせは家によって違いますが、猫を先に、犬を後に、あいだで手を洗うという骨格は変わりません。同じ種の中では、外に出た子を最後にしてください。犬が2頭いるなら、散歩に行っていないほうを先にします。順番の理由が「においが運ばれる向き」である以上、判断はいつも同じ形になります。

道具を使い回さないコツ|犬のにおいを猫に運ばない3か所

順番を決めても、うまくいかないことがあります。犬と猫の同居でつまずくのは、いつも同じ3か所です。道具、手、場所。どれも「運ばれる向き」を作ってしまう場所で、順番の外側にあります。1つずつ、代わりの手と一緒に書きます。

  1. つまずき1:ブラシを1本で使い回している

    毛が残っていなくても、においは歯の付け根に残ります。犬に使ったブラシを猫に入れると、猫はそのあと自分で毛づくろいをして落とそうとします。コツは、道具を分けるのではなく、置き場所を分けることです。2本買っても、同じ引き出しに並べておくと、手に取るのは近いほうになります。犬用は玄関の棚、猫用はリビングの引き出し、と場所で決めてください。色を変えるより確実です。

  2. つまずき2:犬を触った手で、そのまま猫を触っている

    多頭飼いの毎日で、いちばん起きやすいのがこれです。犬のブラッシングが終わって、足元に来た猫をつい撫でる。手は、道具より高い頻度で種をまたぎます。コツは、犬のケアを終えた場所から立ち上がる前に手を洗うと決めることです。順番を守れなかった日は、猫に触るのを次の機会に回して構いません。触らない選択は、猫にとって損ではありません。

  3. つまずき3:猫のケアを、犬が見ている場所でやっている

    犬は寄ってきます。寄ってくると、猫は途中でやめて移動します。コツは、高さを変えることです。猫を棚の上や椅子の座面に迎えて、犬の目線より上でやる。部屋を分ける必要はありません。犬と猫の同居では、同じ室内のまま高さだけをずらすほうが、毎日続きます。

毎日のブラッシングと組んで使う道具が、mofuwa グルーミングスプレーです。犬には室内へ上がってから背中と胸に直接吹きかけて、ブラシを入れる前に毛の流れに沿って一度なでます。ブラッシングスプレーでもあるので、静電気で毛が立つ季節ほど梳かしやすくなります。猫は霧の音を嫌う子が多いので、猫用の布に出してから、耳のうしろと顔の横へ。舐めても問題のない基準でつくられているため、毛づくろいで口に入る前提の猫にも、かける量を気にせずに使えます。グルーミングスプレーは種をまたいで1本で足りるので、多頭飼いで分けるのは布のほうだけです。

布を分けるときは、洗ったあとの保管場所も分けます。一緒に洗って一緒にたたむと、乾いているあいだに触れ合って、においが移ります。犬用の布は玄関の棚、猫用の布はリビングの引き出し。道具と同じ場所に置いておけば、迷いません。多頭飼いで続かなくなる原因は、手間が多いことより、その場で判断が必要なことのほうです。

Caution猫のケアに、犬用のものをそのまま使わないでください

犬用として売られているものの中には、猫が口にすると具合の悪くなる成分が入っていることがあります。猫は毛づくろいで全身をなめるので、体につけたものは、ほぼそのまま口に入ります。多頭飼いで道具を減らしたくなっても、体につけるものだけは、犬猫どちらにも使えると書かれているかを確かめてから使ってください。迷ったときは、猫には水も何もつけず、乾いた手だけにしておくのが確実です。

頻度は種でそろえない|犬と猫の同居で、毛づくろいの時間から見る線

最後は頻度の話です。犬と猫の同居で、いちばんやりがちなのが、2頭の頻度をそろえようとすることです。犬に毎日ブラシを入れているから、猫にも毎日。犬を月に一度洗っているから、猫も。ここは、そろえないほうが噛み合います。

犬と猫で、頻度の目安を分ける
犬猫
ブラッシング毎日。抜け毛の時期は朝晩週に2〜3回。長毛なら毎日、短く
帰宅後の拭き取り外に出た日は毎回外に出ないなら不要です
洗うその子の状態に合わせて基本は洗いません。汚れた場所だけ
人が触れる時間長くても構いません短く、毎日同じ時間に
道具を替える毛の量に合わせてその子が逃げない形のものだけ

この表の右側を見て、猫に手をかけていないように感じるかもしれません。ただ、猫の側の毎日は、人が触れた時間ではなく、その子が自分で毛づくろいできているかで決まります。だから多頭飼いで猫を見るときは、ブラシを入れた回数ではなく、毛づくろいの時間が増えていないか、減っていないかを見てください。ここが、犬と猫の同居で変化に気づける場所です。

Caution2頭のうち1頭だけに出ている変化

地肌が赤い、じくじくしている、においが強く残る、同じ場所をなめ続けている、毛が抜けて地肌が見えている、触ると痛がる、食欲や元気が落ちている。犬でも猫でも、いずれかに当てはまるときは、道具や頻度を変える前に、動物病院にご相談ください。多頭飼いでは、1頭に起きたことを他の子でも確かめてもらうと、そのあとの毎日が組みやすくなります。同居している頭数と種を伝えるだけで、見てもらう範囲が変わります。

犬と猫の同居は、手間が2倍になる暮らし方ではありません。手を入れる量が違う2種を、同じ順番の中に置く暮らし方です。猫を先にして、あいだで手を洗い、犬に時間を寄せる。道具と布は場所で分ける。頻度はそろえない。この4つだけ決めておけば、多頭飼いの帰宅後は5分で終わります。残りの時間は、2頭が同じ床で寝ているのを見るために使ってください。

Product

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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

先住が犬で、あとから猫を迎えました。ケアの順番は変えたほうがいいですか?
迎えた順ではなく、外に出るかどうかで決めてください。外に出る子を最後にする、というのが順番の理由です。犬が先住でも、散歩に行くのが犬なら、猫を先にして犬を後にします。新しく迎えた猫が家に慣れるまでは、触れる時間をさらに短くして、同じ時間帯に同じ場所へ手を入れることだけ続けてください。
犬と猫が同じソファで寝ています。毛が混ざるのは気にしなくていいですか?
毛そのものは、掃除の話として扱って構いません。気にしていただきたいのは、犬が外から持ち帰ったものが布に残り、そこに猫が体を預けることのほうです。カバーを週に一度替える、猫がよく使う側にだけ薄い敷物を1枚足す。布を1枚はさむだけで、多頭飼いの同居はずいぶん扱いやすくなります。
猫が自分で毛づくろいをするなら、人はブラシを入れなくていいのでしょうか?
自分で届く場所は本人に任せて構いません。人が担当するのは、耳のうしろ、顔の横、肩の後ろなど、その子の舌が届きにくい場所です。年齢が上がると届く範囲が狭くなるので、人が足す範囲は少しずつ広がります。回数を増やすのではなく、担当する場所を増やす、という考え方で足してください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。